「今回の勝負は紅魔館でレッキングクルー……要するに解体を行うというものです。
ただし、破壊に使えるのは指定されたハンマーのみとします。
また、紅魔館からは施設の使用許可を得られなかったので、住人からの抵抗が予想されます」
ただし、破壊に使えるのは指定されたハンマーのみとします。
また、紅魔館からは施設の使用許可を得られなかったので、住人からの抵抗が予想されます」
「許可が下りなかったから中止という発想はないのか……」
「安価スナイパーは相変わらず外道だな……」
「安価スナイパーは相変わらず外道だな……」
慧音と妹紅が競技開始前から溜め息混じりに呟く。
「キタキタキターーーー!! 廃人と呼ばれて幾星霜。これなら事前知識の圧倒的優位で勝てる!!」
「こういう原始的な破壊行為って、ストレス解消には効果的なのよね……レッツ、デストローイ!!」
「こういう原始的な破壊行為って、ストレス解消には効果的なのよね……レッツ、デストローイ!!」
対照的に、輝夜と永琳はやる気満々ノリノリである。
こうして、両チームともにテンションの高低を交えて競技開始となった。
こうして、両チームともにテンションの高低を交えて競技開始となった。
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「ヒャッハー! 解体だぁぁ!!」
「姫の従者とはそれほどまでに過酷なものなのか……」
「姫の従者とはそれほどまでに過酷なものなのか……」
ファンには決して見せられぬ表情で奇声を上げながら嬉々としてハンマーを振り回す永琳。
どこにそんな体力があったのか、妨害をものともせずに力技で蹴散らしている。
それを見た慧音は永琳が溜め込んだストレスを想像して戦慄する。
どこにそんな体力があったのか、妨害をものともせずに力技で蹴散らしている。
それを見た慧音は永琳が溜め込んだストレスを想像して戦慄する。
「ったく。壊せばいいんだろ!? 壊せば!!」
「ちょっともこたん! 無駄にハンマーを振るなって何回言えば解るの!?
そこは一旦向こう側に抜けてから順番に……あと、爆弾を無駄にしない!!」
「うっせぇ! 能書きばっか垂れてないで少しは自分で……なにぃ!?」
「何か問題でも?」
「ちょっともこたん! 無駄にハンマーを振るなって何回言えば解るの!?
そこは一旦向こう側に抜けてから順番に……あと、爆弾を無駄にしない!!」
「うっせぇ! 能書きばっか垂れてないで少しは自分で……なにぃ!?」
「何か問題でも?」
妹紅が文句を言おうと振り向くと、そこには妨害をかわしつつ必要最小限の動作で解体を進める輝夜の姿があった。
その手際はさながら熟練の職人である。
その手際はさながら熟練の職人である。
「イナバたちに教えて解体業でも始めようかしら? 永遠亭ブレイク工業……いや、もっとスタイリッシュにエターナル・ブレイク・インダストリーとか良さそうね。ねぇもこたん? 歌でも作ると宣伝効果も抜群だと思わない?」
「某スレ住人に拾われそうなことを言うな。それともこたんはやめろ……」
「お、妹紅じゃないか」
「慧音……輝夜が別次元の何かに見えてきたんだが、一度目の検査でも受けた方がいいのかな?」
「残念ながら、幻想郷の名医はごらんの有様だ……」
「某スレ住人に拾われそうなことを言うな。それともこたんはやめろ……」
「お、妹紅じゃないか」
「慧音……輝夜が別次元の何かに見えてきたんだが、一度目の検査でも受けた方がいいのかな?」
「残念ながら、幻想郷の名医はごらんの有様だ……」
慧音に促されて妹紅が視線を向けた先では、疲れを知らぬのかアレなクスリでもキメてるのか、未だにハイテンションで破壊活動を続ける永琳の姿があった。
さすがに怖くなったのか、もはや妨害に向かう者がいない。
さすがに怖くなったのか、もはや妨害に向かう者がいない。
「フケるか……」
「それが賢明だな……」
「それが賢明だな……」
さて、輝夜と永琳に視点を移してみよう。
「楽しそうね。永琳」
「姫こそ。普段とは桁違いのプレッシャーを感じますよ」
「ねぇ永琳。ここで直接戦って、勝った方の総取りってことにしない?」
「いいんですか? 競技中は敵同士だから手加減しませんよ? どうせお互い死にませんし」
「上等! かかって来なさい!!」
「姫こそ。普段とは桁違いのプレッシャーを感じますよ」
「ねぇ永琳。ここで直接戦って、勝った方の総取りってことにしない?」
「いいんですか? 競技中は敵同士だから手加減しませんよ? どうせお互い死にませんし」
「上等! かかって来なさい!!」
ルナティックな両者が激突した衝撃で、既にあちこちを崩されて脆くなった紅魔館は地下室を残して崩落した。
ちなみに、蓬莱人同士の戦いは最後に基礎体力の違いが出て永琳が勝ったようだ。
ちなみに、蓬莱人同士の戦いは最後に基礎体力の違いが出て永琳が勝ったようだ。
なお、紅魔館の住人はレミリアとフランを除いて無事に避難したことが確認されている。
後日、ガレキの下からレミリアが発見されたが、驚くべきことに無傷だった。
曰く、「私のしゃがみガードは生き埋めごときではクラッシュしない」とか……。
後日、ガレキの下からレミリアが発見されたが、驚くべきことに無傷だった。
曰く、「私のしゃがみガードは生き埋めごときではクラッシュしない」とか……。
『馬鹿だこいつら!!』
その報せを耳にした慧音と妹紅は見事に声をハモらせた。