「……今回の東方ファイトですが、これまでとは少し趣向を変えてみようと思います。
無茶なファイトによって各所に迷惑をかけまくったため、一部の人妖から抗議がありました。
そこで、今回は実験ケースとして被害者の中から公募を募ったところ、抽選により『ペンネーム:年中むきゅ~』さんからのリクエストで"魔法の森在住の霧雨魔理沙が勝手に借りていった本を返却させる"というファイト内容に決定しました」
無茶なファイトによって各所に迷惑をかけまくったため、一部の人妖から抗議がありました。
そこで、今回は実験ケースとして被害者の中から公募を募ったところ、抽選により『ペンネーム:年中むきゅ~』さんからのリクエストで"魔法の森在住の霧雨魔理沙が勝手に借りていった本を返却させる"というファイト内容に決定しました」
一体どんな抗議があったのか、少しやつれた感じの映姫が言い、妙に落ち着いた様子のアリスが返す。
「つまり抗議してきた誰かを片付ければいいのね?」
「どこをどう解釈したらそうなるんですか!?」
「どこをどう解釈したらそうなるんですか!?」
たまらず映姫がアリスに突っ込むが、もう一人の"クール"な存在が平坦なボディを全力で反らせ、妙に尊大な態度で何か名案を思い付いたかのように言う。
「借りた本を返させればいいんでしょ? そんなの簡単じゃない。やっぱあたいったら最強ね!!」
「いや、最強とか関係ないですから……」
「いや、最強とか関係ないですから……」
既に精神力がピンチなのか、映姫の突っ込みから勢いが消えている。
「とにかくあたいには最強の名案があるの! だからこの勝負は勝ったも同然ね!!」
一方的に言い放ち、勢いよくどこかへと飛び去って行く。
「ところでアリスさん? あなたは何か作戦でもあるんですか?
以下に相手が⑨と言えども、何もしなければ勝てないと思いますが」
以下に相手が⑨と言えども、何もしなければ勝てないと思いますが」
映姫の声色に諦観が混ざり始めている。過酷な労働環境って恐ろしい。
「閻魔ともあろう存在が何を言っているのかしら?
この勝負、私は既に勝っているのよ。だから何もする必要はないわ」
この勝負、私は既に勝っているのよ。だから何もする必要はないわ」
こちらも意味不明な自身に満ち溢れている。
「と、言いますと?」
「単純な話じゃない。今回の勝利条件は本を返却させることでしょ?
魔理沙は私のものだから、魔理沙のものは私のもの。
元がどうあれ、所有権が私に移った時点でそれは私の手元にあるのと同じ。
つまり、返却は完了しているのよ!!」
「単純な話じゃない。今回の勝利条件は本を返却させることでしょ?
魔理沙は私のものだから、魔理沙のものは私のもの。
元がどうあれ、所有権が私に移った時点でそれは私の手元にあるのと同じ。
つまり、返却は完了しているのよ!!」
アリスが謎の理論をさも当然のように展開してふんぞり返る。
「だめだこいつはやくなんとかしないとだめだこいつはやくなんとかしないと……」
虚ろな眼をした映姫が壊れた機械のように同じ言葉を繰り返す。
一方、自称最強の氷精はというと……。
「おーい、天狗ー! あたいったら魔理沙のすっごい秘密を知っちゃった!!」
「はぁ……。どうせまたしょうもないことだとは思いますが、一応聞かせてもらいまようかね……」
「実はね……(ゴニョゴニョ)」
「へぇ……(ニヤリ)これは使いようによっては凄いことになるかもしれませんねぇ……。
チルノさんや、おぬしもワルよのぅ……」
「だから明日は魔理沙のとこだけは新聞配らないでね。それとあたいワルじゃないよ。最強だよ」
「はぁ……。どうせまたしょうもないことだとは思いますが、一応聞かせてもらいまようかね……」
「実はね……(ゴニョゴニョ)」
「へぇ……(ニヤリ)これは使いようによっては凄いことになるかもしれませんねぇ……。
チルノさんや、おぬしもワルよのぅ……」
「だから明日は魔理沙のとこだけは新聞配らないでね。それとあたいワルじゃないよ。最強だよ」
そして翌朝。
「魔理沙ぁぁぁ! 一人でそんなことしてるぐらいなら遠慮なく私を呼びなさぁぁい!!」
「うぇ!? 朝っぱらから何なんだよアリス!!
お前完全に目がイッてるぞ!! 妙なキノコでも拾い食いしたか?」
「ふーん……あくまで私が知らないってことにしたいのね?
まぁいいわ。そういうことならそれに付き合ってあげる」
「お前は一体何を言ってるんだ!? うわ何をするやめr……」
「うぇ!? 朝っぱらから何なんだよアリス!!
お前完全に目がイッてるぞ!! 妙なキノコでも拾い食いしたか?」
「ふーん……あくまで私が知らないってことにしたいのね?
まぁいいわ。そういうことならそれに付き合ってあげる」
「お前は一体何を言ってるんだ!? うわ何をするやめr……」
以下、自主規制。
さて、どうしてこのような事態となったのか?
それは、今日の文々。新聞にとある記事が掲載され、それを見たアリスが妄想を暴走させた結果である。
原因はチルノが文に流したネタにあるが、チルノは少し前に騙された仕返しとして魔理沙に恥をかかせようとしただけであり、このような展開を狙ったわけではないことを付け加えておく。
では、問題の記事を見てみよう。
それは、今日の文々。新聞にとある記事が掲載され、それを見たアリスが妄想を暴走させた結果である。
原因はチルノが文に流したネタにあるが、チルノは少し前に騙された仕返しとして魔理沙に恥をかかせようとしただけであり、このような展開を狙ったわけではないことを付け加えておく。
では、問題の記事を見てみよう。
【緊急】情報求む!【緊急】
白黒の魔法使いが紅魔館の図書館から様々な本を勝手に『借りて』いることは皆さんご存知のことと思います。
いつもなら堂々と「借りてくぜ」と言って本を持ち出すのですが、そうして持ち去られた本は一冊たりとも漏らすことなくリストを作成し、いずれは全てを取り返すつもりでおります。
しかし、リスト入りしていない本が行方不明になっていることについ先日気が付きました。
おそらくは件の魔法使いが「さすがにこれは堂々と持ってくのは恥ずかしいんだぜ」とか言いながらこっそりと盗んでいったものと推測していますが、さすがにこちらで一方的に決め付けた挙句、実は勘違いでしたというような事態を起こしては、紅魔館の信頼とカリスマを失墜させることにもなりかねないと思い、情報の提供を呼びかけた次第であります。
以下が白黒リスト入りしていない紛失図書の一部です。
白黒の魔法使いが紅魔館の図書館から様々な本を勝手に『借りて』いることは皆さんご存知のことと思います。
いつもなら堂々と「借りてくぜ」と言って本を持ち出すのですが、そうして持ち去られた本は一冊たりとも漏らすことなくリストを作成し、いずれは全てを取り返すつもりでおります。
しかし、リスト入りしていない本が行方不明になっていることについ先日気が付きました。
おそらくは件の魔法使いが「さすがにこれは堂々と持ってくのは恥ずかしいんだぜ」とか言いながらこっそりと盗んでいったものと推測していますが、さすがにこちらで一方的に決め付けた挙句、実は勘違いでしたというような事態を起こしては、紅魔館の信頼とカリスマを失墜させることにもなりかねないと思い、情報の提供を呼びかけた次第であります。
以下が白黒リスト入りしていない紛失図書の一部です。
図説・人体のしくみ
写真で見る家庭の医学
⑨でもできる整体術(入門編~皆伝編までの計9冊)
実戦組み打ち術 ~ 蜘蛛のように捕らえ、蜂のように刺す!
写真で見る家庭の医学
⑨でもできる整体術(入門編~皆伝編までの計9冊)
実戦組み打ち術 ~ 蜘蛛のように捕らえ、蜂のように刺す!
他にも同系統の本が約20冊ほど
皆さんの情報提供をお待ちしています。
なお、心当たりのある方は速やかに名乗り出てください。あなたの個人情報は決して漏らしません。
なお、心当たりのある方は速やかに名乗り出てください。あなたの個人情報は決して漏らしません。
(文々。新聞広告欄より)
「本を返させるにはこうやって呼びかければいいって大ちゃんが言ってた。やっぱあたいったら最強ね!!」
結果:アリスが結局何もしなかった上にカミングアウトしてしまったために失格扱いとなり、チルノが勝利。