空気椅子は地獄である
ましてや、今回の挑戦者は肉体派と言えないような二人だ。
大方の予想通り、開始五秒で既に膝が笑いはじめている。
ましてや、今回の挑戦者は肉体派と言えないような二人だ。
大方の予想通り、開始五秒で既に膝が笑いはじめている。
「魔女さん、あまり無理はしない方がいいですよ」
早苗がそう挑発するが、既に彼女の声は震えている。
「そういうあなたの方こそ、かなり無理をしているのではないかしら?リタイアしてはどう?」
一方でパチュリーの声は恐ろしいほど落ち着いていた。
もっとも、もう膝の方は小刻みに揺れて限界を感じさせる。
(どうしてこの魔女は、平気な顔をしていられるのだろう……)
滲み出る脂汗を感じながら、横目にパチュリーの様子を窺う。
平然とした顔。汗一つかいていないその様子は、普段となんら変わりない。
「勝負はもう見えているでしょう?身体を壊してしまう前にリタイアしなさい」
パチュリーがもう一度そう言ったが、早苗はプルプルと首を横に振った。
平然と早苗を見るパチュリー。だがその刹那、そのままの表情で、魔女の身体が後ろへ倒れていく。
「むきゅ~」
呆気にとられる早苗。
そんな早苗に、横になり平然とした表情のままパチュリーが尋ねた。
「どうして、私が顔色一つ変えずにいたのに、勝負をしようと考えたの?
普通に考えれば勝ち目があるとは思えないでしょうに」
「だって、あなたの膝は限界丸出しで笑ってましたから」
「……」
表情は固定していたパチュリーだったが、そこに集中しすぎて
身体の動きは固定できていなかった事に気が付いていなかったのだ。
早苗がそう挑発するが、既に彼女の声は震えている。
「そういうあなたの方こそ、かなり無理をしているのではないかしら?リタイアしてはどう?」
一方でパチュリーの声は恐ろしいほど落ち着いていた。
もっとも、もう膝の方は小刻みに揺れて限界を感じさせる。
(どうしてこの魔女は、平気な顔をしていられるのだろう……)
滲み出る脂汗を感じながら、横目にパチュリーの様子を窺う。
平然とした顔。汗一つかいていないその様子は、普段となんら変わりない。
「勝負はもう見えているでしょう?身体を壊してしまう前にリタイアしなさい」
パチュリーがもう一度そう言ったが、早苗はプルプルと首を横に振った。
平然と早苗を見るパチュリー。だがその刹那、そのままの表情で、魔女の身体が後ろへ倒れていく。
「むきゅ~」
呆気にとられる早苗。
そんな早苗に、横になり平然とした表情のままパチュリーが尋ねた。
「どうして、私が顔色一つ変えずにいたのに、勝負をしようと考えたの?
普通に考えれば勝ち目があるとは思えないでしょうに」
「だって、あなたの膝は限界丸出しで笑ってましたから」
「……」
表情は固定していたパチュリーだったが、そこに集中しすぎて
身体の動きは固定できていなかった事に気が付いていなかったのだ。
こうして、早苗さんは何もせず勝利を得るという奇跡を起こしたのだった。