ゲーム事業の夢と課題 ― VTuber人気をどう「経済の流れ」に組み込むか(考察)
ゲームは“夢”の大きい事業。でも、構造的な“課題”もある
このページは、VTuber業界のゲーム事業を「お金の流れ」と「事業構造」の観点から整理した考察(筆者の見解)です。ゲームや企業の良し悪し・投資判断を示すものではありません(→ 免責・運営方針 )。
このページは、VTuber業界のゲーム事業を「お金の流れ」と「事業構造」の観点から整理した考察(筆者の見解)です。ゲームや企業の良し悪し・投資判断を示すものではありません(→ 免責・運営方針 )。
図:人気を活かした“好循環(夢)”と、ゲーム事業に共通する“構造的リスク(課題)”。
ゲーム事業は、大きく2タイプ
VTuber業界のゲーム事業は、おおまかに2つに分けられます。
どちらもVTuber人気を土台にしているので、話題を呼びやすいのが共通点です。
どちらもVTuber人気を土台にしているので、話題を呼びやすいのが共通点です。
| タイプ | だれが作る? | 例 |
|---|---|---|
| 運営主導(公式) | 運営会社(や、その協業先) が開発・展開 |
hololive Dreams(ホロドリ QualiArts×カバー共同開発の 公式スマホゲーム) |
| 二次創作 (ファン/インディーズ) |
ファンやインディー開発者が制作 | HoloCure(有志制作の無料ゲーム) holo Indie の作品 (ホロガード、ぷちホロの村 など) |
出典:hololive Dreams 事前登録100万人突破(hololive公式 2026-05-29) / HoloCure(Wikipedia) / 二次創作ゲームブランド「holo Indie」設立(カバー公式 2023-11-15)(取得 2026-07-01)
※二次創作の側では、カバーが2023年に二次創作ゲームのガイドラインを整え、ブランド「holo Indie」としてSteam配信や収益の還元を支援する仕組みを作りました。ファンの「好き」が、ルールの中で収益にもつながる形です。
夢:人気を活かした「好循環」
共通の強みは、VTuber人気をそのまま“持ちネタ”にできることです。
- オールスター効果:所属タレントが一堂に会するタイプは人を呼び込む力が強い(例:HoloCure、ホロガード、ぷちホロの村=40名以上が参加)。
- タレント数が“弾”になる:多くのタレントを抱える事務所ほど、持ちネタが豊富で強い。
- ミーム(本人ネタ)を活用できる:元ネタが所属VTuber本人なので、新規・古参を超えたファンサービスになる。
- そして、その体験が配信・コンテンツの視聴意欲やスパチャ・グッズへつながる——これが「好循環」です。
課題:ゲーム事業に共通する「構造的リスク」
いっぽうで、運営主導でも二次創作でも当てはまる構造的な課題が、大きく3つあります。
①「数字が付くもの」は、必ず比較になる
ハイスコアや攻略結果など数字が出ると、SNSでファン同士のマウントの取り合い=過度な競争に向かいやすい。
競争が過熱すると、プレイヤー人口が一気に減る現象は、どのゲームでも起こります。
→ 方向性:過度な競争を煽りすぎず、適度な成功体験を配る設計(※ハイスコアを競う「無限モード」などは、競争の魅力と過熱リスクが背中合わせ)。
また、ゲームのリリースから長時間経過し、上位層や権威的な層が現れると、それに合流できるとされる、人権ラインという指標が生まれます。
このラインは自然発生的に生まれる場合もあれば、プレイヤーもしくは関係ない第三者によって定義されることもあります。
特によくあるのが「上手くなりたければ○○しろ」という指南系動画を皮切りにプレイヤー同士の格付け・最適解以外を排斥する感情が刺激され、ゲーム存続に関わる協調性を失う現象です。
ハイスコアや攻略結果など数字が出ると、SNSでファン同士のマウントの取り合い=過度な競争に向かいやすい。
競争が過熱すると、プレイヤー人口が一気に減る現象は、どのゲームでも起こります。
→ 方向性:過度な競争を煽りすぎず、適度な成功体験を配る設計(※ハイスコアを競う「無限モード」などは、競争の魅力と過熱リスクが背中合わせ)。
また、ゲームのリリースから長時間経過し、上位層や権威的な層が現れると、それに合流できるとされる、人権ラインという指標が生まれます。
このラインは自然発生的に生まれる場合もあれば、プレイヤーもしくは関係ない第三者によって定義されることもあります。
特によくあるのが「上手くなりたければ○○しろ」という指南系動画を皮切りにプレイヤー同士の格付け・最適解以外を排斥する感情が刺激され、ゲーム存続に関わる協調性を失う現象です。
②ゲームは「飽きられる」ことを前提にしている
極端に言えば、「これさえあれば他はいらない」究極の1本が生まれると、他の商品はその陰に埋もれ、商売が回らなくなります。
適度に飽きられるからこそ、人は次のゲームも気になり、購買意欲につながる。ゲームは事業構造的に、“ほどよく飽きられねばならない”という宿命を負っています。
そういった事業構造に無意識に慣れたユーザーの離脱率を抑えられるのかが、コンテンツ寿命に関わってくると考えられます。
極端に言えば、「これさえあれば他はいらない」究極の1本が生まれると、他の商品はその陰に埋もれ、商売が回らなくなります。
適度に飽きられるからこそ、人は次のゲームも気になり、購買意欲につながる。ゲームは事業構造的に、“ほどよく飽きられねばならない”という宿命を負っています。
そういった事業構造に無意識に慣れたユーザーの離脱率を抑えられるのかが、コンテンツ寿命に関わってくると考えられます。
③「タイパ時代」でプレイ時間が短い
いまはタイムパフォーマンス(タイパ)重視で、短時間で多くを得たい人が多く、一人あたりのプレイ時間は以前より短くなりがちです。
→ だからこそ、短い時間でも魅力が伝わり、関連商品の広報につながる設計がカギになります。
いまはタイムパフォーマンス(タイパ)重視で、短時間で多くを得たい人が多く、一人あたりのプレイ時間は以前より短くなりがちです。
→ だからこそ、短い時間でも魅力が伝わり、関連商品の広報につながる設計がカギになります。
お金の流れで見ると:ハイリスク・ハイリターン
ここまでをお金の流れでまとめると——
- 社運を賭けた大型ゲーム開発は、一般にハイリスク。恩恵(VTuber紹介・スパチャ促進・グッズ購買・次のイベント)に変換できないと、失速したときの影響が大きくなりがちです。
- 反対に、ヒットすれば一定の利益に加え、後続イベントやコラボへの“つながり”を作れます。だからこそ「ハイリスクでも、リターンを狙える」事業なのです。
- いちばんのカギは、「プレイすること自体がファンのメリットになる」面白さ・仕組みを、短い時間でも伝えられるか。
- リスクを散らす工夫もあります。二次創作を「面」で支援する holo Indie のような仕組みは、一本に賭けすぎずに話題と裾野を広げ、クリエイターにも還元する——という考え方です。
まとめ
- VTuberのゲーム事業は運営主導/二次創作の2タイプ。どちらも人気が土台で話題を呼びやすい(夢)。
- ただし①数字=比較 ②飽きの宿命 ③タイパという構造的な課題がある(リスク)。
- 成否を分けるのは、ゲーム体験を競争軸の多様化によって支え、視聴・スパチャ・グッズ・次のイベントへ変換できるか。ハイリスク・ハイリターンの事業です。
※本ページは公開情報をもとにした一般的な考察(筆者の見解)であり、特定の企業・作品・個人を評価・批判するものではありません。事実の断定や投資助言ではなく、ゲームの購入・課金や有価証券の投資を推奨するものでもありません。掲載内容の正確性・完全性・最新性は保証しません。詳細は 免責・運営方針 。