トンデモ勝負が当たり前のように行われる昨今にしては珍しく、今回の勝負はごく平和的なものとなった。
「ネコを懐かせればいいんですよね? だったら、普段から神社で相手してますから簡単ですよ」
マグロ投げ勝負で勝利したことによって自信をつけた早苗は笑顔で言った。
その一方で、魅魔の方は困り果てた表情をしている。
「そういえば、最後に動物と戯れたのなんていつのことだっけねぇ……」
マグロ投げ勝負で勝利したことによって自信をつけた早苗は笑顔で言った。
その一方で、魅魔の方は困り果てた表情をしている。
「そういえば、最後に動物と戯れたのなんていつのことだっけねぇ……」
任意の場所でネコを探し、一週間後にどれだけ懐いているかを比べるということを取り決めて解散した。
そして一週間後、勝負の結果を見届けるために観客が集まり、審判である映姫によって判定が下されようとしている。
「まずは東風谷早苗さん。ネコとともに入場してください」
映姫の呼び出しに応じて審査用ステージに入場した早苗は、合計で6匹に及ぶネコの家族を引き連れていた。
ステージの中央に辿り着かないうちに子猫たちが早苗の体に飛びついたりよじ登ったりしているのを見るに、かなりの高評価を期待できそうである。
「ダメですよ。ちゃんと私の近くでおとなしくしてなきゃ」
たくさんの子猫と戯れる早苗の姿は、言葉など必要ないほどに癒される光景を作り出していた。
映姫の呼び出しに応じて審査用ステージに入場した早苗は、合計で6匹に及ぶネコの家族を引き連れていた。
ステージの中央に辿り着かないうちに子猫たちが早苗の体に飛びついたりよじ登ったりしているのを見るに、かなりの高評価を期待できそうである。
「ダメですよ。ちゃんと私の近くでおとなしくしてなきゃ」
たくさんの子猫と戯れる早苗の姿は、言葉など必要ないほどに癒される光景を作り出していた。
「続いて魅魔さん。ネコとともに入場してください」
早苗と猫の家族によって癒された観客が見守る中、ステージへと歩み出て来たのは魅魔一人だった。
「貴方ひとりですか? そもそも評価の対象となるネコがいなければ、無条件で敗退となりますが」
「いや、連れてきてはいるんだけど、人見知りする性格でね……ほら、怖くないから出といで!」
魅魔が呼ぶと、ステージに備え付けられた入場ゲートが軋む。
次の瞬間、ゲートを薙ぎ倒して全長8メートルはあろうかという巨大なネコ……いや、体の縞模様を見る限りはトラが地響きを立ててステージの床板を踏み割りながら魅魔に歩み寄る。
その光景に早苗は口を大きく開けたまま硬直し、早苗にじゃれ付いていた猫の家族は一目散に逃げ出す。
「あ……えっと……それは……ネコですか?」
あまりにも予想外の事態に口をパクパクさせながらも、魅魔が連れてきたネコ(?)の威圧感に呑まれないあたりは流石に閻魔の肩書きを持つ存在である。
「いや、その……ウチの周りにはコイツぐらいしかネコっぽい奴がいなくてね……ほら、私って地獄ルートのボスだし」
魅魔にしては珍しく歯切れの悪い答えを返す。
「まぁ、よく見れば確かにネコ科動物の持つ特徴はしっかりと揃っているようですが……」
会場全体が静まり返る。
「あー……一応ちゃんと私に懐いてるよ?」
早苗と猫の家族によって癒された観客が見守る中、ステージへと歩み出て来たのは魅魔一人だった。
「貴方ひとりですか? そもそも評価の対象となるネコがいなければ、無条件で敗退となりますが」
「いや、連れてきてはいるんだけど、人見知りする性格でね……ほら、怖くないから出といで!」
魅魔が呼ぶと、ステージに備え付けられた入場ゲートが軋む。
次の瞬間、ゲートを薙ぎ倒して全長8メートルはあろうかという巨大なネコ……いや、体の縞模様を見る限りはトラが地響きを立ててステージの床板を踏み割りながら魅魔に歩み寄る。
その光景に早苗は口を大きく開けたまま硬直し、早苗にじゃれ付いていた猫の家族は一目散に逃げ出す。
「あ……えっと……それは……ネコですか?」
あまりにも予想外の事態に口をパクパクさせながらも、魅魔が連れてきたネコ(?)の威圧感に呑まれないあたりは流石に閻魔の肩書きを持つ存在である。
「いや、その……ウチの周りにはコイツぐらいしかネコっぽい奴がいなくてね……ほら、私って地獄ルートのボスだし」
魅魔にしては珍しく歯切れの悪い答えを返す。
「まぁ、よく見れば確かにネコ科動物の持つ特徴はしっかりと揃っているようですが……」
会場全体が静まり返る。
「あー……一応ちゃんと私に懐いてるよ?」
………………
…………
……
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「こ、この勝負は魅魔さんの勝ちとします! ですからさっさとその巨大生物を連れて帰ってください!」
「そう? 悪いねぇ。力技で勝ちにいっちゃったみたいで♪」
「そう? 悪いねぇ。力技で勝ちにいっちゃったみたいで♪」
結果:映姫の独断によって魅魔の勝利