時すでに始まりを刻む ◆3nT5BAosPA
鑢七花ととがめのふたり、あるいは、ひとりの人間と一本の刀は、自分たちに支給されたアイテムの確認をしていた。
彼らの戦いに武器は必要ない。虚刀流の使い手である七花に刀を振るう才は無いし、肉体ではなく頭を使った奇策を得意とするとがめも、武器の扱いに長けているとは言い難いからだ。たとえ彼らにどれだけチートじみた性能の武器が支給されていたとしても、無用の長物である。確認するだけ時間の無駄かもしれない。
しかしながら、その場にあるものを十全に活用してこその奇策だ。もしかすれば、武器ではなく、この島からの脱出に役立つアイテムが入っているかもしれない。
そういうわけで、とがめたちが次にとる行動に『自分たちに渡された支給品を確認しない』という選択肢はなかった。
彼らの戦いに武器は必要ない。虚刀流の使い手である七花に刀を振るう才は無いし、肉体ではなく頭を使った奇策を得意とするとがめも、武器の扱いに長けているとは言い難いからだ。たとえ彼らにどれだけチートじみた性能の武器が支給されていたとしても、無用の長物である。確認するだけ時間の無駄かもしれない。
しかしながら、その場にあるものを十全に活用してこその奇策だ。もしかすれば、武器ではなく、この島からの脱出に役立つアイテムが入っているかもしれない。
そういうわけで、とがめたちが次にとる行動に『自分たちに渡された支給品を確認しない』という選択肢はなかった。
「なあ、とがめ。見てみろよ」
そう言いながら七花が取り出したのは、一本の刀だった。
鉄ではなく、木でできた刀である。
鉄ではなく、木でできた刀である。
「おれに刀を支給するどころか、真剣ですらない木刀を渡すなんて、びぃびぃは性格が悪いやつだよな。戦わせる気があるのか知れないぜ」
「それを言うなら、こんな催しを開いている時点で、あやつの性格は最悪だろう」
「それを言うなら、こんな催しを開いている時点で、あやつの性格は最悪だろう」
言って、とがめは七花から木刀を受け取った。
いくら普通の木刀に見えるとはいえ、忍法以上に摩訶不思議な術を見せてきた女から支給された物品である。何か特殊な細工が施されているかもしれない。そんな可能性を考慮して、とがめは受け取った木刀をまじまじと見つめた。
いくら普通の木刀に見えるとはいえ、忍法以上に摩訶不思議な術を見せてきた女から支給された物品である。何か特殊な細工が施されているかもしれない。そんな可能性を考慮して、とがめは受け取った木刀をまじまじと見つめた。
「うーむ、普通の木刀だな。強いて特徴を挙げるなら、綺麗な木刀だ。握るだけで心が洗われて清くなる……そんな感覚があるくらいには綺麗な木刀だ」
「だったら、そのままとがめが持ち続けていたらどうだ? 握ってそんな感想が出てくるような刀は、こんな息が詰まりそうな状況じゃ結構便利な道具に思えるぜ」
「ちぇりお!」
「だったら、そのままとがめが持ち続けていたらどうだ? 握ってそんな感想が出てくるような刀は、こんな息が詰まりそうな状況じゃ結構便利な道具に思えるぜ」
「ちぇりお!」
海外で別れの際に用いられる言葉を叫びながら、とがめは木刀を握っていない方の手で、七花の腹を叩いた。
「わたしを誰だと思っている! 奇策士だぞ! 奇策士とがめだ! 相手の考えの裏をかき、企みならぬ悪巧みを趣味とするわたしが、握るだけで聖人君子のような気分になってしまう刀を握り続けたら、奇策士の看板を下すことになってしまうではないか! キャラ崩壊も甚だしいわ!」
とがめは握っていた木刀を投げ捨てた。湧きあがりそうになっていた清廉潔白な心とまとめて捨て去るような動作だった。
「それにしても、握るだけで心が洗われるほどに綺麗な木刀か。それも中々に不思議な刀だよな。もしかして四季崎記紀の変体刀なんじゃないか?」
「刀の形をしている分、お主が先ほど見たという火と弾が飛び出る武器よりはそれっぽいかもしれぬ……だが考えてみろ七花。かの刀鍛冶四季崎記紀が作りし変体刀は、一本あるだけで戦況を左右してきたほどに凄まじい力を持っている刀なのだぞ? この『ばとるろわいある』で言えば、持っているだけで優勝がほぼ確実になるくらいの性能だ──それほどまでの力が、持ち主が清らかな気分になる程度の性能しかない刀にあると思えるか? しかも、刀は刀でも木刀だぞ?」
「うーん……そう言われると違う気がしてきた」
「刀の形をしている分、お主が先ほど見たという火と弾が飛び出る武器よりはそれっぽいかもしれぬ……だが考えてみろ七花。かの刀鍛冶四季崎記紀が作りし変体刀は、一本あるだけで戦況を左右してきたほどに凄まじい力を持っている刀なのだぞ? この『ばとるろわいある』で言えば、持っているだけで優勝がほぼ確実になるくらいの性能だ──それほどまでの力が、持ち主が清らかな気分になる程度の性能しかない刀にあると思えるか? しかも、刀は刀でも木刀だぞ?」
「うーん……そう言われると違う気がしてきた」
納得する七花。
ちなみに、彼がその木刀──『王刀・鋸』を四季崎記紀の変体刀だと思ったのは、それが持つ不思議な性質は勿論のこと、七花が有する変体刀への共感覚が理由だったのだが、未だ刀として『未完了』の状態である彼が、とがめの弁舌を前にその感覚を確信するのは難しかった。
以上のような会話を経て、木刀はその場に置いて行かれることになった。握るどころか、鞄に入れて携行することすら避ける徹底ぶりである。奇策士は己の悪辣さを守るのに必死なようだ。
持てば清らかな気分になるとはいえ木刀は木刀なので、他の参加者に拾われることが無いよう破壊しておこうかと思った七花だが、その必要はないととがめは言った。
ちなみに、彼がその木刀──『王刀・鋸』を四季崎記紀の変体刀だと思ったのは、それが持つ不思議な性質は勿論のこと、七花が有する変体刀への共感覚が理由だったのだが、未だ刀として『未完了』の状態である彼が、とがめの弁舌を前にその感覚を確信するのは難しかった。
以上のような会話を経て、木刀はその場に置いて行かれることになった。握るどころか、鞄に入れて携行することすら避ける徹底ぶりである。奇策士は己の悪辣さを守るのに必死なようだ。
持てば清らかな気分になるとはいえ木刀は木刀なので、他の参加者に拾われることが無いよう破壊しておこうかと思った七花だが、その必要はないととがめは言った。
「なにせ、持ち主から戦闘意欲のような邪な感情を奪ってしまいそうなほどに清い刀だ、他の参加者が拾ったところで、わたしらに害はなかろう。むしろ、破壊の為にお主がそれに触れてしまう方を避けたい」
清らかさで己の刀の切れ味が落ちる可能性を危惧している辺り、先ほど王刀に触れたばかりとはいえ、とがめの奇策士としての頭脳の切れは落ちていないようである。
十数分後、ふたりの支給品の確認は終わった。
十数分後、ふたりの支給品の確認は終わった。
「でさ、とがめ、これからどこに向かうんだ? 島からの脱出が目的なんだから、やっぱ海がある方か?」
「そうしたいところだが、この首輪がある限り脱出はできん。島から離れれば爆発するらしいからな」
「そうしたいところだが、この首輪がある限り脱出はできん。島から離れれば爆発するらしいからな」
いかなる理屈の絡繰を用いればそのような機能が付属している首輪を作れるのか、とがめにはさっぱり分からないが、ここは『るーるぶっく』に書かれていることを信じた方が賢明だろう。ルールを疑って破った結果、頭と胴体が泣き別れになれば、笑いごとでは済まされない。
「だからまずは、島を回って他の参加者と接触し、情報を集めようと思う。さきほどの少女にしようとしたのと、似たようなことだな。殺し合いに乗り気ではない、あるいは話が通じる相手であれば、わたしが交渉しよう。逆に、そうでない相手がいれば……」
「おれの出番ってわけだな」
「おれの出番ってわけだな」
頭脳担当と荒事担当。バトルロワイアルが始まってまだ数時間しか経ってないとは思えないほどに、役割分担がはっきりしているコンビが、ここにあった。
次に、とがめは地図を再び広げた。片手に持ったランタンで、それを照らす。紙上に描かれた島の全体像の中には、点在している施設の名前が書かれていた。その中でも特にとがめの関心を引く施設がひとつあった。
その名も尾張城──尾張幕府の将軍の住処であるはずの城は、しかし、なぜかこの島にもあった。
まあ、BBは刀集めの最中であったとがめたちを呼び寄せられたのだ、動かぬ城ひとつを動かせても、おかしくは無い。
己にとっての仇が住まう場所と同名の施設があることを知り、とがめは心中で薄く笑った。いつかその頂点まで上りつめてやると思っていた城が、こんな場所にあることに数奇な運命を感じたからである。
そのような運命的な繋がりがなくとも、分からないことだらけの島に、自分が知っている施設があるというのはありがたい。
出来ることなら、七花を連れて向かいたいところだ──しかし。
遠い。
遠すぎる。
周囲の地形を地図と照らし合わせて見てみると、現在とがめたちがいるのは、那田蜘蛛山を挟んで尾張城真逆に位置する場所だった。知っているからという理由だけで向かうには、厳しい位置関係である。
とりあえずは近くの、出来るだけ人が集まりそうな施設に向かうべきか?
とがめが目的地について考えを巡らせた──その時である。
ふっ、とランタンの灯りが消えた。
油が切れたのかと思ったが、そうではない。見てみると、ランタンに大きな空洞がぽっかりと開いていた。これではいくら油を足したところで灯りは点かないだろう。
唐突に発生した異常事態に、とがめは周囲への警戒を強める──しかし、遅かった。
ざくっ。
ざくっ。
彼女の体に、何かを貫く音と衝撃が響いた──腹部からだ。
目を向けると、そこには穴が二つ開いていた。
次に、とがめは地図を再び広げた。片手に持ったランタンで、それを照らす。紙上に描かれた島の全体像の中には、点在している施設の名前が書かれていた。その中でも特にとがめの関心を引く施設がひとつあった。
その名も尾張城──尾張幕府の将軍の住処であるはずの城は、しかし、なぜかこの島にもあった。
まあ、BBは刀集めの最中であったとがめたちを呼び寄せられたのだ、動かぬ城ひとつを動かせても、おかしくは無い。
己にとっての仇が住まう場所と同名の施設があることを知り、とがめは心中で薄く笑った。いつかその頂点まで上りつめてやると思っていた城が、こんな場所にあることに数奇な運命を感じたからである。
そのような運命的な繋がりがなくとも、分からないことだらけの島に、自分が知っている施設があるというのはありがたい。
出来ることなら、七花を連れて向かいたいところだ──しかし。
遠い。
遠すぎる。
周囲の地形を地図と照らし合わせて見てみると、現在とがめたちがいるのは、那田蜘蛛山を挟んで尾張城真逆に位置する場所だった。知っているからという理由だけで向かうには、厳しい位置関係である。
とりあえずは近くの、出来るだけ人が集まりそうな施設に向かうべきか?
とがめが目的地について考えを巡らせた──その時である。
ふっ、とランタンの灯りが消えた。
油が切れたのかと思ったが、そうではない。見てみると、ランタンに大きな空洞がぽっかりと開いていた。これではいくら油を足したところで灯りは点かないだろう。
唐突に発生した異常事態に、とがめは周囲への警戒を強める──しかし、遅かった。
ざくっ。
ざくっ。
彼女の体に、何かを貫く音と衝撃が響いた──腹部からだ。
目を向けると、そこには穴が二つ開いていた。
「……え?」
腹を貫いていたのは、海月のような触手だった。
目と腹の距離でなければ気づけないくらいに、透明度の高い触手である。
触手が引き抜かれると同時に、空いた穴から血が零れ、とがめは膝を崩して倒れた。
奇しくもその傷は、彼女がこの殺し合いに招かれることなく旅を続けていた場合の、数か月後の未来で負うことになる銃創と、似た位置にあった。
目と腹の距離でなければ気づけないくらいに、透明度の高い触手である。
触手が引き抜かれると同時に、空いた穴から血が零れ、とがめは膝を崩して倒れた。
奇しくもその傷は、彼女がこの殺し合いに招かれることなく旅を続けていた場合の、数か月後の未来で負うことになる銃創と、似た位置にあった。
「と──とがめ!」
絶叫をあげる七花。
その近くでは、透明な襲撃者──クラゲアマゾンが漂っていた。
その近くでは、透明な襲撃者──クラゲアマゾンが漂っていた。
■ ■
七花はとがめの元まで駆け寄り、しゃがみ込んだ。とがめの傷口からは、彼女の白い髪とは真逆の色をしている血が、どくどくと溢れている。
「急に、いったい何が──」
前方から何かがやって来た気配を感じた七花は、顔を上げた。
そこには何もいない。宵闇と木々以外何も見えない──普通の人間には、そう見えるだろう。
しかし、七花は違う。
つい先日、刀身が透けている薄刀と戦った経験があり、透明なものに目が多少慣れている七花は、辛うじてそれを認識することができた。
輪郭がぼやけた状態で浮かび上がっているそれは、人間と海月を足して二で割ったような姿をしている。
透明な襲撃者から、風を切る音がした。奇策士の体に風穴を開けたのと同じ、触手の刺突である。
このままでは七花ととがめは、ふたりまとめて串刺しだ。
そこには何もいない。宵闇と木々以外何も見えない──普通の人間には、そう見えるだろう。
しかし、七花は違う。
つい先日、刀身が透けている薄刀と戦った経験があり、透明なものに目が多少慣れている七花は、辛うじてそれを認識することができた。
輪郭がぼやけた状態で浮かび上がっているそれは、人間と海月を足して二で割ったような姿をしている。
透明な襲撃者から、風を切る音がした。奇策士の体に風穴を開けたのと同じ、触手の刺突である。
このままでは七花ととがめは、ふたりまとめて串刺しだ。
「虚刀流──『女郎花』!」
七花は眼前に迫りつつあった数本の触手目掛けて腕を振った。
女郎花──虚刀流の返し技であり、折った刀を相手に返す技。
七花はその応用として、触手を折り、逆にクラゲアマゾンに刺そうとしたのだ。これがもし人間として成長し、刀として完成した時系列の彼であったら、こうはならなかっただろう。とがめが晒している惨状にひどく狼狽し、動くことさえできなかったはずだ。
派手な音を立てて折れた触手は、進行方向を七花からクラゲアマゾンへと変更し、殺到する。
しかし、それらがクラゲアマゾンの体を串刺しにすることは無かった。体表面に触れる寸前に、見えない障壁に阻まれたかのように弾かれたからである。
硬い──透明な体の、さらにその上から透明な鎧でも着ているのだろうか?
そんな推察をしつつ、触手を折ったことで生じた僅かな隙間を利用してクラゲアマゾンの懐に這入り込んだ七花は、構えを取った。
虚刀流四の構え『朝顔』。
足を横に並べ、拳をつくった上半身を思いっきりねじ切った形にする構え。
それから繰り出される技は──
女郎花──虚刀流の返し技であり、折った刀を相手に返す技。
七花はその応用として、触手を折り、逆にクラゲアマゾンに刺そうとしたのだ。これがもし人間として成長し、刀として完成した時系列の彼であったら、こうはならなかっただろう。とがめが晒している惨状にひどく狼狽し、動くことさえできなかったはずだ。
派手な音を立てて折れた触手は、進行方向を七花からクラゲアマゾンへと変更し、殺到する。
しかし、それらがクラゲアマゾンの体を串刺しにすることは無かった。体表面に触れる寸前に、見えない障壁に阻まれたかのように弾かれたからである。
硬い──透明な体の、さらにその上から透明な鎧でも着ているのだろうか?
そんな推察をしつつ、触手を折ったことで生じた僅かな隙間を利用してクラゲアマゾンの懐に這入り込んだ七花は、構えを取った。
虚刀流四の構え『朝顔』。
足を横に並べ、拳をつくった上半身を思いっきりねじ切った形にする構え。
それから繰り出される技は──
「虚刀流──『柳緑花紅』!」
柳緑花紅──相手の防御や妨害を無視し、好きな位置に衝撃を与えられる、鎧通しの技だ。
当然、透明な障壁であっても貫通する。
虚刀流が奥義のひとつの直撃をモロに受けたクラゲアマゾンの体は、くの字に折れ曲がり、後方に吹っ飛んでいった。木々が吹き飛ばされる音と共に、その神々しい姿は暗闇の中へと小さくなっていく──かなりのダメージを与えられたはずだ。死んだ、とは断言しがたいが、あれでは暫く起き上がれまい。
そう確信した七花が次にとった行動は、とがめを背負い、その場から撤退することだった。
当然、透明な障壁であっても貫通する。
虚刀流が奥義のひとつの直撃をモロに受けたクラゲアマゾンの体は、くの字に折れ曲がり、後方に吹っ飛んでいった。木々が吹き飛ばされる音と共に、その神々しい姿は暗闇の中へと小さくなっていく──かなりのダメージを与えられたはずだ。死んだ、とは断言しがたいが、あれでは暫く起き上がれまい。
そう確信した七花が次にとった行動は、とがめを背負い、その場から撤退することだった。
「とがめ! おい!」
負傷したとがめが耐えられる範囲で最高の速度で走りながら、七花は叫んだ。
「とがめ!」
「そう騒がずとも聞こえておるよ。……それにしても、透明な体躯をした異形とは、随分と常識から外れた存在がいたものだな。まにわににすらあんな芸当が可能な忍者はいなかった気がするぞ──わたしたちとは住む世界が違っているようにしか思えん」
「そう騒がずとも聞こえておるよ。……それにしても、透明な体躯をした異形とは、随分と常識から外れた存在がいたものだな。まにわににすらあんな芸当が可能な忍者はいなかった気がするぞ──わたしたちとは住む世界が違っているようにしか思えん」
腹に穴が二つ開いているとは思えないほどに冷静な口調で、とがめは言った。
「まさか殺し合いが始まって数刻で死ぬことになるとはな。この傷は手遅れだ……と言いたくなるが、この島には怪我や病を治すための施設があるらしい。地図に付属されていた説明書きに、そう書かれていた。ここに来てから訳の分からないものを見てばかりなのだから、もしかすれば、そこにこの傷を治せるだけの物があるかもしれぬ」
「だったらそこに行けば……!」
「幸いにも、わたしたちがいる場所からそう遠くないところにあるらしい。行くだけの価値はあるな」
「だったらそこに行けば……!」
「幸いにも、わたしたちがいる場所からそう遠くないところにあるらしい。行くだけの価値はあるな」
とがめが指した、『箱庭総合病院』がある方角は、幸いにも、先ほどクラゲアマゾンが吹っ飛んでいった方角とは重なっていなかった。
確定した目的地へと、七花は進行方向を修正する。
確定した目的地へと、七花は進行方向を修正する。
「ああ、それにしても──」
透明な襲撃者に腹を貫かれたことで決めかねていた目的地が定まるとは、何とも皮肉な話だな──と。
その思考を最後に、とがめは気絶した。
腹の内で暴れまわる激痛に、ついに意識が耐えられなくなったのである。
閉じ行く彼女の視界には、愛する女の為に必死で走る男の背中が映っていた。
──彼女が、己の体で起きた、『腹の風穴が人間の治癒力を超えた速度で回復している』という異常事態に気づくのは、まだ先の話である。
その思考を最後に、とがめは気絶した。
腹の内で暴れまわる激痛に、ついに意識が耐えられなくなったのである。
閉じ行く彼女の視界には、愛する女の為に必死で走る男の背中が映っていた。
──彼女が、己の体で起きた、『腹の風穴が人間の治癒力を超えた速度で回復している』という異常事態に気づくのは、まだ先の話である。
【C-7/1日目・黎明】
【鑢七花@刀語】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2(確認済)
[思考・状況]
基本方針:とがめに従う
1:とがめに従う
2:とがめの傷を治す
[備考]
※作品前半、とがめの髪がまだ長い頃。5話より前
【鑢七花@刀語】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2(確認済)
[思考・状況]
基本方針:とがめに従う
1:とがめに従う
2:とがめの傷を治す
[備考]
※作品前半、とがめの髪がまだ長い頃。5話より前
【とがめ@刀語】
[状態]:気絶。重傷→回復中。溶原性細胞感染。
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 (確認済)
[思考・状況]
基本方針:なんとしてでも生き残る
1:七花を、その他すべてを利用してでも生き残る
2:───。
[備考]
※作品前半、とがめの髪がまだ長い頃。5話より前
※クラゲアマゾンの触手が折れた際にまき散らされた体液が傷口に付着したことで溶原性細胞に感染しました。覚醒まで時間がかかると思います。
[状態]:気絶。重傷→回復中。溶原性細胞感染。
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3 (確認済)
[思考・状況]
基本方針:なんとしてでも生き残る
1:七花を、その他すべてを利用してでも生き残る
2:───。
[備考]
※作品前半、とがめの髪がまだ長い頃。5話より前
※クラゲアマゾンの触手が折れた際にまき散らされた体液が傷口に付着したことで溶原性細胞に感染しました。覚醒まで時間がかかると思います。
王刀・鋸@刀語
人を正し、心を正す、精神的王道を歩ます、教導的な解毒の刀。
毒気のなさに主眼を置いた刀。武器としてはただの木刀である。C-7のどこかに置き去りにされている。
人を正し、心を正す、精神的王道を歩ます、教導的な解毒の刀。
毒気のなさに主眼を置いた刀。武器としてはただの木刀である。C-7のどこかに置き去りにされている。
■ ■
体の内部に甚大なダメージを受けたはずのクラゲアマゾンは、何事もなかったかのように起き上がっていた。
オリジナルとして並外れた回復力を持っている彼女に、この程度のダメージは意味を為さない。それこそ八つ裂きにでもしなければ、滅殺することは不可能だろう。
クラゲアマゾンは移動を再開する。
ゆらりゆらりと。
空間を漂うように。
何かに引き寄せられるように。
彼女はどこかへと向かっていく。
余人が見ても、その意図は分からないだろう。本人(人?)だって、分かっていないかもしれない。
ただひとつだけ確実に、はっきりと、断言できることがあるとすれば、それは。
彼女が撒いた悲劇の種は、ゆっくりと芽吹きつつある──それだけだった。
オリジナルとして並外れた回復力を持っている彼女に、この程度のダメージは意味を為さない。それこそ八つ裂きにでもしなければ、滅殺することは不可能だろう。
クラゲアマゾンは移動を再開する。
ゆらりゆらりと。
空間を漂うように。
何かに引き寄せられるように。
彼女はどこかへと向かっていく。
余人が見ても、その意図は分からないだろう。本人(人?)だって、分かっていないかもしれない。
ただひとつだけ確実に、はっきりと、断言できることがあるとすれば、それは。
彼女が撒いた悲劇の種は、ゆっくりと芽吹きつつある──それだけだった。
【クラゲアマゾン@仮面ライダーアマゾンズ】
[状態]:ダメージ(大)→回復済
[道具]:無し
[思考・状況]
基本方針:――千■、■
1:邪魔する者は攻撃する。
[備考]
※九話より参戦です。
[状態]:ダメージ(大)→回復済
[道具]:無し
[思考・状況]
基本方針:――千■、■
1:邪魔する者は攻撃する。
[備考]
※九話より参戦です。
| 前話 | お名前 | 次話 |
| LOVE BULLET KAGUYA SAMA | 鑢七花 | 姉弟 |
| とがめ | ||
| Open Your Eyes For The Next AMAZONZ | クラゲアマゾン | 見えざる糸 |