唯澪@ ウィキ

今度は一緒に

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yuimio

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今度は一緒に


  • 前提:澪と唯は二人暮らし

帰宅中、新しいケーキ屋さんを見つけた。
少し変わったケーキ屋らしい。
唯の分も買って帰ろうかと思ったけども、今日は唯は実家に帰っている。

 (……自分の分だけでいいか。とりあえず味見もしたいし。美味しかったら今度買ってあげよう)

ケーキを一つだけ買い、帰宅。
夕食後、先程のケーキを食べた。

 (……美味しかったな。これなら唯も喜んでくれそうだ)

さて皿洗いでも始めようかと思った瞬間、玄関からガチャガチャと音がした。

 (……唯?おかしいな、今日は泊まって来るって言ってたはずなんだけど)

扉が開き、唯が入ってくる。

 「ただいま~。憂はあずにゃん、純ちゃんと一緒に遅くまで勉強するみたいだから帰ってきちゃった」
 「そっか、晩ご飯は食べてきたのか?」
 「うん、久々に憂のご飯食べたんだ~。やっぱり私のとは違って美味しんだよね」
 「そんなことないぞ、唯のだって美味しいぞ」
 「えへへ。ありがと~。……澪ちゃん、それケーキ?」

唯は皿に残ったクリームの跡を見つけたらしい。
ごまかすべきかと考えたけれど、意味が無いので素直に答えた。

 「うん。近所に出来てたから、試しに買ってきたんだ。美味しかったよ」
 「……へぇ。……私のないの……?」
 「ごめん。ない」
 「……そっか、ないんだ……」
 「また買ってくるから、一緒に食べような」
 「……別にいいよ。……先寝る」
 「って風呂は?ギターの練習は?」
 「んー」
 「ゆい~?」

唯は布団に俯せになってしまった。
それは私の枕だぞ。

 「ゆい~。一人で食べたから怒ってるのか~?」
 「んーん」
 「じゃあもうちょっとおしゃべりしようよ」
 「んふー」

なんなんだよ、もう。まともに返事してくれよ。

 「ほら、テレビで犬の特集やってるぞ。わんわん!」
 「……」
 「この犬すごいぞ!なぁ、唯」
 「静かにしてよ~」

まともに返事してくれたと思ったらこれだ。

 「唯さぁ、それ私の枕だぞ。それと寝るなら着替えないと」
 「くんくん」
 「何やってるんだ……?」
 「私、澪ちゃんの匂い好きなんだ。今日のデザートだよ」
 「やっぱりケーキのことで怒ってるんじゃないかー」
 「怒ってないもーん」
 「はぁー……。寝るなら自分の枕で寝てくれよな。私が寝れないだろ」

そういうと唯は、私の枕を抱き抱えて自分の枕で寝始めた。

 「ぐーぐー」
 「そうじゃなくってさ。……今日は相手してくれないんだな分かったよ」
 「ふふん」
 「……」
 「みおちゃ~ん?」
 「……」
 「……」
 「……」
 「……」

とりあえずやられたことをやり返すことにした。
でもなにもしないのも暇だ。
手元には通称ぷちぷちがあった。

 (……これで暇つぶしするか)

 ぷち。

 ぷち。

静かな部屋に響く音。

 ぷち。

 ぷち。

 ぷち。

 ぷちちん。

 (……暇だ)

 「ぷ……」
 「唯なんか言ったか?」
 「くくく……あはははは」
 「な、なんだよぉ」

唯は立ち上がり、私に後ろから抱きついてきた。

 「んーん。ごめんね。音聞いたら笑っちゃった」
 「なんだよ、いきなり抱きついてきて」
 「うー。澪ちゃん怒っちゃった」
 「怒ってたのは唯の方だろ。私は怒ってません」
 「よく考えたらね、私今日帰ってこないはずだったんだから買ってないの当たり前だよね」
 「うん、まぁ」
 「でもケーキのことだからちょっとすねちゃったんだよ」
 「ケーキ好きだもんな、唯は」
 「澪ちゃんの次くらいに好き~」
 「恥ずかしいこと言うなよ、もう」
 「今度は一緒に買いに行こうね」
 「ああ、約束だぞ」

その晩、唯は私の枕を抱き枕にするのにはまったらしく返してくれなかった。
私はどうやって寝たらいいんだと聞くと、唯が言うには同じ枕で寝ればいいらしい。
幸せだけどちょっと寝にくいよ、唯。

オシマイ。

初出:2->>920

  • ニヤニヤしたw -- (名無し) 2011-09-10 22:46:21
  • かわええ… -- (名無しさん) 2012-08-30 03:48:23
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