楓海

カード考察:おとり人形

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■カード考察:おとり人形



《おとり人形》通常魔法
裏側表示の罠カード1枚を強制発動させる。
発動タイミングが正しくない罠カードだった場合その効果を無効にしてそのカードを破壊する。
発動後このカードは墓地へは行かず、デッキに入れシャッフルする。


□初見

1文目により、このカードの発動時に裏側表示の魔法・罠カード1枚を対象とします。効果処理時に対象としたカードが裏であった場合表にし、罠カードだった場合特殊な処理をします。魔法カードだった場合は表に戻します。対象としたカードがこの時点で表の場合この効果は不発に終わります。
対象としたカードが罠カードだった場合、効果を強制発動します。この時新たにチェーンを組む事はせず、このカードの効果処理中に罠カードの処理をします。これに割り込んで他のカードの効果をチェーンする事はできません。この時罠カードの処理一連を行うので、コストの支払いや対象の選択が行われます。これらが適正でないカードは「発動タイミングが正しくない」とされます。
2文目により、対象としたカードが罠カードであり、かつ発動タイミングが正しくないカードであった場合、その効果を無効にして破壊します。これには伏せて1ターンが経過していないカードや、チェーンして発動する《マジック・ジャマー》なども含まれます。
3文目により、このカードの発動が無効にされておらず効果処理時にフィールドを離れていなければこのカードをデッキに戻しシャッフルします。

□あまりにも注目されていない魔法・罠除去

魔法・罠は遊戯王にとって重視すべき行動であり、それが出来るカードは重宝されています。しかしそれらのカードのポテンシャルの高さ故にカードパワーに劣る魔法・罠除去カードは冷視されてもいます。このカードはその1枚です。
その理由としてまず、確実な除去を期待できない点があります。魔法カードは破壊できませんし、すでに表になっている《グラビティ・バインド》などを破壊できません。さらにチェーンして発動された場合も破壊できません。破壊できるのは裏側表示の罠カードで、発動タイミングの限定されるもののみになります。

このカードの問題点その2は、デッキに戻ってしまう事です。デッキに戻ってしまってはデッキが増量され、引きが悪くなってしまいます。そもそも確実性に欠けるカードなので、もう一度ドローしてその時役立つとも限りません。しかし、デッキトップに戻るわけではないので、ドローが腐る事にはなりません。ドロー手段に乏しい遊戯王で1ターンに1枚のドローは貴重で後半を考えるとこのデメリットは容認しがたいものではありますが、魔法・除去を何度もしたいと思うならば、これは考えるほどのデメリットではありません。・・・ちょっと説得力薄いかな。
ただし、このカードを複数枚デッキに採用した場合、かなりの確率で何度もこのカードをドローする事になるのでそれを考えた場合このカードはデッキに1枚程度が妥当だと思われます。

□問題点その2は我慢という事で、このカードの真実を見つめよう!

さてこのカードを実際に使ってみる場合ですが。
魔法・罠除去を伏せに対して撃つという事は、往々にしてよくわからない不確定要素を取り除くという事に真意があります。これにチェーンされ《死のデッキ破壊ウィルス》や《サイクロン》を発動される事は決して無駄ではなく【無論こちらの伏せなどがこの《サイクロン》で破壊された場合はやぶ蛇だが】、相手が期待する状況での発動を許さず発動タイミングをずらせたわけですし、そもそもの伏せを取り除くという目的は達せられたわけです。《おとり人形》の場合、伏せが魔法であったならば破壊さえできませんが、何かは分かるわけですからこの観点から見れば問題はありません。
問題なのはやはり表を破壊できない点と、スペルスピードが1であるという点です。これにより能動的・受動的共に動きづらくなってしまっています。《砂塵の大竜巻》ならばこのカードで破壊できる・できないカード全てに対応できるのですから、その汎用性は比べるべくもありません。

ではこのカードはどう運用するのが正しいのかというと、かなりピンポイントで申し訳ないのですが、ズバリ《王宮のお触れ》とセットでの使用をオススメします。

《王宮のお触れ》永続罠
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外の罠カードの効果を無効にする。

罠を封殺できるので、罠カードを大量搭載しているロックやコントロールに対して非常に有効なのですが、このカード自身のスペルスピードは2であるためスペルスピード3のカウンター罠にチェーンして無効にできない【罠発動にタイミングを合わせようと待っていたら時既に遅し】、発動してもカウンター罠にチェーンされて無効にされた【ならばと先んじて発動しようとしたならばカウンターが飛ぶ飛ぶ】、とカウンター罠とはお互いに相性が悪いのです。
この構図を《おとり人形》が覆します。このカードの対象としたカードが罠で発動タイミングの正しいカードであった場合、このカードの効果処理中に対象カードの効果発動から効果処理までの一連の処理がなされます。効果処理中なので、対象となったカードにチェーンする事は一切できません。つまり、自分の《お触れ》に発動してやればカウンター罠を恐れる事なく安全に効果を発動する事ができるのです。これを防ぐには《おとり人形》自体の発動に《サイクロン》などで対象となったカードを破壊するか、カウンター罠を発動しなければなりません。《サイクロン》は仕方ありませんが、無効にされた場合《おとり人形》はデッキに戻らず墓地に送られ、対象となったカードに変化はありませんがまったく痛くはありません。相手はカウンター罠1枚とカウンターの種類によってはコストを失いました。いい取引ですね。
ただし、《お触れ》を伏せて1ターン以上経過していないと「発動タイミングが正しくない」とされ破壊されてしまう点に注意。《お触れ》は早めに寝かせて熟しましょう。
このカード自体、永続系に対応できない弱点はあるものの伏せを多用するロックやコントロールには有効ですので【これらには一度伏せる必要のある《砂塵》よりも有効かも】、《お触れ》共々これらのデッキに対する活躍が期待できます。

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