「皆様、お待たせいたしました。清く正しく抜け目ない射命丸です。
今回の東方ファイトは、山の神様二人によるすべらない話です。
遥かな時を越えた因縁の対決を制するのは一体どちらか!?
この対決によって観衆の心を掴み、信仰心アップを狙う両者が激突です!!」
今回の東方ファイトは、山の神様二人によるすべらない話です。
遥かな時を越えた因縁の対決を制するのは一体どちらか!?
この対決によって観衆の心を掴み、信仰心アップを狙う両者が激突です!!」
先手:神奈子
「これは幻想郷に来るちょっと前の話なんだけど、夏の暑さで諏訪子がダウンしてたんだよ。
で、早苗の提案で海水浴に行くことになったんだけど、諏訪子のやつは海に来たことがなかったみたいで、いい歳こいて子供みたいにはしゃいでたんだ。
まぁ、それだけなら外見もアレなことだし、微笑ましい光景ってことで済んだんだけど、あろうことか私に泳ぎで勝負を挑んできたんだ。
皆は知ってると思うけど、あいつは蛙だよ? 圧倒的優位を確信した途端に勝負とか、神としての品格を疑ったよ。
だからって逃げるのも癪だから受けてやったさ。一応、泳ぎも戦の技術に含まれるから、私だってそれなりに自信はあったしね。
あっち側だと人間の目を気にする必要もないんで、最初から脇目も振らず全力で飛ばしたよ。それこそ、諏訪子を置き去りにする気でね。
ところが、折り返し点の島まで着いても諏訪子の姿は見えない。待ってやっても良かったんだけど、もし先を越されてたら間抜けもいいとこだと思って折り返したよ。
でね、スタート地点の砂浜まで戻ったら、諏訪子が砂浜で干からびてたんだ。
そばにいた早苗に『これはどうしたことか?』って訊いてみたら、ほら、海って塩水じゃないか。幻想郷には海がないからわからないかな? ともかく、塩水の浸透圧で水分が抜けて『あーうー』とか唸ってたんだ。
私は思ったね。これこそ『井の中の蛙大海を知る』の典型例だってね」
「これは幻想郷に来るちょっと前の話なんだけど、夏の暑さで諏訪子がダウンしてたんだよ。
で、早苗の提案で海水浴に行くことになったんだけど、諏訪子のやつは海に来たことがなかったみたいで、いい歳こいて子供みたいにはしゃいでたんだ。
まぁ、それだけなら外見もアレなことだし、微笑ましい光景ってことで済んだんだけど、あろうことか私に泳ぎで勝負を挑んできたんだ。
皆は知ってると思うけど、あいつは蛙だよ? 圧倒的優位を確信した途端に勝負とか、神としての品格を疑ったよ。
だからって逃げるのも癪だから受けてやったさ。一応、泳ぎも戦の技術に含まれるから、私だってそれなりに自信はあったしね。
あっち側だと人間の目を気にする必要もないんで、最初から脇目も振らず全力で飛ばしたよ。それこそ、諏訪子を置き去りにする気でね。
ところが、折り返し点の島まで着いても諏訪子の姿は見えない。待ってやっても良かったんだけど、もし先を越されてたら間抜けもいいとこだと思って折り返したよ。
でね、スタート地点の砂浜まで戻ったら、諏訪子が砂浜で干からびてたんだ。
そばにいた早苗に『これはどうしたことか?』って訊いてみたら、ほら、海って塩水じゃないか。幻想郷には海がないからわからないかな? ともかく、塩水の浸透圧で水分が抜けて『あーうー』とか唸ってたんだ。
私は思ったね。これこそ『井の中の蛙大海を知る』の典型例だってね」
話し終わった神奈子が観衆の様子を見ると、観衆の中から含み笑いなどの声が漏れ出しているのが確かに聞こえた。
一方、話のネタにされた諏訪子は、顔を赤くしてプルプルと震えている。
一方、話のネタにされた諏訪子は、顔を赤くしてプルプルと震えている。
後手:諏訪子
「みんな~。神奈子の印象操作に惑わされちゃダメだよ~。
神奈子は私がアホだって言いたいみたいだけど、実は神奈子自身も結構抜けてるんだよね。
この前やった宴会なんだけど、山の妖怪とか結構参加してたのよ。
この会場で、その時参加してた子っている? いたらちょっと手挙げてみてくれる? お~……ちょっとだけどいるみたいね。
で、神奈子って途中で席外していなくなったじゃん? あ、知らない子ごめんね。ともかく、宴会の途中でいなくなったのよ。
これにはいわゆる『ウラバナシ』ってやつがあって、宴会用に香霖堂からいろいろと物を仕入れてたのよ。
それで、いい感じに酒が回った神奈子がね、ラベルに外国の文字が書かれてる瓶を手にとって『洋酒ってのもなかなか捨てたもんじゃないんだよ』とか言って、いわゆる瓶斬りチョップで開けて一気に瓶ごと呷ったの。
そしたら神奈子顔が突然真っ赤になってね。『悪い。ちょっと外す』って言って神社の方にダッシュで消えたんだ。
気になって後を追ってみたら、向かってたのがトイレだったんだけど、ドアを開けて飛び込もうとしたら、背中の注連縄がつっかえて入れないの。
外せばいいのに、力任せに入ろうとするもんだから壁が壊れちゃったんだよね。
で、なんか必死で吐いるのよ。一体何飲んだら神奈子がそんなになるんだ~とか思ってさっきの瓶をよく見たら、瓶ののラベルに『TABASCO』って書いてあったの。心配になって私のとこに事情を訊きにきた早苗に話したら、私も堪えきれなくなって、もぉ二人で大笑い!
以上、実はおっちょこちょいな神奈子ちゃんの実話でした~」
「みんな~。神奈子の印象操作に惑わされちゃダメだよ~。
神奈子は私がアホだって言いたいみたいだけど、実は神奈子自身も結構抜けてるんだよね。
この前やった宴会なんだけど、山の妖怪とか結構参加してたのよ。
この会場で、その時参加してた子っている? いたらちょっと手挙げてみてくれる? お~……ちょっとだけどいるみたいね。
で、神奈子って途中で席外していなくなったじゃん? あ、知らない子ごめんね。ともかく、宴会の途中でいなくなったのよ。
これにはいわゆる『ウラバナシ』ってやつがあって、宴会用に香霖堂からいろいろと物を仕入れてたのよ。
それで、いい感じに酒が回った神奈子がね、ラベルに外国の文字が書かれてる瓶を手にとって『洋酒ってのもなかなか捨てたもんじゃないんだよ』とか言って、いわゆる瓶斬りチョップで開けて一気に瓶ごと呷ったの。
そしたら神奈子顔が突然真っ赤になってね。『悪い。ちょっと外す』って言って神社の方にダッシュで消えたんだ。
気になって後を追ってみたら、向かってたのがトイレだったんだけど、ドアを開けて飛び込もうとしたら、背中の注連縄がつっかえて入れないの。
外せばいいのに、力任せに入ろうとするもんだから壁が壊れちゃったんだよね。
で、なんか必死で吐いるのよ。一体何飲んだら神奈子がそんなになるんだ~とか思ってさっきの瓶をよく見たら、瓶ののラベルに『TABASCO』って書いてあったの。心配になって私のとこに事情を訊きにきた早苗に話したら、私も堪えきれなくなって、もぉ二人で大笑い!
以上、実はおっちょこちょいな神奈子ちゃんの実話でした~」
話を終え、観衆の反応が気になった諏訪子が客席を見ると、観衆は皆一様に無言で『諏訪子~うしろ~うしろ~』と訴えていた。
諏訪子が振り返ると、そこにはオンバシラで完全武装した神奈子が鬼のような形相で立っていた。
諏訪子が振り返ると、そこにはオンバシラで完全武装した神奈子が鬼のような形相で立っていた。
「え、えっと……諏訪子様の話で笑った観衆はゼロということで、この勝負は神奈子様の勝利とします!!
観衆の皆さんは速やかに避難してください! それではさよ~なら~!!」
観衆の皆さんは速やかに避難してください! それではさよ~なら~!!」