5スレ第37戦(2) - 東方ファイトスレ @まとめウィキ

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勝負は、交互に自作のポエムを朗読しあい、
続行不可能になった時点でのタイムをはかり、二人のタイムの合計で長かったほうを勝ちとした。
ちなみに朗読の最中の時間稼ぎの類は全て反則とし、
罰則としてタイム減算かあるいは八意プロデュースのコスプレで朗読続行の刑となる。
ちなみにこの勝負の模様は、幻想郷の皆さんが観客として遠巻きに観戦しております。
ええ、それはもうニヤニヤが止まらない様子で。

「梅雨が来るたび思い出すの、嗚呼あの日のあなたどこに行ったの。
　私の恋は幾千万里を乗り越えて、それでもあなたに届かないの」
「八坂神奈子選手、もっと実感をこめて読みなさい。棒読み禁止」
「あなたのつぶらな瞳を、お、思い出すだけで、私の心は火照っていくの、
　も、もう一度聞かせてあなたの声を、濡れそぼった、わ、私の体に染み渡らせて……う、ううぅー」
「神奈子選手１ターンクリア、次、八雲紫選手」
「あ、あのー、私負けでいいからギブアップさせて……」
「紫選手減点です、罰として八意永琳特性のなんちゃってセーラー服着用を強制します」
「いきなり罰が重いわよ！？」
「この勝負に自発的リタイアは許可されていません。ちなみに反抗すればするだけ罰は大きくなります。
　しまいにはパンチラ魔女っ子コスプレで語尾は『はにゃ』とかつけて、朗読させた動画を幻想郷じゅうにばらまきます」
「や、やるわよやればいいんでしょ！？
　あ、あー。愛☆し★て☆る♪　私の愛しの子狐ちゃん（はーと）♪
　ぷりてぃできゅーとな尻尾がらぶりぃ、ずっと・絶対・離さないんだから♪」
「ぶふっ」
「し、審判が笑うな！」
「だ、だってかっこはーとて、ぷりてぃできゅーとって……す、すいませんツボに、ぶふふふふ」
「わ、笑うんだったらもう読まな――」
「抗議するふりして時間稼ぎですね、うぷぷ、罰として紫選手にはタイム加算無しでさらに２フレーズ朗読追加」
「ぅきゃー！！」

――説明しよう。紫や神奈子と言えど、大昔には年頃の少女だった時期もある。
そして、愛とか恋とか大好きな年頃の女の子たるもの、ポエムの十個や百個は余裕で自作しているものなのだ（断言）。
そういった過去の作品を読まされる場合、それが昔のものであればあるほど、羞恥心は増し増しになる。

「私の恋は一直線！　片思いでも何のその！
　ハートに魔法で火をつけて、あなたと一緒にバーニング！」
「魔理沙ー」
「な、なんだよ、審判でもない巫女が何の用だ」
「それ本当に恋愛のポエムなの？」
「何かおかしいのか？」
「……いや、まあいいけど」

一方の霧雨魔理沙、恋を歌っていると言いながら、作中に「！」がやたらと多い熱血ノリになっていた。
それが普段のノリと大して変わらないためか、多少顔を赤らめつつも、すらすらと読み続ける。

「嗚呼、一人の時間はもうたくさん、私はここから旅に出る。
　まだ見ぬ誰かとともに歩む、未来を夢見て走り出そう、
　非難の声もあるだろう、辛苦の時もあるだろう、
　だがそれを超えたその時こそ、真の愛を手に入れるだろう！」

そして比那名居天子。ノリノリである。竜宮の使いが観客席で、その空気の読めなさっぷりに頭を抱えていた。
基本的に天子は社会経験が乏しい故、この手の自分を振り返って感じるタイプの羞恥心が薄いのだ。
むしろ、観客の視線を感じてノリに拍車がかかっている。観客の失笑？　才無き者にはこのポエムから溢れ出る才能は理解できないのよ！

という具合に、勝負は基本的に天子と魔理沙が良い勝負をし、神奈子と紫が足を引っ張る展開となった。
特に神奈子と紫、羞恥で噛んだり審判に条件反射で噛み付いたりしているうちに、どんどんペナルティ（コスプレ）が重ねられていき、
それに伴い、あややのシャッター音もどんどん増えていく。
「って、やってられるかぁあああ！」
「愛も恋ももうたくさんよぉおお！！」
――積み重ねられる羞恥についに耐え切れなくなった二人、そのままコスプレ姿（紫はウサミミナース、神奈子は早苗の巫女服）で力の限りに暴れだす。
こうなるともう勝負どころじゃない、事情は馬鹿らしかろうが幻想郷の危機である、
審判と観客の五割とどさくさに紛れて勝負から抜けた魔理沙が全力で、二人を止めに入ったのだった。
ちなみに観客の残りの五割は、繰り返されるポエムに飽きが入っていたためフツーに酒飲んで談笑していた。

「真の愛とは何なのか、理解するまでは時間もかかる、
　だけれどいつかきっと気づく、それはとても近くにあったのだと……」

というわけで、空気読まずに朗読を続けた天子の一人勝ち。

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