このページでは原音設定(音源データベースの作成・調整)について記述します。
ここで収録された音源から歌唱合成するために必要なデータを設定します。
ここで収録された音源から歌唱合成するために必要なデータを設定します。
原音調整基本
1.
調整したい原音を使用しているプロジェクトを開くか、
初期状態からプロジェクトのプロパティで、対象の原音ファイルセットを選択します。
2.
「ツール」→「原音の設定」で設定画面を開きます。
調整したい原音を使用しているプロジェクトを開くか、
初期状態からプロジェクトのプロパティで、対象の原音ファイルセットを選択します。
2.
「ツール」→「原音の設定」で設定画面を開きます。
名前 | エイリアス | オフセット | 子音部 | ブランク | 先行発声 | オーバーラップ | frq |
あ.wav | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ○ | |
い.wav | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ○ | |
う.wav | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ○ | |
… | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ○ |
調整項目は以下の通り
- オフセット(左ブランク)
ファイルの頭の使用しない部分の長さを指定します。
- 子音部(固定範囲)
「子音部」という名前は紛らわしいですが、声を音符にあわせて伸縮する際に、
引き伸ばさない範囲を指定します。
これを指定しないと、長い音符にしたときに間延び発音になってしまいます。
引き伸ばさない範囲を指定します。
これを指定しないと、長い音符にしたときに間延び発音になってしまいます。
- ブランク(右ブランク)
ファイルの終わりの使用しない部分を指定します。
- 先行発声
音符の頭からどれだけ早く発声を開始するかを指定します。
「音符の拍に合わせるタイミングを指定する」と考えた方が判りやすいでしょう。
人の歌唱をリズムに合わせるとき、発音の開始を拍子より早くしないとリズムから
遅れて聞こえてしまう音があります。
このタイミングを合わせるためのパラメータです。
「音符の拍に合わせるタイミングを指定する」と考えた方が判りやすいでしょう。
人の歌唱をリズムに合わせるとき、発音の開始を拍子より早くしないとリズムから
遅れて聞こえてしまう音があります。
このタイミングを合わせるためのパラメータです。
- オーバーラップ
手前の音符があった場合の音を重ねる範囲を指定します。
滑らかな歌唱を実現するためのパラメータです。音によって最適な設定値に違いがあります。
滑らかな歌唱を実現するためのパラメータです。音によって最適な設定値に違いがあります。
※尚、先行発声とオーバーラップは音源側で固定されるものではなく、ピアノロール上の音符毎に異なった値を設定することも出来ます。ここで設定するのはその基本値です。
これらを一音毎に設定します。
解説図

実際の音符でどう扱われるかの概念図
1.音符

2.曲線表示の音符

3.音符の範囲と合成される様子について

音別設定のポイント
概要を述べる。図解はいずれ。
オフセット
基本的に先頭部の無音部分をカットする設定だが、注意点や例外もある。
・は行の子音部は声が小さいと波形が見えないことがあるので誤って子音部を全部カットしてしまわないように注意すること。
※原音設定以前に、切り出し段階で、ハ行の子音部を殆ど落としてしまっている音源が多く見られます(この場合中の人に頼むしかない)
・か行、た行等は先頭に無音部を少し残すと実際歌わせるとき何もしなくてもカツゼツが良くなることがある。(テンポや音符の長さにもよる)
・は行の子音部は声が小さいと波形が見えないことがあるので誤って子音部を全部カットしてしまわないように注意すること。
※原音設定以前に、切り出し段階で、ハ行の子音部を殆ど落としてしまっている音源が多く見られます(この場合中の人に頼むしかない)
・か行、た行等は先頭に無音部を少し残すと実際歌わせるとき何もしなくてもカツゼツが良くなることがある。(テンポや音符の長さにもよる)
子音部(固定範囲)
基本、母音部が立ち上がりきったあたりに設定するが、
な行、ま行、や行、ら行、わ行では長めに取らないと発音が間延びしてしまうことがある。
具体的には音の遷移が完全に終わった所に設定する。
例えば、「な」なら、"ん"⇒"あ"と遷移するがその「あ」になり切った場所である。
な行、ま行、や行、ら行、わ行では長めに取らないと発音が間延びしてしまうことがある。
具体的には音の遷移が完全に終わった所に設定する。
例えば、「な」なら、"ん"⇒"あ"と遷移するがその「あ」になり切った場所である。
先行発声
あ行、か行、さ行、た行、は行、ん
基本的に母音部の先頭にあわせる
濁音、半濁音も基本は同じ。
基本的に母音部の先頭にあわせる
濁音、半濁音も基本は同じ。
な行、ま行、や行、ら行、わ行
音韻の変化してる部位に合わせる。
具体的には、頭から音をカットしていった時、ぎりぎりその音に聞こえる境界。
音韻の変化してる部位に合わせる。
具体的には、頭から音をカットしていった時、ぎりぎりその音に聞こえる境界。
オーバーラップ
※は行、さ行はあったほうが良い、か行はあるとカツゼツが悪化する等、原則を押さえていれば、あとは原音段階ではなく歌唱にあわせて設定する方が良いかもしれない。
あ行
なしにするか、先行発声の赤い線と重ねておく。
か行
なし。むしろマイナスが良いがマイナスには出来ないので、
出来るのなら原音段階から先頭に5~10ms程度のブランクを残しておく。
さ行
発音状態にもよるが、先行発声の赤い線より前(左)に20~50ms程度の位置が無難。
た行
か行と同じで、なし
「ち」や「つ」は子音部が長いことがあるが、オーバーラップすると「し」や「す」に聞こえてしまうので、
長すぎる場合はカットする。
な行、ま行、や行、ら行、わ行
発音状態にもよるが、先行発声の赤い線より前(左)に20~50ms程度の位置が無難。
ら行等、そんなに余裕が無い場合があるが、その場合は「なし」でも問題は無い。
は行
基本的に「さ行」に準じるが、前述したように、誤って子音部の殆どを削除してしまった音源では
どうしようもないので、この場合は先行発声・オーバーラップ共にゼロにしておく。
濁音系
鼻濁音はな行等に準じる。
発音や使われる場面によってか行系の設定が良い場合とは行系の設定が良い場合に分けられる。
あ行
なしにするか、先行発声の赤い線と重ねておく。
か行
なし。むしろマイナスが良いがマイナスには出来ないので、
出来るのなら原音段階から先頭に5~10ms程度のブランクを残しておく。
さ行
発音状態にもよるが、先行発声の赤い線より前(左)に20~50ms程度の位置が無難。
た行
か行と同じで、なし
「ち」や「つ」は子音部が長いことがあるが、オーバーラップすると「し」や「す」に聞こえてしまうので、
長すぎる場合はカットする。
な行、ま行、や行、ら行、わ行
発音状態にもよるが、先行発声の赤い線より前(左)に20~50ms程度の位置が無難。
ら行等、そんなに余裕が無い場合があるが、その場合は「なし」でも問題は無い。
は行
基本的に「さ行」に準じるが、前述したように、誤って子音部の殆どを削除してしまった音源では
どうしようもないので、この場合は先行発声・オーバーラップ共にゼロにしておく。
濁音系
鼻濁音はな行等に準じる。
発音や使われる場面によってか行系の設定が良い場合とは行系の設定が良い場合に分けられる。
メトロノーム音を使った調整法(先行発声の調整)
まずリズムの基準音を作成します。
こんなの
imageプラグインエラー : ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (click.png)
こんなの
Click.wav Click_wav.frq(右クリックして「対象を名前をつけて保存...」でダウンロードできます)
これをターゲットのライブラリに追加します。
(追加しなくても基準のwavが作れれば良いんですが)
これが全ての原音調整の基準になるので、
上のように先頭に空白が出来ないように原音設定するのを忘れないでください。
(追加しなくても基準のwavが作れれば良いんですが)
これが全ての原音調整の基準になるので、
上のように先頭に空白が出来ないように原音設定するのを忘れないでください。
基準リズムを作成します。


UTAUだけでは合成できないので、確認には Audacity 等、MTRソフトを使います。
この例はAudacityです。
この例はAudacityです。

基準音も声もUTAUで生成しているので並べるだけで、タイミング調整はいりません。
調整したらwav生成してまたAudacityで確認します。
こうして納得がいくまで調整します。
判りにくかったらテンポを速めたり遅くしたりして、パラメータを絞り込んでいきましょう。
こうして納得がいくまで調整します。
判りにくかったらテンポを速めたり遅くしたりして、パラメータを絞り込んでいきましょう。
このように、全ての音について調整を行います。
prefix.mapの設定
「ツール」→「prefix.map」で設定画面が開きます。
以下準備中...