副工場長れいむの末路2






男の自宅、繁華街から少し離れた所にある薄汚れたアパートの一室、
そのフローリングの部屋には簡素な作業台とベッドと冷蔵庫しかない。
男は部屋の照明もつけずに鞄のジッパーを開け、中のそれを床へ無造作に放りなげた。

「ゆべぇっ!」

床に落ちた鞄から副工場長れいむが勢い良く飛びだして床を転がる。

「ゆ゛っ!・・・ゆゆっ!・・・」

目を見開いてすぐさま起き上がり、キョロキョロと辺りを見渡す副工場長れいむ。
何度も電柱に叩きつけられた為、皮膚の所々に餡子が滲んだ跡がある。
やがて男に気がつくと「ゆふん!」と少し安堵したような表情になった。

「なにしてるの!?自分が何をしたかわかってるの??ばかなの?しぬの?」
「もうすぐ「さまーしーずん」なのに頭の中は春まっさかりなの???」

急に辺りが真っ暗になって動けなくなり、何度も硬い何かに体をぶつけた。
ゆっくりできない暗闇の中で苦しんだ結果がこの薄汚れた部屋だ。
何が起こったかよくわからないが、目の前に居るクズ人間の仕業だろう。副工場長れいむはそう思った。

「もう28番さんはおしまいだよっ!おまえはゆっくり路頭に」
「もう迷ってるよ」
「ゆ゛っ!?」

言葉に詰まるれいむ。
この言葉を言えば相手は手も出せず泣いたり悔しがったりする筈。
それなのにこの人間は表情も変えず、この類まれなる美ゆっくりであるれいむに口答えをしてきた。
どういう事だ?

「う、うるさいよ!口答えしないでね!はやくれいむをその汚い台の上に乗せてね!ここは低・・・」

薄暗い部屋、男は無表情でれいむを見下ろしている。

「い・・・よ・・・?」

なんだ?・・・いつもと様子が違う・・・クズ人間たった一人なのに・・・
いつもは沢山のクズ人間がれいむの一挙一動に身を震わせているのに・・・何故?何故?何故?

カチカチと時計が時間を刻む音が聞こえる。外は静まり返って物音ひとつしない。
時間だけが刻々と流れる。男は何も喋らない。重苦しい空気がれいむの体にのしかかってくるように感じた。
徐々に荒くなるれいむの呼吸、クズ人間のくせにいつまでれいむを睨み続けるつもりだ?許せない。

「高い所かられいむを見るのをやめてね!なにさまのつもりなの!?れいむは・・・」
「れいむはなんだ?」

男がやっと重い口を開いた。「れいむはなんだ?」だと?
れいむはクズ人間が何人居ても逆らえない、きれいで、えらくて、ありえないくらいゆっくりしている「選ばれたゆっくり」だ。
言うまでも無い。言うまでも無い筈だ。それなのにこのバカなクズ人間は
アホ面をぶら下げて、選ばれたゆっくりであるれいむを上から見続けている。ありえない暴挙だ。

「ゆ゛っ!れいむはふくこうじょう」
「だから?」
「ゆ゛ゆ゛ぅ!?」

繁華街に居たまりさのように口をパクパクさせて目を泳がせるれいむ。
れいむの地位は工場長の後ろ盾があってこそのものだ。
今や男にはその後ろ盾は何の意味も無い、しかしれいむはそれに気がつけないでいた。

れいむは考える事を放棄し、他の奴の様に謙った笑みを浮かべてれいむの機嫌を取らずに
ただただ無礼な振る舞いを続ける目の前のクズ人間にただただ腹を立てた。
青筋を浮べ、激しくギリギリと歯を鳴らしながら男を睨みつける。

「な゛にざま゛のづも゛り゛だ!!ごのグズ!!ゆ゛っぐり゛あ゛やばっ!?」

無言で男はれいむを踏みつけた。
ぎゅむ!と音がして暴飲暴食を繰り返し、他のゆっくりより一回り大きい体に足がめり込む。

「な゛に゛じで!?な゛に゛じでぇぇぇぇ!?ばばっ!ぢゅっ!ぢゅぶれっ!れれっ!」

ドーナツ状に分離した餡子が皮を押し広げ、薄っすらと餡子が透けて見える。
顔のパーツが頭頂部に寄り、真っ赤にした顔をパンパンに膨らませながら苦しむれいむ。

「む゛っ!む゛む゛っ!?・・・ぶれっ!?ちゅぶれれれれれぇぇっ!!」

どういうことだ?なにをしている?このクズは一体なにをしている???
このれいむを足蹴にして・・・?ない!ありえない!何をしているのかわかっているのか!?
ゆっくりしている場合ではない、即座にこのクズに自分の立場をわからせなければならない!

れいむは顔を真っ赤にしながらも男の足からの脱出を試みて身をよじる。
しかしれいむの体はピクリとも動かない。それどころか呼吸もままならない。このままではゆっくりできない。
押し広げられた皮にピッ!線が走り、ジワジワと餡子が滲み始めた。皮が破れれば一気に餡子が噴出すだろう。

「ちゅぶっく゛り゛!ぶっくれ゛ばばっ!?」

皮の弾力が限界を超える寸前に男は足を少し浮かせて踏みつける力を弱めた。
踏みつけていた部分に餡子が流れ込み、頭頂部に寄っていた顔のパーツが少し元に戻る。

「ゆっ・・・楽になっ・・・ちゅぶれりゅうううううう!!!」

踏みつける力が緩み、れいむが安堵の表情を浮かべた瞬間また体重を落とし、れいむの体を押しつぶす。
男は延々と飽きることなくこの作業を繰り返した。

「ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!」

小一時間経過し、男の足からようやく開放されたれいむ。顔のあちこちをひび割らせながら小刻みに痙攣している。
「ゆひゅーゆひゅー」と荒い呼吸を繰り返し、起き上がることもままならない。
男は踵を返し、簡素な部屋の割に巨大な冷蔵庫を開けて中のものをガチャガチャと構っている。
そしてれいむの方へ振り向くと目の前に餡子の塊を投げつけた。

「ゆ゛っ!あ゛ま゛あ゛ま゛!」

れいむに食事を与えていたのは工場長の番、工場長の奴隷である。つまりはれいむの奴隷だ。
その奴隷と同じようにれいむに食事を与える男、れいむはようやくクズ人間が自分の立場を理解したと思った。

「ようやぐクズ人間はゆっぐり反省したようだね!でも絶対にゆるざないよ!む゛ーぢゃ゛!む゛ーぢゃ゛!」

目の前の餡子の塊を舌で抱え込むようにして口へ放り込み、消耗した体力の回復を図るれいむ。
眉間にシワを寄せ、歯茎をむき出して餡子に貪りつく。

「ゆふん!ぜんぜんおいしくないよ!れいむがいつも食べてるあまあまの足元にもおよばないね!」

床にこびり付いた餡子まで舌で舐めまわしながら悪態をついた。
あまあまを食べて体力をゆっくりと回復したら、
生意気な態度を取るクズ人間にゆっくりと事の重大さを理解させる必要がある。れいむはそう考えた。
男はそんなれいむをただジッと眺めていた。

「おかわりはいるか?」
「ゆっ!さっさとよこしてね!れいむは気がみじ」

べしゃっ!

目の前に投げられたのは柘榴のように顔面が砕けて体の右半分を失っているゆっくりありすだった。
餡子が冷蔵庫の中で冷やされていて固まってこぼれ出さない為、致命傷ながら死に至ってはいない。

「れ゛・・・い゛・・・む゛・・・?」

ピクピクと体を痙攣させながらむき出しになったありすの眼球がギョロリとれいむを見た。
だらりと開いた口から「はひゅーはひゅー」と空気が漏れるような音が聞こえる。

「どがい゛ば・・・な゛っ・・・あ゛り゛ずを・・・ずぐにっ・・・だずげち゛ぇね゛・・・」

今にも消え入りそうな声でれいむに懇願するありす。時折苦しそうに「ぶひゃん!ぶひゃん!」と咳き込む。
そんなありすを前にし、ワナワナと身を震わせて形相を浮かべるれいむ。
ありすの事など微塵も気にかけていない。れいむの一番の問題は今食べた大量の餡子の事だった。

まさか・・・このクズ人間は・・・れいむに何を食べさせた・・・?まさか、まさか、まさささ

「ゆ゛っ!ゆ゛お゛っ!」

グルン!とれいむの両目が真上に移動した。
そして徐々に激しくなる痙攣。口がだらしなく開いて舌がズルリと床に這い出した。
舌は蛇のように波打ち、時折その先から唾液が水鉄砲のように発射される。

「お゛っ!お゛お゛お゛お゛!う゛ぉろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ッ・・・・ろ゛っ!?・・・ばっぶぎゅっう゛!?」

マーライオンのようなれいむの直下型「えれえれ」が放出されようとした瞬間、
再び男の足がれいむの脳天を押さえつけ、れいむの口が強制的に閉じられる。
噴出した大量の餡子が行き所を失い、パンッという乾いた音と共にれいむの頬が膨れ上がった。

「べびっ!ぼべっ!?む゛む゛ん!?」

強制的にぷくぅ!状態になったれいむ、それでも吐き出そうとした大量の餡子の勢いは収まらず
眼から餡子が涙のように噴出した。

「む゛ぅぅぅ!む゛ぶぅぅぅぅ!?」

口が開けず息が吸えない、れいむは目を血走らせ男を睨みつける。
男はそんなれいむの視線を受け流し、薄っすらと微笑を浮かべている。

「ゆ゛っ!ゆ゛お゛っ!んべばっ!」

れいむは何とか口の中の大量の餡子を飲み込んで体内に戻した。 
それと同時に男の足がれいむから離れる。

「かひゅっ・・・!かひゅっ・・・!・・・ゅ・・・ゆ゛っ!?」

苦しそうに荒い呼吸を繰り返し、時折痙攣をするれいむ。
その時、ふと開きっぱなしの冷蔵庫の中が目に入る。冷蔵庫の中は大量の容器が積み上げられていた。

「ゆ゛ぅっ!!」

その容器の全てにゆっくりがギッシリ詰まっていた。
容器に全身を押し付けられ白目を剥いている無数のゆっくり達、
どいつもこいつもこれでもかと言うほどゆっくりしていない。

その全く隙間の無いスペースで隣のありすにアクロバティックにすっきりされ、
生えた茎が行き場を失い、脳天につきささって悶絶しているゆっくり。
液体の詰まった容器の中で延々と溺れ続ける無数の赤ゆっくり。
ふた口程齧られた所で放置された為に腐敗がはじまり「はやくたべてね!」とやけくそ気味に懇願するゆっくり。

男は無数のゆっくりを捕獲して冷蔵庫に閉じ込め、それを食して生きていた。
その小さなスペースはゆっくり達の地獄と化している。

「じっ・・・!じねぇぇぇ!ゆっぐりごろじはぞくざにじねぇぇぇ!」

野生のゆっくりなど別の生き物と考えているれいむだが本能的に激昂した。
口から涎を撒き散らしながら床を蹴り、男に向かって突進するれいむ。

男から見れば陽気に跳ねてくるだけのその頭を掴むと、そのまま片手で持ち上げた。
そんな状態でもれいむはガチガチと歯を鳴らし男に噛み付こうと
雑巾を絞ったように体を捻ったり、縦に伸びて体を揺らして男に体当たりしようとしている。

「ばな゛ぜ!クズ!の゛う゛な゛じ!ゆ゛っぐり゛でぎな゛ぐじでや゛る゛!」
「やってみろ」

男は副工場長れいむを床に置き、乱れたリボンと服を直し、軽く頭を撫でてやる。

「ゆふん!いまごろそんな態度をとっても ておくれ だよ!」

このクズ人間はどうやられいむの気迫に押されて急に怖気づいたようだ。
しかしもう遅い、遅すぎた。れいむのこの強靭な歯で顔面を噛み砕いてやる。
いや、後頭部に噛み付けば人間の命乞いを堪能できる。散々もったいぶった挙句、惨めに殺し

「ゆ?」

れいむの体がゆっくりと拉げていく。何かがめり込んでいる。それは人間の足だった。
れいむの右頬にめり込んだ足はそのままれいむの歯を砕きながら更にめり込んでいく。
やがてれいむの体はくの字に折れ曲がる。体の中からブチッ!ブチッ!と何かが千切れるような音が聞こえる。

そして一瞬の浮遊感。あにゃるから魂が抜け出したのかと思った。
「おそらをとんでるみたい」等と思う間も無く、残像を残して壁に叩きつけられるれいむ。
全身が一瞬平たく潰れる。目の前が真っ白になる。一瞬の出来事がれいむにはとても長く感じた。
壁からずるりと滑り落ち床に着地するれいむ。下は水溜りだった。

「ん゛っ・・・んゆ゛っ!?」

自慢のピンクと白の横縞の服がジワジワと濡れていく、
れいむが水溜りと思ったそれは、れいむが漏らしたしーしーだった。
れいむの意思とは関係無しに際限なくしーしーが流れだす。
そして驚くほど冷たくなっている体が徐々に体温を取り戻すにつれ
全身に突き刺すような鋭い痛み、口からポロポロと何かがこぼれる。

「ゆ゛っ?ゆ゛っ?」

それはれいむの歯だった。カツンカツンと音を立てて抜け落ちた歯が床を跳ねる。
それと同時に雪崩のようにダクダクと汗が噴出し始めた。
熱い、右頬が焼けるように熱い。れいむの餡子の鼓動にあわせて頬がジグジグと痛む。

「ゆ゛ぅ゛ぅ゛ッ!!い゛っ・・・・い゛だい゛!!い゛だい゛ぃぃぃぃぃ!!!」

大口を開け赤ゆっくりの様に泣き叫ぶれいむ。
それと同時にしーしーの勢いが増す。

「どま゛っで!!じーじーどま゛っでぇぇぇぇ!!」

どんなにしーしーの穴を締めてもしーしーが止まらない。
小刻みに痙攣しながら、体中の体液が目から、舌から、口から、あらゆる部分から放出された。
れいむの体のコントロールを司る大事な何かが一時的に制御不能に陥った。

産まれてはじめての強烈な痛みと恐怖にれいむは我を失った。
今のはクズ人間がやったのか?わからない!・・・わからない・・・!

人間なんてれいむの一挙一動に怯える取るに足らないカス、
偉い奴でもあまあまを持ってくる便利な奴と思っていた。思い込んでいた。
こわい、ゆっくりできない、何だここは?ここは全然ゆっくりできない。
お家へ帰りたい。ゆっくりしたい。ゆっくりさせて。ゆっくりさせてください。

「おまえも入るか?」

再び冷蔵庫のドアが開き、中の地獄が顔をのぞかせる。
ついさっき見た時のれいむの心境は「養豚所を見学する人間」のようなものであった。
しかし今は違う、まさに「屠殺場に連行される豚」であった。

恐ろしい光景だが、れいむとは違う世界と思っていた場所が、
強烈な現実味と共にれいむの前に突きつけられる。中で苦悶の表情を浮かべるゆっくり達、
同じような目にあう事を想像するだけで気が狂いそうになる。

「ゆ゛っ!・・・い゛っ・・・い゛や゛!!ばいり゛だぐな゛い゛!」

しーしーの水溜りをかきわけながら部屋の隅に逃げ込むれいむ。
壁に体をこすりつけて、何とかこの場から逃れようと身を捩っている。
出口の窓はれいむの遥か上、しかもその窓は固く閉じられている。

「がえ゛る゛!!お゛う゛ぢがえ゛る゛ぅぅぅぅ!!」

れいむの遥か上から除く外の景色を食い入るように見つめてれいむは狂ったように叫んだ。
その時、れいむの願いが通じたかのように反対側にある玄関の扉が開いた。
チェーンが伸びきった所でドアが止まり金属音が響く。

「夜分遅く失礼するよ28番さん」

突然の来訪者に驚き、男は部屋から玄関を覗き込む。この声には覚えがあった。

まさか、どうしてここに・・・?

男は動揺した。あいつがここに来ることはありえない。ドアの隙間から顔を除かせているのは工場長だった。
その声を聞いてれいむの目の色が変わった。折れそうになっていた心がギリギリの所で踏みとどまった。

「ゆ゛わ゛ぁぁぁ!ごう゛じょ・・・ばひゅっ!!」

目をギラつかせて工場長に助けを求めようと口を開けたれいむの脳天を男は懇親の力を込めて殴りつけた。
れいむはこぼれんばかりに目を見開き、仰向けに倒れるとピクリとも動かなくなった。

男はれいむのピンクと白の横縞の服を毟り取ると
ありえないくらいに舌を伸ばし、白目を剥いたれいむの口の中に突っ込む、
そしてれいむを足で部屋の死角へ寄せると玄関に向かった。
ドアのチェーンを外し、工場長を玄関へと招き入れる。

「なんの用です?」
「れいむの姿が見当たらなくてね、君は最後に工場から出て行っただろう?
君が帰る時、れいむはまだ玄関に居たかね?」

やわらかい口調とは裏腹にその目は常に男を睨みつけている。
まるで犯人を見る目だ。たかだが最後に帰ったというだけで犯人と決め付ける気か?

まぁ、正解だが

「最後でしたか?さぁ?覚えていませんね」
「玄関で私とすれ違っただろう?私に挨拶をしてたじゃないか、君が最後だったぞ」
「あなたと違って挨拶をする人間を選んでいるわけではないので、いちいち記憶していません」

舌打ちをする工場長。解雇した途端に反抗的になった男の態度が気に入らない様だ。

「それで最後だからなんだと言うんですか?」
「最後の君が帰る前にはれいむは居たんだ。君が何かを知っているんだろう?」
「知りませんね。ゆっくりが居たかどうかも覚えていません」

ぞんざいな返答だがこれでいい。
下手に取り繕うより全てを覚えていないで通して切り抜ける。

暫し沈黙、工場長がひたすら疑惑の眼差しを向け続ける。
無駄な事だ、何も情報を与えていないのだから、向こうは指摘すらできない。
無理やり部屋に上がって確認するなどという蛮行も許しはしない。

「そうか、ではもし何か思い出したことがあったら工場の方に電話してくれ」
「そうさせて頂きます」

話しながらも時折チラチラと男の背後の部屋の様子を伺う工場長。
しかし灯りをつけていない室内の様子をうかがい知る事はできない。
疑惑の眼差しはそのままに踵を返しドアに手をかける工場長・・・その時

「だずげでね゛!ばや゛ぐれ゛い゛む゛を゛だずげでね゛!」

部屋の奥かられいむの悲痛な叫び声が響く。
工場長の足が止まる。
れいむは意識を取り戻しこのチャンスを逃してなるものかと
口に突っ込まれたお気に入りの服を何とか吐き出し、力を振り絞って大声を張り上げた。

「おい、今の声はなんだ・・・?」
「・・・・・・・・」
「どけ!」

男を押しのけ工場長が土足で部屋に上がりこむ、男は肩を掴んで工場長を止めた。

「今のは自分のゆっくりです。聞き分けが無いので少し躾をしていた所です」
「黙れ!やっぱりお前だったか!このクズが!おい!れいむ!大丈夫か!」

玄関から工場長の怒鳴り声が聞こえる。
かわいいれいむの声が工場長さんに届いたのだ。やった!助かった!これでゆっくりできる!
れいむは部屋の隅で仰向けのまま「げひゅ!げひゅ!」とほくそ笑んだ。

「ゆゆっ・・・!ごろじでやる・・・クソ人間・・・!ゆぶぶ・・・!28番・・・!えいえんにゆ゛っぐりでぎなぐじでやる!」

部屋に入られたら言い逃れはできない、
れいむを誘拐したことがばれたら一体どうなる・・・?何とか、何とかしなくては。

工場長の体を押さえながら必死に男は頭を回転させた。

こうなってしまっては部屋の中を見られる事は避けられない。
ならばどうすればいい?どうすればいいか?
れいむを隠す?そんな時間は無い!それならば?そうだ。

れいむをれいむと認識させなければいい

それにはどうすればいい?この状況でれいむをれいむと認識させるものはなにか?
それを無くせばいい。やるしかない。

「いいかげんにしてください」

男は工場長の襟を掴むと部屋の中に押し倒した。
工場長は作業台にぶつかり、派手な音をたてて倒れ込んだ。
作業台に乗っていた小物が音を立てて床に散らばる。工場長も頭を打ったのかうずくまったまま立ち上がらない。
突然部屋の作業台にダイブした工場長に驚き、れいむは「な゛に゛じでる゛の゛」と叫んでいる。

今だ

男は素早く工場長の後を追って部屋に入ると、すぐ脇にある冷蔵庫を乱暴に倒した。
冷蔵庫の中から容器が転がって床に叩き付けられた。それによって容器の蓋が開き、中から無数のゆっくり達が飛び出した。
外に放り出されるなり今にも死にそうな顔をしていたゆっくり達が息を吹き返す。

「「「「「ゆっ!?ゆっ!?」」」」」

狭い容器の中から開放され、驚きの声をあげるゆっくり達、
薄暗い室内で突き倒され、頭を打ってうずくまっていた工場長が無数のゆっくり達に気がつく。

「な、なんだこのゆっくりは?」
「いまだよ!おちびちゃん達!ゆっくりにげるよ!」
「ゆっくりりかいちたよ!しょろーり!しょろーり!」
「ゆっ!なにこの甘いみずたまりさん!うめっ!これめっちゃうめっ!」
「ゆっ!助けてくれたの?人間さん!ゆっくりありがとう!」

工場長の傍に転がったゆっくりがお礼を言い出した。
その時、部屋が急に明るくなった。倒れた作業台と冷蔵庫、散らばった小物に無数のゆっくり
明かりのスイッチを押した男は大げさに部屋を見渡し、途方に暮れた顔をしてみせる。

「ひどいじゃないですか、部屋をこんなにして」
「このゆっくりはなんだと聞いているんだ!28番!」
「山で捕まえたゆっくりですよ、安月給じゃ食べていけないもので」
「食べてるのか!?ゆっくりを!こ、このクズが!」

ゆっくりを愛好している工場長は信じられないといった表情で男を罵倒する。
男は思い思いの行動を取るゆっくり達に邪魔され工場長の下へたどり着けない副工場長れいむを横目で確認した。
そして部屋中のゆっくり達に聞こえるように、
しかしできるだけ工場長に不信感を与えないように冗談っぽく語りかけた。

「おい、お前ら「こうじょうちょうさん」はれいむを探してるらしいぞ?知らないか?」

男の言葉にゆっくり達は色めき立った。
工場長さんはこのゆっくりできない場所から連れ出してくれるらしい。ゆっくり達はそう思った。

「ゆっ!れいむがれいむだよ!ゆ゛っくり連れてい゛ってね!工場長さ゛ん!」
「ゆゆっ!工場長さん!れ゛いむもれ゛いむだよ!れ゛いむをここから連れていってね!」
「れいむもれいむです!お゛でがい゛じばず!ごごはゆ゛っく゛りできな゛いん゛です!」
「はやくれいみゅにあみゃあみゃをもっちぇきちぇにぇ!くじゅはきらいになるよ!」
「まりさもれいむなんだぜぇぇぇ!はやく連れていくんだぜぇぇぇ!工場長ざんんん!」

我先に名乗りをあげるゆっくり達、その中で本物のれいむも声を張り上げているが工場長には認識できない。
先程、大量のしーしーと体液を垂れ流してひと回り縮んだ上、
男に顔面を蹴られて拉げたような顔になっている副工場長れいむは
見た目では工場長に自分の飼いゆっくりだと気がついてはもらえないだろう。

唯一の証明の手段だった「工場長」の単語を副工場長れいむが口にする前に他のゆっくり達に覚えさせた為、
もはや副工場長れいむが工場長に自分が副工場長れいむだと理解させる方法は無くなっていた。
更に男はゆっくり達を払いのけるフリをして
副工場長れいむが着ていたピンクと白の横縞の服を素早く拾い、ポケットに入れる。

「ゆ゛っ!どげぇ!クズゆっぐりども゛!工場長ざん゛!ごごだよ!がわいいれいむはごごにいるよ!ばや゛ぐがえろ゛う゛ね゛!」
「れいむやめてね!かわいいれいむがゆっくりつぶれるよ!」

他のゆっくりを踏みつけ声を張り上げる。だがそれでも無数のゆっくり達の前に工場長の元へ近づく事ができない。
しかし男はそんなれいむを鷲づかみにして工場長の前に持っていく

「こんな顔でしたよね?これでいいんじゃないですか?ゆっくりなんてどれも同じでしょう」

工場長の目の前に突き出された薄汚い目の血走った副工場長れいむ。
その涎のように餡子を流している汚い口元に工場長は眉をしかめた。

こんな顔?なにを言っている。れいむはもっと愛くるしい顔をしていてもっと大きくて、
どこに出しても恥ずかしくない美ゆっくりだ、こんな便所に住んでる気さくな妖怪みたいな顔ではない。
ゆっくりを喰うような無学の人間にはゆっくりの違いなどわかりはしない。工場長は男を睨みつけ無言で蔑んだ。

「工場長ざん゛!れ゛い゛む゛だよ゛!ばや゛ぐお家へかえり・・・ませんこ!」

工場長は満面の笑顔で媚びる副工場長れいむを平手で跳ね除けて立ち上がった。
「どぼじで!」と叫びながらさっき自分がひねり出した
しーしーの泉を必死に貪るゆっくり達にぶつかり棒倒しになった。

「無駄な時間を過ごした・・・失礼する!」

この中にもしかしたら副工場長れいむが混ざっているかとも思ったが、
どいつもこいつも薄汚い野良や野生のゆっくりばかり、どうやら勇み足だったようだ。
襟を正して立ち去ろうとする工場長、しかし男は玄関前に立ちふさがり行く手をふさぐ。

形勢は逆転した。今度はそっちが肝を冷やす番だ。
男は携帯を取り出し工場長の前にかざす。

「帰ることはできませんよ」
「なんだと?」
「解雇して無関係になった人間を未だに番号で呼び、誘拐犯と決め付け、勝手に住居に侵入し、
部屋を荒らして、何事もなく帰られると思っているんですか?」

携帯を工場長に突きつける。液晶画面には警察の電話番号が入力されている。
後は通話ボタンを押すだけだ。それを見て工場長の顔色が変わる。

「クズが!お前が紛らわしい真似をするのが悪いんだろう!」
「電話をします」
「い、いや、待ってくれ。その、なんだ、すまなかったな・・・」
「電話をします」
「おい!悪かったと言ってるだろう!待て!すみませんでした!」
「そうですか、では電話をします」
「どぼじで!?」

思わずゆっくり語になる工場長。
でっぷりと太った醜い肉体から大量の汗が滲み出して小刻みに震えだした。
後ろのれいむと工場長の動きがシンクロしている事に気がついて男は噴出しそうになる。
れいむはクズ人間の28番に必死に頭を下げる工場長を見てガクガクと震えていた。

どういうことだ!?工場長さんがクズ人間にへーこらしている!?わからない!どぼじで!?
クズ人間は工場長さんより偉い・・・?工場長さんはクズ人間の奴隷・・・?ということは・・・

れいむはクズ人間の奴隷!?

「ゆ゛く゛り゛!」

工場長の後ろでれいむが再び白目を剥いて悶絶した。
探しているれいむが直ぐ後ろに居るというのに、それに気がつかずに冷や汗を垂れ流しながら
工場長は財布から何枚か札を抜き取り男に握らせる。
そして今までに男が見たことがない満面の笑顔で語りかけてくる。

「部屋を汚してしまってすまなかったね。わ、わたしはこれで失礼するよ」
「何ですかこれは?意味がわかりませんが」

何も自分は要求してないという意思を工場長に伝えると男は携帯をしまった。
部屋に入るときとは一転して、媚びへつらった愛想笑いを浮かべて工場長は男の家を後にした。

「おばえらのぜいで!ごうじょうちょうざんが、がえっだだろ!くずども!ごのぐずううう!」
「やべでね!かわいいまりさに噛みつくのをやべでね!」
「ゆっ!いたがってるよ!やめてあげてね!」

身を膨らませ、奇声を上げながら周りのゆっくりに体当たりし、のしかかり、噛み付くれいむ。
もはや自分より下の存在はこの野生のゆっくり達しか居ない。
格下と勝手に決め付けた野生のゆっくり達に行き所の無い怒りをぶつけ続ける。

それを見ていた男はれいむに携帯電話を投げつける。携帯がれいむの顔面に当たった。

「ゆ゛っぐりい゛じゃい゛!」

大した痛みは無い筈だが派手に転げ周まわって急に縮こまるれいむ。
もはやさっきまでの尊大な態度の面影は無かった。オロオロと取り乱して縮こまっている。

助けられたと勘違いしたのか、一匹の赤ゆっくりが男の前にぽいんぽいんと跳ねて来た。
目を輝かせながら屈託の無い笑顔を男に向ける。
親ゆっくりはしっかりとお礼を言おうとしているその赤ゆっくりを誇らしげに見つめていた。

「ゆゆぅ~ん♪おにいしゃん!たしゅけてくれてありぎゃ・・・ゆん?」

男は「ゆゆ~ん♪」と伸びをした赤ゆっくりをかかとで押さえると足の裏で高速で転がして後ろへ跳ね除けた。

「ゆん♪ゆっくちこりょぎゃ・・・・ぶぎゅる!!」

ちくわの様な形状になった赤ゆっくりがころころと床を転がっていった。
親ゆっくりは何が起こったかわからず「ゆっ?ゆっ?」と辺りを見回している。
そんな親ゆっくりを押しのけて副工場長れいむが陽気に転がりながら男の前の前に立った。

「ゆ、ゆゆっ!人間さん!ゆっくりきいてね!
れいむは工場長が人間さんの奴隷って知らなかったんだよ!ゆっ♪ゆっくり許してね!」

ぷりんぷりんと体をくねらせながら、にこっ♪と取り繕った笑顔で男に媚びるれいむ。
男の足に擦り寄り、体をこすり付けて「ゆんゆん♪」と醜い声をあげている。
違うベクトルから自分の状況をゆっくりと理解した副工場長れいむは人間に媚びる事で服従の意思を伝えた。
あれだけ崇拝し、すがっていた工場長の事は早くも呼び捨てである。

男はそんなれいむを無視して散らばった小物を作業台に戻し、冷蔵庫を立て直して元の位置に戻す。
そして逃げ場の無い部屋を必死に這い回るゆっくり達を拾い集めて容器に入れて行った。

「「「ゆ゛っ!?人間が来たよ!ゆっくりにげるよ!ゆっ!ゆっく・・・い゛ぞげぇぇぇぇ!」」」

再びゆっくり達が騒ぎ出だす。またあの地獄へ戻される。冷蔵庫さんはゆっくりできない。
いやだ!いやだ!と泣き叫びながらゆっくり達が八方へ散らばり始めた。

そんな中、未だに赤ゆっくりが何処に行ったかわからずにキョロキョロしている親ゆっくり

「ゆっ!おちびちゃん!どこいったの!?ゆぅっ!ちくわしかねぇ!」

そんなゆっくりしすぎた親ゆっくりを男が踏み潰すと
ゆっくり達は顔を真っ青にしながら「ゆっくりはいるね!」自ら容器に収まっていった。
その中で一際マヌケ面のまりさだけを容器へ入れずに床に落とす。

「おいクソ袋とまりさ」
「ゆ゛っ?」

返事をするまりさ、副工場長れいむは「くそぶくろ」さんを探しているのか辺りを見回している。

「くそぶくろなんてゆっくりできない名前だね!ゆっくり見つけて馬鹿にしてや」
「おまえだよ」
「れ゛い゛む゛な゛の゛?」

足を副工場長れいむの口の中に突っ込む男、それに押されてれいむは後ずさる。
しかし男のその行為にももはやれいむは反抗しない。
汗をダラダラと流しながら「ゆっ?ゆっ?」と困った顔で愛想を振りまいた。
その媚びた仕草のひとつひとつが打算に溢れ、わざとらしく、癇に障った。

副工場長れいむへの執着が急速に薄れているのを男は感じていた。
こんなクソ袋に構っている場合ではない。もっと面白い事を思いついた。
工場長の狼狽して取り乱したマヌケ面を思い出して男は口の端を歪めてうれしそうな顔をした。

「おまえらはこの中でゆっくりしてろ」
「ゆっ!人間さん!れいむはこんな下賎なまりさとはゆっくりできないよ!」
「ひどいんだぜ?」

大量の容器と共にまりさと副工場長れいむを無造作に冷蔵庫に放り込みドアを閉めた。
男は工場長から握らされた札をポケットに突っ込むと鞄を持って部屋を出た。



次の日、部屋へ帰って来た男が冷蔵庫をあけると二匹は互いに身を寄せ合いながらすやすやと眠っていた。
早々にすっきりに及んだらしく、れいむの頭からは赤ゆっくりをぶら下げた茎が生えている。
光の差し込んだ冷蔵庫内、れいむは「ゆ?」と薄目をあけると目を覚ました。

「ゆっ!人間さん!れいむはゆっくりおきたよ!」

れいむが体をくねらせニヤついた。
そして得意気な顔して茎にぶら下がる赤ゆっくりを男に見せ付ける。

「ゆふぅん!人間さん!れいむのおちびちゃんがゆっくり産まれるよ!特別にみせてあ」

男は即座に頭の茎を毟り取り、れいむに投げつけた。

「ゆ?」

れいむの顔に茎が当たり、足元に転がる。
目を閉じてゆっくりとした笑顔を浮かべていた赤ゆっくり達が途端に形相を浮かべて黒ずんでいく。
そして傍らでまだ寝息を立てているまりさを持ち上げ、作業台に置いてあったミキサーに入れる。
全身をミキサーにみっちりと詰まらせた所で、まだ半分夢の中でまどろむまりさがようやく声をあげた。

「ゆゅん?・・・人間さん?まりさはまだ眠いの」
「ゆっくり休めよ」

スイッチを押す、うなりを挙げて回転するミキサーの刃、一瞬にしてまりさの半分が液状化した。

「ぜっ!?・・・・ぜぜぜぜぜっ!?・・・な゛ん゛・・・な゛ばばばばばぜっ!」

「なんなのぜ」と言い残し黒いジュースになるまりさ、それをれいむの頭にかける。

「ゆっ?ゆっ?」

ポタポタと黒い液体を滴らせながられいむは目をパチパチさせている。
まだ状況が掴めないようだ。遠い目をして小首を傾げ男を見つめている。

「な゛に゛じ」

クソ袋が突如クワッ!と形相を浮べ叫ぼうとした瞬間、冷蔵庫を閉めた。

男は作業台の上に鞄を置いてジッパーを開ける。
中からモゾモゾと出てきたのは一匹のゆっくりだった。
雑巾の様にくすんだ三角帽子、元々金髪であった筈の髪の毛は油とゴミで薄茶色に変色している。

「ゆっ!ここがまりさのあたらしいお家だね!とっても・・・」

ゆっくりしていないゆっくりプレイスを見渡すまりさ。
困ったような顔をして薄ら笑いを浮かべているが、別に余裕があるわけでない。元々こんな顔だった。

「ゆ、ゆぅ・・・」



飼い主さんの元へ帰る前に日光浴をしてゆっくりすぎた結果が「ゆっくり保健所」であった。
連れて行かれた先の巨大な水槽の様な部屋に住んでいたゆっくりちぇんが教えてくれた。

「銀バッチのちぇんにはわかるよー!ここは野良ゆっくりを「しょぶん」する所なんだねー
わかるよー!わかるよー・・・!わ゛がら゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!」

なにいってるの?ちぇんは馬鹿なの?飼い主さんとはぐれただけのまりさがそんな所に
連れて来られるわけないでしょ?馬鹿なの?死ぬの?ねこみみなの?

そこに現れたのが、まりさのかわいい子まりさを殺した。ゆっくりできない人間だった。
まりさは人間に道路へ投げ捨てられた子まりさを勇敢に助け出したものの、
地面に激突した衝撃で既に子まりさは永遠にゆっくりしていた。

人間はゆっくりできないらしいこの「ほけんじょ」を色々と調べて回っていたが、やがてまりさに気がついた。
そして暫くまりさを見つめていたが、ボソリとこう言った。

「家にくるか?」

罪滅ぼしのつもりだろうか?ここはあまあまも毎日上から降ってくるし、雨さんも風さんも怖くない。
しかしちぇんの言っている事が本当なら、人間の所へ行くのも悪くないだろう。
子まりさはまりさをゆっくりさせてくれない困ったチビだったが、最後の最後で役に立った。

「まりさはここを出るよ、ちぇんはゆっくりしていってね」
「まりさよかったんだねー!まりさはお外でゆっくりしあわせーになるんだねー!わかるよー・・・」

寂しそうな顔のちぇんを尻目にまりさは「ほけんじょ」を出た。
人間の家が飼い主さんの家より劣っていれば直ぐに飼い主さんの所へ帰ればいい。
いや、今度は山にうっかり置き忘れる等という愚行をおかされない様に人間を教育するのも悪くない。




「ゆん♪まりさはきにしないよ!まりさをたすけてくれた人間さんをゆっくりさせてあげるね♪」

ゆんゆん♪と帽子を揺らして人間に微笑みかけるまりさ、
気に入らない人間さんだが、まりさがゆっくりさせてあげよう。
そしてその見返りに沢山のあまあまと番を持ってきて貰おう。今回はまりさのかわいさだけでなく。
尊さを理解させる必要がある。前の人間は馬鹿だったから、哀れにもまりさを山に置き忘れてしまった。
この人間は馬鹿で無い事を祈るばかりだ。

「まりさはゆっくりするね」

まりさのありがたい微笑みに気がつかずに、
頭の悪そうな顔で窓から外を見ている人間を睨みつけながらまりさは小さく呟いた。

冷蔵庫がさっきから僅かに振動している。中のクソ袋が暴れているのだろう。
保健所の下見も済ませた。後はこのクソ袋2匹を使ってあの油デブをゆっくりできなくしてやる。
電話をポケットから取り出すと男は静かに呟いた。












男「つづく



おぉ、パラレルパラレル ヒュンヒュン!

今まで書いたもの
  • ゆっくり見せしめ
  • ゆっくり電柱
  • ゆっくり脳内補完
  • 副工場長れいむの末路
  • 副工場長れいむの末路2


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年04月16日 00:14