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42スレ第35戦(2)

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匿名ユーザー

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人里の特設宴会場に花びら舞う景色が広がる。
季節は冬になろうかというこの時期に、ファイト指定という理由で一本の大桜に花が咲いていた。
白玉楼の主、西行寺幽々子曰く
「このファイトの為に、季節に眠る春度を無理矢理かき集めたわ」
とのこと。
この大桜を肴に、宴会が開かれていた。人妖問わずの大盛況である。
ちなみに樹の根本には、リリーホワイトが「ばたんきゅー」していた……


「さあ、この季節外れの桜を舞台に華麗に舞い回り、宴会を湧かせてくれるのはどなたかしら?」
幽々子が妖しく笑う。
と、宴会場の一角から声が上がった。


「さあおキュー、ここで目立ってさとり様に誉めてもらうよ!」
「うにゅ~」
声を上げたのは地獄鴉と……九官鳥?みたいな生き物。

「あらあら、可愛らしいコンビだけど……爆発はさせないでよね?」
幽々子が笑いながらも釘を差す。
「大丈夫だよ~、爆発はさせないよ」
「うにゅ!」
ともあれ、空&おキューちゃんの芸である。


「おキュー、来て。」
そう言うとフレアアップを展開する空。だが弾幕は出さずに風だけ舞いあげていた。
「うにゅ~」
その中飛び込むおキューちゃん。風の回転に合わせて回り始めた。
「さあ行くよ。おキュー、よろしくね!」
お空が風を強めると、辺りの桜の花びらを巻き込み、巻き上げ、巻き込み、巻き上げ……
そこには一本のピンクの柱が出来ていた。おキューちゃんも風に巻き上げられ、花びらと共に上空に飛び上がっている。
「おキュー、今よ!」
「うにゅ!」
空が合図すると、上空のおキューちゃんがブレイクサンを放つ。すると…
上空に舞い上げられた桜の花びらが、まるで豪雪地帯の降雪のように、一斉に降り注いだ…

この花びらの豪雪に会場は盛り上がる。
…と、一仕事終えた空とおキューちゃんが戻ってきた

「空とおキューの『華花火』、どうだった?」
「ええ、面白いものを見せて貰ったわ、ありがとう。地霊殿の主にもよろしくね?」
「うにゅ!」
満面の笑顔で席に戻る空と、ついていくおキューちゃんだった。


「さあ、さっきの芸に対抗するものはいないかしら?」
お空たちの花びらが落ち着いた頃、幽々子がまた芸を募る。すると、

「ほら妹紅、また行って来い!」
「慧音……今日は飲みすぎだよ……」
明らかに酔っ払った慧音に囃したてられ、妹紅が桜の前に進み出た。
と、あちこちから「よっ!救世主!」「もこたん!」等の声が飛ぶ。

宴会芸と称し、慧音&妹紅の寸劇「救世主モコたん」が披露されたのはつい先程のことだった。
もちろん慧音の提案…というかごり押しであるが


「あら~?貴方が回るのね?」
「……西行の娘、か。仕方ない」
嫌々ではあったものの前に出て観念したのか、妹紅の表情が真面目に引き締まる
「良く見ておくんだな……、先祖の舞いを!」


桜舞う、妹紅も舞う
舞い散る桜が、まるで意思を持ったかのように妹紅と舞い回る
舞いは所謂日本舞踏であろうか。凛々しく力強く、時には繊細に緩やかに。妹紅が気迫の舞踏を見せていた。
その気迫の舞を間近で見た幽々子は……扇子を一つ妹紅に差し出し、懐から扇子をもうひとつ取り出し、妹紅の舞いに続いた。


藤原の娘と、藤原の末裔西行の娘。
時を超えた二人の共演に、会場は感嘆の息すら霞むほど飲まれていた……


二人の動きが止まり、幽々子が扇子をパチンと閉じる。
すると、堰を切ったかの様に会場から歓声が上がる。大成功であった。

「さっきの発言はよく分からなかったけど、共に舞えた事が何故か嬉しいわ」
「……そうか、なら私も渾身で舞った甲斐があったと言うものだな」
ともあれ、妹紅の芸…いや演舞の終了である。



とそこに妖夢と、四季映姫がやって来た。
「ところで幽々子さま、対戦者と共闘してしまいましたが…今回のファイトは、どちらの勝ちですか?」
「私が裁かなくても、そこの閻魔様が裁いて下さるわよ。」
「全く……私任せというのも考えものですよ西行寺幽々子。そもそもそこまで計算していなかったのではないすか?」
「あら~、それはどうかしらね?」
「……まあいいでしょう。」
幽々子の飄々とした回答に、四季映姫は半ば苦笑いする。
「今回のファイト、霊烏路空&おキューちゃんvs救世主モコたん、」
「……それは忘れて欲しいんだが」
妹紅が赤面しながら突っ込む
「……お互いこれだけ会場を沸かせたのです、白黒つけるのは無粋というものでしょう。この季節外れの桜に免じ、ドローとします」

―――結果、両者ドロー。


「あら閻魔様、白黒つけないとは珍しいわね」
「こんなことも有るものです。さて西行寺幽々子、貴女にはやることが残されてますよ」
「えぇ~」
「えぇ~じゃありません、宴会が終わったら早く春を大地に返しなさい。それが今できる貴女の善行よ」
「ハイハイ、分かりましたわ~」


季節外れの桜の宴が終わるのは妖怪が飲み潰れるまでか、桜が散り切ってしまうまでか。今のところは知るよしも無い。



「……は……はる~…」
……リリーホワイトの春度の限界が先かも知れないが。



































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