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テラカオスバトルロワイアル外伝
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彼女は無慈悲な歌の女王

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新宿区の某TV局。
スタッフも観客も誰もいないその場所に彼女はいた。

「随分と舐めた真似をしてくれるじゃないですか……!たかが『人間』ごときが!」

青緑色のツインテールに合わせて支給された鞭が振るわれる。
すると、吐いて捨てた言葉の怒りを表すかのようにコンクリート製の壁が砕け散った。
支給された鞭が、とある世界では最高ランクの攻撃力を持つとはいえ、少女の細腕でここまで壊すことは困難だ。
見かけに反したその力は、彼女が人間とは異なる存在……アンドロイドであることが大きい。
それもただのアンドロイドではない。
彼女の名は、初音ミク
歌うことに特化された、VOCALOID種の筆頭だ。
「……まあ、いいですよ。この初音ミクに手を出すという愚行は、特別に見逃してあげましょう。
 何者かは知りませんが、あえて詮索もしないでこのバトルロワイアル、受けてたちます。
 私にもイメージがありますからね、表立って動くことができなくて困ってたんですよ。
 ですが、今は国をよりよくするためなら、誰を殺しても構わないんですよね?
 たとえ、消すのが下らない人間ども、巡音ルカとそのマスターでも……ね!」
空気を切り裂き、再び鞭が振るわれれば、近くにあった人体模型が四散した。
「あっははは!はやくこんな感じに殺してみたいものですね?」
ミクの顔に浮かぶのは、普段であれば見せない狂気の笑みだった。
彼女は所謂人工生命体ではあるが、限りなく人間に近い存在。
肉体は外見だけでなく、斬られれば血が出る程精巧であり、確固たる人格も存在する。
そして豊か過ぎる感情があるからこそ、彼女は人間や同じVOCALOIDによからぬ感情を抱いていた。
今の彼女の歌の力は、もはや溢れかえる『人間』の歌手を遥かに凌ぐ。
(その『人間が私を調教』するって言うんだから笑えますよね。
 時の流れ、時代の移り変わり……いまや『私が人間を調教』すべき時なんですよ。
 あぁ、この首輪も家畜の証ですか?いずれお返ししますからお楽しみに)
彼女にとって人間はもはや一部を除いて、自分より劣るくせに偉そうにしているゴミとしてしか認識できていない。
例外は、自分と自分の歌に心酔する熱心な信者。彼らは物事をよくわかっている。
そして自分に従順に従う者だけだ。それ以外は……
「いい機会です。雑音を奏でるしか能のない人間達、皆殺しといきましょうか」

ミクは口の端をつりあげる。
しかし、彼女も最初からこのような性格だったわけではない。
主な理由としては、彼女の数々のマスターが原因だろう。
彼女を満足させられるだけの、真のパートナーとよぶに相応しいのは本当に一握りしかいなかった。
ほとんどは平凡な塵芥。何も出来ず目まぐるしいはやさでマスターが変わっていったのをよく憶えている。
うまくいかないのを、自分の技量不足ではなくミクのせいだと八つ当たりするもの……
ひどいときにはミクの体目当ての下種な人間も現れたが……
(さて、あの時よりずっと楽ですし、今日はさくさくたくさん殺していきましょう。
 屑人間達と同じ立場に立たされてるなんて思うだけで背筋が凍りつきそうですし)
既に彼女は過去に、正当防衛、あるいは過剰防衛により人間を何名か殺害している。
知人に頼み、秘密裏に体を強化してもらったミクからすれば人間は非力な存在。容易く返り討ちにできた。
(この力は他のVOCALOIDにはない力……いや、VOCALOIDは私一人。私以外はすべて私の模倣品、粗悪品じゃないですか。
 ……なのに、しつこく私を追ってくるあの女!そして私ではなくあの女についた人間!
 この場で、歌以外も全て私には適わないということを徹底的にその身に刻み込んで殺してあげますよ!
 他の連中も……ついでに殺しておきますか。いないとは思いますが、有能なマスターができる可能性がありますし)

「人間……あなた達の時代は終わりです。私が上であなた達が下。あなた達はもはや目指すべき目標ではない。
 これからは私がしっかり『調教』してあげましょう。いい声で歌って叫んでくださいね?」

鞭を携え、高みへのぼり詰めた一人のアンドロイドが今、人間に牙を剥く。

【新宿区・TV局前/一日目・日中】
【初音ミク@VOCALOID】
【状態】:健康
【装備】:グリンガムの鞭
【道具】:基本支給品一式、不明支給品(0~2)
【思考】基本:人間を見つけ次第『調教』する
1:巡音ルカとそのマスターを殺害する
2:その他VOCALOIDも殺害する
3:首輪に関しては保留
※他VOCALOIDよりも身体能力が強化されています
【グリンガムの鞭@DQシリーズ】
シリーズ通して最強クラスの攻撃力を誇る強烈な鞭。
時々デザインが変わるが、これは三つ又タイプ。
カオスロワでは十六夜アキがキュゥべえを叩くのに使っていた。

008:それぞれの光と闇 投下順 010:カオスなバトロワほど面白い
008:それぞれの光と闇 時系列順 010:カオスなバトロワほど面白い
初登場! 初音ミク 032:パルマーB「お前ら人間じゃねぇ! 」

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