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聖徳太子、大化改新

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日本古代史

聖徳太子、大化改新


ほんの1500年前、先史神話時代から有史時代へ



謎の豪族 蘇我氏

水谷 千秋

内容(「MARC」データベースより)
「逆賊」か「忠臣」か-? 6世紀に突如現れ、渡来人の先端技術により、天皇をも凌ぐ力を持った蘇我氏は、なぜ一夜で滅んだのか。天皇と豪族の関係から、東アジア情勢までをも視野に入れた新時代の考察。

小さな本に大きなスケールの物語。私達の国の、ひっちゃかめっちゃかな歴史の芽生え。

2007.7
わっちゃー何だこりゃ。これが我々の先祖とは。トホホ。

何はともあれ大和政権は成立したらしく、後に天皇と呼ばれる位ができたものの、それは今の天皇陛下とはずいぶん様子が違う。まだまだ不安定な政権。どこまでが勢力圏で誰と誰が仲間で誰が危険で誰が安全なのか一寸先は分からない。政略謀略てんこ盛り。果たしてこれで国なのか。民衆は大丈夫だったのか。大化の改新なんて何が改新なのかさっぱり分からん。もーむちゃくちゃ。

現在の価値観や言葉を当てはめようってのが無理ですな。自分の国の、ひっちゃかめっちゃかな歴史の芽生え。登場人物の皆さんは平均年齢若いんだろな。わははは。元気だしてイコ−。
目次
  • 第1章 蘇我氏四代
  • 第2章 出自と出身地
  • 第3章 蘇我氏と渡来人
  • 第4章 仏教受容
  • 第5章 蘇我氏の二つの貌
  • 第6章 なぜ滅亡したか
  • 第7章 「逆賊・蘇我氏」の誕生
詳細
  • 出版:文藝春秋 (2006/03)
参考図書




梅原猛著作集(1)聖徳太子(上)

出版社/著者からの内容紹介
太子の理想と実績、人間像を浮き彫りにする
若き政治家、聖徳太子は巧みな外交政策で日本に仏教をとり入れ、さまざまな大陸文化をもたらした。さらに冠位十二階、十七条憲法を制定する。理想の律令国家の建設に邁進する太子の事績と人間像を浮き彫りにする。
あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。
目次
第1部 仏教の勝利|
  • 聖徳太子の実像を求めて
  • 仏教伝来の意味するもの
  • 仏教―亡国と興国の教え
  • 蘇我と物部の宗教戦争
  • 物部の滅亡と法興寺の建立
第2部 憲法十七条
  • 江戸時代の太子批判
  • 崇峻帝の暗殺と女帝の誕生
  • 国際政治家への第一歩
  • 三国同盟と日本の立場
  • 小墾田遷都と政治の革新 ほか
詳細
  • 単行本:20.4 x 14.8 x 4.4 cm 766ページ
  • 出版:小学館 (2003/01)




大化改新

朝河 貫一 (著), 矢吹 晋 (翻訳)
内容(「MARC」データベースより)
大化改新と明治維新。ふたつの大革命には、実は密接なつながりがあった。藤原氏の栄華、武士政権の誕生は、大化改新の成功なくしてはありえなかった。朝河史学の出発点となった名著を初めて邦訳。オリジナル英文も同時収録。

明治時代に書かれた大書。大化の改新=中国王政の輸入。在来権力との整合を果たしたのは何と明治維新。

2008.1
原文は英語。学位請求論文です。日本史なんてもんを研究しようと思ったらアメリカでやるしかなかった時代だったんですかね。現在の学者さんが改めて日本語に訳しておられます。読み物としては非常につらい。忍耐力が必要です。編集者が入ったのか入らなかったのか、或いは研究論文とはそうしたものなのか。兎も角、内容・言葉遣いともに論文調(あたりまえ)であります。

内容そのものは興味深いもので
  • 或る意味では名高い、古事記と日本書紀の齟齬問題について徹底的に検討
  • 当時の中国の政治状況を分析。中国の制度と大化改新で導入された制度との対応を明らかにしている。
    • 中国における王権・諸勢力・民衆の関係(中国の民衆が政権に無関心な背景、とかもあって興味深い)
    • 大化改新前後の日本の王権・諸勢力・民衆の関係がどう変わったか

最終的には、
  1. オオキミの権威が崩壊するのを防ぐため、中国の王政を或る意味無理矢理、日本に移植したが、上からの革命であったため在来の諸勢力の権力は残り、その後、「天皇」と俗世権力が分離したまま歴史が展開した。
  2. これらが統合されるのは第二の革命である明治維新である。
という主張をしています。ただし2.については深くは検討せず宣言に留まります。

私は現在の日本はまだ2.に至っておらず、主権・諸勢力・民衆が完全に一体にはなっていないような気がします。どちらにしても「何で分離したの?」と言われれば「大化改新が中途半端だったから、或いは志半ばのままだから」という本書の指摘以外に納得できる説明を他に知りませんし、説明しようとしている文に出会ったこともありません。皆さんはどう思われますか?

なお、訳者あとがきに指摘があり、よーく読むと、
  • 古事記と日本書紀の齟齬があることに着目して、大化改新そのものが捏造だったと考える人がいるかも知れないが、それは間違いである。
と釘が刺してあるそうです。

詳細
  • 単行本: 647ページ
  • 出版: 柏書房 (2006/06)
  • ISBN-10: 4760129456
  • ISBN-13: 978-4760129454
  • 発売日: 2006/06
  • 商品の寸法: 21.2 x 14.8 x 4.8 cm




偽りの大化改新

中村 修也

2006年。最新の研究成果?「大化の改新は捏造」説

2008.1
内容(「MARC」データベースより)
中大兄王子は、大化の改新で蘇我入鹿を殺していなかった! 古代史最大の常識は、ある意図をもって書かれた「日本書紀」による偽りの歴史だった。緻密な検証と推論で、歪められた真実に迫る。
まあ確かに「入鹿」は兎も角、「蝦夷」なんて名前、ふつうオカシイわなとは思う。でもまるまる捏造というのも何だかなあ。

明治時代に書かれた先駆、朝倉「大化改新」は参考文献に見当たらず。うーむ。

詳細
  • 新書: 238ページ
  • 出版: 講談社現代新書 (2006/6/21)
  • ISBN-10: 4061498436
  • ISBN-13: 978-4061498433
  • 発売日: 2006/6/21

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村 修也
1959年和歌山生まれ。筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程修了。文学博士。京都市歴史資料館勤務を経て、文教大学教育学部教授。日本古代史を研究する一方で、茶道史研究にも精力的に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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