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テラカオスバトルロワイアル外伝
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もう一人の私へ

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殺し合いに巻き込まれることなど人生で一回もあれば多過ぎると言っていいところだろうが、
二回目ともなるともう何と言っていいのやらというところである。
文字通りの意味で命懸けであのワケのわからない殺し合いとかいうのから脱出出来たと思ったら、まさか振り出しに戻されるとは。
私は見知らぬ公園で一人ため息をついて空を見上げていた。
二回目ともなると多少は肝も座ってくるもので、私は自分の運命を呪うのはそこそこにしておいて今の状況に思いを馳せることにした。
「これはリピーター、ってことになるのかしらねえ?」
冗談じゃない、と言ってみたって始まるまいが、なぜこの私が選ばれたのかという点は大いに気になった。
私は確かに嘗てパロロワと呼ばれているネット上の企画で書き手と呼ばれていた。
だが今は見ることはあっても書く事はもうほとんどなくなっている。
その理由はまず、私が最初に書き手として参加した初代カオスロワの終結直後に、本物の殺し合いに参加させられてしまったこと。
そしてもう一つは、その殺し合いから私が生還してからしばらく経って、パロロワ界の中で私の使っていたトリが一人歩きをしはじめたからである。
『本物の』私は見ての通りの女子大生。だけどネット上では私は何故か大学生くらいの男の子ということになっていた。
私は男になった自分が活躍するいくつかのロワを不思議な気持ちで見ていた。
別に不快感は無かったし、それなりに楽しんだのも事実ではある。
しかし同時に私は、私の居場所が無くなってしまったかのような不思議な寂しさを味わってもいた。
ロワの中でみんなの注目を集め、笑われ、声援を浴びているのは私と同じ名前を持ってはいても私と同じ人間ではもちろんない。
今や私の使っていたトリップはこの現実世界にいる私ではなく、仮想世界の中で生きている彼を指すものでしかなくなっていた。
なので私は、書くことをやめた。


それからしばらくして、再びこんなことになろうとはもちろん思いもせずに。


私は一体どう動けばいいんだろう。もう一人の私とも言うべき『彼』がそうするであろうように、対主催として八面六臂の活躍をする?
ご冗談。現実の私は何の力もないただの女だ。
あー、いや、一つだけ……たった一つだけ他の誰も持っていない力がある。
前の殺し合いの中で、仲間に教えて貰った技。しかしあの技一つで果たしてどこまで戦えるのだろうか。
そもそも私に何かを期待している人なんかいるんだろうか。
もし仮にここにも『彼』が来ていたら、読者の注目はそちらに行くであろう。
私が対主催になろうがマーダーになろうが、それは彼らの興味の埒外のはずだ。これでは頑張る気にもならない。
まあ何もせず死ぬのも癪だし、せいぜい目障りにならない程度に穏健派っぽく動き回ろうか。
そんなことを思いながら、腰を浮かした時だった。


その場面に遭遇したのは本当にものすごい偶然としか言いようがない。
私の座っていた場所からは見下ろすくらいの低地にある小道。
セーラー服のスカートをはためかせながら走ってきたのはおそらく高校生くらいのショートの女の子、見覚えはあるようだけど思い出せない。
その後ろから走ってきたのは……あちらは見間違えまい。日本人ならおそらく大部分が知っている顔だ。
しかしリアルで見ると本当にすごい唇だ。
例え名前は知らなくても顔に見覚えのある人は多いはずだ。いや、今は彼の名前や素性が問題な訳じゃない。
彼が鬼気迫る顔で、武器を手に女子高生を追いかけまわしているってことだ。
いや、あれは武器だよね? 多分。一応、あれを手に持って襲ってるんだし。

さて、思いもよらない展開とはこのことだ。このまま見過ごすのも目覚めが悪い。かといってこっちも非力な女だ。
せめて……
と、そこまで思ってはっと気付いた。ありうる。それはありうる展開だ。
私は今になってようやく自分に支給されたカバンの中に手を入れて、自分に支給された武器を確認した。
ビンゴ。主催者の「いきなはからい」か、単なるご都合主義か、そんなのはどっちでもいい。
私は決心をつけきる前にもう走り出していた。

突如自分と女子高生との間に割って入ったツインテールの女を見て、彼は驚いたようだった。
しかし彼が本当に驚いたのは、私が次の言葉を口にしてからだったろう。


「I am the bone of my walnut.  (体はクルミで出来ている)
Steel is a nutshell,and fire is contents.  (カラは鉄で 中身は硝子)
I have a good harvest over a thousand dry weather.  (幾たびの日照りを越えて豊作)
Unknown to worm-eaten.  (ただの一度も虫食いはなく)
Nor Cooc to Life.  (ただの一度も調理されない)
Have withstood pain to create many walnut.  (彼の者は常に独り、クルミの森で勝利に酔う)
Yet,those hands will never hold anything.  (故に、生涯に意味はなく。)
So as I pray,unlimited walnut works.  (その体は、きっとクルミで出来ていた。)」

呪文の詠唱を終えた時、そこには一面の胡桃の森が広がっていた。
その木々に成るのは、いずれ劣らぬ形・大きさともに最良の胡桃。

「ゆくぞ海山商事営業。卵の貯蔵は十分か」

驚愕に目を丸めているであろう女子高生を背中に庇いながら、私はある高揚感に襲われていた。
戦いの感覚を喜んでいるなんてわけではない。人を守る使命を果たせる充実感とも違う。

今この少女を守ることは、間違いなくこの私にしか出来ないことだったからだ。

「じゃ、邪魔をするなあああああああ!!」

彼、アナゴさんは鬼気迫る顔で怒声を挙げた。凄い迫力だ。
私は胡桃の弾を、アナゴさんが持っている全自動卵割器に向かって打ち込んだ。
全自動卵割器は音を立てて壊れる。

そうだ、もう一人の私が何者だろうが関係ない。私は私のロワを戦うんだ。

武器を破壊されて呆然としている隙に、私はアナゴさんの足をクルミの木の枝で拘束した。
そして背後の女子高生に向き直る。
「さあ、今のうちに逃げて!!」
いかにマーダーとはいえ、命まで取るのはやはり気がひけた。
私たちはアナゴさんの声が聞こえなくなるところまで逃げ、胡桃の固有結界を解除した。


「あ、あの、大丈夫ですか!?」
固有結界を解除した途端に地面の上に倒れ込んでしまった私を、ショートカットの女子高生が不安そうに覗き込む。
うーん、ここまで体力を食われるとは予想外だ。前のロワではわりと連発が利いた気もするんだが、制限の影響だろうか?
どっちにしてもあまり使いすぎるのは考え物か。
「き、気にしないで……」
膝に手をつきながらどうにか立ち上がる。
結構遠くまで逃げられたようで、いつの間にか公園を抜けて民家の前にいた。
「ねえ、よかったら少しこの家に隠れさせてもらわない? お互いに少しは休みたいでしょう?
 さっきの人をやりすごすのにもいいしさ」
そう提案すると案外素直に乗ってくれた。
「そうそう、名乗り忘れていたね。私は◆6/WWxs9O1s。あんたは?」
「私は岩崎みなみと言います。危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました」
ああ、やっぱりそうだったのか。
「ふーん、奇遇ねえ」
「はい?」
「いやいや、こっちの話」
悪いわね、もう一人の『私』。あんたの嫁はしばらく貰っておくわよ?

【板橋区の民家/1日目・日中】
【◆6/WWxs9O1s(女)@カオスロワ書き手
[状態]:健康
[装備]:胡桃@現実
[道具]:不明支給品1~2、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:自分は自分なりに頑張る
 1:民家で休憩させてもらう
 2:みなみを保護する

※元カオスロワ2の参加者です

【岩崎みなみ@らき☆すた
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:不明支給品2~3、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:不明
 1:民家で休憩させてもらう
 2:6/氏(女)と情報交換

【参加者紹介】
【◆6/WWxs9O1s(女)】
初期(カオスロワ2・書き手ロワ1)では6/氏はツインテールの大学生くらいの女性として書かれていた。
熱血で若干変態的な男性版6/と比べると控えめで、クールで虚無的な部分もありながらもわりと常識的な精神の持ち主。
カオスロワ2ではシマリスに胡桃の固有結界を伝授してもらった。
なおカオスロワ5の序盤にもちょっとだけ登場する。

【胡桃の固有結界について】
詳しい描写があるのは2期と5期なのでそちらをご参照ください。
ここでは基本的性能は本編に準じながらも
  • 有効範囲を自分中心に半径50メートルに制限
  • 維持時間を十分に制限
  • 連続使用不可能(最低でも2~3時間は空けないといけない)
以上のような制限でどうかと思います。



目の前に広がっていた胡桃の森と足枷は突如として消え、後は無人の公園が残るのみだった。
胡桃によって破壊された全自動卵割器を目の前にして呆然としていたアナゴだったが、すぐさま起き上がった。
「……頑張ればなんとか優勝できるかもしれないと思っていたが、そう一筋縄でも行かないようだな」
参加者があの女子高生みたいなのばかりなら勝てなくもないだろうが、突如出てきたツインテールの女は不思議な能力を持っていた。
あんなのにはとても対応できない。作戦を一から練り直しだ。
「真正面からぶつかるのが無理なら他の手を考えるか……強い人に取り入るなりなんなりなあ」
アナゴの思いはただ、愛する家族と友人が待つ場所に帰りたいということのみだった。


【板橋区の公園/1日目・日中】
【アナゴ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:全自動卵割器@サザエさん(故障)
[道具]:不明支給品1~2、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:優勝し、妻やマスオと再会する
 1:真正面から戦うのはやめ、他の手段を考える

【支給品紹介】
【全自動卵割器@サザエさん】
近年のサザエさんでは最も有名なネタの一つ。波平が買ってきたアイデア商品。
名前に反して全く全自動ではない、そもそも手で割ったほうが早いなど致命的な欠陥を持つ。
カオスロワでは3で波平の支給品として登場する。
余談だが、波平ロワではなんと参加者として登場する。


026:二人はいい男 投下順 028:ももいろ☆ツインズ
026:二人はいい男 時系列順 028:ももいろ☆ツインズ
初登場! ◆6/WWxs9O1s(女) :[[]]
初登場! 岩崎みなみ :[[]]
初登場! アナゴ 051:バトルロワイアルに巻き込まれた普通のサラリーマンの苦悩

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