森の中をゆっくりありすの家族が跳ねていきます。

「とかいはにふさわしいすをさがすのよ!」
「おかーしゃん、がんばっちぇね!」
「とかいひゃ!とかいひゃ!」

ありすとちびありすたちは不自然に開けた場所に出ます。

「ここはなにもないわね。」
「ゆっくりできるね!」
「ゆゆっ!おかーしゃんたべものがおちてるよ!」
「あら、ほんとだわ!」
「ありしゅがさきだよ!」
「みんななかよくたべるのよ!」

家族は仲良く食べ物の前にやってきました。

「みんなそろったわね!」
「みんにゃいりゅよ!」

ちびありすがそう言ったときです。

ガゴンッ

「ゆゆっ!おかーしゃんでれにゃくなっちゃよ!」
「ゆゆゆ・・・だいじょうぶよ!みんなでもちあげましょう!」
「ゆーしょ!ゆーしょ!」
「ゆ~ん・・・だめだわ!」

ありすの家族は突如落ちて来た檻に捕まってしまいます。
慌てるちびありすたちに親ありすは協力して出ることを提案しましたが、家族の協力をもってしても檻は持ち上がりませんでした。

「すきまからでれないかしら。」
「ありしゅがやっちぇみるよ!」

一匹のありすが檻の隙間から逃げ出そうと体を滑り込ませます。
体を縦に伸ばしながら外に出ようとちびありすはがんばります。

「ゆーしょ、ゆーしょ・・・ゆゆぅ?」
「ちびちゃんどうしたの?」
「ゆゆっ、ゆゆっ、うごけないいいいいいいい!」
「なんですってええええええええ!」

ちびありすと親ありすの叫びが重なります。
ありすたちを囲う檻は絶妙な幅を持ってちびありすを捕らえてしまったのです。

「なんとかするわよ!」
「わかっちゃよ!」

残ったありす家族はちびありすを助けようとゆっくりと考え始めました。
押したり、引いたりといった簡単なことを試してみるがそれはちびありすが痛がるだけだった。

「もうやめちぇえええええええええ!」
「ゆゆっ、これいじょうやったらかわいそうだわ!」
「そうだね!」

押したり引っ張ったりするのに飽きたありすたちは別の方法を考え始めました。


ちびれいむを舐めて滑らそうとしているころ一人の男が檻の元にやってきました。

「ゆゆっ!そこのひとわたしのあかちゃんをたすけてね!」
「たちゅけてね!」
「だぢゅげで・・・」

ありす達は男にちびありすを助けて貰おうと檻に詰め寄ります。
が、男は無視して檻に作られた扉を開き、手を伸ばして他のちびありすを捕まえました。

「な、なにするの!ちびちゃんをはなしてね!」
「はなちてええええええええ!」
「ゆ゙ぐぐぐうぐぐ・・・」

ちびありすを取られた親ありすは必死に檻に体当たりをします。
しかし、檻は少しゆれるだけで振動で挟まったちびありすが苦しむだけでした。
ちびありすを袋に入れた男は再度ちびありすを捕まえようと腕を伸ばします。

「たちゅけちぇええええええええええ!」
「ちびちゃんをはなせええええええええ!」

親ありすが男の腕に噛み付きます。
ありすの噛み付きに堪らず男はちびありすを離して腕を引っ込めました。
開放されたちびありすは親ありすのもとに急いで逃げ帰ります。

「おかああああしゃああああああん!」
「あぶなかったわね!」
「さしゅがおかーしゃんだわ!」
「おかーしゃんしゅごい!」

男を退けた親ありすをちびありすは尊敬の眼差しを向けます。
ありすに噛み付かれた男は檻から離れて何かを探していました。
腕をさする男の腕にはきれいな歯型がついています。
ところどころ血が流れている痕にはゆっくりの噛み付きのすごさが現れていました。
男は目的のものを見つけ、ありすの元に戻ってきました。

「ゆゆっ、まちゃきちゃよ!」
「だいじょうぶよ!またかみついてやるわ!」
「おかーしゃんかっこいい!」

ちびれいむは親ありすの周りに集まっていました。
親ありすはそれによって動きを制限されていました。
しかし、ちびありすを捕まえに来たところを噛み付くつもりだった親ありすはあまり気にしていませんでした。
男は檻に手をかけ、そして持ってきた棒を親ありすに突きつけました。

「あら?」

いきなり目の前に迫ってくる棒にありすは目を丸くします。
ちびありすが邪魔でよけることも出来ないままありすは棒によって檻に張り付けられました。

「ゆべぇ!」
「「「おかーしゃああああああん!」」」

棒によって檻にたたきつけられた親ありすは隙間に目と体を割り込ませてぴくぴくと震えています。
何匹かのちびありすも親ありすに吹き飛ばされて気絶していました。
男はまず元気なちびありすから捕まえていきました。
親ありすのいないちびありすは逃げ回りますが時間稼ぎをしているだけでした。

「ゆ゙ううううううううう!」

元気なちびありすを全部袋に入れると気絶したちびありす、親ありすと順番に同じ袋に入れていきます。
最後に檻ありすを取ろうとしましたが、思ったよりしっかりと嵌っていたので男はあきらめ、檻ごと家に持って帰りました。



「ゆ、ゆっくりしていってね!」
「「「ゆっくりちていっちぇね!」」」

男の帰りを待っていたのはまりさとちびまりさの家族でした。
ゲスと言われることもあるまりさですが、ちゃんと育てると他のゆっくりよりも元気で物覚えもよく、留守番も出来る有用なペットとなります。
男は森で拾ったちびまりさを子を持つまで育て上げました。
その甲斐あって、今では番ゆっくりとして周りで有名になるほどです。

「ゆゆっ!にわのいわれたくさはぜんぶたべたよ!」
「おちばさんもいっかしょにあちゅめちゃよ!」
「きょうはおとなりしゃんがかいらんばんもってきちゃよ!」
「とっちぇもゆっくちちてまちた!」

男がいない間の出来事をまりさが報告していきます。
男は報告し終わったまりさを撫でたあとありすの入った袋をもって家の中に入りました。

「ゆゆっ?おにーさんそれなに?」
「なんだかもぞもぞしちぇるよ!」

まりさ達の質問に男は口に指をあててまりさ達の質問を遮ります。
男はやがてまりさ達の寝床がある部屋に入ります。
そこにはまりさ達の寝床のほかに透明なしきりに囲まれた場所がありました。
男はそのなかに袋を入れます。

「ゆゆっ!もしかして!」
「おかーしゃんどおちたの?」

何かを期待するかのような親まりさにちびまりさは頭にハテナマークを浮かべます。
男が袋の中身を出していきます。

「ゆべぇ!」
「いぢゃい!」
「ゆ゙うううううう!」

散々揺られたありすは受身を取ることもなくごろごろと転がったり地面にぶつかります。
いきなり現れた見知らぬゆっくりにちびまりさは興味心身でした。
親まりさは思っていた通りのものがあらわれて飛び上がって喜んでいます。

「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」
「おにーさん、またもってきてくれたんだね!」
「ゆゆ、おかーしゃんあのこちゃちしってるの?」
「そうだよ、あのこたちは・・・ゆゆっ!?」

ちびまりさ達にありすの事を教えようとしたまりさは男の腕から血が流れているのに気づき、驚きました。
説明を中断して男の下に跳ねていきます。

「ゆゆゆ!どうしたの!?」
「ゆ~!ちがでちぇる!」
「いちゃそ~・・・」

男は袖を捲くりました。
そこにはきれいな歯型がいまだ残っています。

「ゆゆっ!いますぐてあてしないと!」
「おくしゅりとってくりゅよ!」
「ゆっくちちないでね!」
「まずみずであらっちぇね!」

騒がしいまりさ達とともに男は部屋を出ました。
残ったのはありす家族達です。

「ゆぅ、ちびちゃんたちだいじょうぶだった?!」
「ゆぅ・・・おかーしゃんだいじょうびゅだよ!」
「ちょっといちゃいけどなんともないよ!」

親ありすはちびありすの数を数えます。
ひとり、ふたり、・・・

「ゆゆゆ!?ひとりたりないわ!」
「おりがにゃいよ!」
「おねえええええちゃああああああん!」

居なくなったのは檻に挟まった子でした。
必死に探し始めるありす達でしたが透明な壁によってそれを止められてしまいます。
ぐるぐると壁のない場所を探してみますが無駄に回っただけでした。
上は開いていましたがありすのジャンプでは上を飛び越える事が出来ません。
やがて諦めたありすたちは中央に集まってゆっくりし始めました。

「おかーしゃん・・・」
「だいじょうぶよ!なにもしんぱいしなくていいわ!」
「ほんちょ?」
「ほんとよ!ゆっくりしていってね!」
「ゆー!おかーしゃんもゆっくちちていっちぇね!」

ゆっくりと時間が経って暫くしたとき、部屋の扉が開きました。
やってきたのはありす達を捕まえた男とまりさ達です。
男の手には檻がありいまだちびありすが捕まっていました。

「ありすのちびちゃんがえぜえええええええええええええ!」
「おねえええええええしゃああああああああん!」
「ゆぅうううう!おかーしゃんあのゆっくりがあばれちぇるよ!」
「ゆぅゆぅ、だいじょうぶだよ!あそこからでれないよ!」
「ほんちょ?」
「ね、おにーさん!」

まりさの問いに男は頷きます。
その通りなのでありすはぎりぎりと歯軋りをします。
ちびまりさ達はそんなありす達を少し離れた場所で見つめていました。

「ちびちゃんそろそろおやつだよ!」
「「「ゆゆっ!おやつ!」」」

やがて親まりさのおやつ発言に男の下に集まるちびまりさ達。
親まりさは既に涎を垂らしています。
男は無理やり檻に引っかかったちびありすを外しました。
無理やりだったので皮が千切れ、ちびありすは悲鳴を上げます。

「い゙ぢゃああああああああああああ!」
「ああああああああああああああ!」

ちびありすの痛ましい姿にありす達は悲鳴を上げました。
ちびありすの感じる痛みはこれで終わりではありません。
男はおろし金でちびありすの底を削り始めました。

「いぢゃああああああああ、やべぢぇええええええええええ!」
「もうやめてえええええええええええええ!」
「いやあああああああああああ!」

やがて、底をぼろぼろにしたちびありすはちびまりさ達の中心に置かれます。

「さぁちびちゃんたち!おやつだよ!」
「ゆぅ・・・でもなかじゃないの?」
「だいじょうぶだよ!だってこのこたちは・・・」

親まりさの言葉の途中で男が爪楊枝をちびありすに突き立てました。

「ゆがぁ!」

ちびありすは悲鳴をあげ、中身の白いクリームが飛び出しました。
それを見てちびまりさ達は驚きます。

「ゆゆっ!なかみがしろいよ!」
「まりしゃたちはくろいのに!」
「ね、だからなかまじゃないんだよ!」
「わかっちゃよ!おかーしゃん!」
「じゃあみんなでいっしょにたべようね!」
「やめちぇえええええええええ!」

ちびありすは必死にまりさから逃げようと体を動かしますがぼろぼろの底で動くと痛いだけです。

「いちゃいいいいいい!」
「いちゃだきまーしゅ!」
「いだあああああああ!」
「まりしゃさきにずりゅいよ!」
「うぎゃああああああああ!」
「このかざりじゃまだね!」
「ありしゅのだいじながざりいいいいいいい!」

数分でちびありすは飾りだけになりました。
親ありすとちびありすはその光景を口を開けて目を見開いた状態でずっと見ていました。
男とまりさ達はさっさと部屋を出て行きます。
ちょうど男が部屋の扉を閉めたとき、ありす達の絶叫が部屋の中から聞こえました。

「ゆっ、おかーしゃんまだいちゃのに!」
「もっちょたべちゃいよ!」
「だめだよ!のこりはいいこにしてたこがあしたもらえるからね!」
「ゆ!?まりしゃいいこにしゅるよ!」
「まりしゃも!」
「おにーさんのためにがんばろうね!」



それから、毎日決まった時間にちびありすを取り出して食べるという事が繰り返されました。
親ありすは必死に守ろうと努力しました。
しかし、

「おにーさんにこうげきするありすはゆっくりしね!」
「ゆっくちちね!」
「おが・・・あ・・・さん」
「ごめんなさあああああああい!ありすがわるかったですうううううう!」

親ありすの努力はちびありすへの制裁という形で帰るだけでした。
ありす達は透明な箱で食べられるまでゆっくりします。

「ゆ~、つぎはどのこかな~!」
「あのこおいししょうだよ!」
「あ、ありちゅはおいしきゅないわよ!あっちのこがおいちいわ!」
「しょんな!おねーしゃんひどい!」
「おねがいだからけんかしないで!」

ちびまりさにおいしそうと言われたちびありすは、とっさに横の妹をおいしそうと言ってしまいます。
妹はそんなこと言われてショックだったのか姉ありすに体当たりを仕掛け、喧嘩が始まってしまいまた。
親ありすはそれを仲裁します。
ちびまりさ達はというと、それを見て笑っていました。

「おお、こわいこわい。」
「さすがにせゆっくりだよ。」
「ごのおおおおおおおおおお!」

親ありすの怒りの体当たりは透明な壁に防がれましたが気迫はちびまりさ達に届きました。

「おかーしゃんこわいよおおおおおおお!」
「あいつがまりしゃたちをいじめるううううう!」
「だいじょうぶだよ!あそこからはでれないからね!」
「ゆううう!あとでゆりゅしゃないよ!」
「まりしゃもぜっちゃいゆりゅしゃない!」

その怒りは次のちびありすに向かう事になります。
親ありすは壁の向こうの幸せそうなまりさ達が憎くて憎くて仕方ありませんでした。



そんな親ありすもちびありすが全部食べられたため、食べられることになりました。

「ころしてやる・・・ころしてやる・・・」
「もーさいごだね!」
「もっちょちゃべたいよ!」
「またいい子にしてたらおにーさんがとってきてくれるはずだよ!」
「わーい!」

親ありすの鬼気迫る表情もまりさ家族にはどうでもいい事です。
おやつがどんな顔していようがおやつなのです。
親ありすは底を削られるのにあえて抵抗しませんでした。
どうせ無駄だと分かっていたので体力を少しでも残そうとしたのです。
ちびれいむ達の痛みを自分も受ける事でまりさ達への憎しみがましていきます。
そして、親ありすは地面に置かれました。

「うふふ、ありすにたべられるちびちゃんをみてあのまりさはどうおもうかしら・・・」

近づいてきたちびまりさを噛み付いて殺すつもりの親ありす。
それを見た親まりさは自分と同じような顔をしてくれるに違いないとその時を待ちます。
ちびまりさはゆっくりとゆっくりと近づいていきました。

「もうすこし、もうすこし・・・ゆゆ?」

親ありすはちびまりさの口に咥えているものにやっと気づきました。
色がまりさ達の肌色と同じ色なのでなかなか気づけなかったのです。
それは空洞の筒でした。先が鋭くとがっていました。

プシュ

一匹のちびまりさが筒を突き刺します。
プシュプシュプシュと他のちびまりさも筒を指していきます。

筒は程よい長さで、身動きの出来ない親ありすには絶対に届かない長さでした。
ちびまりさ達はチューチューとありすから中身を吸い取っていきます。
親ありすは中身がどんどんなくなっていくのを感じました。

「なんなの、なんなの、なんなのよおおおおおおおおお!」
「これならこどもたちもあんぜんだね!おにいさんのいったとおりだよ!」
「く、ぐぞおおおおおおおお!」
「そうだね、まりさもたべるよ!」

親まりさも筒を突き刺しありすの中身を吸い始めます。
暫く筒を吸う音と親ありすの叫びが部屋に響き続けました。

「くそ・・・くそ・・・」

ゆっくりと中身を吸い取られたありすはゆっくりと死んでいきました。
男は皮と飾りだけになったありすをゴミ箱に捨てます。
下では親まりさが筒を集めます。

「これはあらってまたつかいたいな!」
「まちゃちゃべちゃいね!」
「ゆっくちちゃべれちゃよ!」

男はそんなまりさ達を見て微笑み、罠を仕掛ける日を考え始めました。

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最終更新:2022年05月18日 21:10