衣玖のドリルと雛の厄神大回転
互いの回転力から発せられた二つのベイブレードが猛烈にぶつかり合う。
互いの回転力から発せられた二つのベイブレードが猛烈にぶつかり合う。
序盤優勢だったのは、身体全身での回転力に加え、衝突の度に厄をまき散らす
『ホイール・オブ・フォーチュン』装備の雛のベイブレードだった。
その強烈な一撃を避けるかのように、あるいは、圧倒的な厄力に恐れるかのように、
衣玖のベイブレードは遠巻きに周囲を漂っているかのようである。
そもそも装備からして、
衣玖のベイブレードは攻撃よりは羽衣スタビライザー装備の、安定性重視仕様なのである。
これでは、雛のブレードにどうあっても太刀打ちは出来まい。
『ホイール・オブ・フォーチュン』装備の雛のベイブレードだった。
その強烈な一撃を避けるかのように、あるいは、圧倒的な厄力に恐れるかのように、
衣玖のベイブレードは遠巻きに周囲を漂っているかのようである。
そもそも装備からして、
衣玖のベイブレードは攻撃よりは羽衣スタビライザー装備の、安定性重視仕様なのである。
これでは、雛のブレードにどうあっても太刀打ちは出来まい。
「あら、空気を読んで降参するのかしら?」
雛の挑発に、衣玖は小さく微笑んだ。
「ああ、空気なら読んだとも、ただし、本来の言葉通りの意味でね」
そういった瞬間、衣玖はフィーバーポーズで天高く指差した。
その行動が理解できず呆然としていた雛だが、答はすぐにやってきた。
雛の挑発に、衣玖は小さく微笑んだ。
「ああ、空気なら読んだとも、ただし、本来の言葉通りの意味でね」
そういった瞬間、衣玖はフィーバーポーズで天高く指差した。
その行動が理解できず呆然としていた雛だが、答はすぐにやってきた。
吹き下ろした突風が、
衣玖のフィーバーポーズを伝ってバトルフィールドに猛烈な嵐を巻き起こしたのだ。
風に煽られて揺らぐ雛のベイブレード。
一方で、羽衣スタビライザーで空気をコントロールし、何事もないようにフィールドをかける衣玖のベイブレード。
「もらった!」
その隙を逃さず、衣玖のベイブレードが雛のベイブレードの下に入り込み、一気に突き上げる。
衣玖のフィーバーポーズを伝ってバトルフィールドに猛烈な嵐を巻き起こしたのだ。
風に煽られて揺らぐ雛のベイブレード。
一方で、羽衣スタビライザーで空気をコントロールし、何事もないようにフィールドをかける衣玖のベイブレード。
「もらった!」
その隙を逃さず、衣玖のベイブレードが雛のベイブレードの下に入り込み、一気に突き上げる。
……勝敗は決した。
雛のベイブレードはそのまま渦巻く乱気流に乗り、厄をまき散らしながら空の彼方へと消えていった。
雛のベイブレードはそのまま渦巻く乱気流に乗り、厄をまき散らしながら空の彼方へと消えていった。
「気流を、変えたの?」
「いや、私はただ空気を読んだだけ。
アレだけの大回転がぶつかり合えば、上空には必ず大きな乱気流が出来る。
それが吹き下ろすのを読んで、空力をコントロールしてフィールドへと導いたのよ」
そう、ベイブレードが起こす風さえも、衣玖は最初から読み切っていたのだ。
雛はこの敗北から、回転だけではない、奥深いベイブレードの世界を思い知ったのだった。
「いや、私はただ空気を読んだだけ。
アレだけの大回転がぶつかり合えば、上空には必ず大きな乱気流が出来る。
それが吹き下ろすのを読んで、空力をコントロールしてフィールドへと導いたのよ」
そう、ベイブレードが起こす風さえも、衣玖は最初から読み切っていたのだ。
雛はこの敗北から、回転だけではない、奥深いベイブレードの世界を思い知ったのだった。