暗い闇の中、後ろ手に縛られたにとりはもがいていた。
妖力も封じられ機械も奪われ、できることはもう何も無い。
妖力も封じられ機械も奪われ、できることはもう何も無い。
雛「やっと二人っきりになれたわね、にとり……」
熱に浮かされたような面持ちでにとりを見つめる雛。にとりを拉致監禁した張本人だ。
にとり「んー、むぐー」
雛「これからはずうっと一緒だからね」
雛「これからはずうっと一緒だからね」
抵抗する術の無いにとりに、雛がにじり寄る――その時、雛の背後、一筋の銀光が疾る。
雛「むっ」
椛「にとりを傷つけるものは許さない! にとりは私が守るんだから!」
雛「千里眼ね……どのみち、あなたを×××しないとにとりは手に入らない」
椛「にとりを傷つけるものは許さない! にとりは私が守るんだから!」
雛「千里眼ね……どのみち、あなたを×××しないとにとりは手に入らない」
まるで闇夜に降り立つヒーローのように颯爽と現れる椛。
言ってることは格好いいが、今の一撃は完全に殺る気だった。
言ってることは格好いいが、今の一撃は完全に殺る気だった。
椛「にとりはずっとずうっと私が守る……他の誰だろうと、許しはしない!」
雛「にとりと一緒になれるのは私だけよ、この闇の中で溶け合って混ざり合って二人は一つになるんだから……」
雛「にとりと一緒になれるのは私だけよ、この闇の中で溶け合って混ざり合って二人は一つになるんだから……」
睨み合う二人、そして置いてきぼりのにとり。ああ、愛とはかくも残酷なものなのか――
映姫「というわけで、あの依頼人を助けてください」
白岩「……えー」
幼レティ「どっちか一人消せばいいのかしら? そうしたら、残った二人だけの世界になってめでたしじゃないの?」
映姫「駄目です、ちゃんと二人をどうにかして、依頼人を救出すること」
白岩「ここまでの非常事態だと、ファイトがどうとかじゃなくて閻魔様が助けたほうが早いんじゃ」
映姫「このスレで今さらそれを言っても始まりません。ほら、早くしないと試合放棄で依頼人はヤンデレズの餌食になりますよ」
白岩「……えー」
幼レティ「どっちか一人消せばいいのかしら? そうしたら、残った二人だけの世界になってめでたしじゃないの?」
映姫「駄目です、ちゃんと二人をどうにかして、依頼人を救出すること」
白岩「ここまでの非常事態だと、ファイトがどうとかじゃなくて閻魔様が助けたほうが早いんじゃ」
映姫「このスレで今さらそれを言っても始まりません。ほら、早くしないと試合放棄で依頼人はヤンデレズの餌食になりますよ」
あくまで閻魔は助ける気は無いらしい。ファイト開始。
幼レティ「寒くすれば争ってもいられないでしょー。そーれ大寒波ー」
寒気がにとりたち三人を襲う。一瞬だけ動きが止まったかに見えたが。
雛「カンパーですって!? 赤の他人のあなたがにとりのスペカを……許せない!」
幼レティ「なんでそうなるの!?」
幼レティ「なんでそうなるの!?」
雛の注意がロリ雪女に逸れる。
椛「隙あり……!」
雛「しまっ」
雛「しまっ」
その隙に、椛が雛の首を刎ねにくる。回避不可能な斬撃、そこに。
白岩「墳っ!」
レティのつっぱりが、椛のだんびらを正面から防ぐ。
椛「馬鹿な、私の剣が!?」
白岩「今のあなたの剣は欲望に染まり濁っている……そんな剣で斬れるのは、せいぜいが同類の悪鬼程度よ」
椛「くっ、戯言を!」
白岩「今のあなたの剣は欲望に染まり濁っている……そんな剣で斬れるのは、せいぜいが同類の悪鬼程度よ」
椛「くっ、戯言を!」
一旦距離を離す椛。体勢を立て直すつもりだったが、その前にレティが動く。
白岩「それっ」
椛雛「「うぷっ?」」
椛雛「「うぷっ?」」
盛大に振りまかれたそれは、荒塩だった。
一流の力士の塩まきは、その一動作だけでも芸術の域にある。
洗練された塩まきは、その無駄の無さゆえ、邪気払いの効果をも上げる。
一流の力士の塩まきは、その一動作だけでも芸術の域にある。
洗練された塩まきは、その無駄の無さゆえ、邪気払いの効果をも上げる。
白岩「どすこい!」
鍛え抜かれた足腰で白岩関が四股を踏む。塩をまかれた周囲の土地から、瞬く間に邪気が払われていく。
古来より、相撲は神事としての側面が強い。白岩関の四股は、土地や空気のみならず、雛や椛の邪気も払っていく。
古来より、相撲は神事としての側面が強い。白岩関の四股は、土地や空気のみならず、雛や椛の邪気も払っていく。
白岩「八卦良い!」
椛雛「ぐあぁー!」
椛雛「ぐあぁー!」
払われ清められ、呆然としていた雛と椛に、白岩関の張り手が決まった。
為す術無く吹っ飛ぶ二人。だがその顔には、安らかさがあった。
為す術無く吹っ飛ぶ二人。だがその顔には、安らかさがあった。
映姫「それまで! 勝者、白岩関!」
かくして戦いは終わった。白岩関は意気揚々と清められた土俵を後にし、
良い子のロリレティも、倒れた雛と椛を抱えて、介抱するためにその場を後にした。
映姫もそれを見届け、良き哉良き哉と満足して立ち去った。
良い子のロリレティも、倒れた雛と椛を抱えて、介抱するためにその場を後にした。
映姫もそれを見届け、良き哉良き哉と満足して立ち去った。
にとり「むぐー。むぐー」