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*ニロ抜き短音階の考察
東方Projectに関する楽曲のほとんどが短調であり、その中でも主旋律には&bold(){“ニロ抜き短音階”}をベースに作曲されていると言います。
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***&bold(){ニロ抜き短音階}とは?
ここから先は全てイ短調(Am)を基準に、アメリカ・イギリス式音名表記を用いて進めて行きます。
イ短調(Am)の自然短音階、
・A-B-C-D-E-F-G-A から、第二音(ニ)と第六音(ロ)を抜いた
・A--C-D-E--G-A
この五音音階のことを指します。
全国にも民族音楽などを中心に、これと似た五音音階が存在しますが、同様に日本でもこのような五音音階が存在します(詳細は割愛)。
噛み砕いて言えば、短調の楽曲においてこの音階を用いてメロディを書けば、日本人が聴くと日本風な曲に聴こえやすいということになります。
神主の幻想郷に対する世界感からして、ただ単なる感覚ではなく、(日本風な雰囲気を醸す為に)意図的にこの音階を使って作曲をしているという可能性は否定できません。
特に、[[明日ハレの日、ケの昨日]]のイントロ及びAメロの主旋律は、このニロ抜き短音階の代表的存在と言っても過言ではありません。
&italic(){&bold(){しかし、本当に東方の楽曲の主旋律に、自然短音階の第二音(B)と第六音(F)がないのかというと、実はそうではありません。}}
第六音はほとんど使われていませんが、第二音は使われることが多いです。
だったらニロ抜きじゃないじゃんという話にもなりますが、西洋音楽の七音音階である自然短音階と、五音音階であるニロ抜き短音階を決定的に区別させる点は特に、
&bold(){第六音(F)があるかないか}
ということに尽きます。
また、七音音階に比べて五音音階は、使用できる音が二つ(B,F)も減らされていますので、作曲が可能なフレーズのバリエーションに限りが生まれやすく、パターン化が起きやすいという問題が少なからず生じます。
そこで、第二音(B)を例外的に追加してやることにより、表現の幅が広がり、尚且つ第六音を使用しないので、ニロ抜き短音階の雰囲気をあまり壊すことなく作曲が出来ます。
これで、東方のほとんどの楽曲において、主旋律にニロ抜き短音階が使用されていると言えます。
&italic(){補遺1:クラシックではホルスト作曲の、組曲「惑星」から第四楽章「木星」の中間部にある有名な主旋律が、ヨナ抜き長音階(C-D-E--G-A--C)をベースとして作られているという見解があります。しかし、これも第四音(F)は使っていないものの、例外的に第七音(B)は随所使用されています。特に西洋人にとってそのままのヨナ抜き長音階は、スコットランド民謡の響きを連想させることが多く、クラシックの場合は、第七音を例外的に追加してやることで、民族音楽らしさを除きながらもヨナ抜きの独特の情緒や叙情を残すことが出来ます。}
&italic(){補遺2:また、ZUN作曲ではありませんが、黄昏フロンティアのあきやまうに(U2)氏作曲の「東方萃夢想」や「砕月」のフレーズは、ZUN氏が普段作曲する楽曲よりも極めてニロ抜きの性格が強いとされます。理由は第二音(B)が使用される頻度が少ないからと言えます。}
また、ニロ抜き短音階は、主旋律(もしくはそれに付随する内声パート)のみに通用するものであり、伴奏のコードやベースの音には影響を及ぼしません。(ここ重要)
例:主旋律には第六音(F)がないのに、コードにはF-G-Amで第六音(F)が使われている。
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更に知識をお持ちの方々は、是非とも編集・改訂にご協力をお願いします。
執筆(2/21):白鷺ゆっきー@黒雪ごはん >>[[Twitter>https://twitter.com/yuki_02010]]
*ニロ抜き短音階の考察
東方Projectに関する楽曲のほとんどが短調であり、その中でも主旋律には&bold(){“ニロ抜き短音階”}をベースに作曲されていると言います。
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***&bold(){ニロ抜き短音階}とは?
ここから先は全てイ短調(Am)を基準に、アメリカ・イギリス式音名表記を用いて進めて行きます。
イ短調(Am)の自然短音階、
・A-B-C-D-E-F-G-A から、第二音(ニ)と第六音(ロ)を抜いた
・A--C-D-E--G-A
この五音音階のことを指します。
全国にも民族音楽などを中心に、これと似た五音音階が存在しますが、同様に日本でもこのような五音音階が存在します(詳細は割愛)。
噛み砕いて言えば、短調の楽曲においてこの音階を用いてメロディを書けば、日本人が聴くと日本風な曲に聴こえやすいということになります。
神主の幻想郷に対する世界感からして、ただ単なる感覚ではなく、(日本風な雰囲気を醸す為に)意図的にこの音階を使って作曲をしているという可能性は否定できません。
特に、[[明日ハレの日、ケの昨日]]のイントロ及びAメロの主旋律は、このニロ抜き短音階の代表的存在と言っても過言ではありません。
&italic(){&bold(){しかし、本当に東方の楽曲の主旋律に、自然短音階の第二音(B)と第六音(F)がないのかというと、実はそうではありません。}}
第六音はほとんど使われていませんが、実際のところ第二音は使われることが多いです。
だったらニロ抜きじゃないじゃんという話にもなりますが、西洋音楽の七音音階である自然短音階と、五音音階であるニロ抜き短音階を決定的に区別させる点は特に、
&bold(){第六音(F)があるかないか}
ということに尽きます。
また、七音音階に比べて五音音階は、使用できる音が二つ(B,F)も減らされていますので、作曲が可能なフレーズのバリエーションに限りが生まれやすく、パターン化が起きやすいという問題が少なからず生じます。
そこで、第二音(B)を例外的に追加してやることにより、表現の幅が広がり、尚且つ第六音を使用しないので、ニロ抜き短音階の雰囲気をあまり壊すことなく作曲が出来ます。
これで、東方のほとんどの楽曲において、主旋律にニロ抜き短音階が使用されていると言えます。
&italic(){補遺1:クラシックではホルスト作曲の、組曲「惑星」から第四楽章「木星」の中間部にある有名な主旋律が、ヨナ抜き長音階(C-D-E--G-A--C)をベースとして作られているという見解があります。しかし、これも第四音(F)は使っていないものの、例外的に第七音(B)は随所使用されています。特に西洋人にとってそのままのヨナ抜き長音階は、スコットランド民謡の響きを連想させることが多く、クラシックの場合は、第七音を例外的に追加してやることで、民族音楽らしさを除きながらもヨナ抜きの独特の情緒や叙情を残すことが出来ます。}
&italic(){補遺2:また、ZUN作曲ではありませんが、黄昏フロンティアのあきやまうに(U2)氏作曲の「東方萃夢想」や「砕月」のフレーズは、ZUN氏が普段作曲する楽曲よりも極めてニロ抜きの性格が強いとされます。理由は第二音(B)が使用される頻度が少ないからと言えます。}
また、ニロ抜き短音階は、主旋律(もしくはそれに付随する内声パート)のみに通用するものであり、伴奏のコードやベースの音には影響を及ぼしません。(ここ重要)
例:主旋律には第六音(F)がないのに、コードにはF-G-Amで第六音(F)が使われている。
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更に知識をお持ちの方々は、是非とも編集・改訂にご協力をお願いします。
執筆(2/21):白鷺ゆっきー@黒雪ごはん >>[[Twitter>https://twitter.com/yuki_02010]]
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