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  • そのウマ娘は栄冠を超えた(クアドラプルグロウのストーリー)

uma-musumeになりたい部 @ ウィキ

そのウマ娘は栄冠を超えた(クアドラプルグロウのストーリー)

最終更新:2022年12月20日 22:21

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
+ 目次
  • 登場人物紹介
  • 第1部
  • 1話「夢を教えて」
  • 2話「夢を探して」
  • 3話「夢を語って」
  • 4話「夢を見つけて」
  • 育成開始時「アナタの夢の少女」
  • ジュニア期3月前半「コンドルの夢の世界」
  • ジュニア期5月後半「ツヨシの夢の強さ」
  • ジュニア期7月後半「キングの夢の不屈」
  • メイクデビューに向けて「みんなの夢の始まり」
  • メイクデビューの後に「お母様の夢のティアラ」
  • 阪神JFの前に「みんなの夢のG1」
  • 阪神JFにて
  • 阪神JFの後に「誰かの夢のG1」
  • クラシック級2月前半「誰かの夢の責任」
  • チューリップ賞「ティアラの夢のはじまり」
  • 弥生賞を見て「クラシックの夢のはじまり」
  • 桜花賞前夜「わたくしの夢のはじまり?」
  • 桜花賞の前に「栄冠の夢の前に」
  • 桜花賞「栄冠の夢の1つ目」
  • 桜花賞の後に「栄冠の夢の余韻」
  • 皐月賞の後に「彼女の夢の拠り所」
  • オークスの前に「………の夢のオークス」
  • オークス「わたくしの夢のオークス?」
  • オークスの後に「???の夢のオークス」
  • 日本ダービー「日本一の夢のダービー」
  • 安田記念「みんなの夢の先輩」
  • 安田記念の後に「わたくしの夢の先輩」
  • 夏合宿の裏側「黄金の夢の月」
  • 夏合宿の裏側「星の夢の跡」
  • 秋華賞の前に「お母様の夢の秋華賞」
  • 秋華賞「お母様の夢の重み」
  • 秋華賞の後に「名前の夢の栄冠」
  • 菊花賞「クラシックの夢の終着点」
  • 菊花賞の裏側「黄金の夢のクラシック」
  • エリザベス女王杯の前に「メジロの夢の栄冠」
  • エリザべス女王杯「………の夢の………」
  • エリザベス女王杯の後に「???の夢の???」
  • エリザベス女王杯の後に「☆!◇の夢の↓♪※」
  • トレーニング中「白紙の夢の話」
  • トレーニング中「だれかの夢の輝き」
  • 有馬記念「黄金の夢の年末」
  • 有馬記念の後に「泡沫の夢の年末」
  • 正月「あの日の夢の不安」
  • 正月「あの日の夢の勘違い」
  • 正月「あの子の夢のこれから」
  • シニア級2月後半「君の夢のこれから」
  • シニア級2月後半「君の夢の切符」
  • シニア2月後半「アタシの夢の後輩」
  • シニア級2月後半「君の夢の在処」
  • 高松宮記念の前に「何かの夢の高松宮記念」
  • 高松宮記念「先輩たちの夢の高松宮記念」
  • 高松宮記念の後に「___の夢の高松宮記念」
  • 高松宮記念の後に「___の夢のレース」
  • 安田記念の前に「誰の夢のレース」
  • 安田記念「君の夢のレース」
  • 安田記念の後に「わたくしの夢の、はじまり」
  • コメントくれると私が喜ぶ

登場人物紹介

オリジナルキャラクターは全員記載、アプリキャラは一部のみ
+ クアドラプルグロウ
夢を託され、夢に生き、夢を探すウマ娘。
            クアドラプルグロウ
母親と名前に託された「三冠を超える栄冠」を掴み取ろうとしている。
+ クアドラプルグロウのトレーナー
なんてことない、どこにでもいるトレーナー。
”クアドラプルグロウの夢”を叶える手伝いをしている。
+ ツキノエルドラド
ゴールドシチーに憧れ、シチーが取れなかったクラシックの頂を掴み取ろうとするウマ娘。
その性格はかなり子供っぽい。
+ ツキノミフネ
かつて”星”に手が届かなかったウマ娘。
エルドラドの”天命”を見届けようとしている。
+ スペシャルウィーク
クアドラプルグロウの同期。
日本一のウマ娘になろうと、クアドラプルグロウのティアラの裏でクラシックを駆ける。
+ バンブーメモリー
クアドラプルグロウが憧れ、唯一「先輩」とつけて呼ぶ存在。
クアドラプルグロウのことは可愛い後輩だと思っている。

第1部

+ 〜安田記念

1話「夢を教えて」

その日は選抜レースの日だった。
「いっちに、さんし…」
「すぅー…はぁ…」

『みんなやっぱり緊張してるんだな…』
そんなことを考えつつ、一人一人ウマ娘を眺めていた。

「ゲートイン完了、出走の準備が整いました…スタート!」

直後、ざわめきが起こる。

「はっ、はっ、はっ…やあああああああ!!!」
「な、なんだあの子…!?前に出過ぎじゃないか!?」
「既に2番手の子を5バ身は引き離してるわね…単なるアホなのか、作戦なのか…」
「ふふっ…!!!えりゃああああああ!!!」

後続は追いつききれず、その娘は選抜レースを逃げ切ってしまった。
『…すごい娘だ…!』
「ふぅ…」
これは是非スカウトしたい…!
そう思ったが、周りも考えることは同じだった。

「すごいわあなた!あなたなら”桜花賞”も夢じゃない!」
「いや、君なら”オークス”をとれるね!俺と駆けてくれないか?」
「いやいや…クラシックで”エリザベス女王杯”だって取れるさ!間違いなくな!」
「…わぁ、ありがとう!」

「それで、それがあなたたちの”夢”かな?」
「…え?」
「わたくし、たくさんの”夢”を託されてるんだ。それがわたくしの力。だから、素敵な”夢”を持ったトレーナーにスカウトされたいかな。だから…ごめんね!その3つのレース、”全部”取る予定だから!1つだけじゃ満足できないかな!」

…そう、彼女は不敵に宣言した。

その日の夕方、その娘の情報を調べてみた。
『クアドラプルグロウ…』
…三冠を超える、栄冠。

2話「夢を探して」

…最近は彼女のことしか頭になかった。
”クアドラプルグロウ”。彼女が鮮やかに逃げ切った様子が、頭から離れない。

『夢、かぁ…』

彼女は素敵な”夢”を持ったトレーナーにスカウトされたいと言っていた。
なら、彼女の心を動かせるような夢を語らないと…
『…そういえば』
既に彼女は”夢”を託されていると言っていた。
それが、参考になるかもしれない…

『…悲願、か…』
彼女の母親はオークスウマ娘。
ゆえに、託されている。願われている。
母親を超える、活躍を。

『…苦しくないのか…?』
「苦しくないよ」
不意に声をかけられる。
『…クアドラプルグロウ!?』
「クアでいいかな!…というか、ちゃんと自己紹介したことないかな」
そう言って彼女は背筋を伸ばし、上品にお辞儀をしながら自己紹介をする。
「わたくしはクアドラプルグロウ。夢はトリプルティアラにエリザベス女王杯、その他たくさんかな!」
…そう、彼女は言った。
「それで、わたくしの家について調べてどうしたのかな?ストーカーかな?」
『ち、違うんだ…!』

だが、まさか彼女をスカウトするための”夢”を考えていたなんて言うわけには行かないだろう…
「…?まあいいや、苦しくなんてないかな!だって、うちのみんながわたくしに”夢”を託してくれていて…あ」
そこで彼女はふと言葉を詰まらせる。
「…みんな、じゃなかったな。姉やは…」
…彼女は、表情を曇らせた。

「…姉やは、わたくしに”夢”をくれなかった」

3話「夢を語って」

「姉やは、わたくしの大切な人。忙しかったお父様やお母様に変わって、いつもお世話をしてくれて、いつも遊んでくれた。血は繋がってないけど、大切な姉や」
〜〜〜〜〜
「…姉や!わたくしね!大きくなったらトレセンいくの!」
「わぁ…!すごいじゃない!姉や、応援してるからね!」
「ありがとー!それでねそれでね!お母様を超えたトリプルティアラ…ううん、エリザベス女王杯もとって”クアドラプルティアラ”になってみせるかな!だって、お母様がそれが”夢”だったって言ってたから!」
「…そっか」
〜〜〜〜〜
「…そんな姉やは、わたくしが”夢”を語るたび顔を曇らせたんだ」
〜〜〜〜〜
「…姉や…」
「…寂しいよね。トレセンは寮制だもんね」
「…ううん!姉やがいなくても、わたくし1人でも大丈夫かな!」
「ふふっ、そっかそっか!えらいね…ねえ、クア」

「どうか、夢を叶えてきてね」
〜〜〜〜〜
「なのに、最後だけ姉やは”夢”を叶えてきてって言ったんだ。…でも、姉やはわたくしにどんな夢を叶えて欲しいのかわからないかな…」

…そこまでの話を聞いて、思ったことがあった。
『なあ、クア…』
その時、タイミング悪くチャイムがなる。
「あっ、門限が…!ごめんねどこかのトレーナー、わたくし帰らなきゃいけないかな!」
そう言って彼女は去ってしまった。

4話「夢を見つけて」

ある日、夕暮れの屋上でクアが電話をしているのを見つけた。
「…姉や、わたくしは元気でやってるかな。だから心配しないで?…夢?うん、いい感じのスカウトが来たらティアラに挑戦かな!…なんで、そんな悲しそうな声をするのかな…?」
盗み聞きは悪いなと、帰ろうとした時。

「あ、この間のトレーナー!」
ちょうど電話が終わったようだった。
「…最近よく会うかな?もしかしてわたくしにスカウトかな!」
『ああ、実は…』
「ふふ、じゃあ”夢”を教えて欲しいな」
『…』
この間思ったことを、気持ちに込めて。

『君の夢を見つけることだ』
「…うん?どういうことかな?わたくしはもうたくさんの夢を持って…」
『それは誰かに託されたものだ。それが君の力なのはわかってる。けれど…きっと君の姉やが叶えて欲しい夢は、君の夢そのものだ』
「………」

『俺の夢は、君の夢だ。俺の夢を一緒に見つけてくれ、クアドラプルグロウ』

「…ふふっ、なにそれ!まるで口説き文句かな!」
『そ、そう言われると恥ずかしいな…』
「…でもいいよ。面白いな。そんなスカウトは初めて」
『じゃ、じゃあ…!』
「うん!じゃあ、改めて…」

彼女は姿勢を伸ばし、上品にお辞儀をしながら言う。

「わたくしはクアドラプルグロウ!夢は未定、あなたの担当ウマ娘かな!」

育成開始時「アナタの夢の少女」

「ゃあああああああああああああああ!!!」
朝から元気な声が響き渡っている。
その声の主は_

「ふぅ!スペちゃん!今日も並走ありがとうかな!」
「いやいや…クアちゃんもすごいよ!あんな大逃げ、私にはできないもん…」
「でも、わたくしにはスペちゃんみたいな差し切りはできないかな。羨ましいよ」
「そ、そうかな?えへへ…」

『お疲れ様、クア』
「あっ、トレーナー!」
同期であるスペシャルウィークと並走する担当に、声をかけた。

トレーナー室にて。
「それで、トレーナー。わざわざ呼び出してどうしたのかな?」
『ああ、それがな…デビュー戦が決まったんだ』
「えっ!?本当かな!?わぁ、嬉しいなぁ…!わたくし、ようやっと”夢”を叶えるために歩き出せるんだね」
『…ああ』
彼女は誰かの”夢”を背負ってレースをする。
それは、とても良い心構えのはずだが…
『…その、無理はしないでくれよ』
「トレーナーは心配性だなぁ。大丈夫に決まってるかな!」

こうして、デビューに向けてのトレーニングが始まった!

ジュニア期3月前半「コンドルの夢の世界」

クアドラプルグロウとトレーニングを続けていたある日のこと。
「世界最強は!そう!」
「エルコンドルパサー!かな?ふふ、でも負けるつもりはないかな!」
「デース!そうこなくっちゃデス!相手が強ければ強いほど、世界最強もまた強くなるのデスから!」
「うん、一緒に強くなる!かな!」

「…あ、トレーナー!」
『エルコンドルパサーと話してたのか?』
「うん!エルちゃんはすごいかな…あんなすごい”夢”を背負ってる」
『…背負ってる、か』
「…?どうしたのかな、トレーナー?」
『ああいや、なんでもないよ』

…結局言い出すことはできなかった。
⦅…夢は、背負うものじゃなくて…⦆

ジュニア期5月後半「ツヨシの夢の強さ」

「ツルちゃん!がんばって!あとちょっとかな!」
「ひぃ、はぁ…ゴール…」
「もう、ツルちゃんまた無茶してるかな…でもゴールしてえらいよ!」
『クア』
「トレーナー!」

2人はツヨシを保健室へ送ったあと、話をしていた。
「ねえねえトレーナー、ツルちゃんもすごいかな!会長さんみたいになりたいって、”強し”になりたいって…そんな”夢”を、背負ってる」
『…そうか』
「うん!」
『…なぁ、クア』
「ん…?」
『…なんでもないよ』

その日は、そのままトレーニングをした。

ジュニア期7月後半「キングの夢の不屈」

「…トレーナー!今日はキングちゃんと並走だった…かな?」
『ああ、合ってるぞ』
「やったぁ!キングちゃんとの並走、楽しみかな!」
「ええ!価値ある時間をあげるわ!」
「わたくしも!キングちゃんにふさわしい一流の兵装相手になってみせるかな!」
2人はじっくりと並走トレーニングをしていた。

「…ふぅ、疲れたわね」
「ねえねえ、キングちゃんはどうしてそんなに頑張るの?」
「…お母様を見返したいからよ。私は、レースでやれる。ちゃんと一流なんだって、証明してみせるの」
「なるほど…!すごい”夢”を背負ってるんだね…」

⦅あ…⦆
その時ようやく気がついた。
彼女にとって夢は”背負う”もの。
キングヘイローのように、背負うもの。


⦅………⦆
けれど、それでいいのだろうか。
悩むまま、その日は終わった。

メイクデビューに向けて「みんなの夢の始まり」

「トレーナー!わたくし、ついにメイクデビューかな…!」
『ああ、ここまでよく頑張ったよ』
「ふふ、それを言うのはまだ早いかな、トレーナー」

「__労いの言葉は、わたくしが勝ってからでお願いしたいかな!」

レースが始まった。
「はっ、はっ、はっ、はっ___」
「おい、なんだあの子!?大逃げをかましてるぞ!?」
「デビュー戦で大逃げ…?よっぽど無謀なことをするアホなのか、それとも…」

(いい、呼吸は一切乱れてない!このまま押し切るしかない…!)

レースは淀みなく進んだ。
淀みがなさすぎて、恐ろしいほどに。

(いけっ!)

「◯▷×■↑→▽___夢を追いかけて Lv.1」

彼女は加速した。
その先にある”夢”を追いかけるように。

…大逃げでメイクデビューを制した彼女の名前は、瞬く間に広まった。
”三冠を超える栄冠”というその名が。

メイクデビューの後に「お母様の夢のティアラ」

「トレーナーっ!!!!!」
…いきなり、大声で彼女は叫ぶ。

「メイクデビュー終わりだね…これで、わたくしの”夢”を叶える旅路が始まるかな…!!!」
『ああ、これから頑張ろう!』
「次のレース、考えてあるの!”阪神JF”に出たいかな!」
彼女はそう、いきなりはっきりと伝えてくる。

『いいぞ!…ちなみに、なんでだ?』
「え?”ティアラ路線”のウマ娘は、ここに出るといいんでしょ?」
『…ティアラ路線』
それは彼女が家から託された悲願。
言い換えれば”夢”。
それを彼女は背負って、クラシックを走る…
『…なあ、その』
「ん?」
『…無理は、しないでな』
「…へへっ、変なトレーナー!」

阪神JFの前に「みんなの夢のG1」

「…これが、G1」
クアドラプルグロウは身を震わせる。
それは恐怖ではなく…
(…すごい!)
興奮だった。

「…わたくし」

「ようやく、この”夢”の舞台に…!!!」

ゲートが、開く。

阪神JFにて

「……………ふっ!!!」
彼女は相変わらず先頭でハイペースで飛ばしていく。

(いける、いけるいけるいけるいけるいける!!!!!)

彼女の目は輝いている。
…獲物を狙うかのように。
彼女の目が、ゴール板を捉えた。

「いけるうううううううううぅぅぅうあああああああああ!!!」

その時、横を通って行った影。
「……………え?」

「…1着は____!2着は、クアドラプルグロウ………」


「…にちゃ、く………?」

阪神JFの後に「誰かの夢のG1」

「…2着…2着2着にちゃくにちゃくにちゃくにちゃく………」
…レース後、明らかに精神的なダメージを受けているクアを見かけた。
『お、落ち着け、クア!!!』
「あっ…トレーナー………どうしよう、負けちゃった…わたくし、みんなの、夢を背負ってるのにっ………!」
『落ち着くんだ!!!』

しばらくそんなやりとりを繰り返し、なんとかクアを落ち着ける。

「あはは…ごめんね、取り乱しちゃったかな…」
『………本当に、大丈夫か?無理はしないでくれよ……』
「うん、大丈夫。無理はしないかな」

そうして彼女は遠くを見るような目をする。

「ねえ、トレーナー。次のレースは…」
『”チューリップ賞”かな』
「だよね。よーし、そこを目指して頑張るしかないかな!!!」

…彼女はいつものように戻り、次を目指し出した。
だが、彼女はどこか…無理をしているような気がした。

クラシック級2月前半「誰かの夢の責任」

「………」
『………』
明らかに上の空なクアドラプルグロウ。
”阪神JF”で負けたのが、そんなにショックだったのだろうか…
『…クア』
「あっ!?な、何かな?」
『……その』
無理はするなよ。その言葉が、出てこなかった。
だって、彼女の覚悟を知っているから。
彼女が無理をしてでも背負う覚悟をしているのを、知っているから。
『…この間、負けてショックだったのか?』
ただそれだけは興味があった。

「…うん、そうだね。ショックだったのかもしれないかな」
『…かも?』
「ただそれより…苦しかった、かな」
『苦しかった?』
「うん。…誰かがわたくしにみていた”夢”を、裏切ってしまったのが」

     クアドラプルグロウ
「きっと”三冠を超える栄冠”は、こんなところで負けちゃいけない。きっと、絶対に、いつでも負けちゃいけないのに」

『…クア……』

やっぱりこの子は背負いすぎだ。
『……やっぱり、無理はするなよ』
「…ありがとう、トレーナー。でもわたくしは、無理をしてでもこの名前とお母様の期待に応えたいかな」
そう言って、彼女は張り裂けそうな微笑みを浮かべた。

チューリップ賞「ティアラの夢のはじまり」

「すぅー…はぁ…」
クアドラプルグロウは、チューリップ賞のパドックにいた。
(今度こそ負けない…栄冠を掴む…今度こそ…)

そんなどこか不安定な精神状態のまま、ゲートが開いた。

(…今日も先頭。後ろは誰もついてこれていない)
ひたすらに早く早く足を動かす。前へ前へ、少しでも前へ………逃げる。
彼女の目がゴール版を捉えた、その時。

____「……………え?」

「っ!!!!!」
思い出されたのは”阪神JF”の記憶。
自分の背負った夢に応えられなかった時の記憶。

「やだ」

「やだああああああああああうわあああああああああああああああああああっ!!!」

…彼女は悲痛な叫びをあげて再加速した。
無事に逃げ切り勝利となったが………

『…クア』
トレーナーの心には、不安しか残っていなかった。

弥生賞を見て「クラシックの夢のはじまり」

「スペちゃーんがんばれー!!!セイちゃんも負けちゃダメかなー!!!」

大声で友人を応援するクアドラプルグロウ。
『仲良いんだな』
「同期だからね!」

「あっゴールだ…わあああああ!スペちゃーんおめでとー!!!」

そう言って無邪気に喜ぶ彼女。
⦅…ああ⦆

ずっとこんな顔をしてくれていれば良いのに。

あの悲痛な叫びを上げた彼女が、忘れられない。

「はぁああぁ〜…!ここからスペちゃんたちの”夢”を叶える旅路が始まるんだね…!」
『…そうだな』

桜花賞前夜「わたくしの夢のはじまり?」

「…わたくしの、夢?」
『ああ』
「うーん…?なんで急に聞き直してきたのかな?わたくしの夢は未定だって……あ、でも」
クアは思いついたような顔をする。
「…うん、わかったよわたくし。わたくしの”夢”」
『本当か!?』
「うん!わたくしの夢は、”夢”を叶えること!」
『…ん?』
「わたくしは、背負った”夢”を叶えることが”夢”!わかりやすいかな!」
………
『なぁ、クア………』
声をかけようとすると、チャイムが鳴り響く。
…そろそろ寮の門限だ。
「明日に向けて準備しないとかな…また明日、トレーナー!」

そう言って彼女は行ってしまった。
…釈然としない”夢”の結論を置いて。

わざわざ聞き直した理由は、彼女を楽にするためだったのに。
また、重荷を増やしてしまった気がした。

桜花賞の前に「栄冠の夢の前に」

「…”ティアラ”」

クアドラプルグロウの中で重くのしかかるその言葉の重圧。
(…大丈夫。今日は勝つ。勝つ)

(勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ…」

気がつけばその念は口からぼそぼそとこぼれている。
「ね…ねえあの子、なんか怖くない…?」
「う、うん…何かに追われてるみたいな……」

「…はっ。ダメダメ、もうちょっと気楽に行かないとだめかな…!」

「見ててねお母様。わたくし、お母様の悲願を…”トリプルティアラ”を、取るから」

桜花賞「栄冠の夢の1つ目」

ゲートが、開いた。
(このレースの距離はマイル。短い。一瞬で決着がついてしまう)
彼女は足を全力で動かし、前へ前へと進んでいく。
「おーっとクアドラプルグロウ!今回も大逃げ!流石といったところか!」

実際一瞬だ。あっという間に最終コーナーに差し掛かる。
(走れ走れ走れ…目の前にティアラがあるんだ…!お母様の、”夢”が…!)

「こ…こだあっ!!!」

「夢を追いかけて Lv.1」

「ぁぁぁああああああああああああっ!!!」

「クアドラプルグロウ!桜花賞も逃げ切り!逃げ切りました!!!ここに桜花賞ウマ娘の誕生です!!!」
「はぁっ…はぁっ…とっ…た…!

桜花賞の後に「栄冠の夢の余韻」

「トレーナー!わたくし、桜花賞ウマ娘だよ!」
『やったな!』
「うん!やったよ…」

「お母様の”夢”に、応えられた!」
『っ…!』

また、”夢”だ。

『…なあ、嬉しいか?』
「うん!これでお母様が喜んでくれるかな…!」
『いや、そうじゃなくて…桜花賞、取ったわけだし…』
「…?だから嬉しいよ?桜花賞とったから、お母様喜んでくれるかな!」
『……そうか』

それ以上は、何も言えなかった。

「次は”オークス”かぁ…!頑張らなきゃ…!お母様も取った、”オークス”だから…!」

皐月賞の後に「彼女の夢の拠り所」

「___皐月賞、すごかったかな!ねえねえトレーナー!すごかった!!!」
『そうだな、すごかった』

セイウンスカイが逃げ切り勝ち、スペシャルウィークは届かず…
スペシャルウィークの顔が、少し気がかりだった。

………トレーナーと別れたクアドラプルグロウは、一人夜遅い学園を歩いていた。
「うぅ…遅くなっちゃったかな…門限が…先輩に怒られちゃうかな…」
そう歩いていると、木のウロに向かって伏せるスペシャルウィークを見かけた。
「…スペちゃん?」

「うっ…うっ…!お母ちゃんと約束したのに…!日本一になるって…!」
「す、スペちゃん!?大丈夫かな!?」
「あっ…クアちゃん………」
「…そんなに辛かったのかな。皐月賞負けちゃって…」
スペシャルウィークは静かに頷く。
「そうだよね…だって、スペちゃんのお母様の期待に…」
「…悔しい」
「え?」
「私、セイちゃんに負けて…悔しい…!」
「………そう、なん………だ」

離れて、クアドラプルグロウは1人考え込む。
「…わたくしは」

あの日負けた時。

___
「二着二着にちゃくにちゃくにちゃく…」

(…わたくしが感じていたのは、悔しさじゃなくて)

(…めんなさい)


(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった勝てなかった期待に応えられなかった夢を潰したわたくしのせいでわたくしのせいでわたくしのせいで)


「………」
あの日感じていたのは、悔しさではない…自分への自己嫌悪だった。

「……違う?」

「スペちゃんとわたくしで、何が違うのかな……?」

オークスの前に「………の夢のオークス」

「………」
『クア?…クア!!!クアドラプルグロウ!!!』
「はっ…ごめんねトレーナー!何かな?」
『何かな、じゃないだろう…”オークス”が、始まるぞ』
「あ…うん、そうだね!………」
『クア!!!』

___”皐月賞”以来、クアは少しおかしい。
『…皐月賞の日、何か見たのか?』
「…気づかれちゃったかな。平静を装ってたつもりなんだけど」
『一切装えてなかったぞ…』

「…わからないの」
『わからない?』
「わたくしの”夢”と、スペちゃんの”夢”の違いが」
彼女はそう語る。
「わたくしはお母様の夢のティアラを勝ちたい。スペちゃんはスペちゃんのお母様に託された日本一のウマ娘になりたい。…同じ、じゃないの?」
たしかに言葉を聞けば同じように聞こえる。

「なのに…なんでわたくしは”ごめんなさい”で、スペちゃんは”悔しい”なの?」

…なんとなく、話は見えた。
おそらくレースに負けた後の気持ちの話だろう。
『それは…スペシャルウィークにとっての”日本一”は、”スペシャルウィークの夢”だからじゃないかな』
「…?わたくしも、わたくしの”夢”だよ?お母様の夢を叶えることが、わたくしの…」
『その結論を出すのはまだ早い。とりあえず走ってこよう』
「そうだね…オークス、走るかな!」

オークス「わたくしの夢のオークス?」


「さあ、ゲートが___開いた!」
彼女は今回も1番に飛び出す。

2番手に大差をつけ、コーナーへと差し掛かっていく。
(…わからない)
彼女は悩みながら走っていた。
足が、緩む。

「っ……!ダメだ」
(今は、レースに集中…!!!)

のぼり、くだり、またのぼり。
府中の坂を駆けていくウマ娘たち。

…その先頭にいるのが、クアドラプルグロウだった。

「いっ…けぇええええええええええええええっ!!!」

オークスの後に「???の夢のオークス」


『クア、オークス制覇、おめでとう!これでダブルティアラだな』
「ありがとう、トレーナー……」
『どうしたんだ?』

喜ぶそぶりを一切見せず。クアはどこか遠くを見るような、他人を見るような顔をしている。

「…ねえ、トレーナー」
『なんだ、言ってみてくれ』
「来週の”日本ダービー”…見にいきたい。今日のレースの結果は、そうしてから決まるかな」
『…わかった』

着順は当然もう決まっている。
彼女は1着だった。

それでも彼女は、「今日のレースの結果は日本ダービーの後に決まる」と、そう言った。

日本ダービー「日本一の夢のダービー」


大歓声が沸き起こっている。
「夢を掴んだスペシャルウィークっ!!!!!」
「…スペちゃん………」
日本ダービーを掴んだスペシャルウィークを、クアドラプルグロウはどこか寂しそうな眼差しで見つめていた。

「嬉しい…!私、日本一に近づけたんだ…!」
「…ねえ、トレーナー。帰ろうか」
『え?スペシャルウィーク達に声をかけなくていいのか?』
「いいの。…今話しかけるのは、恥ずかしいかな」
そう言ってクアとトレーナーは帰り道を辿りだした。

「…オークスの結果、出たかな」
着順ではなく結果。それが出た。
「オークスは…”わたくしの夢”じゃ、ない」
彼女はそう言い切った。

「これは…”お母様の夢”。わたくしが背負っているもの。わたくしが見ているものじゃない。だって…勝っても、わたくしはスペちゃんみたいに喜べない。負けても、スペちゃんみたいに悔しがれない」
『クア………』
「…ねえ、トレーナーは、わたくしが”夢”を見つけるためにトレーナーになってくれたんだよね?」
『ああ』
「…そっか」
クアは、夕焼け空に視線を向けながら、儚い笑みを浮かべた。

『…次のレースは、秋華賞…でいいんだよな?』
トレーナーは確かめるように言う。
「もちろん。ここまできたら狙うしかないかな、トリプルティアラ!」
先ほどとはうって変わって、元気に答えるクアドラプルグロウ。
「それに…”お母様の夢”を、捨てるつもりじゃないからね」
『…無理はするなよ』
「うん、しないかな!」

安田記念「みんなの夢の先輩」

その日は1人で安田記念の観戦に来ていた。
というのも、今朝…

「トレーナー!今日はわたくし用事があるから、トレーニングとかできないかな…ごめんね!」
『わかった。行ってらっしゃい』

…クアが用事でトレーニングを外すのは珍しいことだった。
たまにはいいかと思い、1人で安田記念の観戦に向かうことにしたわけだが…

「おぉっと、後方から…バンブーメモリー!飛んできました!」
「わあああああ!先輩!バンブー先輩!頑張ってほしいなー!」
『…ん?』
「あとちょっと!差し切れ差し切れバンブーせんぱーい!!!」
『………クア?』
「…トレーナーっ!?」

流れで、バンブーメモリーの控室に行くことになった。
「バンブー先輩!今回もお疲れ様かな!かっこよかったぁ…!!!」
「おっ、クア!へへっ、ありがとっス!」
「ウイニングライブ、絶対最前列で応援するかな!」
「今日のために練習してきたっス!楽しみにしてるといいっスよー!」

…最前列でバンブーメモリーに向かってペンライトを振るクアドラプルグロウを眺めた。
意外な一面を知れた気がする…

安田記念の後に「わたくしの夢の先輩」

夕暮れの中、帰路を辿っていた。
「はぁ〜…先輩かっこよかったなぁ…いつかわたくしも、先輩みたいに…!」
『…本当に憧れているんだな』
「もちろん!…先輩はね、すごい人かな。いろんな人の”夢”を背負って、走ってる………」
そこでふと、クアドラプルグロウは足を止める。
「…先輩は、なんで”夢”をあんなに背負ってるのに、苦しくないのかな」
『…クア』
やっぱり、彼女は背負っていて苦しみを感じている。
『無理はしないでいいんだ』
「無理なんてしてないかな!ただ…」
『ただ…?』
「…わからないの」

「わからないの。わたくしは先輩みたいになれないの?先輩はなんであんなに…人の夢を、キラキラさせられるの?わたくしの背負った夢は、”お母様の夢”は…なんでこんなに苦しいものなの…?わからない…わからないよ…」

『…クア…きっとそれは、彼女が………”自分の夢”を見ているからだ』
「え…?でも、先輩は”みんなの夢”なんだよ…?わたくしの、理想みたいな…」
『いや、違う。彼女は結果的に”夢を見せた”。それだけなんだ』
「…?どういう、ことなのかな…?」
『誰かの夢を背負っているわけではないんだよ』
彼女はよくわからないと言った顔をする。

「…わからない、けど。わからないけど…わかった。わたくしは…”自分の夢”を見つけながら、”お母様の夢”を叶えればいいんだね」
『ああ。君の”お母様の夢”も、立派な”夢”だからな。叶えるのは大切なことだ。…秋華賞、勝つぞ!』
「おー!もうすぐ夏合宿だし、頑張るかなー!」

夏合宿の裏側「黄金の夢の月」

クアドラプルグロウが夏合宿に励む裏側の話。
「………はぁっ!!!」
先輩に見守られながら、トレーニングに励む1人のウマ娘がいた。

「…おっ、タイム縮まってんじゃん!すごいよ、エルドラド!」
「ほんと!?へへっ、シチ姉が見ててくれたおかげだよ!!!」
…ゴールドシチーに見守られながら走るウマ娘。

〈ツキノエルドラド〉は、嬉しそうに微笑んでいた。

「…皐月もダービーも惜しかった。菊花賞、アンタならきっと取れるよ」
「だよねだよね!シチ姉のお墨付きもらっちゃった〜…!アタシ、このままじゃ終われないから…!」
「…”スプリングS”1着、”青葉賞”1着…前哨戦を勝ててる実力はあるんだからさ。きっと行けるよ」
「うん………!シチ姉。アタシはクラシック、勝つから!シチ姉の見た”夢”を掴むよ!」
「…ふふっ、ありがと。期待してるよ」
「うん!期待してて!次は神戸新聞杯…勝つぞー!!!」

そう言って彼女はまた走り出す。
「…なんでだろうね。アタシ、エルドラド見てると…あの子のこと、信じてるけど」

「信じてるけど、あの子がこれから苦しむ気がしてならないんだ」

「苦しむね。そういう〝天命〟だから」
「…ん、ミフネか」
現れたのは、ツキノミフネ。

夏合宿の裏側「星の夢の跡」

「私は〝星〟に負けた。どう足掻いても覆せなかった」
「………」
「この気持ち、あなたならわかるよね? クラシックの頂に届かなかったんだから」
「…そーだね。アタシも結局、クラシックには手が届かずに…」
「それがあなたの天命。視えていてもそう簡単には覆せない絶対。あなたも私も、天命には勝てなかった」
…そこまでを聞いて、シチーはハッと顔を上げる。
「…ねえまさか、エルドラドにもその”天命”だかなんだかがあるっていうの!?」
ミフネは何も言わず、意味深に口角を上げる。
「そんな…!」

「天命を覆せるか、私たちみたいに覆せないまま終わるのか」
「………」
「楽しみだね。一緒に応援していこ、私たちの”夢”を」

2人はただ静かに、無邪気に走るエルドラドを見ていた。

秋華賞の前に「お母様の夢の秋華賞」

「………秋華賞、かぁ」
彼女はどこか遠くを見るように言う。
『大丈夫か?』
「ん?何がかな?」
『…これは、君の”お母様の夢”の…』
「あぁ…!」
彼女はどこか、晴れ晴れとした顔で言う。

「うん、逆に大丈夫かな」
『そうなのか?』
「ダービーを見て、安田記念の後トレーナーに言われて…わかったの。これが”お母様の夢”だって…だから、わたくしはこれを”お母様の夢”として走れる」
彼女はそう語る。
「だからね、だから…わたくしは、このレース、”お母様の夢”のために走るよ。そして、”わたくしの夢”のきっかけも、出来ればつかみたいかな」
『…そうか』

「さあ…走って、くるよ!」

秋華賞「お母様の夢の重み」

ゲートが開く。
彼女は今日も一番に飛び出していく。
(………お母様の、”夢”)
それを背中に感じながら、彼女は走る。

(………このレースに勝てば、お母様は喜んでくれる)
スピードを上げ、先頭をひたすらに駆ける。
(そう、喜んでくれるんだ)

(………これが、”お母様の夢”だから)

(まだ何もわからない。けど、今は…わたくしは…今は、お母様のために!)

彼女の抱える悩み。

自分の”夢”はまだわからない。
だが、他人に託された”夢”を、他人に託されたものとして認識することができた。

それは彼女の成長。

成長した彼女はまた、新しい一歩を刻む。

「___クアドラプルグロウ!トリプルティアラ達成っ!!!!!」

秋華賞の後に「名前の夢の栄冠」

”トリプルティアラ”達成のウイニングライブ。
曲は”彩Phantasia”。
この歴史的瞬間を、観客は精一杯に祝っていた。

そのセンターで踊るクアドラプルグロウの内心には、ライブ前のトレーナーとのやりとりが残っていた。

『おめでとう!クア!!!』
「えへへ…!ありがとうありがとう!ありがとうトレーナー!”お母様の夢”叶えたよ!」
『ああ!次は君自身の…』
そう言うと、クアドラプルグロウの顔が一瞬曇った気がした。
「…そう、だね!うん、そうだ!…けどその前に、”エリザベス女王杯”に行きたいかな!」
『エリ女か?』
     クアドラプルグロウ
「うん。”三冠を超える栄冠”には、あと1つ足りないかな!」
『…そうか。名前に答えたら、その次こそ”君の夢”だな!』
「…うん!」

(………なのに)

わからなかった。
この後に及んで、あと1レースしか他人に託された”夢”が残ってない状況で。
まだ、彼女は”自分の夢”がわからなかった。
このレースで、きっかけを掴めなかった。

「…”きゅんとぎゅっと、鼓動が…こんなに、苦しい”。」

菊花賞「クラシックの夢の終着点」


菊花賞。
クラシックロードの終着点。
クアドラプルグロウはどこか上の空でそのレースを眺めていた。
その帰り道。
「…ねえ、トレーナー」
結果はセイウンスカイの逃げ切り勝ち。
それを見て、彼女は何を思ったのだろうか。

「………負けた子、見たの」
『ん?』

「…金色の髪が綺麗な子。すごく、すごく悔しそうな顔してたんだ」
『………そうか』
「…皐月賞の時の、スペちゃんみたいな顔してたかな」
『………そうか』

それ以降の会話は続かないまま、帰り道を辿る。

菊花賞の裏側「黄金の夢のクラシック」


ツキノエルドラドの菊花賞は、大敗に終わった。
「………」
「お疲れ、エルドラド」
控室で待っていたのはゴールドシチー。
「…シチ姉」
「ん」
「………負け、ちゃった」
「…」

「負けちゃった…まけちゃったぁ…!クラシック…っ!とれなかった…!」
「………エルドラドはよく頑張ったよ」
「でもでも!!!前哨戦ばっか勝ったって意味ないんだよ!スプリングS、青葉賞、神戸新聞杯…全部、勝った。でも、本番は勝ててない」
「………エルドラド」
「アタシがとりたかったのは!!!”夢”だったのは!クラシックだったのに!!!」
彼女は泣きそうな顔で叫ぶ。いや、すでに涙が溢れていた。
「………大丈夫だよ」
「っ………」
シチーはそっとエルドラドを抱きしめた。
「アンタはよく頑張った。これだけ頑張れたなら、いつかG1に手が届く。…アタシが保証する」
「…シチねえぇぇぇ…」
「だから、今は…お疲れ。って、そう言いたい」
「…うん…!アタシがんばった…がんばったよぉおお…!!!いつかG1とってやるんだ…!」
「よしよし、その意気!」

ツキノエルドラドのクラシックが終わる。
そしてまた、次のレースへの日々が始まっていく。

エリザベス女王杯の前に「メジロの夢の栄冠」


エリザベス女王杯の日。
クアドラプルグロウはエリザベス女王杯への地下バ道を歩いていた。

「………G1の歓声にも慣れてきたかな…っとと、あれは…」
「………今日こそ、エアグルーヴ先輩に………!」
視線の先にいたのはメジロドーベル。
1つ上の世代の先輩で、名門”メジロ家”のウマ娘だった。

「こんにちは、ドーベルさん!今日はよろしくお願いするかな!」
「あ…クアドラプルグロウ、だっけ。こちらこそ、よろしく」
「長いからクアでいいかな!」

2人は何となく歩調を合わせて地下バ道を進んでいく。

「…クラシックでエリザベス女王杯出てくるなんて、すごいよね。そんなにこのレースに思い入れがあるの?」
「思い入れ…とは違うかな。名前に…”三冠を超える栄冠”に、応えたいかな。だから、このレースを勝って、超えるの」
「…?そうなんだ…?じゃあ、自分自身の目標っていうより、周りからの期待ってこと…?辛くないの?」
「あー、あはは…今まさにそこをトレーナーと悩み中かな…」
「………アタシ、先輩に挨拶してくるから。またね」
そう言ってドーベルは行ってしまった。

(…今辛いのは、怖いのは。期待より…)

(このレースで、”夢”が見つからなかったら、わたくしは…)

エリザべス女王杯「………の夢の………」


ゲートが、開いた。
彼女は今日も一番に飛び出していく。
それ以外の戦い方を知らないから。

(………このレースは、ドーベルさんとエアグルーヴさんの対決。そこにわたくしが割り込んでいるような形)

だがそんなことを気にしていられない。彼女は走る、走る、走る。

「………あああああああ゛あ゛あ゛っ!!!」

悲鳴にも近い絶叫をあげながら、今この1レースに全力を注ぐ。
だって、このレース以外のレースなんて思いつかないから。

そんな中、最終コーナーに差し掛かった。
「………!」
来る。
後ろから、来る。

「…はぁああああああああっ!!!」
「………ふっ!!!」
「だああああありゃあああああああああ!!!」
(やだっ、やだ、負けない!わたくしは、負けたくない………!)

そんな願いを抱いて必死に足を動かす。
………それでも。
3つの影が、自分の髪を掠めていくのがわかった。

「………1着は、メジロドーベル!4度目の挑戦で、エアグルーヴを破りました!エアグルーヴは3着、2着は…」

エリザベス女王杯の後に「???の夢の???」


ターフに膝をつく。
「はぁっ…!はぁっ…!!!」
でも、そんなことをしていられない。

「………ドーベルさん!おめでとう!!!いやぁ、完敗かな!!!」
「あ、クア。ありがとう。…”いいレース”だったよ」
「え…あ…」

差し伸べられた手。
それを、戸惑いながらクアドラプルグロウは握った。

「…また、レースしようね」
「うん………」

どこか上の空で、そう返事をする。

ドーベルが去った後も、しばらくそこで立ち尽くしていた。

数分ののちに、やっと絞り出した言葉は。
「…悔しい、なぁ」

エリザベス女王杯の後に「☆!◇の夢の↓♪※」


『お疲れ、クア』
「ありがとう………トレーナー………」
『………どうしたんだ?』
「………”いいレース”だったなぁって…まだ現実に帰ってこれない…感じかな」
そう、クアドラプルグロウは何も読み取れない表情で言った。

『それで、クア、次のレースだけど………』
「…つ、ぎ?」
彼女の顔が曇る。
そう。ついにきてしまった。この時が。
「…つぎって、何?つぎは何があるの?」
『次のレースの候補か?例えば…』
「つぎなんてわからない。もう”お母様の夢”のトリプルティアラは終わった。”名前の夢”の栄冠…4つ目と言われる、エリ女も終わった。じゃあ、次は?」
『“君の夢”だよ』
「“わたくしの夢”って、なんなの?わからない。わからないよ…」
彼女はだんだん取り乱していく。
『お、落ち着け、クア…!』
「落ち着いてなんていられない。わたくしは何もわからない。わからないわからないわからない…この先のわたくしが何一つ見えない」


「わたくし…これから何のために走るの?」


………彼女は青白い顔で学園まで帰った。
トレーナーとして、とりあえず目標を設定しよう。そう思い、とりあえず「ヴィクトリアマイル」に狙いを定めることにした。
彼女がここまで歩んできた、ティアラ路線に連なるレースだからだ。
…最も、そのティアラは“彼女の夢”ではないわけだが。

トレーニング中「白紙の夢の話」

『クア』
「………」
『クア!!!』
「ぁ………とれー、なー…何かな………?」
…ここのところ、彼女はトレーニング中にぼうっとすることが多い気がする。

『次のレースなんだが、とりあえず”ヴィクトリアマイル”を目指そうと思ってる』
「………そうなんだ」
彼女は他人事のように言う。どこか誰かの、知らない予定を聞いたように。

『………君のレースだぞ?』
「うん。そうだね………わたくしのレースだ」
…どうも、あれ以来彼女はおかしい。
理由ははっきりしている。さすがにわかる。
けれど、解決の方法は………
『…”君の夢”の話なんだが』
「っ…!知らない!わからないよ!!!わたくしの夢?そんなの私が知りた………!」
『落ち着け!』
「あ、ごめんなさい…本当にわからないかな。”わたくしの夢”。誰か、わたくしに夢をくれないかな…」
『…また潰されそうになるだけだ』
「う………」

彼女はあれ以来”夢”の話を極端に嫌う。
前はあんなにも”夢”の話を楽しそうにしていたのに。
…早く彼女に”夢”を………そう思ってしまう。

トレーニング中「だれかの夢の輝き」

「………レース、それでいいかな。じゃあわたくし、また走るね」
『あぁ、待ってくれ。その前に期間が空くから、どこか1戦くらい走りたいんだが…』
「ぁ…?えっと…どこでもいいかな。トレーナーに任せるよ」
『え………』

…彼女はそのまま行ってしまった。
すっかり、レースに消極的になってしまっている…

それを、遠くから見守る一つの影があった。

「………」

その影に近づく、もう一つの影。

「ハァイ!…貴方も、あの子が気になる?」
「___」
「えぇ、わかるわよ。私もあの子は心配だもの。…あなたの大切な後輩なんでしょう?」
「___」
「…そんな貴方に、私は提案をしに来たの。」
「___」
「えぇ。…彼女には、少し酷かもしれないけど…今のままの方が、きっと辛いもの」

後日。
トレーナーの元に1枚の「果たし状」が届いた。
だがそれに応えるのは、まだ先の話。

有馬記念「黄金の夢の年末」

年末の大一番、”有馬記念”。
ツキノエルドラドも、それを走ることになっていた。
「よーし!今日こそ勝つんだ…!シチ姉に、見ててもらうんだ…!」

周りを見渡す。
同期のグラスワンダーやセイウンスカイ、キングヘイロー…
一つ上の世代の、メジロブライトやマチカネフクキタル、キンイロリョテイなどもいた。

(…アタシ、こんな中で走るんだ…!)

…ゲートが開いた。

(…体が、軽い)
彼女は軽い足取りで駆けていく。
(今なら絶対勝てそう…!!!)

軽い、軽い足取りで駆けてゆく。

「…あ、れ?」

不意に足がうまく動かなくなる。
目の前が揺れる。違う、揺れているのは自分だ。
「う、あ…」
最後尾でターフに倒れ込むエルドラド。

「…エルドラドっ!?」

シチーの悲鳴にも近い叫びだけが響いた。

有馬記念の後に「泡沫の夢の年末」

「…心房細動ですね。おそらくしばらくすれば自然に良くなると思います」
医者はそう告げる。
「よ、よかった…本当によかった…!」

「………シチ姉」
「あ、エルドラド…?まだ安静に…」

「…有馬記念は?」
「………いいから。無理はしないで…」
「アタシの”夢”のG1レースは…グランプリは…?」
「っ………」

言葉に詰まるシチー。

エルドラドの悔しそうな顔。
「…次こそ」
「え?」
「次こそ勝ってやるんだから!!!」
その目はすでに次を見据えていた。

「…すごいね、エルドラドは」
「シチ姉に褒められた!」

正月「あの日の夢の不安」

「…おかえり、クア!」
「姉や…!」

その日、クアドラプルグロウは正月ということもあり、実家に帰省していた。
クアが是非紹介したいとのことで、トレーナーも一緒だった。
(…”姉や”さんか)

事前にメールで今のクアの状況については伝えてある。
どこにでもいるような、普通の女性だった。
それより気になるのは…
『初めまして、クアドラプルグロウさんのトレーナーをしています。その…クアの両親は…』
「あ…っ」
「…中で話しましょう。ここでは寒いですよね?」
そう言って姉やは中に入れてくれた。

「クア、よければご飯作ってくれないかな?せっかくきてくれたのにお手伝い頼んでごめんね」
「全然大丈夫かな!姉やのお手伝い久しぶりだなぁ…!」

彼女は無邪気な表情で台所へと駆けて行った。
…少し前のぼうっとした彼女とは別人のようだ。
”姉や”の存在はそれだけ大きいのだろう…

「…先ほど、クアの両親…旦那様と奥様の話をされましたね。今から話しますよ」
『難しい話題なら無理に聞きませんよ?』
「いえ。クアを担当する以上、いつかは知って…というより、私から知らせるべきでした」
そう言って、姉やは語り出した。

正月「あの日の夢の勘違い」

…クアは、小さい頃から両親とほとんど話せませんでした。
旦那様も奥様も忙しく、海外を飛び回ってばかりで…
お世話係として住み込みで私を雇うほどです。

そんなクアが、奥様と話した時のことでした。
奥様は、思春期の頃の…レースをしていた時の”夢”を、クアに語りました。

本人は自覚していませんが、幼いクアはきっと…それで思ってしまったんでしょう。
この”夢”を叶えれば、奥様にもっと構ってもらえる…と。

もちろんこれが本当かは分かりません。ですが、小さい頃からたまに帰ってくる旦那様や奥様に頼まれごとをして、それを達成した時に褒めてもらって…
そういう小さな小さなやりとりのたびに、クアは幸せそうな笑顔を浮かべていたのです。

あの子はきっと…”夢”とあの日の”頼まれごと”を混同している。
だから、自分で自分にする頼み事なんてないから…”夢”がわからない。
そうなんだろうな、と…思います。

トレーナーさん。是非あの子に、本当の”夢”を見つけさせてあげてください。

正月「あの子の夢のこれから」

…言葉が出なかった。
何も、言えなかった。

あの子の”夢”。
それを見つけることは、気軽に決めてはいけなかったのかもしれない。

けれど、後悔はしない。
あの子の”夢”を、一緒に叶えたいから。

「…姉やー!トレーナー!ご飯できたよ!!!…って、あれ?どうしたのかな…?」
『あ、あぁ…なんでもないよ』
「ご飯にしよっか、クア」
「うん!見て見て、うまくできたかな!」

…出された料理は…お世辞にも美味しいとは言えなかった。
「ふふ…昔より上手くなったね、クア!」
「ほんと!?やったー!」
けれど、なぜだか優しい味な気がした。

…”彼女の夢”。
それに近づけそうな切符がポケットに入っていることを思い出した。

シニア級2月後半「君の夢のこれから」

その日はトレーナー室でミーティングをしていた。
「………それで、次のレース…だった、かな?」
『ああ』
「…何でもいいかな。この時期だと”大阪杯”とかかな?それとも、そのほかの___」
『”高松宮記念”を走ろう』
「そっか、高松宮___」


「………へ?」


彼女は目を丸くした。
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シニア級2月後半「君の夢の切符」

「ど、どういうことかなトレーナー!?その、わたくし短距離なんて走ったことないよ!?それに___」
『まずはこれを見てくれ』
「え?これは…何?」

それは彼女の夢への切符。
「___”果たし状”」

彼女はそっとそれを開いた。

=====
クアドラプルグロウへ

高松宮で待つ。
共にサイコーのレースをしよう。

   シーキングザパール・バンブーメモリー
=====

内容はただ簡潔に、それだけだった。

「…パールさんは、まだわかるけど…バンブー先輩って確か、そろそろ”ドリームトロフィーリーグ”に進むんじゃ…」

”ドリームトロフィーリーグ”。
それは”サマードリームトロフィー”と”ウィンタードリームトロフィー”の2つのレースと、その予選で構成されるレースである。
しかし、このリーグに進むと…”トゥインクル・シリーズ”には出走できなくなる。

『君と走るために、まだ残ることにしたそうだ』
「ぇ………」

シニア2月後半「アタシの夢の後輩」

「たのもーっ!!!」
「ハァイ!お邪魔するわよ!」
『うわぁっ!?』

…それは年が明ける前のことの話だった。

『果たし状…?』
「ええ。私がバンブーに提案したのだけれど…迷惑だったかしら?」
『いやいや、クアの状況的にそんなことは…高松宮記念!?』
「アタシも走るっス!だから、クアと是非!対決させて欲しいっス!」
『え?君はそろそろ…』
「…あんなクアを放っておくことなんて、できないっスから」

その2人の目は真剣にこちらを見つめている。
どうやら、本気で彼女を心配しているようだ。

『…わかった、彼女に提案してみる』
「ほんとっスかー!?」
『ああ、本当だとも。…君にクアが憧れる理由、少しわかった気がするよ』
「んー…?そうっスか?よくわからないけど嬉しいっス!」
「…ふふ…エクセレント、って感じね」
「パール先輩!?どういう意味っスか!?」

シニア級2月後半「君の夢の在処」

「………」
『まあ、間違いなく適正は合わない。君が走りたくないなら、走らなくても…』
「走るよ」
彼女ははっきりと言い切った。

「走るよ、わたくし。走る。先輩と、パールさんと、走る。そこに…あるかもしれないから。”わたくしの夢”が…」
『…そうか。出走の手続きをしておくよ』
「うん、ありがとうトレーナー」

(…わからないよ。先輩は何を考えてるのか)
彼女はそっと何かを見上げる。少し上を見上げて、まるでそこに誰かの視線があるかのように。

(でも、わたくし…先輩と走ってみたい。そこに何かが、ある気がするから)

高松宮記念の前に「何かの夢の高松宮記念」

「………きちゃ、った」
クアドラプルグロウは中京レース場のターフを踏み締める。

(………なんでわたくし、ここにいるのかな)
何かがある気がする、あの時そう感じたのは事実。
自分の意思でここに来たのも事実。
それでも、そう感じた。

「おっ、来た!おーい、クアー!」
「ハァイ、クアドラプルグロウ!…今日はよろしくお願いするわね」
「あっ…バンブー先輩、パールさん!よろしくお願いするかな!」
その2人___クアをこのレースに誘った2人が、話しかけてくる。

(…なんで先輩たちは、わたくしをこのレースに誘ったのかな)

バンブーメモリーとシーキングザパールは短距離のレースを得意としている。
しかしクアドラプルグロウに短距離の適性がないことは、今までのレースでわかっていたことだ。
それでも彼女達はクアをこのレースに誘った。

(………わからない、けど)
「各ウマ娘、ゲートに収まります」
(きっと走ったらわかるんだよね、”何か”が)

その、”何か”を求めて。
ゲートが、開く。

高松宮記念「先輩たちの夢の高松宮記念」

彼女はいつも通り一番に飛び出した…はずだった。
(…いつもより逃げる子が多い!?)
「くっ………ハナが、取れない…!」
逃げが4、5、6…とにかく多い。
ハナを取りつつ取られつつ、ごちゃごちゃと進んでゆく。
「あぁあああ!!!わたくしが先頭だあああああ!!!」
そんな叫びも虚しく、なかなかハナがとれない。

「あれ…もう、ゴールが…!?」

………短距離レースは、とても短い。炎の煌めきの様に、一瞬で終わってしまう。
「だあああああああああっ!!!」
「はぁああああっ!!!」
(………!先輩、パールさん………それに他の人も…)
後ろから、また”影”が自分を追い抜いてゆく。
たくさんの影、影、影………

(………いや、違う………)

それは影ではなく。
「………眩しい、なぁ」

輝き、だった。


この日クアドラプルグロウは、初めて掲示板を外した。

高松宮記念の後に「___の夢の高松宮記念」

「………負けちゃった、なぁ」
彼女はターフに立ち尽くす。

「…悔しい、なぁ」
彼女は再びその言葉を口にする。
(………あれ?)

エリザベス女王杯、メジロドーベルに負けた時。
今日の高松宮記念、掲示板を外した時。
…湧き上がってきた、この言葉は。

「………そっか、悔しいんだ。わたくし。………そうだ」

…それを遠くから眺める2人。
「………お疲れ様でした、パール先輩!」
「ええ。…あの子、何かに気づいた顔、してるわね」
「へへっ………クア、頑張るっスよ………!」

クアドラプルグロウは控室のトレーナーのもとに戻る。
『お疲れ様、クア。次は元通りの距離の、マイルのヴィクトリアマイルに____』
「出ない」
『………え?』

高松宮記念の後に「___の夢のレース」


「わたくし、ヴィクトリアマイル………出ない!」
『………もしかして、もう走る気が………』
「ううん、そうじゃないの。………他に、出たいレースがあるかな」
『!』

彼女が、自分から出たいレースを言う。
それは、”母の夢”に沿ってティアラ路線を選んだあの時以来だ。

「わたくしは………”安田記念”に、出る!」

安田記念。
ヴィクトリアマイルと全く条件は同じレースだ。
だが、そのレースは………
『…ティアラじゃなくて、どちらかと言うとクラシックに連なるレースだな』
「うん、そうなるかな」

………彼女は、ティアラから離れる。そういうことだ。
「わたくし、そこに走りたい相手がいるかな」

『………走りたい相手、か』
「うん。そこに、出るから」

「キングヘイロー。グラスワンダー。そして………ジハードインジエア。わたくしの…走ってみたい、相手が」

安田記念の前に「誰の夢のレース」

「………うわぁ」
そこに広がる光景。
今まで一緒に走ったことのないウマ娘がたくさんいた。

「………あっ、グラスちゃん!キングちゃん!それにジハードちゃ___」
彼女たちに駆け寄ろうとして、その足が止まる。

(………すごい)

今まで、日常を共に過ごした彼女たちとは違う。
レースに向けて、勝利に向けて、ただ一つの栄冠を掴むために。
その全ては今、目の前のレースへと向けられていた。

(…すごい。すごいすごいすごいすごい!!!)
「わたくし、こんなみんなと走るんだぁ…っ!」

彼女は興奮した表情を見せる。

それは、純粋な感情。
目の前にあるレースを、”楽しみ”にする感情。

安田記念「君の夢のレース」

「さあゲートが開きました、各ウマ娘そろって綺麗なスタートを…おぉっと!クアドラプルグロウ!得意の大逃げを打った!」

(勝ちたい)

もうわからない。
なんの夢がその背に乗っているのか。
なんのために自分が走っているのか。

そのはずだった。

(けれど、勝ちたい)

今自分を突き動かすこの感情はなんなのだろう。
何故、こんなにも。

(勝ちたい。勝ちたい勝ちたい勝ちたい!!!)

勝ちたいと、願っているのだろう。
「さぁ後ろが上がってきた上がってきた!グラスワンダー、そしてシーキングザパール…!外からジハードインジエア!」

「っ………!あははっ!」

たくさんのウマ娘たちが自分を追い抜いてゆく。
しかし、それでも…楽しい。
そうだ。きっとこれが___
(わたくしが、本当に求めていたもの)

「…追いかけて」
追いかけて追いかけて追いかけて。

「………夢を追いかけて Lv.1」
追いかけた先に在るものが、ようやく見えた気がした。


「わたくしの夢を追いかけて Lv.1」


「っはああぁぁぁあぁああああぁあぁぁあぁああ!!!」

「…グラスワンダー!ジハードインジエア!並んでゴールイン!!!」

………現実はそこまで甘くはない。
彼女はたくさんのウマ娘に追い抜かれ、9着に終わった。

安田記念の後に「わたくしの夢の、はじまり」

「はぁっ、はぁ…」
天を仰ぐ。
青空が、青色が鮮やかな勝負服を纏う今日の勝者…

「1着は、ジハードインジエアあああああっ!!!」

ジハードインジエアを、祝福しているように見えた。

「…っ!おめでとうっ!ジハードちゃんっ!!!」
「あ…クアちゃん、だね」
「うん!すごかったかな!いやぁ、本当に…!」

「「”いいレース”だった」」

「えっ…?」
「いいレースだったよ。私も、またこんなレースがしたいって思う。クアちゃん…すっごく楽しそうに全力で飛ばしていくんだもん。焦ったよ」
彼女はやわらかい笑みを浮かべて語る。

「…また、道が交わるのかはわからない。けれど、その時は…また、”いいレース”をしようね。クアドラプルグロウちゃん」

「…もちろんかな!ジハードインジエアちゃんっ!!!」

「………」
『お、お疲れ様、クア………』

彼女は確かな実力者だ。
しかしその彼女が、ここまで惨敗するとは………
どう声をかけて良いか、わからなかった。

『その………』
「トレーナーっ!次のレースは!?」
『えっ!?』

彼女は晴れ晴れとした顔で、元気いっぱいにそう聞いてくる。

「わたくしね、気が付いたかな。ようやく気が付いた…わたくしは、”夢”を感じるのが好きなんだ。全身で、ビリビリするほど”夢”と”夢”がぶつかり合うこのレース…!ティアラも嫌いじゃなかった。でもね、何故か…”何かが欠けている”そんな気がしたかな」
『クア………』
「だからね、わたくし…これから、色んなレースに出る!色んなレースに出て、いろんな”夢”をこの身で感じる!」
『………』


「それが…わたくしの走る理由。わたくしの…”夢”!」


『…クア…!!!』
「まぁ…名前の意味に応えたい気持ちは、まだあるけどね…でも、それでも、四つ目の栄冠より…
『両方だ』
「ん?」

『君の出るレースはどれも素晴らしいものだ。だから、君が出るレースを栄冠にすれば良い』
「トレーナー…?」


『君は”四つ目の栄冠”じゃない。”三冠を超える栄冠”だ。君のレースを、三冠を超えるほど素晴らしいものにすれば良いんだ』


「………あははっ!なにそれ!無茶苦茶な理論かな!」
『や、やっぱりか…?』
「…でもね、だからわたくしトレーナーがトレーナーでよかったって思うかな。…出会った時から、無茶苦茶な理論を言ってた。そんなトレーナーだから、わたくしはいま支えられてる。そんな気がするかな」
『………そう言ってもらえると、嬉しいよ』
自分に、手が差し伸べられる。
「これからもよろしくね………わたくしの、トレーナー!」

コメントくれると私が喜ぶ

  • かーなかなかな!しっかり読ませて貰ったかな!続きが気になるから待たせて頂くかなーっ!クア様の夢を見せてくださいませかなーっ! -- エアプクアタイム (2022-11-19 17:19:32)
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