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精神神経科 2008年度

  • p.349
【問題 1-2)検査】
「d.ミネソタ多面人格目録(MMPI)は質問紙法による性格検査であり、精神症状の影響を受けやすい」の正誤について。

2008年度→○
2007年度(p.343)→×
2006年度(p.474)→×

と、解答が割れております。今のところ指摘のみで、申し訳ないのですが。

答えは○です。
質問紙法でも投影法でも精神症状の影響は受けます。
うつ病などによって落ち込んでいるからといって、性格も落ち込みやすいとは限りません。
性格と精神症状は分けて考えてほしいとのことです。

伊井
【管理者 注】教授からのコメント、とのことです。

p.351
問題2-b
b. auditory hallicination → auditory hallucination
だと思われます。

p352
問題4
解答のfですが、脳弓ではなく脳梁ではないでしょうか。
参考文献:色々な画像や解剖の教科書

精神神経科 2007年度

1)症候学
b. ×→○
医学書院医学大辞典によると、「アメンチアとは、身体疾患においてみられる意識障害を基礎とする急激な夢幻様の錯乱で、錯覚、幻覚などの知覚の変容と不安を伴う運動過多をみることが特徴的である」とされており、STEP 精神科のアメンチアの項目でも同様の内容がみられます。
なので、アメンチアを意識が変容した状態と捉えてもよいかと思います。

追加:精神症状学の講義プリントにも意識変容を生じる病態として、もうろう状態とせん妄、アメンチアが挙げられていますね!

2)検査
d. ×→○(2008年度同問に対する教授コメント参照)

4)気分障害
b. ○→×
うつ病では睡眠障害がよく現れる。不眠には、入眠困難、熟眠障害、早朝覚醒があるが、特に早朝覚醒の発現頻度が高い
(講義プリント掲載のうつ病ホームページ「うつばんネット」  参照;うつばんネット→医療関係者のページ→うつ病診療の実際→日常診療での問診例→4.不眠または睡眠過多)
特徴→出現頻度が高い症状と考えました。

e. ○→×
自殺念慮を訴える人への注意の項目で、「うつ病の最も恐ろしい結末は自殺であり、率直に自殺念慮について尋ね、治療中は自殺しないことを約束させて、治療を継続させるようにする。」 とあります。
(気分障害の講義プリント参照)

5)精神保健福祉法
b. ○→×
精神保健指定医でなければ行えない。

  • p.345
4. a.側脳室→側脳室体部 d.側脳室→側脳室下角


精神神経科 2006年度

1.2)検査
d. ×のまま
問題文ではMMPIは投影法による検査かと聞いているので、×のままでいいと思います。

3.9)パーキンソニズム→悪性症候群
2008年度の類題を参考にすると、いくつかある副作用の中でも重大な副作用としては、悪性症候群を挙げるのが出題者の意図に沿っていると考えます。

問題08
4)今後の治療方針と注意すべき事項を述べよ

初めて抗精神病薬を投与する場合は定型抗精神病薬であるハロペリドールより、非定型抗精神病薬であるリスペリドンなどを投与することが多い。また、急性期の治療も重要となってくるので、1ヶ月に満たなくとも投薬を開始する。
パーキンソン病の治療薬であるビペリデンは一度投与を始めると急に止められないため、なるべく投与しない。量を減らしたり、薬を変えたりしてみた後の最後の手段である。
数分もじっと椅子に座っていることが出来ないなど精神運動興奮が認められるので、ジアゼパムなどを投与する。
注意すべき事項は抗精神病薬の副作用である、パーキンソン病様症状、ジストニア、アカシジア、ジスキネジアなどである。

訂正など有りましたらよろしくお願いします。

参考文献;精神科の薬がわかる本

ii


精神神経科過去問情報

(昨年度サイトから転載および一部改変)
2003年以前の出題で2006年度から2008年度までの過去問集に収録されていないものを以下に抜粋。
2004年度から2005年度までの情報をお持ちの方は追加して下さい。

次のことを簡潔に説明しなさい。
  • 強迫観念と妄想 2003-6、2001-5
  • 失神発作と欠神発作 2003-6、2002-6、2001-5
  • MRI上のラクナ梗塞の臨床的意義 2003-6
  • コルサコフ症候群 2002-6
  • アカシジアと遅発性ジスキネジア 2001-5

解離性障害におけるけいれん発作とてんかん発作を鑑別するための
①病歴聴取
②精神医学的現在症のとり方
③検査所見
の留意点を述べなさい。 2001-6
解答例
①誘因として前者では原因となる疾患がなく、ストレスの多い出来事や対人関係障害に関連した心理的原因が存在する。一方、後者は誘因無く突然起こる。この違いが病歴聴取上重要である。
発作出現状況も前者では時・場所との関連が深く、睡眠中や目撃者のいない所では起こらない。一方、後者は時・場所を選ばず、睡眠中や目撃者のいないところでも起こる。
 発作持続時間も前者では一般的に長いのに対して後者では1-2分と短い。また、発作による舌咬傷、外傷や尿失禁も前者には無く後者に見られる。また前者では発作に対する態度に深刻さを欠くが後者では発作を恐れ悩む。
②患者の人格は前者では自己中心的、未熟なヒステリー性人格が多いのに対し、後者では几帳面、粘着性が多い。また、前者では知覚障害、視覚障害、聴覚障害、運動障害が見られる。
③バビンスキー反射が前者では陰性、後者では陽性である。また前者では仰臥位のまま頭と足だけで身体を支え、身体を弓状に反らせる後弓反張が見られる。けいれんの種類も前者では不規則で多彩であるのに対して後者では強直・間代けいれんが見られる。
参考文献:標準精神医学P161、現代臨床精神医学改定第7版P286

症例問題(症状、鑑別疾患、検査、今後の方針について)  簡単ですが・・・
①2003-8
27歳女性
症状として自己嫌悪、希死念慮、引きこもり、考想化声、自殺企図、 情緒不安定、依存的態度がみられる。
②2002-8
45歳男性
長期間大量飲酒を続けていた人が、入院により急に飲酒を中止した。
症状 飲酒時:てんかん発作、振戦
   飲酒中止後:発汗、下痢、振戦、小動物幻視、興奮状態、被害妄想、空間失見当識
③2001-7
73歳女性
症状 嫉妬妄想(夫の女性関係に対する疑念)
   記憶障害(物忘れが目立つ)
   感情興奮性の亢進(夫や娘に対して怒鳴ったり、暴力的になることが多い)


最終更新:2009年10月09日 07:06
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