ゆっくりいじめ系414 ゆっくりフルフォース_2


【キッチン】

「ゆゆ!みんなはやくここにかくれて!!」
ゆっくりかくれるよ!!…でもまりさはどうするの?」
「ここはいっぱいだからまりさはしたにかくれるよ!れいむとあかちゃんはここにゆっくりしずかにかくれててね!!」
「すごいね!ここならわからないね!!」
「にんげんはばかだからここにはきがつかないよ!それにいざとなったらまりさがたすけるからね!!まりさはにんげんなんかいちころなんだからね!」
「わかったよ!ゆっくちかくれるよ!!」
「まま~こわいよぉ~」
「まりさ…ゆっくりきをつけてね!」
「れいむ…ここをでたらゆっくりしようね!」


 手始めに実質リビングと一緒の部屋にあるキッチンから探す事にした。
 移動中も隠れきってないゆっくりを踏み潰しながら移動することを忘れない。
 冷蔵庫の食べ物の被害を考えてたが無傷だった。
 どうやら手もなく超がつくほど非力なゆっくりでは冷蔵庫の扉を開けることすら出来なかったらしい。なんとも拍子抜けだ。
 粗方探したのでもうここにはゆっくりがいないと判断し使えそうなものを取り次の場所を探そうとした時、幸運にも異変に気付いた。

 …鍋が……揺れてる?

 コンロの上においてある土鍋がカタカタと小刻みに音を立てていた。
 コンロの周りをよく観察すると…なるほど、箱を積みワゴンを伝って鍋の中に隠れたわけか。なかなか侮れない。
 だが残念だったな。天は我に味方せり。家畜に神などいないのだよ。
 そして鍋に近づこうとした瞬間、通り過ぎたワゴンの下からゆっくりまりさが出てきた。
 そんなところにも隠れていたのか。
「やーい!のろまなおじさん!れいむたちはあたまがいいからもうなべのなかにはいないよ!!!」
 …はい確定。あの鍋にはれいむがいる。
 俺は鍋に向かって更に一歩踏み出す。

「ゆゆ!だからなべのなかにはれいむもあかちゃんもいないって!!おじさんばかなの!?まりさのいうことりかいできないの!!??」
 そうかそうか。あの中にはれいむと赤ちゃんがいるのか。
 恐らくこいつの家族だろう。
 そして鍋の前に立つ。

「ゆゆゆ!だからそのなべはからだよ!!そんなことよりおじさんはまりさをつかまえなくていいの!!??ここまでおいで!おしーりぺーんぺーん!!」
 まりさは後ろを向き自分の底面(尻?)をこっちに見せ、床に叩きつけている。その動作は見ててきもい。殺意が沸く。
 中にいる自分の家族を守るための精一杯の挑発だろう。泣かせるねえ…美しい家族愛だ。
 どのようにこの生意気な糞饅頭を痛めつけてやろうと頭の中で考えていたらいい策が思いついた。
 過ぎたお喋りは身を滅ぼすという事を教えてやろう。

「まりさ。この中には本当に何もないんだね?」
「ゆっ!だからさっきからそのなべのなかにはなにもないっていってるでしょ?おじさんばかなの?しぬの?」

「本当に中に何もないんだね?」
「ほんとうだよ!!まりさうそつかないよ!!!だからそのなべからゆっくりはなれてね!!!」

「本当の本当に中に何もないんだね?」
「おじさん、まりさをしんようしてよ!!そのなべのなかにはだれもいないからゆっくりまりさをおいかけてね!!!」

「……わかったよまりさを信じよう。この中には誰もいない、そうだね?」
「ゆゆゆ!やっとわかってくれたんだね!!まりさうれしいよ!!!ゆっくりまりさをつかまえにきてね!!!」
 まりさの表情がパァっと晴れる。やっぱりきもい。

「じゃあ中に誰もいないんだったら火をつけても大丈夫だよね♪」
「ゆゆゆ??」

 ―カチッ―

 コンロのつまみをフルに回す。
 火は勢い良く土鍋を攻め立てる。
 これがどういう事態かは餡子脳でも理解しているようだ。
「ゆゆゆ゛ううううううう!!!おに゛いさんひをどめでええええええええ!!!!!」
「だって君は『この鍋の中には誰もいない』と言ったろう?誰もいないなら火をつけても問題ないよね?」
「ゆ゛っ!!!っうううぅぅ……」
「誰かいたらすごく危ないけど誰もいないなら火をつけても大丈夫だよね?ね?」
「ぐぎぎ…………」
 俺の正論にまりさは押し黙ってしまった。
 いい気味だ。まりさの周りで『今、どんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?』の熊のAAみたいに踊る。
 そうこうしているうちに鍋の中に火が回り始めたのだろう。我慢の限界に達したゆっくりたちが声を上げ始めた。

「あぢゅい゛い゛いいいいいいいい!!!!!」
「ゆっぐぢでぎな゛いいいいいい!!!」
「どぼじでえええええええ!!!」
「たじゅげでえええええええええ!!!!」
「おやおや~?誰もいないはずなのに声がするぞ~?これは空耳かなあ?好きだよ好きだよの声かなあ?」
「ゆぎぎいいいいいいいいい……!!」
 まりさの顔には青筋ならぬ餡子筋が浮かび上がっている。
 このまま放置してたら憤死しそうだ。それはそれで見てみたい気がするが。
 それにしても何時までこうしてる気かね。さっさと自分の間違いを認めればいいのに。
 変にプライド高いんだな、まりさ種は。

「ま゛りざあああああああだずげでえええええええええ!!!!」
 とうとう親ゆっくりの叫び声が聴こえてきた。自分の愛するゆっくりの危機についに強情だったまりさも音を上げた。

「ずぐにや゛め゛でね゛ええええええええ!ゆっぐりひをどめでええええええええ!!!」
「どうして?…お鍋の中に…誰もいませんよ?」
 俺はnice boat.の巨乳ヤンデレ少女のように、そのあとケロケロ続きそうな電波ソングのように答えた。
「ま゛りざはう゛ぞをづぎまじだ!!あ゛のながにはれ゛いむ゛だぢがいまず!!だがらゆっぐりじでないでだずげでええええええ!!!!」
 涙で顔面をしわくちゃにさせながらまりさが懇願してくる。
 キモイから近寄んな。
 俺はさも今気が付きましたというふうに装って鍋の蓋を開ける。
 中から餅の焼けた香ばしい匂いがしてきた。

「あぢゅぃ……ょぉ…」
「だじゅげ…だじゅげで……」
「…おみじゅほしぃ………」
「ま゛…ま゛りざぁ………」
 う~んいい感じに弱ってます。
 もう叫び声を挙げる気力すらないようだ。
 下の方もこんがり狐色に焼けてもう飛び跳ねる事もできないらしい。
 焼かれたせいで餅の部分が少しずつぷっくりしてる。

「ま・り・さ~嘘ついちゃだめじゃないか。君のせいで鍋の中にいたゆっくりが大火傷してるよ?」
「はや゛ぐじでえええええええ!!!ゆっぐりじないではやぐだずげでえええ!!!!!!」

「ねえ、それが人間様に物を頼む態度なの糞まりさ?」
「お゛ねがいじまずおじさん!れいむだぢをだずげでやっでぐだざい!!!」

「ええ~おじさん!?俺まだ30になってないよ?」
「たずげでぐだざいおに゛い゛ざん!まりざのごどもだぢだずげでぐだざい!!!」

「イ・ケ・メ・ンなお兄さんだよ?」
「だずげでぐだざいいげめ゛んのおに゛い゛ざん!だずげ」

「へぇ…ゴミクズの分際でイケメンのお兄さんに指図するんだ?」
「だずげでぐだざいいげめ゛んのおに゛い゛ざま゛!ごみくずのま゛りざのま゛むま゛むはおにいざんのがっごよざでぬ゛れぬ゛れでず!!
 どうがごのごみぐずのおねがいを゛ぎいでぐだざい!!!」

 うわっ、面白いくらい下手に出てきやがったぞこいつ。
 てかさすがに饅頭に欲情はしねえぞ。
 お兄さんを誘惑したきゃうどんげちゃんかけーねちゃんでもつれてこいっての。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「へきしょん!」
「あらウドンゲ、風邪?座薬打ちましょうか?」
「ずずっ…し、ししょ~そうやってすぐ座薬出すのやめてくれませんか?」
「あらあら、昨日はあんなに布団の上で激しく『師匠の座薬くださ~い』って…」
「わわわああああぁぁ!!!な、なんてこと言ってるんですか!!他の妖怪兎にでも聞かれたらまた弄られるネタに…」
「顔が赤いわよウドンゲ。はっ!…もしかして座薬を見るだけで興奮する体質になったとか?」
「な、なんですかそれ!勝手に変態設定を増やさないでくださいよ!ちょっと昨日の事思い出しただけで別に座薬見たからじゃ…」
「あらあら、仕事中に昨日の事思い出して発情しちゃったのね、イケナイ子ねぇウドンゲは」
「ちょ!何時の間に後ろにいるんですかっ!って抱きつかないでくださ……あんっ…し、ししょう…だ、だめですよそんなとこさわっちゃ…んっ…」
「あら?もう濡れてるの?ほんとにいやらしい子ねぇウドンゲは」
「んっあっ……ま、まだ日も落ちてないですし、てゐもそろそろお使いから帰ってきますから…ああんっ…」
「仕事中に勝手に発情しちゃうイケナイ兎さんにはお仕置きしなきゃねぇ」
「そ、それ私のせいじゃないもんんんっ!!……あっ!…やめ……おねが……あんっ…」

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「ひっくしゅ!」
「あれ?慧音風邪ひいたの?もしかして夏風邪?」
「ここのところ熱かったからな。そういえば少し寒気もするし…」
「熱いからってお腹出して寝てたんでしょ?」
「おいおい、妹紅じゃあるまいしそんなわけないだろう」
「…ねぇ慧音。寒いなら…その…私が添い寝して暖めてあげようか?」
「妹紅…」
「慧音…けーねぇ!」
「こ、こら妹紅っ!まだ私はテストの採点が…」
「はぁはぁ…けーねぇ…」
「んあっ…も、妹紅、こらっ、そ、そんなにがっつくな……ふふっ、しょうがない奴め……」

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 今何か違う世界が見えたような気がした。気のせいだよな。
 それにしてもまったく、どうして俺の部屋に来たのがよりによってゆっくりなのか…。
 問い詰めも程ほどに俺は鍋をちらりと見る。
 あと一息かな。

「でもまりさは嘘をついたよね?嘘ついちゃだめだよね?」
「ばい゛!ごみくずま゛りざはうぞを゛づぎまじだ!!!ごみくずま゛りざのぺにぺにはおに゛いざんがいげめんずぎでびんびんです!!!
 ま゛りざはどうなっでもいいがられ゛いむ゛とあがぢゃんをだずげでぐだざい!!!!おねがいじまず!!!!!!」
 なんかまた下品な事言ったがもうスルーだ。
 …しかしつまらない。
 ゴミクズが自分の身を挺して家族を守るとかつまらない。
 虐待スレを斜め読みしたがゴミクズまりさは自分のために家族や友人を平気で捨てるんだろう?
 なのにこの展開だ。納得がいかない。面白くない。
 まあどうなってもいいって本人言ってるんだしその通りにしますか。うふふふ…。
 俺は土鍋にたっぷり水を入れてやる。
 死にかけたゆっくりたちが少しだけ生気を取り戻す。

「お、おみじゅだよー……」
「ゆー…ちべたいよー…」
「…やっと…ゆっくちできるょー……」
「いきかえったよー……」
「ゆゆゆー!れいむー!!だいじょうぶー!?」
 まりさはささっとワゴンを上り土鍋の縁に登る。

「そのこえは…まりさ…れいむたちはゆっくりだいじょうぶだよー!」
「ゆっ!よかった!さぁおじさん!!ゆっくりれいむたちをなべからだしてね!!だしたらおじさんはゆっくりくるしんでしんでね!!!!」
 喉元過ぎればなんとやら。さっきの出来事をもう忘れている。さすがゴミクズだね。
 まあ俺も最初から全員ゆっくりを殺すつもりだったしもういいや。
 内部崩壊してもらいましょ。

「さっきは火をつけちゃってごめんね~」
「あかちゃんがやけどしちゃったよ!!!ゆっくりせきにんとってね!!!」
「かわいいれいみゅたちをやいちゃうおじさんはゆっくちちね!ゆっくちちね!」
「とべなくなったのはおじさんのせいだよ!!おそとにだしてね!!!!」
「はやくここからだしちぇね!ゆっくちさせてね!!!」

「でもねぇ、ここにいたら聴こえてたと思うけどお兄さんこのまりさに『鍋の中には誰もいない』って確認したんだよ」

ゆゆ!と声を上げ、鍋の中のゆっくりたちが顔を見合わせる。

「まりさが『なかにれいむがいるよ』って言えば火をつけなかったのにねぇ。中にいるのを知ってて火をつけたりしないからねぇ…」
 もちろんいるの知ってて火をつけたけどね。
 ゆっくりたちがゆっくりまりさに向き直る。

「ゆううううう!!!おとうさんのせいでれいみゅたちはやかれたんだね!!!」
「れいみゅにこんなひどいことしゅるなんておやじゃないよ!!ごみくずはゆっくりちね!!」
 赤ちゃんたちの死ねの大合唱。しかも矛先は俺ではなく親まりさへだ。
 当のまりさは自分の助けた相手に…しかも自分の赤ちゃんに罵倒され驚き戸惑っている。
 慌てふためくがいい…。

「ゆゆっ!な、なんで…まりさはみんなのために……そうだ、れいむならわかってくれるよね!!」
「…まりさみそこなったよ!まりさはほかのまりさみたいにごみくずじゃないとおもったけどやっぱりごみくずだったね!!!」
「ゆ゛ぐっ!ぞ、ぞんな゛ぁ!!!!!!!」
 愛するゆっくりから強烈な一撃を貰ったようだ。
 さすがに堪えたようで目に見えて萎んでいる。
 こうしてあっという間にこの一家の絆は脆くも崩壊した。
 これぞ俺必殺の「離間の計」。
 普段はスレを荒らす時にしか使わないがまさかこんな形で役に立つとはね。
 知力が1もない饅頭には効果絶大だ。
 虐殺スレを荒らすより簡単だったな。
 これがゆっくりの美しい家族愛(笑)か…ただの害虫の分際で家族愛とか笑わせる!
 …さてそろそろ仕上げに取り掛かりますか。
 俺はすんすん泣いているゴミクズまりさをデコピンで弾き飛ばし土鍋に落とす。

ゆっくり復讐されてね!」
 俺の声を合図にゆっくりれいむたちがまりさを襲い始める。
 もう跳ぶことができないせいか体当たりではなく噛み付いている。

「いだああああああいいいいいいいい!!!やめでええええええゆっぐりやめでえええええええええ!!!!」
ゆっくりちね!くるしんでしね!!ガブッ」
「れいみゅたちのくるしみあじわってね!!!グシャリ」
「がぶっ…むしゃむしゃ…ハムッこれうめえ!マジうめえ!!」
「いやあああああああああ!!!たべじゃらめえええええええ!!!れいむっ!!れいむだずげでええええええええ!!!!」
「はむっ、はふっ、まりさはムシャムシャ、れいむたちにたべられてクチャクチャ、ゆっくりしんでね!!!ん…おいしい!しあわせ~♪」
「ぞんな゛あ゛あ゛あああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
 大きかったまりさはあっというまにれいむと赤ちゃんたちに食べられてしまった。
 『まりさはどうなってもいい』とかゴミクズの癖に綺麗ごと抜かすからこうなるんだよ。
 やっぱりゴミクズはゴミクズらしく仲間に怨まれながら死ぬのが相応しいね。
 裏切りはいつでも爪を研ぎ待っているんだよ。
 『どうなってもいい』なんて言葉、そう簡単に口に出していいもんじゃないってことがわかったかな。
 わかったところでもう死んでるけどね。

「やあ、れいむたち。復讐はすんだかい?」
「ゆゆっ!ごみくずまりさはみんなでたべたよ!!」
「おいちかった~!!!」
「ちあわせ~!!」
「ねぇおじさん!そろそろここからだしてね!!おなべのなかあきたよ!!」
「さっさとかわいいれいみゅたちをおしょとでゆっくちさせてね!!!」
「残念ながらそれは出来ないな。お前ら自分がどういう状態かわかってるの?」
「ゆ゛ゆ゛っ!!??」
 思い出して欲しい。俺は鍋に水を入れたが火は止めてない。
 れいむたちはまりさへの復讐のため鍋の状態を把握していなかった。
 …鍋はぐつぐつ煮立っている。
 赤ちゃんに至っては半分以上溶けた状態になっている。もう助からないだろう。
 俺に言われてゆっくりたちはやっと体の異変に気付いたようだ。どこまで抜けてるんだか。

「ゆゆゆゆっ!!!かりゃだがどげでるよ゛ぉぉぉぉ!!!!」
「だじゅげでぇえええ!!れいみゅをだじゅげでええええぇぇ!!!」
「おじざんお゛ねがいじまず!!!れ゛いむ゛のがわいいあがじゃんだずげでええぇ!!!」
「ええ~!!俺まだ30になってないよ!!」
「いげめ゛んのおに゛いざんおねがいじます!!れ゛いむ゛のがわいいあがじゃんをだずげでぐだざい!!!!」
 指摘してないのにイケメンってつけてきやがった。
 だがまりさみたいに下品な事は言わないようだ。
 その点だけは評価してやろう。

「へぇ…かわいい赤ちゃん?この不細工なのが?うん●の間違いじゃないの??」
「おねがいじまず!!れ゛いむ゛の……れ゛いむ゛のぎだないう゛んう゛んをだずげでぐだざい!!!」
「ど、どぼじでがわ゛いいれいみゅだぢのごどう゛んう゛んってい゛うのおおおおおお!!!!????」
「おがあじゃんなんがぎらいだあああああぁぁぁ!!!」
「ぢねええええええ!!!ゆっぐりぢねええええぇぇぇ!!!」
「おがあざんはみ゛んな゛をだずげるだめにぞういっでる゛のにどおじでぞんなごどいうのおおお!!??」
 こいつらって俺が手を下さなくてもいずれ内部崩壊したと思う。
 それか幻想郷にいる俺に似たような人の手によって同じ事態になったと思う。
 幻想郷に俺と似たような人がいるとかは知らないがなんとなくそんな気がした。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ばくしょい!」
「ゆゆっ!きたないよ!ゆっくりやめてよね!」
「ふふっ、誰かが俺の事噂してやがる…まったくいい男は疲れるな」
「ゆううう…はなみずがとんできてきたないよぉ…」
「ああん?どうせ死ぬんだからくしゃみぐらいいだろうが糞饅頭!」
「やだよ!れいむたちもっとゆっくりしたいもん!!ゆっくりできないおにさんはゆっくりしnうがっ!!!!???」

 無双!、無双!、無双!、無双!、無双!

「次はどいつが股間のグングニルでだんご三兄弟になりたいか?」
「ゆぎいいいい!!やめてええええええええ!!!」
「まりさは三兄弟になりたくないよおおおおお!!!」

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 …こいつは違うと思うけどって何俺また異世界見てるんだ。
 今日はやけに鮮明に異世界の情報が流れ込むな。
 ぶんぶんと頭を振って妄想を打ち消す。
 そんなことより今はこのゆっくりたちだ。
 だいぶふやけてきたしそろそろ食べごろだろう。
 俺はまだ家族で醜い言い合いをしていたれいむたちを無視し鍋に菜ばしを突き刺しちゃちゃっとかき混ぜる。
 赤ちゃんは完全に溶け臓物…いや、餡子をぶちまけてお汁粉の汁になった。
 親れいむだけは辛うじて意識が残ってたようだ。

「み゛ん゛な゛じね…み゛ん゛な゛じね…」
「そうだな、じゃあお前も死ね」
 俺は親れいむに噛り付いた。
 良く火が通っている。
 恐怖に合わせ続けていたせいか味もまろやかにほどよい甘さに仕上がっている。

「……が………ま………」
「むーしゃむーしゃ、おいしー!幸せー♪」
 これ見よがしにゆっくりの台詞も奪ってやる。
 ゆっくりした結果がお汁粉だよ。
 食事中に何匹か匂いに釣られてやってきたゆっくりどもを足で踏み潰した。
 まりさ種はみんな帽子を深く被ってそろりそろりと近づいてきたがバレバレユカイだろう。
 もっとダンボールの人を見習って欲しいものだ。
 腹ごしらえもすんだし次のステージに行きますかと。


【風呂場】

「ゆゆっ!みんないそいで!」
「はやくみんなおりてね!!!」
「とびおりるからあかちゃんはおかあさんのくちのなかにゆっくりはいってね!!」
「ねぇぱちゅりー、ほんとうにここだいじょうぶなの?」
「あのにんげんはゆっくりはみずによわいといこうとをしっているわ。だからあえてここにかくれるの」
「ゆゆっ!うらをかいたのね!やるじゃない!」
「さすがはぱちゅりーだぜ!このさくせんはかんぺきだぜ!!」
「むきゅ~ん、てれるわ」

 うんうん、そうだね。
 その作戦が俺に聴かれてなければ完璧だったかもな。
 でもそんな大声だと聴こえますっての。
 風呂場での声って結構響くんだよな。
 今度はたらいを足場にして浴槽に入り込んだのか。こういう知恵だけはあるようだ。
 そんなことより浴槽に隠れた後どうやって出るのかを聞きたかったがどうでもいいや。みんな死ぬんだし。
 俺は迷わずお湯張りのボタンを押した。

「オユハリヲシマス」

 無機質な機械のアナウンスが流れお湯張りが開始される。
 この音声へのゆっくりの反応がないところを見ると中で騒いでいて聞いてないのか?

 ―ジャアァァァァ―

「ゆゆゆっ!おゆがでてきたよ!!あったかくてきもちいい~♪」
「ゆ~、すごくゆっくちできりゅね!!」
「ここはれいみゅたちのゆっくちぱらだいすだね!!」
「すっきりー♪」
「ゆゆんゆ、ゆんゆんゆん♪」
 気持ちよさそうな声と変な歌が聞こえてくる。
 ゆっくりたちはお風呂を楽しんでいるようだ。

  ―ジャアァァァァァァ―

「ゆゆ~ん!みてみて!おみじゅにうかんでるよ!!」
「しゅご~い!!れいみゅおさかなさんみたい!!!」
「おみじゅかけちゃうぞ!!それそれ!!!」
「ゆゆっ!やったな!しかえしだぞ!!!」
「……むむむむきゅー!、こ、これはまずいわ!」
 どうやら知能の高いぱちゅりーが一足先に事態の悪さに気が付いたようだ。
 だがもう遅い。悲劇は始まっている。いや俺と出会った瞬間に悲劇なら始まってたか。

 ―ジャババババババァァァ―

「ゆぐっ!からだが、しずむ、よっ!」
「ごぼぼぼ!ゆっぐぢごぼっ、できにゃい、よ!!」
「おゆさん!がぼぼぼ、ゆっぐぢごぼっ、どまっで、ね゛!!!」
「ゆゆっ!あかちゃんはれいむのくちのなかにゆっくりひなんしてね!!!」
「ぱちゅりー!!これはどういうことなんだぜ!!??」
「……むむむむむむきゅー!!!どうしよう!!このままじゃみんなしんじゃうわ!!!」
 どうやら体の餅が水を吸って浮かばなくなったらしい。
 赤ゆっくりの悲鳴が気持ちいいなあ。
 さあ、どんどん恐怖するがいい。

 ―ジャボボボボボボボオオオオォォォォ―

「もとはといえばぱちゅりーがここにかくれようといったせいだぜ!!」
「そうだよ!ぱちゅりーのせいだよ!!ゆっくりせきにんをとってね!!!」
「ぱちゅりーのからだでそのあなをふさいでね!!!」
「ゆぶぶっ、ふだりどもやめ゛がぼぼっ!!」
 ここでもゴミクズは変わり身の早さを見せてくれる。
 お兄さんゴミクズのそういうところ好きだよ。殺したいぐらい。
 ぱちゅりーが責任として穴を塞ぐ人柱…ではなくゆっくり柱になった。
 饅頭製の柱なんざ強度が知れてるのにね。

―ジャゴボッゴボッゴボッゴボッゴボッゴボッ―

「おがあさん!くちのなかにみずがはいってきてるよ!!」
「だずげでぇぇぇぇえええ!!!!」
「あがちゃんごぼぼ、おかあさんのあたまのうえにごぼっ、ゆっくり、あがって、ね」
「ごぼっ、まずいんだぜ!!ぱちゅりーはやくたたずがばば、だったんだぜ!!おゆが、とまらないぜ!!!」
 親ゆっくりの高さまでお湯が貯まってきたらしい。
 話す言葉にも時々気泡が混じる。
 相変わらずゴミクズはゴミクズだった。

 ―ジャボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴ―

「ゴボ、もう、がまんゴバァ、できないんだぜ!!」
「ゴボッ!!??ま゛りさ!れいむのブクブク、あかぢゃんに、なにするの!!!!」
ゆっくりガバババ、ぎせいに、なって、もらうんだぜ!!」
「れ、れ゛いむ゛のあがぢゃんがババババババ!!!!!!」
「ぶっぶぶ、ぼごごごごごおおおおおお!!(ゆっくちちたかったよおおおおおお!!)」
「どごぼぼぼっ、ごぼぼぼぼおおおおおお!!(どおじでごんなごどにいいいいいい!!!)」
「またゴボボ、ずっぎりガババ、すればあかちゃんは、うまれるんだぜ!!!」
「がえじでええええボコボコ、れ゛いむ゛のあがぢゃんがえじてええぇぇぇ!!!」
 ゴミクズノキワミアッー!
 ついにれいむの赤ちゃんを使って穴を塞ぎ始めた。
 またドラゴンボール使えば生き返るってか?
 さすがゴミクズ!そこに痺れる憧れるぅ!

 ―ジャブグブグブグブグブグブグブグブグブグブグブグブグ……―

「れ゛いむ゛ゴボボ、のあがぢゃんのゴバ、う゛らみ!じねぇ!じねぇ!!」
「ゴボボボ、しかたがゴボッ、なかったんだ、ぜ!!」
「うるざい!!!!!ゆっぐりぢねぇえゴボボ!!ぢねぇえ!!ゴボッぢねえええええええぇぇぇぇぇ!!!!」
「ブゴォ!!れいむがそういうならブグブグ、しかたがないね!れいむにもゴボボボ、ぎせいに、なってもらうね!!!!」
「ブゴブウウウ!!!!!!??????」
 俺は中の様子が気になったのでついに蓋を開けて見ることにした。
 なんとまりさはれいむを踏み台にしていたのだ。ガイアもびっくりだ。
 まだれいむの頭までは水が貯まってない。
 当然踏まれたれいむは上にいるまりさの重さにより潰れ息ができなくなった。

「やっとゆっくりできたよ!」
「ぶごごごおおお!!ぼごぶごおおおお!!!」
「ゆゆ?れいむなにいってるかわからないよ!どうせたすからないからかわいいまりさのためにゆっくりしんでね!!」
「がぼぼぼぼぼ!!」
「だいじょうぶだよ!れいむのぶんまでまりさゆっくりするからね!!」
 鬼のような形相で水面下のれいむは頭上を睨み付けている。
 だが出てきている泡も少なくなってきたのでもう長くはないだろう。
 それにしても自分が生き残るためにここまでやるとは感心する。
 やっと一息つけて俺の存在に気付いたまりさが話しかけてきた。

「ゆゆ!まりささいごまでいきのこったからゆっくりたすけてね!!」
 いや、俺そんなゲームしてないよ。どこかのSSかよ。本当に頭悪いなあ。
 しかし今回はどう甚振ろうか決めていなかったので少し時間が必要だった。
 このまま死なれても面白くないのでとりあえず俺は言うべきことを言った。

「まりさ、君…帽子使えば水に浮くんじゃないの?」
「ゆゆ!ゆっくりわすれてたよ!!!」
 そういうとまりさはいそいそと水面に帽子を設置し飛び乗った。
 つまりまりさは最初から自分だけなら助かる事ができたってわけか。
 それにしても忘れるって…これじゃ野生でもすぐ死ぬな。

「ありがとうおじさん!でもじゃまだからはやくどこかいってね!!」
 予想通りの反応に苦笑する。
 餡子脳ではすっかり忘れているんだろうが、俺はゆっくりを殺さなければならない。
 ゆっくりは俺から逃げなければならない。
 だからこいつを殺さずにはここから動けないのだ。
 さて、どうやって殺そうか…

「ゆ~ゆ~ゆっくり~♪さいごにわらうのはかわいいまりさ~♪…ゆゆゆっ!おみずがはいってくる!!なんでえぇ!!??」

 …どうやら俺が殺す前に因果が応報したらしい。
 まりさの帽子はどんどん浸水している。
 まりさは経験上ありえない事態に混乱していた。
 この浸水の原因は…下にいたれいむだ。
 よく見るとれいむはまりさの帽子の先端に噛み付いて息絶えている。
 そのせいで浮上できなくなり浸水が始まったのだ。
 なんという道連れ…。お兄さん感動しちゃったよ。
 まりさもこれがれいむの仕業だとようやく気が付いたようだ。

「れいむ!まりさがおぼれちゃうからゆっくりやめてね!!」
「…………」
「れ、れいむ!!まりさがわるかったよ!!だからゆっくりぼうしからおくちをはなしてね!!!」
「…………」
「れ゛いむ゛ううううううお゛ね゛がいだがらや゛めでよおおおおお!!ま゛りざじんぢゃううううううううぅぅぅ!!!」
「…………」
 れいむからの反応はない。死んでるからな。
 こいつはもう死ぬことが確定したし俺もさっさと次のステージに移りますか。

「じゃあねまりさ、お兄さんは『邪魔』だから『どっか』に行くね!!そこでゆっくりしていってね!!!」
「ぞぞんなああ!!!だずげでよ!!!ゆっぐり、でぎないよ!!!ごぼっ、ごぼぼぼぼぼぼぼ………」



 ―ラッダッダッダラーラダララッダーララダララーラララッダーララダラダーァ♪―
「オフロガワキマシタ」


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最終更新:2021年04月30日 10:25
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