>>235の時点でアリスが思ったのは、今回は神綺とタッグかも、ということだった。
しかし>>240というスナイパーは、そんなアリスの甘い予測を裏切った。
対戦相手は、その当の神綺となった。これでは協力を得ることも出来ない。
そして対戦方法も、天地創造。
魔界に存在する全てのものの母である神綺に、そんな勝負を挑んで勝てるはずもない。
アリスは半ば諦めた。だが、諦めて何もしない、不戦敗となるというのでいいのだろうか?
とりあえず、この不利な戦いに手をつけてみようか。
なに相手はその道のプロ、負けたところで当然だし、万が一にも勝てば儲けもの。
「やってみるか、いつも通り本気は出さないで」
しかし>>240というスナイパーは、そんなアリスの甘い予測を裏切った。
対戦相手は、その当の神綺となった。これでは協力を得ることも出来ない。
そして対戦方法も、天地創造。
魔界に存在する全てのものの母である神綺に、そんな勝負を挑んで勝てるはずもない。
アリスは半ば諦めた。だが、諦めて何もしない、不戦敗となるというのでいいのだろうか?
とりあえず、この不利な戦いに手をつけてみようか。
なに相手はその道のプロ、負けたところで当然だし、万が一にも勝てば儲けもの。
「やってみるか、いつも通り本気は出さないで」
試合の決着は、7日後。
1日目は文献にあたり、闇雲に進むことにはならなそうだ、と胸をなでおろす。
2日目は文献片手に試してみるものの空回り。天でうまくいかない。
3日目は守矢神社に行き、2柱にお手本を見せてもらった。
4日目は三月精が遊びにきたので、あまり時間がとれなかった。
5日目はなんとか形はできたが、動物がまったくいない。取材にきた射命丸に心配された。
1日目は文献にあたり、闇雲に進むことにはならなそうだ、と胸をなでおろす。
2日目は文献片手に試してみるものの空回り。天でうまくいかない。
3日目は守矢神社に行き、2柱にお手本を見せてもらった。
4日目は三月精が遊びにきたので、あまり時間がとれなかった。
5日目はなんとか形はできたが、動物がまったくいない。取材にきた射命丸に心配された。
そして6日目。アリスの家に人がやってきた。
「おいーす、アリス。元気にやってるか?」
「あら魔理沙、いらっしゃい」
魔理沙もこの勝負の行方を気にしていたそうで、アリスに進捗具合を訊ねる。
アリスは5日目までの結果を述べ、思考が袋小路に陥っている状況を説明した。
「まあ、でもお手前の器用さで空と海、太陽やら月やら星やら、
そういった無機物は綺麗に出来てるじゃないか」
魔理沙は、陽気に笑い、
「アリス、ならお得意の裁縫で動物、つまり魚・鳥・獣・家畜、そして人間を造ってくれないか?」
「なるほど、本物がだめなら、せめてぬいぐるみってわけね」
上海・蓬莱の人形たちも総出で、アリスは動物たちをつくっていく。
傍らで見ていた魔理沙が、ふと立ち上がった。
「どうしたの魔理沙?」
「いいから。ちょっと見てな?」
ひょい、と近くにあった猫のぬいぐるみを持ち上げると、魔理沙はアリスの知らない呪文を唱え始める。
するとどうだろう、ぬいぐるみが本当の猫になり、「にゃーお」と声をあげた。
「すごい魔理沙! 一体、どうやってやったの!?」
「内緒だZe☆ これであの超絶美しい神様にも勝てるだろうさ」
こうしてなんとか6日目にして、アリスは小さいながらも一つの世界を創造した。
「おいーす、アリス。元気にやってるか?」
「あら魔理沙、いらっしゃい」
魔理沙もこの勝負の行方を気にしていたそうで、アリスに進捗具合を訊ねる。
アリスは5日目までの結果を述べ、思考が袋小路に陥っている状況を説明した。
「まあ、でもお手前の器用さで空と海、太陽やら月やら星やら、
そういった無機物は綺麗に出来てるじゃないか」
魔理沙は、陽気に笑い、
「アリス、ならお得意の裁縫で動物、つまり魚・鳥・獣・家畜、そして人間を造ってくれないか?」
「なるほど、本物がだめなら、せめてぬいぐるみってわけね」
上海・蓬莱の人形たちも総出で、アリスは動物たちをつくっていく。
傍らで見ていた魔理沙が、ふと立ち上がった。
「どうしたの魔理沙?」
「いいから。ちょっと見てな?」
ひょい、と近くにあった猫のぬいぐるみを持ち上げると、魔理沙はアリスの知らない呪文を唱え始める。
するとどうだろう、ぬいぐるみが本当の猫になり、「にゃーお」と声をあげた。
「すごい魔理沙! 一体、どうやってやったの!?」
「内緒だZe☆ これであの超絶美しい神様にも勝てるだろうさ」
こうしてなんとか6日目にして、アリスは小さいながらも一つの世界を創造した。
◆
7日目
「さて今回の勝負は、天地創造。
昨日までに造ってきてもらった世界を審査員に評価してもらい、
好感を得た方の勝ちです」
審査員長の四季映姫がそういって、審査員の名前を挙げていくが、その中に霧雨魔理沙がいた。
アリスは魔理沙を舞台裏に引っ張って行き、問い詰める。
「あなた、審査員だったんじゃない! ああいう手伝いはルール違反じゃないの?」
しかし魔理沙は、きょとん、として
「なんのことだ?」
「昨日、私の家にきて世界創造を手伝ってくれたじゃないの」
「……昨日は神社にいたんだけど?」
「へ?」
「わけわかんないヤツだなーw ほら、みんなに悪いし、審査に入ろうぜ?」
スタスタと歩いていってしまう魔理沙の後ろ姿を見ながら、アリスは訝しんだ。
(はて、照れ隠しだろうか?)
「アリスも戻ってきたようですし、さっそくお披露目といきましょうか」
四季映姫の司会で競技が進んでいく。
「まずはアリスさんの。うん、規模はそれほどではありませんが、申し分ない」
綺麗にまとまっているとの高評価が出た。
「次に神綺さんの。さすがの壮大さ。しかし……」
四季映姫が首をかしげて神綺に訊ねる。
「なぜ獣・家畜、人間がいないのですか?」
「6日目は忙しかったんですよ」
にこやかに笑って、サイドテールを揺らす神綺。
「忙しかった。ふむ。んーなるほど、そのようですね。
しかし人間がいないようでは、ポイントは大きく落ちますよ?」
「しかたありませんね♪」
「さて今回の勝負は、天地創造。
昨日までに造ってきてもらった世界を審査員に評価してもらい、
好感を得た方の勝ちです」
審査員長の四季映姫がそういって、審査員の名前を挙げていくが、その中に霧雨魔理沙がいた。
アリスは魔理沙を舞台裏に引っ張って行き、問い詰める。
「あなた、審査員だったんじゃない! ああいう手伝いはルール違反じゃないの?」
しかし魔理沙は、きょとん、として
「なんのことだ?」
「昨日、私の家にきて世界創造を手伝ってくれたじゃないの」
「……昨日は神社にいたんだけど?」
「へ?」
「わけわかんないヤツだなーw ほら、みんなに悪いし、審査に入ろうぜ?」
スタスタと歩いていってしまう魔理沙の後ろ姿を見ながら、アリスは訝しんだ。
(はて、照れ隠しだろうか?)
「アリスも戻ってきたようですし、さっそくお披露目といきましょうか」
四季映姫の司会で競技が進んでいく。
「まずはアリスさんの。うん、規模はそれほどではありませんが、申し分ない」
綺麗にまとまっているとの高評価が出た。
「次に神綺さんの。さすがの壮大さ。しかし……」
四季映姫が首をかしげて神綺に訊ねる。
「なぜ獣・家畜、人間がいないのですか?」
「6日目は忙しかったんですよ」
にこやかに笑って、サイドテールを揺らす神綺。
「忙しかった。ふむ。んーなるほど、そのようですね。
しかし人間がいないようでは、ポイントは大きく落ちますよ?」
「しかたありませんね♪」
◆
軍配はアリスにあがった。
拾いものの勝利だが、アリスには胸につかえるものがあり、帰り道ずっと考え込んで飛んでいた。
「あっ!」
急に進路を変えるアリス。
懐かしの我が家の戸を開き、そこに母の姿を見つける。
肩を上下させている娘を見ながら、神綺はお茶目に言った。
「>>235は、『魔界神の加護を受けた』アリスちゃん、だもんね」
拾いものの勝利だが、アリスには胸につかえるものがあり、帰り道ずっと考え込んで飛んでいた。
「あっ!」
急に進路を変えるアリス。
懐かしの我が家の戸を開き、そこに母の姿を見つける。
肩を上下させている娘を見ながら、神綺はお茶目に言った。
「>>235は、『魔界神の加護を受けた』アリスちゃん、だもんね」
結果:アリスの勝利