射命丸は見た! ~遺されし楽団員に忍び寄る吸血鬼の魔の手、河童達は知る由もなく…~ ◆shCEdpbZWw
霧の湖、その南側の畔。
湖の向こう側には紅魔館が霧の中にぼぅっとその輪郭だけを映している。
その紅魔館に背を向けるようにしてペンを走らせる少女が一人。幻想郷のブン屋こと、射命丸文である。
今のの状況が彼女自身にとって益であるかそれとも…それを整理するのに少し時間が必要だった。
時は数刻前に遡る。
辛くも咲夜に見つかることなく紅魔館から脱出することが出来た文は、ひとまず近くに聳える木に登って身を隠した。
一度咲夜が一人で紅魔館に戻ってきたが、背負っていた騒霊の姿が無い。
もしかしたらもう死んでいて彼女はそれを葬りに外に出たのだろうか?そう考える間もなく、再び咲夜は一人で紅魔館を後にしていた。
主を探しに行くのだろう、そう推測をしたところで正午の時を告げるかのような二回目の放送が始まった。
ペンを走らせながら、名簿の中に脱落者の名前を見つけてはそこに線を引いて消去していく。
「う~ん…思っていたよりペースが鈍っていますねぇ…」
この放送で名前がコールされたのは六人。
その中には同僚であり、先刻その死体を目撃した椛の名前も当然あったし、守矢神社の神のうちの一柱や白玉楼の庭師兼剣術指南役、さらには七色の人形使いといったそれなりに名の知れた強者の名前もあった。
だが、死んだと推察したリリカの名前は呼ばれない。そうなるとますます咲夜の行動が読めなくなってきた。
あれほどの力を持つ者ならば、他者を保護しようとするなら手元に置いておけばいいはずなのに。
意外だったのはそれだけではない。自分がけしかけたような形になる不死者も、さらにはけしかけた先の紅白の巫女もコールはされなかったことだ。
あれほどの強者がぶつかりあえば双方が無事で済むとは思えない。ともすれば二人は遭遇することがなかった、ということなのか。
もとより文本人が直接手を下しているわけではない。そこに様々な不確定要素が介在する余地を許していたとはいえ、思い通りに事が運ばないのはやはり面白くない。
そして、これだけ脱落者が出るペースが鈍っている原因を考えてみれば…
「恐らく、すでに徒党を組んでゲームに乗っていないグループが相当数出ているんでしょうねぇ。」
この異変が始まってまだ一日と経っていない今はまだその集団も小さいものがいくつか点在するに過ぎないものだろう。
だが、それが合流して手を組んだとするならば…ゲームに乗っている文にとっては好ましからざることになる。
能力の制限されたこの状況下だ、いかに好戦的な紅白の巫女や先刻出会ったあの天人様が強かろうと、大集団の前ではいささか分が悪い。
もう少しお互いで潰しあってもらわないと何かと不都合だ。
では、そうしたゲームに乗らない輩共を潰すにはどう立ち回ればいいか…そう考えていたその矢先のことだった。
「あの出で立ちは…服装は違いますが背格好からすれば吸血鬼のお嬢様…?」
太陽が燦々と照りつける中を吸血鬼が普通は歩けるはずもない、ただ普段のお嬢様の趣味とは大きく趣を異にしたあのいささか不恰好なコートがあればそれも可能なのだろう。
幸い、レミリアは文に気づくこともなく無人の紅魔館にその歩を進めていった。
危ないところだった、と文は胸をなでおろす。先ほど咲夜が館を離れた隙に脱出していなければ、袋のネズミとなっていたであろう。
もし侵入者だと断罪されていれば、プライドの高いレミリアのことだ、命の保証はなかったに違いない。
館に入ったレミリアがどう動くか、紅魔館の入口を木の上から注視していたところで、文はまた紅魔館に近づいてくる人影をその視界に捉えた。
ついさっきこの館を立ち去ったばかりの咲夜だ。
「さっきからフラフラと…彼女は何がしたいのでしょうかね…?」
あれやこれやと考えているうちに咲夜も樹上の文には気づくことなく紅魔館のエントランスへと消えていった。
幸いにして、ドアは開け放たれたままとなっている。文は注意深く木から降り、外の門柱の陰から中の様子を窺い知ろうとした。
そして、文が目にしたのは片膝をつき、主に対して恭順の姿勢をとっていたメイド長の姿であった。
どんな言葉を交わしたかまでは知ることは出来なかったが、あの二人が合流してその主導権をレミリアが握ったであろうことは容易に推察できた。
咲夜が殺し合いに乗っていないことは承知している、もしレミリアもそうであったなら…殺し合いに真っ向から逆らう強力なチームができてしまう事になる。
それも急造のチームではない、常日頃から固い主従関係で結ばれた二人だ、崩すのは簡単なことではない。
一旦ロビーから二人が姿を消したのに乗じ、文は再び木に登って姿を隠して思考の海に身を委ねようとした。
あの二人をどうやって打倒するか、それも極力自分の手を汚さずに。
しかし、またしても考える間もなく、レミリアと咲夜が紅魔館を出て何処かヘ歩いて行くのが見えた。
「次から次へ…少しは状況を整理する時間をくださいよ…」
一人ごちながら再び木から降り、見つからないよう、見失わないよう、ギリギリの距離を取りながら文は二人の尾行を始めた。
道中身を隠すものが少ないところもあり、神経を使う羽目になったが程なくして目的地に着いたようだ。
赤レンガの外壁に囲まれた洋館、ここには取材で何度か訪れたことがある。騒霊楽団、プリズムリバー三姉妹の邸宅だ。
咲夜が先導し、レミリアと共に洋館に入るのを確認して、文は窓の外から中を窺う。
そして、文は見た。騒霊がメイド長に組み伏せられ、その指を切り落とされるのを。
そして、それを冷淡な目で見下すようにしていたお嬢様の姿を。
文は思考の修正を迫られることとなった。
恐らくお嬢様は殺し合いに乗ったのだ、そしてメイド長はお嬢様の意向にどこまでも従順なのだろう。
たとえ咲夜本人が殺し合いを心中では否定していようとも、お嬢様の命は己が意思よりも優先される。
でなければ、わざわざ一度リリカを自邸まで運んでおいたにも関わらず、再度訪ねてきてこのような行為に及ぶはずがない。危害を加えるつもりなら最初から手を下しているはずだ。
文は名簿に「レミリア:積極的」「咲夜:追従(レミリア)」とサッと書き込んだ。
気になるのはリリカの扱いだ。指は落とされたようだが、命を取られたわけではないようだ。
文は推測する。恐らくリリカは何らかの形でお嬢様の怒りを買うこととなった。
プライドの高いレミリアはただ殺すだけでは飽き足らず、嬲るようにしてリリカの命を玩ぶことを選択したのだろう。
咲夜が自分の意思でレミリアに仕えるのとは違う、恐らく圧倒的な力の前にリリカはレミリアに屈服させられた…。
とするならば、リリカもレミリアと通じていると見たほうがいいか。
レミリアと咲夜が立ち去り、館にはリリカ一人が残された。
本当ならリリカから事の次第を取材したいところだ。だが、気まぐれなお嬢様がいつまた取って返してくるか分からない。
外と違って建物の中では逃げ場がない。ただでさえ、さっきも紅魔館で危ない目に遭いかけたばかりだ。
仮にうまく接触できたとして、リリカが保身のために自分の情報をレミリアに漏れてしまったら…今後の行動にいささか支障をきたすことは否めないだろう。
「当事者から生の声を取ることが記者としての務めではありますが…ここは自重しておきましょうか」
リスクとリターンを天秤にかけて、文はここは撤退を選択した。ただ、この短時間にかなり多くの情報を収拾することが出来たのは間違いない。
自分にとって情報はこれ即ち武器。その武器を研ぐための時間がほしい。
文はプリズムリバー邸を離れ、万が一にもレミリア達に見つからぬように紅魔館を避けてぐるっと霧の湖のかなり外側を遠回りして湖の南側に回りこんでいった。
そして時間は冒頭のところにたどり着くこととなる。
レミリアがゲームに乗ったのは好都合ではあったが、やはり仲間…もとい、下僕を作られたのは厄介だ。
ギリギリまで単独行動を志す文にとって、最終局面で多数を相手にするのは何としても避けねばならない。
理想としてはレミリア達のチームに殺戮を続けさせながらじわりじわりと消耗させること。
それをさせるには…単騎特攻では心もとない、やはり集団には集団で対抗させるのがいいだろう。それも…出来れば殺し合いに反目する者達がいい。
いくら殺し合いに否定的とはいえ、襲われるままに命を散らすことはないはず。自衛のために少なからず戦闘行為を行うことは間違いない。
しかし、そのためには何はともあれ他者とコンタクトを取らねばならない。
これまで文が接触してきたのは、妹紅にしろ、天子にしろ、単独行動をしていた者。まだ徒党を組む者とは接触をしていないのだ。
言葉巧みに妹紅と天子を煽動してきたとは言え、今までとは違い相手が一人なのと、集団なのとでは勝手が違う。
状況が状況だ、疑心暗鬼に陥っている者が出ている可能性は高い。そういう相手だとまず話をすることさえ困難だ。
ゲームに乗っていない連中が群れているとするのなら、いきなり現れた参加者に疑念をいだくこともあるだろう。
それを思えば、接触する対象はなるべくなら自分に近しい存在であるほうがいいだろう。
言葉は慎重に選ばねばならないが、今まで以上に対象も慎重に選ばねばならない。ターゲットを間違えれば…下手をすれば自分がゲームオーバーだ。
「…面白いじゃないですか。」
言の葉を操るプロフェッショナルとしての血が疼くのを感じた。
* *
辺りを警戒しながら霧の湖に、そしてその先の紅魔館に向かって歩みを進める三つの影があった。
先刻、妹紅と別れた河城にとりと
レティ・ホワイトロック、そして支給品扱いのサニーミルクである。
この辺りは小高い丘のようなものが点在するとはいえ、身を隠せるような遮蔽物がほとんどない。
サニーミルクの能力を使えば自分達の姿を隠して移動することも考えた。
だが、来るべきその時に備えて今のうちにサニーミルクには日光浴を満喫させて力を蓄えてもらおう、その総意のもとに三人はとぼとぼと歩みを進めていた。
「なぁサニー、ほどほどにしておかないとなくなっちゃうぞ?その飴玉」
「だって美味しいんだもん」
にとりがサニーミルクをいさめる様に言うが当の本人は意に介さず、またドロップの缶を傾けて次の一つを取り出そうとしている。
「あ、白いのだ。レティ、これあげる」
「え、あ、あぁ、うん、ありがと」
サニーミルクがポイッと投げるようにしてレティの掌にハッカのドロップをよこす。柔らかな春先の陽射しは異変など関係無しに降り注いでいる。
陽光の下でお菓子片手に湖に向かってお散歩、なんて。これが異変でもなければなんて暢気なピクニックだっただろう、とレティは思う。
こうものどかだと殺し合いの渦中にいることを忘れてしまいそうになる。出来れば忘れてしまいたいのが本音なのだが。
別のドロップを出して幸せそうに口に放り込むサニーミルクを見ると、これから向かう霧の湖を住処とするあのおてんばな氷精の姿が重なる。
彼女は今頃何をしているだろうか。放送で呼ばれていないところを見るとまだ生きているのは確からしい。
きっと、いつものようにあまり深く考えずに出会う者に喧嘩を売っているのだろう。今の状況を思えば自殺行為以外の何物でもないが。
氷精である
チルノと、冬の妖怪であるレティ。共通項が多いだけに少なからずシンパシーは感じている。
他人の心配をしていられるほど今のレティには余裕は無いが、なんにせよ死んではいないのはいいことだ。
あまり頭はよろしくないが、もし彼女と手を組むことが出来れば自分も今以上に力を発揮することが出来るだろう。
水を操るにとりとの相性もいいかもしれない、それは人里で証明済みだ。
人里での輝夜との一戦は、今もレティの心に暗い影を落としていた。もし自分にもっと力が、せめて他者を守ることが出来るだけの力があれば。
大怪我をした萃香も一緒になって逃げられたかもしれない。偶然出会った妹紅を萃香を救い出すという大義の下に死地に送り出すことも無かったかもしれない。
知らなかったとはいえ、
リリーホワイトをその手にかけてしまった時も自分の力を呪った。
だが、こうして共に背中を預け合う仲間が出来た。そうなると以前とは別の意味、無力さ故に自分の力を呪ってしまう。
もちろん、今の自分達の至上の目的は紅魔館に向かってひとまずは同じ方向を向いているらしいフランドールと合流することだ。噂に聞く吸血鬼だ、力も自分とは比べ物にならないであろう。
だが、萃香も自分より遥かに力のある存在であった。その萃香でさえ、あの銃という暴力的存在の前に倒れてしまったのだ、どんなことがあってもおかしくない。そんな有事の際に自分が何も出来ないのは嫌だ。
だからレティは思う。自分だけではなんとも出来ないが、自分の能力と相性のいいにとりと、そしてそれにチルノが加わってくれれば…1+1+1が3以上のものになる可能性がある。そうすれば、自分達のみならず大事な存在を護りきれるのではないだろうか。
だから、もしチルノの情報が入れば…紅魔館に着いたその後にはチルノを加えるべく動いてみてもいいかもしれない。
「どうしたのさ、レティ?ずいぶん難しい顔しちゃってるけど」
「あの白いのが効いてるんじゃないの?」
気づけば随分しかめっ面をしていたらしい。
にとりとサニーミルクが心配そうにレティの顔を覗き込んでいた。レティは苦笑いを浮かべながら返事をする。
「あ、あぁ、ごめんね。ちょっと考え事をしててね」
「レティったら、前もそんなことがあったの」
「おやおや。まぁ、考え事もいいけれど、ここまで来たんだ、お互い隠し事はなしだからな?」
隠し事。
そういえばまだにとりにはリリーホワイトのことを話していなかったのを思い出す。サニーミルクもその辺りは承知していたようで、少し表情が曇る。
いつかは言わなければいけないだろうと思っていたあの忌まわしい記憶。正当防衛とはいえ、決して許されることではない。
これまではせっかく出来た仲間という絆、そこに波風を立てたくなかった為に封じ込めていた。だが、今なら、今ならにとりも殺しの罪を許さずとも一定の理解は示してくれるのではないか。
自分の犯した罪に長いこと苛まれていたレティは、今はとにかくそのことを吐き出してしまいたかった。
神妙な顔でこちらを見ているサニーミルクに目くばせをする。レティの考えていることが分かったのか、こくりと小さく頷いた。レティは意を決する。
「あ、あのさ、にとり、実は…」
「待った!誰か来る!」
言いかけた瞬間にそれは遮られた。
にとりと同じ方向を見ると、こちらに向かって走ってくる人影が一つ。サニーミルクも身構えて同じ方向を見る。
「…どうする?サニーの力で姿を隠そうか?」
「いや、ちょっと待って、あれは…」
レティを手で制しながらにとりが前方の人影を凝視する。徐々に近づいてくるその人影、自分と同じ妖怪の山の住人であるその妖怪。
「あ、文さんじゃないか!?」
【C-3 霧の湖の手前 一日目 午後】
【河城にとり】
[状態]疲労
[装備]なし
[道具]支給品一式 ランダムアイテム0~1(武器はないようです)
[思考・状況]基本方針:不明
1. 紅魔館へ向かう。ある程度人が集まったら主催者の本拠地を探す
2. 皆で生きて帰る。盟友は絶対に見捨てない
3. 首輪を調べる
4. 霊夢、永琳、輝夜には会いたくない
※首輪に生体感知機能が付いてることに気づいています
※永琳が死ねば全員死ぬと思っています
※レティ、妹紅と情報交換しました
【レティ・ホワイトロック】
[状態]疲労(足に軽いケガ:支障なし) 、精神疲労
[装備]なし
[道具]支給品一式×2、不明アイテム×1(リリーの分)、サニーミルク(S15缶のサクマ式ドロップス所有)
[思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る気は無い。可能なら止めたい
1. 紅魔館へ向かう(少々の躊躇い)
2. この殺し合いに関する情報を集め、それを活用できる仲間を探す(信頼できることを重視)
3. 仲間を守れる力がほしい。チルノがいるといいかも…
4. リリーホワイトを殺してしまったことをにとりに打ち明けたいけど…
5. 輝夜の連れのルナチャイルドが気になっている
※永琳が死ねば全員死ぬと思っています
※萃香、にとり、妹紅と情報交換しました
* *
同僚の椛ほどではないが、文も天狗の端くれ。ある程度目はいい。
事実、人里では見つからない程度の距離から霊夢が「仕事」をするのを遠巻きに観察してきた。
その目が遠くから来る人影を捉えた。
その人影の中に河城にとりの姿を認めた時、文はほくそ笑んだ。
同じ妖怪の山に住まう者だ、ある程度性格は把握している。
かつて、妖怪の山に突如として現れた守矢神社に、霊夢と魔理沙が訪ねてきた時。
彼女らと対峙したにとりの行動原理はあくまでも「ここから先は危険だから行かせるわけにはいかない」というもの。
対象の排除ではない、あくまでも相手を慮っての行動。そう、彼女はどこまでもお人よしなのだ。
所詮取材対象でしかない他の参加者の心中に比べたら、近所に住むにとりの考えていることはずっと分かりやすい。
彼女の性格からして、このゲームに乗っていないことはまず間違いないと見ていいだろう。
となると、一緒に歩いている…冬の妖怪と、妖精もまた、殺し合いには乗っていないはず。
ゲームに乗っていない集団で、さらに顔見知りが含まれている、この上なく理想的なターゲットだ。
そんな集団が、無防備にも一直線にこちらに向かってくる…ということは目的地はこの湖…いや、紅魔館?
思ったとおり、あの建物は目立つらしい。人里からもそれほど離れていない。今後も紅魔館を目指す者は増えるだろう。
もしかしたら、にとり達のような平和主義者が、紅魔館に集結することになっているのかもしれない。
おおよそ、紅魔館を拠点にして策を練ろう、そういう魂胆なのだろう。あるいは篭城戦とでもしゃれ込むつもりか。
「…確かめてみる必要がありますね」
顔見知りということも手伝って、情報を仕入れることは容易そうだ。
なんだかんだで、まだ動向さえつかめていない参加者のほうが多いのだ、この機会は逃せない。
逆に、こちらからは真実と嘘を程よくブレンドして伝えてやればいい。その上でうまく紅魔館へ誘導してやる。
紅魔館にはレミリア達が待つ。おいそれと他者の侵入など許さないであろう。近づけば交戦は間違いない。
力量的に見ても圧倒的にレミリア達が有利だろうが、この制限下ではどうなるか分からない。
にとり達の支給品如何では、互角以上に戦える可能性もある。うまいこと潰しあってくれればしめたものだ。
ようは、うってつけの当て馬が向こうから歩いてくるのだ。思わず表情が崩れる。
いけない、笑いをこらえなければ。きっと今の自分の顔はさぞかし邪な笑みに支配されているだろう。
仕事モード、仕事モード…よし。とりあえずいつも通りに声をかければ怪しまれることもないはず。
あとは…さも仲間を見つけたかのように、喜び勇んで駆け寄ってみればさらに効果は上がるだろう。
さぁ、ここからが腕の見せ所だ。
にとり達には…せいぜい私の思う通りに動いて、散ってもらうとしましょうか。
【C-3 霧の湖南端 一日目 午後】
【射命丸文】
[状態]健康
[装備]短刀、胸ポケットに小銭をいくつか
[道具]支給品一式、小銭たくさん、さまざまな本
[思考・状況]基本方針:情報収集&情報操作に徹する。殺し合いには乗るがまだ時期ではない。
1.にとり達と接触し、情報収集したい。
2. にとり達をうまく言いくるめて危険地帯である紅魔館に送り込みたい。
3.燐から椛の話を聞いてみたい。
※妹紅、天子が知っている情報を入手しました
※本はタイトルを確認した程度です
※リリカがレミリアの軍門に下ったと思っています
最終更新:2010年06月13日 12:07