もしもあなたに出会えたら
―――もしも、高校受験のときに唯澪が出会っていたら―――
澪(あぁ、もうすぐ試験始まる……大丈夫かな)ソワソワ
澪(律とも離れちゃったし……周り、知らない子ばっかりだ)ビクビク
唯「♪~」フンフーン
澪(って後ろの人鼻歌歌ってるし!余裕なのかな)
唯「……あ」コロコロ
澪(消しゴム転がってきた。拾ってあげよう)ヒョイ
澪「は、はい……落としたよ」
唯「ありがとー」ニコ
澪(か、可愛い……)ポーッ
キーンコーンカーンコーン
澪(あ、時間だ。頑張らないと……)
―――
――
―
―――1時間目終了―――
澪(……ふぅ。中々の手応えだったぞ)
チョイチョイ
澪「え?」クルッ
唯「えへ。どうだった?」
澪(えええ、話しかけられた!?)
澪「え、えと……その」ビクビク
唯「私あんまりー。難しいよねぇ……あ、私平沢唯!」
唯「お名前なんていうの?」
澪「あ、あ秋山……澪……」プルプル
唯「秋山澪ちゃん!いい名前だね!」ガシッ ブンブン
澪「ああありがと……」ブンブン
澪(握手!?試験会場にまったくそぐわない雰囲気……周りから見られてるしっ)カァッ
唯「答案全部埋められなかったよー。澪ちゃんは?」
澪「い、一応全部……平沢さん、声落として」コソコソ
唯「あ、ごめんね。すごいねぇ澪ちゃん」コソコソ
澪(澪ちゃん澪ちゃんって……フレンドリーな子だなぁ。羨ましい)
唯「それにしても、その制服可愛いね。どこの中学?」
澪「あ、私は……」
キーンコーンカーンコーン
唯「あや、鳴っちゃった。ごめんね、話しかけちゃって」
澪「う、ううん。リラックスできたかも」
唯「お互い頑張ろうね!」フンス
澪「うん……」
―――
――
―
澪(それから休み時間ごとに話しかけられた)
澪(だんだん馴染んでいく。こんなに早く他人に慣れるの初めてだ)
―――昼休み―――
唯「ふえー、やっとお昼だー」グテー
澪「あと1教科だよ。頑張ろ?」
唯「澪ちゃん余裕そう……」
澪「そんなこと……。い、一緒にご飯食べる?」モジモジ
澪(な、何私言ってるんだ!こんなの私じゃない!)ブンブン
唯「うん、いいよ♪」ニヘラ
澪(そしてこの笑顔……可愛いなぁ)
唯「お弁当の中身はなんだろな、っと!」パカ
澪「平沢さんのお弁当可愛いね」パカ
唯「……唯」ボソ
澪「え?」ビク
唯「澪ちゃんも私のこと名前で呼んでよぉ」
澪「で、でも知り合ったばかりだし……!」
唯「もうお友達でしょ~!ね?」
澪「う……。……ぃ」ボソ
唯「んー?」
澪「ゆ、唯!///」
澪(も、もうこうなったら自棄だ!)
澪「唯のお弁当、自分で作ったの?」
唯「ううん、憂が作ってくれたの。あ、憂っていうのは私の妹でね……」ペラペラ
澪(ほんとに楽しそうに喋る子だな。私もこんなふうになりたいな……)
唯「澪ちゃんのお弁当は?」
澪「私のはママが作ってくれたんだよ」
唯「ママ?」
澪「お、お母さん!」アセアセ
唯「あはは、澪ちゃん可愛い!」
澪「うぅ///」
―――
――
―
澪(他愛のないことを話していたら、お昼休みもすぐに過ぎてしまった)
澪(とても楽しかった。一緒に高校に入学できたら、もっと楽しいかな?)
―――全教科試験終了後―――
唯「お、終わった……燃え尽きたじぇ……」プシュー
澪「お疲れさま。全部通してどうだった?」
唯「なんとか大丈夫かも……」
澪「ふふ、唯ならきっと大丈夫だよ」
唯「ありがとー……澪ちゃんなら絶対合格だね!」
澪「ど、どうかな……?」
唯「大丈夫大丈夫~。ね、約束しよ?」
澪「ん、何を?」
唯「絶対受かって、一緒に入学しよ!私、澪ちゃんともっと仲良くなりたい!」
澪「あ……。う、うん、私も唯ともっと仲良しになりたいよ!」
唯「じゃあ指きり!ね!」スッ
澪「うん!」スッ
唯澪「指きりげんまん、嘘ついたら針千本の~ます!」キュッ
唯「よし、おっけー!」
澪「」ビクビク
唯「どしたの?」
澪「わ、私痛い話ダメなんだ……!」ガクブル
唯「だ、だいじょぶ?」ナデナデ
―――
――
―
―――桜ヶ丘高校、校門前―――
唯「じゃ、絶対約束だからねー!」ブンブン
澪「また会おうな!」フリフリ
澪(絶対、約束。まさか、高校入る前から友達ができたなんて)フフフ
律「おーい、澪ー!」タタタ
澪「あ、律!」
律「いやー、手強かったぜ!澪は……ま、大丈夫か」
澪「勉強教えたの私だもんな。それより聞いてくれ律!」
律「どしたー?」
澪「私、友達できた」
律「……あーはん?もう一度言ってみ?」
澪「だから、友達だよ!」
律「嘘だー!恥ずかしがり屋の申し子の澪に友達だとー!?」
澪「ほんとだよ!ふわふわしてて可愛い子だった!」
律「な、何興奮してんだよ……」
―――澪の家―――
澪「まだ合格したわけじゃないけど、楽しみだな……」
澪「早く会いたいなぁ」ウキウキ
―――唯の家―――
唯「髪の毛長くて綺麗で、かっこいい子だったなー」ルンルン
唯「すぐ赤くなるのもとっても可愛かったぁ」
―――
――
―
唯澪「入学式、なんて話しかけようかな♪」
『けいおん!』
はじまりはじまり。ここから唯澪物語が繰り広げられます
初出:3->>661
- 可愛すぎる…ガクッ -- (名無しさん) 2011-01-19 22:05:24
- 続け、いや続いて下さい -- (名無しさん) 2011-01-30 05:31:53
- これが全ての始まりだったのか… -- (名無しさん) 2011-12-20 21:08:52
- 全てはここから始まった。 -- (名無しさん) 2012-08-30 17:31:39