その日、幻想郷から人妖問わずあらゆる生物が姿を消した。
いや、ファイト参加者および審判を除く生物が消えた。
こと食に関する事柄では危険度が極高を大きく振り切って規格外の亡霊が飢餓状態にあるため、魔界へと一時的に避難しているのであって、幻想郷の住人がことごとく難民として魔界へと避難しているためである。
しかし、ここにたった一人の例外がいた。守矢神社の風祝、東風谷早苗。
不運にもファイト参加者として安価に選ばれ、就寝寸前のところを無理矢理連れて来られたため、無防備極まりないランジェリー姿で佇んでいる。
「露骨な読者サービス的服装で危険な状況にたった一人! これは世界を救う美少女戦士のラストバトル!!
幻想郷に残された人類は私だけ……そして鮮やかに敵を撃破してみんな復活ハッピーエンドですね! わかります!!」
あの……早苗さん? 状況をちゃんと理解してますか?
「えっと……その……なんだ? 今回のファイトは不眠と絶食の合わせ耐久勝負なんだが、わかってるのかい?」
ほら、「既に死んでるから食われる可能性が低いだろう」という投げやりな理由で審判を押し付けられた魅魔様もお困りですよ?
「つまり世界的な食糧危機ですね!」
「いや、あんたが食料にされる系の危機だよ。それより少しは隠そうとしなよ」
「お腹空いた……目の前の人類は食べられるのー?」
「他人のセリフ使うの禁止! つーか食うな! ファイト終わったら主催者吊るしてでも食事の時間にしてやるから我慢しな」
「そう? 約束……破っちゃ い や よ ?」
(なんて威圧感……これが飢えた亡霊の恐怖ってやつかい……)
「あのー……どうすれば勝ちになるんですか?」
「空気読めよ! 飲、食、睡眠にあたる行為をした瞬間に負け! それ以外は自由! んじゃ開始!!」
いや、ファイト参加者および審判を除く生物が消えた。
こと食に関する事柄では危険度が極高を大きく振り切って規格外の亡霊が飢餓状態にあるため、魔界へと一時的に避難しているのであって、幻想郷の住人がことごとく難民として魔界へと避難しているためである。
しかし、ここにたった一人の例外がいた。守矢神社の風祝、東風谷早苗。
不運にもファイト参加者として安価に選ばれ、就寝寸前のところを無理矢理連れて来られたため、無防備極まりないランジェリー姿で佇んでいる。
「露骨な読者サービス的服装で危険な状況にたった一人! これは世界を救う美少女戦士のラストバトル!!
幻想郷に残された人類は私だけ……そして鮮やかに敵を撃破してみんな復活ハッピーエンドですね! わかります!!」
あの……早苗さん? 状況をちゃんと理解してますか?
「えっと……その……なんだ? 今回のファイトは不眠と絶食の合わせ耐久勝負なんだが、わかってるのかい?」
ほら、「既に死んでるから食われる可能性が低いだろう」という投げやりな理由で審判を押し付けられた魅魔様もお困りですよ?
「つまり世界的な食糧危機ですね!」
「いや、あんたが食料にされる系の危機だよ。それより少しは隠そうとしなよ」
「お腹空いた……目の前の人類は食べられるのー?」
「他人のセリフ使うの禁止! つーか食うな! ファイト終わったら主催者吊るしてでも食事の時間にしてやるから我慢しな」
「そう? 約束……破っちゃ い や よ ?」
(なんて威圧感……これが飢えた亡霊の恐怖ってやつかい……)
「あのー……どうすれば勝ちになるんですか?」
「空気読めよ! 飲、食、睡眠にあたる行為をした瞬間に負け! それ以外は自由! んじゃ開始!!」
それから半日後……。
「あうぅ……さすがに私もそろそろお腹が……スイーツが恋しい……」
「スイーツ? だ っ た ら 目 の 前 に い る じ ゃ な い」
「おいこら! 食ったら負けだぞ!? 気を確かに持て!! いや、いっそ食わせた方が早く終わるか♪
おい、そこの半裸フルーツ! 黙って食われりゃあんたの勝ちだぞ♪」
「ちょ……いくらファイトでもそれはあんまりじゃないですか! その発言は人として問題だと思いませんか!?」
「うん。悪霊として問題ないね」
「うわぁ……」
「それじゃ、遠慮なくいただきまーす」
「え!? なにこれ? ロシアの紅いサイクロンも裸足で逃げ出すような吸引力とかチートどころの騒ぎじゃ……」
「せめて骨は拾ってやるよ。もし残ってたらの話だけど……」
「浸ってないで何とかしてくださいよ! 冗談じゃなく吸い込まれそうなんですけど!!」
「しょうがないねぇ……ほらよ」
「肉!!」
幽々子が目にも止まらぬ……いや、影すら落とさぬスピードで魅魔の投げた肉をナイスキャッチし、ミリ秒レベルで平らげる。
「おかわり!!」
「こっから先はスキマ妖怪に頼りな。確か、どっかの被災地に送る食料がどうとかって言ってたからさ……」
「スイーツ? だ っ た ら 目 の 前 に い る じ ゃ な い」
「おいこら! 食ったら負けだぞ!? 気を確かに持て!! いや、いっそ食わせた方が早く終わるか♪
おい、そこの半裸フルーツ! 黙って食われりゃあんたの勝ちだぞ♪」
「ちょ……いくらファイトでもそれはあんまりじゃないですか! その発言は人として問題だと思いませんか!?」
「うん。悪霊として問題ないね」
「うわぁ……」
「それじゃ、遠慮なくいただきまーす」
「え!? なにこれ? ロシアの紅いサイクロンも裸足で逃げ出すような吸引力とかチートどころの騒ぎじゃ……」
「せめて骨は拾ってやるよ。もし残ってたらの話だけど……」
「浸ってないで何とかしてくださいよ! 冗談じゃなく吸い込まれそうなんですけど!!」
「しょうがないねぇ……ほらよ」
「肉!!」
幽々子が目にも止まらぬ……いや、影すら落とさぬスピードで魅魔の投げた肉をナイスキャッチし、ミリ秒レベルで平らげる。
「おかわり!!」
「こっから先はスキマ妖怪に頼りな。確か、どっかの被災地に送る食料がどうとかって言ってたからさ……」
結果:ブラックホールな亡霊に絶食なんて無理でした。丸呑みにされかかりながら早苗が勝利。