18スレ第16戦(2) - 東方ファイトスレ @まとめウィキ

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文々。新聞朝刊記事
本日未明、人里の宿屋に逗留していた東風谷早苗さん（１○歳　現人神）が鋭い刃物で殺害されているのが発見された。
現在自警団が捜査を進めている。

しかし、捜査に駆り出されたのは疲れきっているメディスンと、地上観光中で昼夜逆転気味のヤマメだった。
彼女達も早苗と同宿（ちなみに人外向け）だったのだが。
「それより早く毒補給させて！」
「できればしばらく休ませて欲しいんだけど」
「駄目です。これが終わったらいくらでも休養を取ってください」

メディスンは動くと力尽きてしまい、ヤマメも体調不良に加え無闇に地上をうろつく事も出来ない。
二人は安楽椅子探偵化を余儀なくされた。

「えーと、まずこういうときは動機から考えるんだっけ」
「そうだね。それが一番容疑者を絞り込みやすい、けど……」
現在容疑者として名前が上がっているのは早苗と同じ宿屋の宿泊客。
十六夜咲夜　魂魄妖夢　蓬莱山輝夜の３名。
「……動機満点に見えるわね」
「……うん」
咲夜と妖夢は以前自機をした事があるのに最新作で早苗にその機会を奪われ、輝夜に至っては永夜抄以外の作品に出た事がない。
怨恨という点では３人とも動機は十分と言える。
「凶器も現物は見つかってないんだよね」
「刃物といえば咲夜か妖夢だから、輝夜の容疑が薄れるように思えるけど……罪をなすりつけるためと言えなくもないね」

結局、ポイントは密室という点に絞られる。早苗の客室には内側から鍵がかかっており、マスターキーが持ち出された形跡もない。
無論鍵が破壊されているといったこともなかった。出入り口は小さな換気口だけである。
幻想郷には密室殺人を可能にする能力の持ち主が少なくないが、この三人はいずれも不可能ではないかと思われた。
「咲夜さんは空間を操作できるって聞いた事があるけど？」
「あれは時間を操る力の応用で空間を伸ばしたり縮めたりしているんだろうし、閉鎖空間に侵入するのは無理じゃないかね」
考え込む二人。しばらくして、二人は審判の映姫を呼んだ。

「結論は出ましたか？」
映姫の言葉に、まずメディスンが進み出る。
「犯人は妖夢よ。彼女にはスペルカード『幽明の苦輪』がある。半霊を換気口から侵入させてスペルカードを発動し、そのまま殺害。時間切れを待って半霊を呼び戻せば密室殺人が成立するわ」
一方ヤマメは……
「犯人はヤス。じゃなくてメディスン、あなたよ」
「ちょっと、いきなり何を言い出すの！」
「殺害がその方法で成されたなら、何故早苗は抵抗しなかったの？　二人とも５ボスなんだから力量的に大差はないはず。なのに部屋に全く争った形跡がなかったのは何でだと思う？」
「それは……不意打ちされたからじゃないの？」
「ねえメディスン。あなたどこで毒をそんなに消耗したの？　動けなくなるほど毒を使うなんて。誰に対して使ったのかね？」
「ま、待って。証拠はあるの証拠は。毒を使ったっていうならその証拠を……」
焦ってあれこれ抵抗するメディスン。
「大体、ヤマメだって怪しいじゃない。病気を操って私と同じ事はできるんだし。それに心の病でも操って、妖夢や私をその気にさせたんじゃ」
「な、何を言い出すのさ。証拠を見せなよ！」
やいのやいのと争う二人に向かって、映姫が閻魔帳を取り出す。凍りつく二人。
「まあ、この件は証拠不十分で迷宮入りでしょうが。これには何が起こったかきちんと書いてあります。二人とも、生きている間に可能な限りの善行を積んでおく事ですね」

判定　引き分け（二人とも犯人）

ちなみに、殺された早苗は現人神ではなくなったが、神霊になり相変わらず守矢神社に住んでいる。
「人が死んだあと神様になるなんて、この国では別に珍しい事じゃないしねえ」
「のんびりしてないでよ神奈子。早苗を祭る社も作らないと。巫女もいなくなっちゃったから募集しないといけないし」
「じゃあ設計と文面考えといて。私は早苗の昇神記念にお祭りを開催するから」
「地味な仕事ばっかり押し付けて……」

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