※人間、妖怪等は出てきません
※俺設定あります
※某ゆっくりがとても美化されております



春も中盤にさしかかった。まりさの子供達は順調に育っている。
まりさと同じく、普通のゆっくりでは考えられないほどのスピードで成長していた。
今では既に全員大人ゆっくり並みの大きさになっている。

この一ヶ月余り、まりさ親子は不幸に見舞われながらもその度生還した。
ある時は発情していたありす達に襲われてはそのコミュニティを壊滅させた。
ある時は牙を剥いてきた数匹の体無しれみりゃを難なくやっつけた。
ある時は周りのゆっくり達に迷惑をかけていた体長2mほどもある巨大ゆっくりを倒した。
皆で力を合わせれば怖いものなんて無い。自分達は無敵だ。
何度もやってくる危機は、まりさ達に過剰ともいえる自信を与えていた。

そんなある日の事。
まりさ達親子は草原でかけっこをしたりお昼寝したりしてゆっくりしていた。
そして日も沈みかけたころ、まりさの耳にこの世で最も憎い声が聞こえてきた。

「う~! た~べちゃうどぉ~!」

忘れることなど出来ようか。
それはかつて幸せだった自分達の家族を引き裂いた存在。
声のした方向にまりさは目を向ける。
そこにはあの日と同じように、にこにことした笑顔を浮かべる体つきれみりゃがいた。
勿論、以前とは違う個体だろう。だがまりさはその姿を見るだけで、心の奥から憎しみが湧きあがってくるのを感じた。

「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~! おまえたちはれみりゃのでぃな~になるんだどぉ~☆」

両手を天に掲げ、れみりゃはまりさ達に向かってくる。
以前と同じ光景。母を失ったあの時と。
だが自分はあの時とは違う。あれから沢山の出来事を体験した。
何度も何度も死にかけたし、家族を持ち幸せな時間も過ごした。
体も大きく強くなったし、自分と同じぐらい強く逞しい子供達もいる。
いくら体付きれみりゃであろうと、自分達が力を合わせればどんなゆっくりにも負けはしない。
まりさはそう信じている。

「ゆっ! みんな! あのれみりゃをやっつけるよ!」
「「「ゆーーー!」」」

まりさの掛け声を号令に、子ゆっくり達は散らばり、れみりゃを取り囲む。
それが何を意味しているのか、れみりゃのお馬鹿な頭では全く理解できない。

「う~? あそんでないではやくれみりゃのでぃな~になるといいどぉ~!」

れみりゃは一番近くにいた子まりさに手を伸ばした。
非常にゆっくりした動作。故に子まりさはそれを難なく避ける。
そして空いたれみりゃの脇腹へと勢いよく体当たりした。
ドガッという音と共にれみりゃの顔が苦痛に歪む。

「う゛あ゛~~~!! い゛だいどぉ~! な゛にずるんだどぉ~~!!」

突撃した子まりさは再び元の位置へと戻り、体勢を立て直す。
それからは同じような事の繰り返しだった。
れみりゃの空いた背中や脇腹へまりさ達は体当たりをし、そして定位置へ戻る。
実に単純な攻撃。だが頭の悪いれみりゃ相手には効果的な戦法だった。
何度か繰り返すと、漸くれみりゃの体に負担が来たようで、彼女はその場に膝をついた。
ぜーはーぜーはーとれみりゃは息を荒げている。
その様子を見てまりさは再び子供達に号令をかけた。

「ゆ! いまだよ! みんなでとびかかるよ!」

周りを囲っていた子まりさ達が一斉にれみりゃへと飛びかかる。
不意打ちを食らったれみりゃはその衝撃でうつぶせに倒れた。
まりさ達はそのままれみりゃの体へと飛び乗り、体重をかけてプレスする。

「う゛あ゛~! や゛め゛る゛んだどぉ~~!!」

れみりゃが手足をジタバタさせて暴れる。
その力はとても強く、まりさ達は体から跳ね飛ばされて地面へと着地した。
だがれみりゃが立ち上がる前に再びその体へ乗って飛び跳ねる。
しばらく繰り返すと、れみりゃは疲労と痛みが蓄積したのか、横たわったまま全く動かなくなった。
息はしているので死んではいないようだ。
まりさ達もまりさ達で既に満身創痍だった。
途中何度か、れみりゃのジタバタ攻撃によって子供達もダメージを受けてしまっていた。
攻撃を受けた部分がへこんだり痣になったりしているが、幸い命に別条はないようだ。

「うぅ…いたいよぉ…!」
「だいじょうぶ!? がんばったね!」

一対多数とはいえ相手は捕食種、それも最上位にランクする体付きれみりゃである。
いくらまりさ達が進化したとはいえ、誰一匹も死なずに済んだのは幸運としか言いようがない。
まりさは子供達を励ましたあと、近くの木にあった太く長い蔦を数本れみりゃに巻きつけた。
無事な子供達にも手伝ってもらい、身動きできないようにしっかりと結びつける。

「う゛~! これをほどくんだどぉ~! さもないとたべちゃうどぉ~!」

話せる程度に回復したれみりゃは体を動かそうとするが、足首までしっかり結ばれているため全く身動きできない。
移動する事も出来ないので、まりさ達を食べることはできない。
とうとうあの体付きれみりゃをも倒せるようになった。力を合わせた自分達は無敵だ、とまりさは思う。
それと同時に優しい母の顔を思い浮かべ、涙を流した。
お母さんの仇はとったよ、と。
思えばあれから色々な事があった。何度も何度も辛い経験もし、その度に自分の無力さを嘆いた。
だがこれからはもう大丈夫だ。自分達に怖いものはない。
早くゆっくりプレイスを見つけて、可愛い子供達と一緒にゆっくりと暮らそう。
と、そこでまりさはお腹がすいているのに気が付いた。

「ねー、おかあさん。おなかすいたよ!」
「なにかたべものをさがそうよ!」

子供達も先程の戦いで疲れたのか、空腹なようだ。
とは言っても周りに食べ物は無い。
やはりこれから探しに行かなければならないか、と思ったところでまりさはいい匂いがすることに気づいた。
食欲を刺激する肉の香り。それはどうやられみりゃから発せられているらしい。
少しためらったが、まりさは試しにれみりゃの指を食べてみた。

「う゛あ゛ーーーーー!! や゛め゛る゛んだどぉーーーー!」

刹那、まりさの口内に肉汁が染み、具の肉まんの旨みが広がった。
何て美味しいんだ!
まりさは子供達にもれみりゃを食べてみるように言った。
最初は恐る恐るだった子供達も、一口れみりゃの一部を口に含むととても幸せそうな顔になる。

「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」」」」

まりさ達の合唱と、れみりゃの悲鳴が周囲に響いた。
蔦で縛っている部分を避けながられみりゃを食べていると、まりさはある事に気が付いた。
何と、食べて無くなったれみりゃの体の部位が再生してきたのだ。

「ゆ! すごいよ! すぐにもとどおりになるよ!」
「これならいくらでもたべられるね!」

むしゃむしゃと再び生えてきたれみりゃの部位を食べるまりさ達。
食べられては再生し、再生しては食べられるという恐ろしいループへと陥ったれみりゃは泣き叫ぶしか出来ない。
それからまりさ達はお腹いっぱいになると、そのままゆっくりと眠り始めた。
こんなところで堂々と眠っていたら捕食種が襲ってくるかもしれないが、それでも自分たちならば負けないという自信があった。


しばらくすると、まりさは大きな叫び声で目を覚ました。
どうやらその声は縛られているれみりゃが出しているものらしい。
どういうわけか、れみりゃは元々不細工な顔をさらに涙でぐしゃぐしゃにしながら泣き叫んでいた。

「う゛あ゛ーーーーー!! はやぐれみ゛り゛ゃをじゆう゛にするんだどぉーーーー!!」

その声はいつもの呑気な様子はなく、切羽詰まった声色である。
恐らく先程の出来事を思い出して泣いているのだろうとまりさは思った。

「むにゃむにゃ…なんだかうるさいよ」
「ゆー…おかーさん、どうしたの?」

れみりゃの悲鳴を聞いてまりさに続いて子供達も目を覚まし始めた。
まりさは子供達に起こしちゃってごめんねと言い、れみりゃには静かにして、と怒鳴る。
だがそれでもれみりゃは一向に叫び止む気配がない。

「うあ゛ーーーーー!! だずげでぇーー!! ごごがら゛に゛げるん゛だどぉーーーー!!」
「しずかにしてね! ねむれないよ!」

と、そこでまりさはおかしな事に気づいた。
れみりゃは先程の光景を思い出したか、またはこれからの事を考えて泣き叫んでいるのかと思っていた。
だがれみりゃは自分を見ていない。顔を上げ、遥か上空に視線を定めている。
一体何なんだ、とまりさが言おうとした瞬間――。

ゾクリ

とまりさの背中に凄まじい悪寒が走った。
一刻も早くこの場から逃げ出したくなるような、刃物で体内を滅多刺しにされたような感覚。
れみりゃは何を見ているんだろう。
そう思ったまりさは自分も振り向こうとする。
だがゆっくりの本能が訴えかけていた。見てはいけない、さっさと逃げ出せ、と。
それでもまりさは何とかれみりゃの視線の先――自分の背後の夜空を見た。

まりさは三つの間違いを起こした。
一つ、さっさとれみりゃを処分しなかったこと。
一つ、あまりにも自分の力を過信していたこと。
そして――『それ』の存在を知らなかったこと。

れみりゃとまりさが見つめる先、美しく光を放つ満月を背に『それ』はいた。
煌めく金色の髪を風になびかせながら、『それ』は無機質な目で下界を見下ろしている。
見た目はれみりゃに似ている。しかし、れみりゃを出来損ないのぬいぐるみと例えるなら、『それ』はまるで職人によって精巧に作られた人形のようだ。
何よりその圧倒的な威圧感はれみりゃなぞには出せはしない。
ゆっくりの一種ではあるが体が存在し、その背からは一対の優雅に輝く羽が生えている。
れみりゃの匂いに惹きつけられ、やって来た『それ』――最強にして最凶の捕食種、ゆっくりふらんは今宵の獲物を確認すると二マリと口を開いた。

「ゆっくりしねっ!!」

その言葉が周囲に響くやいなや、空中のゆっくりふらんの姿が消える。

「ゆゆっ!? どこにいったの!?」

まりさが困惑していると、彼女の後ろから悲鳴が聞こえた。

「う゛ぎゃ゛ぁ゛ぁぁぁぁーーーーーー!! い゛だい゛どぉぉぉーーーー!!」

その声の主はれみりゃの様だ。恐る恐るまりさは振り返る。
そこで見た光景は。

「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛ーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーー!!」
「ゆっくりしねっ!!」

ふらんが後方かられみりゃの頭を齧っていた。ゆっくりふらんは一瞬にして地上まで急降下し、肉に噛みついたのだ。
真正面から見ているまりさの眼には、涙や肉汁でぐしゃぐしゃになったれみりゃの顔と、その頭を頂点から鋭い牙で削り、咀嚼する楽しげなふらんが写る。
それを見たまりさの背中に冷たいものが走った。
れみりゃは縛られているため身動きができず、ただただ泣き叫ぶことしかできない。

「あ゛あ゛あ゛ーー!! れみ゛り゛ゃはだべもの゛じゃな゛い゛どぉーーー!! ざぐやーーー!! だずげ」
「うるさいっ!!」
「ぶべ゛ぇっ!?」

ブチッ、という大きな音。それはふらんが齧りついていたれみりゃの頭部をそのまま力任せに胴体から引き千切った音だった。

「びぃぎゃあ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!?」
「うるさいれみりゃはさっさとしねっ!!」

ふらんは頭だけになったれみりゃを手に持ち直す。
既に元の三分の二ほどの大きさになった顔の正面から、彼女は大きく口をあけてそれを喰らった。
無数の細く、鋭い牙がれみりゃの顔面を一瞬にして削り取る。
くちゃくちゃとふらんが肉まんを噛む音が辺りに木霊した。
断末魔を上げる暇もなく、れみりゃはこの世のものではなくなった。

「あーーん」

と、ふらんは口を開けて後ろ半分だけになった頭部を両手で掲げ、絞るように力を入れた。
顔だったモノの断面から肉汁が滴り落ち、それを咽の奥へと導く。

「んぐっんぐっ…ぷはっ」

肉汁を完全に絞りとり、全て飲み終えてから水分の無くなった頭部を捨てる。地面に叩きつけられ、乾いた後頭部は粉々に砕けた。
唇の周りに付着した肉片や肉汁を紅い舌で丁寧に舐めとった後、ふらんは未だにピクピクと痙攣しているれみりゃの体を食べ始めた。

ほんの数分の出来事。しかし、まりさ達にとってそれは永遠とも感じる時間だった。
彼女たちの目の前であのれみりゃがなす術もなく見たことないゆっくりに食べられていった。
逃げなければならない。本能はそう告げるが体が動かない。
体を震わすまりさたちの目線の先では、ふらんがれりみゃの体をむさぼっていた。
まりさ達にとって恐るべき天敵だったものの四肢を引き裂き、胴体両腕と次々にその体内へ取り込む。
皮を齧りとり、中身を喰らい、肉汁をすする。

「けふっ、たべたべた」

最後に残った右足を食べ終え、満足そうにふらんは言う。彼女の前にはれみりゃを縛っていた数本の蔦しか残っていなかった。
ガクガクと本能的な恐怖で震えるまりさ達。
そして次はそんな彼女たちが標的にされることとなる。

「うー、まだたりない」

ふらんが体勢を整え、まりさ達に目を向けた。
それはまるで蛇と蛙。その場にいる時点で決着がついた、食う者と食われる者。
どんな生き物でも、自分の運命を受け入れるしかないと考えるような状態。
だがまりさは違った。今までの経験から、自信が付いていたまりさは今回も大丈夫だという確信があったから。
皆がいれば何も怖くはない。
怯えを捨てて勇気を振り絞り、まりさは子供達に言った。

「だいじょうぶだよ! まりさたちはつよいんだから! あんなやつ、かんたんにやっつけれるよ!」

母親の言葉に励まされ、子まりさ達も闘争心が燃え上がる。
そうだ、自分たちは進化した強いゆっくりなんだ。たとえどんな相手でも負けるものか、と。

「そうだよ! おかあさんのいうとおりだよ!」
「あんなれみりゃみたいなやつなんかにまけるはずないよ!」

れみりゃの時と同じように、まりさ達はふらんを取り囲む。
まりさ達は進化した。
れいむやありすは勿論、あの巨大ゆっくりや体付きれみりゃでさえも力を合わせた自分たちに勝てはしない。
それに、いくら見たことがないゆっくりだからって所詮大きさはれみりゃ程度しかないじゃないか。
だから今回もいつも通り、自分達は負けはしない。そう思っていた。
しかし――。

「しねっ!」
「ゆ゛ぶぅ゛っ!!!」

一匹の子まりさがふらんに飛びかかった瞬間、その体が鋭利な爪で引き裂かれた。
輪切りになって絶命する子まりさ。
高い再生能力を手に入れたといっても所詮はゆっくり、頭の中心部、中枢餡子が完全に破壊されてしまえば再生など出来なかった。

「ゆゆっ!?」

まりさ達は一瞬何が起こったのかわからなかった。
れみりゃの時のように誰が飛びかかり、相手の体がぐらついた時に全員で跳びかかれば簡単に倒せる。
まりさ達はそう思っていた。だから今目の前で起こった事を脳が処理できない。
そしてふらんの足元に転がり、ぴくりとも動かぬ子まりさを見て、まりさ達はゆっくりと理解した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛さのこども゛がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「お゛ね゛え゛ぢゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃん!!」
「な゛んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ゛!!??」

スライスされた家族の姿を見てまりさ達は号泣する。
自分が生んだ可愛い子供。今までも、そしてこれから一緒にゆっくりしようと誓ったとても大切な家族。
それを失ったまりさの悲しみは大きく、次々と涙をあふれさせる。
その様子をふらんはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら見ていた。
まりさは涙を流しながらも般若のような形相になる。

「よ゛ぐもま゛り゛さのごども゛ををををををををを!!!」

我が子を殺され、怒り狂ったまりさがふらんに突進する。そのスピードは尋常ではない。
さらにこのまりさは皮が分厚く、中身も通常より重いため、その突撃の威力は恐ろしく高い。

「まりさのこどもをころしたやつはゆっくりじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇ!!!」

怒涛の勢いでふらんへと体当たりするまりさ。
そのまま自分の攻撃でふらんは倒れるだろうとまりさは予測していた。
しかし、残念ながらその予想は外れてしまう。

「うー!」
「ゆっ!?」

ガシッとまりさの体は何の苦労もなくふらんに掴まれた。

「ゆー! ゆっくりはなしてね!」

まりさは何とか拘束から逃れようとするが、がっちりとホールドされていて全く動けない。
一体この華奢とも言える腕のどこにそんな力があるのだろうか。

「ゆっ! まりさをはなしてねっていってるんだよ!」
「あー、うるさい」
「ゆぶぶぶべっ!?」

ドゴッとふらんはまりさの頬を軽く殴った。それだけでまりさは意識が飛びそうになる。
今まで受けたことのないような威力の攻撃。
たった一発殴られただけでまりさの皮は破裂し、餡子が噴き出す。
さらにその衝撃が体内を波のように伝わり、激しい嘔吐感に襲われて口からも餡子を吐きだした。
ふらんはまりさを掴みながら羽を使い、宙に浮く。
そして勢いよくまりさを近くの大木の枝に突き刺した。

「あ゛ぎゃ゛ゃ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

芯がしっかりしている枝は、まりさの体を深々と貫通した。
何とか中枢餡子は傷つかなかったものの、体内を引き裂かれる痛みにまりさは声を上げた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい゛だい゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「おかあ゛あ゛さぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「まっでて、いま゛たすけであげるから!」

子まりさ達は身動きできない母に近づこうとする。
しかし、そんな彼女らの前にふらんが立ちはだかった。
そのドス黒い笑顔にはどんなゆっくりも怯えるしかないだろう。
だが子まりさ達は違った。

「ゆっ!? そこをどいてね!」
「おかあさんをたすけるんだから!」

子まりさ達とふらんが睨み合い、緊張が張り詰める。
とその時、この場に予期せぬ来訪者が現れた。

「う~! おいしそうなにおいがするんだどぉ~!」
「あのきからにおってくるどぉ~!」
「う~! た~べちゃうどぉ~!」

緊張感の欠片もない声を上げながら低空飛行でやってきたのは、三匹の体付きれみりゃだった。
さっきの一匹といい、どうやらこの辺りにはれみりゃの巣があるらしい。
木に突き刺さったまりさの餡子の匂いに誘われてきたのだろう、その顔には何の危機感もない。
そしてまりさは思った。あの体付きれみりゃが三匹もいるならあの金色の化け物にも勝てるに違いない。
だからまりさはやって来たれみりゃ達に向かって叫んだ。

「れみりゃたち! そこのゆっくりをやっつけてくれたらまりさをたべさせてあげるよ!」

それを聞いた子まりさ達は困惑した。
何故お母さんはそんな事を言うのだろうと。
だが同時に、お母さんに何か考えがあるのだろうと思って黙っていた。
子供達の考え通り、まりさにの頭の中では既に計画が完成していた。
まず三匹のれみりゃにあの恐ろしい金髪のゆっくりを始末させる。
それから自分を食べやすいようにとの理由をつけて、れみりゃに木から下ろして貰ったところで奇襲をかけようと。
三匹もいるが、れみりゃなら倒すことができることがつい先程証明された。
子供達と力を合わせ、各個撃破していけば何とかなる。
それがまりさの考えだった。

「う~? そこのゆっくりってどれだ…ど…!?」

まりさの言葉を聞き、辺りを見回したれみりゃ達はそこで初めてふらんの存在に気が付いた。
刹那、れみりゃ達の体に恐怖が湧きあがって来る。
それは捕食種の中でもとても強い自分達をも喰らう究極の捕食種。
れみりゃ達は命の危機を感じ、普段なら有り得ないような高さまで飛び立った。
しかし、ふらんは目にも止まらぬスピードで先頭のれみりゃの前へと先回りする。
そして両手でれみりゃの手首をそれぞれ掴み、力任せに引き千切った。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い、い゛だいどおおぉぉぉぉぉぉ!!」

肉汁が飛び散り、地面へと降り注ぐ。
それを浴びながら、ふらんは千切り取った両腕を放り捨てると、右手をれみりゃの顔面へと突き刺した。
さらにれみりゃが悲鳴を上げる暇もなく傷口へと左手も抉りこませ、そのまま左右に引き裂いた。
顔を二つに裂かれた両腕のないれみりゃの死体が地上へと墜落し、グチャリと音を立てて潰れる。
休む暇なく、ふらんは別のれみりゃへと襲いかかった。

「う゛あ゛ーーーー!! ごわ゛いどぉーーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーー!!」

何とか逃げようとするもふらんのスピードに敵うわけはなく、あっさりと捕まって羽を毟り取られた。
飛ぶための機能を失い、バランスを崩したれみりゃは先程のれみりゃと同じように落下し始めた。
だが幸いにもこのれみりゃは飛行していた高度が低かったため、そのまま落ちたなら命は助かりそうである。

「うー♪ なんとかたすかりそうだどぉ~~♪」

そのまま落ちたなら。

「う゛あ゛っ!?」
「うー♪」

落下しているれみりゃの後頭部へと、ふらんは足を乗せた。
そのまま体重をかけ、地上へと墜落する。
地面とふらんの足に挟まれたれみりゃの頭は潰れ、肉まんの具を周囲に飛散させた。
ふらんは潰れた頭部から足をどけ、れみりゃの体からまだ温かい右手を引き千切って再び飛翔した。
残るれみりゃはあと一匹。
その最後の生存者は顔をぐしゃぐしゃにして必死にこの場から遠ざかろうとしている。
しかし努力空しく、すぐにふらんに追いつかれ、その手に持っていた仲間の右腕で頭を思い切り殴打された。

「う゛あ゛゛ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い゛だいっ! でみり゛ゃのぷりぢーなあ゛だまがぁぁぁぁーーーーーー!!」

頭がへこみ、ショックと痛みで声を上げるれみりゃ。
そんな彼女の胴体を、ふらんは両手で掴んで飛行する。
その目的地は一本の大木、そこから突き出ている太い枝だった。

「う゛あ゛ーーーーーー!! やっ、やべべべべべっっ!!」

最後まで言い終わらぬうちに、れみりゃの顔面に枝が突き刺さった。
鋭く尖った枝はそのままれみりゃの体内を楽々と通り続け、股間から貫通する。

「れみりゃのくしざしいっちょうあがり♪」

ピクピクと動くれみりゃの右足をもぎ取る。それを食べながら、ふらんはまりさ達の近くへと戻って来た。
一部始終を見ていたまりさ達は先程より大きくガクガクと体を震わせている。
木の枝に突き刺さっているまりさはもとより、子まりさ達もあまりの恐怖に動くことが出来ない。
あのれみりゃを一瞬にして三匹も屠り去ったゆっくりふらん。
圧倒的な力による一方的な虐殺。
まりさ達は漸くその恐ろしさと力の差を真に理解した。
ゆっくり、ゆっくり、とふらんは不敵な笑みを浮かべながら子まりさ達との距離を詰める。

「う゛…う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

金縛りが解けた子まりさ達は一斉にバラバラに逃げた。
体を震わせながらも、それを見ていたまりさはいい考えだと思った。
いかに強くても相手は一匹だけ。様々な方向に逃げだせば助かる可能性が高い。
運悪く標的にさたなら命はないだろうが、全滅するよりはましだ。少しでも多くの子供に生き残って欲しい。
だがその願いも無残に打ち砕かれる。

「しねっ!」

何と、ふらんが掛け声をあげた直後、その体が四つに増えたのだ。
これぞゆっくりふらんの特性。自分の分身を三匹まで作り出すことが出来る。
四匹のふらんはそれぞれ素早く移動し、四方から子まりさ達を取り囲んだ。
ガチガチと歯を震わせ、子まりさ達は涙を流す。
と、その中の一匹が勇気を振り絞って言った。

「お、おまえなんてこわくないよ! まりさたちがちからをあわせればまけるはずないもん!」

声は震えていたが、その言葉で子まりさ達は皆勇気を出し、それぞれ捨て身の思いで数匹ずつ目の前のふらんへと飛びかかった。
そして――。

「うー、しねっ! しねっ!」

まりさ達は進化した。
だが悲しきかな、そんなことは彼女たちの目の前にいる怪物には全く関係がなかった。
ゆっくりふらんとゆっくりまりさ。両者の差は数字で例えると1と0。それは極めて近く、それと同時に果てしなく遠い距離。
どれだけ強くなっても、どれだけ餡子の質が良くなっても、どれだけ数が多くても、それが自然から生み出されたものである限り、
ゆっくりまりさがゆっくりふらんを超えるなど不可能だ。
0が何倍になろうとも、0がどれだけ集まろうとも、『1』という最小の数字さえ超えることが出来ないのだから。

ある子まりさは地面に叩きつけられ餡子を飛び散らせて死んだ。
ある子まりさは顔の中心部から引き裂かれて死んだ。
ある子まりさは勢いよく踏みつけられて死んだ。
ある子まりさは顔の上半分を噛み千切られて死んだ。
ある子まりさは餡子をじわじわ吸い取られ、皮だけになって死んだ。
ある子まりさは―――。

死因は様々。だがその全てに共通しているのは即死ではなくゆっくりゆっくりと死んだことだ。
ふらんは子まりさ達をすぐには殺さず、だからといって生き残ることは出来ないぐらいの絶妙の力加減で攻撃していたのだった。
そのどれもこれもが中枢餡子を破壊され、再生もできなくなっていた。
これがゆっくりふらんの性格。獲物を出来る限り痛めつけて殺すという恐ろしき習性。

「い゛だい゛い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! や゛め゛でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「ゆっぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「どぼじでごんな゛こどにな゛っだの゛おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ぐべっ……ゆ゛ぐべべべべ…っ…」
「ああ…あ゛あ゛…」

まりさは滝のように涙を溢れさせてその様子を見てることしかできなかった。
目の前で次々と子供達が無残に殺されていく。絶望がまりさを覆い、もう叫ぶこともできない。
もういい、このまま死んでしまいたい。
思考するのをやめ、意識が深い闇へと沈み始めたその時。

「い゛や゛あああぁぁぁぁ!! お゛がぁざぁぁんたすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

その言葉にはっと我に返るまりさ。
見れば、最後の一匹となった子まりさをふらんが右手で掴んでいた。
ほとんど大人ゆっくりと同じ大きさの子まりさはふらんの片手に収まるような大きさではない。
だがふらんの圧倒的な握力によって体をねじ曲げられ、無理やり手の中に押し込まれていた。
既に周囲に分身はおらず、元のふらん一匹だけに戻ったようだ。

「もうさいご。つまらない」
「おがぁぁぁぁぁぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

泣き叫び、自分を呼ぶ愛しの我が子。その声にまりさの中に再び気力が燃え上がった。
ふらんは徐々に握る力をあげていく。
子まりさの表皮が黒ずみ、今にも目や口から餡子を吹き出しそうだ。

「ゆっくりしね――」
「まって!!」

突然のまりさの声にふらんは力を加えるのを止める。結果、ぎりぎりで子まりさは握り潰されずに済んだ。
ふらんはギロリと目をまりさに向ける。
その眼光にまりさは背筋が震えたが、何とか声を絞り出した。

「ま、まりさはどうなってもいいから、まりさのこどもをにがしてあげてね!」

状況は圧倒的に不利。というより有利不利などというものは無い。相手は一方的な惨殺者、こちらの言うことなど聞く必要はない。
しかしそれでもまりさは言った。自分は死んでもいいから子供だけは生き残って欲しい。
たとえどれだけ確率が低くても、可能性があるならそれに賭けてみたかった。
ふらんは考えるように沈黙し、暫くして口を開いた。

「いいよ、ちびはにがしてあげる。やくそくする」

それはまりさにとって信じられない言葉。しかし、確かにふらんはそう言った。
まりさは喜びで飛び上がりそうになったが、同時にあまりに上手くいきすぎるとも感じた。

「ぜったいだよ! やくそくだからね!」
「だいじょうぶ、やくそくはまもる」

そう言ってふらんは子まりさを握る右手を緩めていく。その手つきは優しく、先ほどまでの荒々しい様子はない。
それに安堵したのか、まりさの顔に笑みが浮かぶ。
さらにふらんは空いている左手でまりさの刺さっている枝を根元から折り、そのまままりさを地面へと置いた。
子まりさは寂しそうな顔をしているが何も言わない。いや、言えない。
完全にふらんの手から握力が無くなり地面に落ちると、最後の子まりさは親の元へと駆け寄った。

「ゆー…おかあさん…」
「おかあさんはだいじょうぶだよ! でも、これからはいっしょにいられないからひとりでいきてね! まりさのこならだいじょうぶだよね!?」

暗い表情の子供に対して、まりさは少しでも元気を出してあげようと笑いながら明るい声で言う。

「うん…、まりさがんばるよ!」

それに励まされ、少し表情が明るくなる子まりさ。
親子は頬を擦り合わせて、最後になるであろう抱擁を交わす。
その様子をふらんは微笑みながら見ている。今度は純粋な、まったく害のない笑みだった。
そんなふらんの笑顔を見てまりさは完全に安心した。良かった、もう子供は大丈夫だ、と。
しかし、まりさは気付かない。優しく微笑むふらんの口から、わずかに緑色の光が漏れているのを。

「ゆっ…じゃあそろそろいくね!」

子まりさは決心した。
おそらくもう母親には会えない。でももう大丈夫だ。母が助けてくれたこの命、大切にしよう。
子まりさの言葉に、まりさは無言で、しかし力強く頷いた。

子まりさは背を向け、数歩進み――勢いよくふらんの口から放たれた弾幕が直撃し、爆散した。
辺り一面に飛び散る餡子。その破片がまりさの頭にべったりと張り付く。
おそらく子まりさは自分が死んだ事も認識できずにその生涯を終えただろう。
まりさは何が起きたのかわからない。
自分の子供はどこにいったのだろう。何故ふらんは楽しそうに口を開けているのだろう。
一体この顔にかかった黒いものは何なんだろう。
そして降りかかった餡子が顔を伝い地面に落ちた時、まりさは漸く理解した。

「どぉぉぉじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! や゛ぐぞぐはま゛も゛るっでいっだのに゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「やくそくはまもった。 ちびをにがしてあげた」
「でぇぇぇぇぇも゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

その言葉にゆっくりふらんはとびきりの、悪意の塊のような素敵な笑顔で答えた。

「でも…ふらんはちびをころさないとはいってない♪」
「う゛…う゛あ゛…」

まりさは震え、そして爆発した。

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! じね゛っ!! じね゛っ!! ゆっぐり゛じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!こ゛ろ゛す゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! こ゛ろ゛し゛でや゛る゛っ!! 
 じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

まりさが動けないことなど関係なく、その場にいたものならどんなゆっくりでも、
例え捕食種のれみりゃであっても逃げ出すであろう、怒り、憎しみ、絶望…あらゆる負の感情を孕んだ咆哮。
だがゆっくりふらんは全く物怖じすることなくケタケタと笑っている。
当然だ。いくら負の感情をかき集めたとしても、そんなものは本物の純粋な悪意の前では何の意味もなさない。

「さて、そっちもやくそくをまもってもらうよ」

そう言うと、ふらんは呪詛を吐き続けるまりさの底面からその体を貫通している太い枝を抜き取った。
ぐちゃぐちゃと音をたて、枝がまりさの体内を通過していく。

「ひ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

体を内部から引き裂かれるような痛みがまりさに走る。そして数秒後には彼女は空を飛んでいた。
ふらんはまりさを帽子の上から鋭い爪を食い込ませて固定させている。
飛翔してから数秒後、枝が貫通していた穴が早速再生し始める。それを見たふらんは新しいおもちゃを見つけた子供のような顔をした。
悪意が充満した純粋な瞳をキラキラと輝かせている。

「すごいすごい、まりさなのにかいふくする」
「はな゛ぜぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「あー、うるさいなぁ」

そう言うとふらんは指でまりさの右目を貫いた。そのままぐりぐりと指を回し、少し曲げて引っこ抜く。
ボコリと音をたて、まりさの目玉がえぐり出された。空洞となった部分から餡子が漏れだす。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ま゛り゛ざのめ゛がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

無くなった右方の視界。残る左目には自分の目玉を食べるふらんが写る。
頭の片隅で、そう言えば以前もこんなことがあったな、とまりさはどこか冷静に考えていた。
あの後はぱちゅりーに出会ったっけ…。
それをきっかけに、これまでの記憶が次々と浮かんでは消えていった。
母に祝福されて生まれた。可愛い妹達と一緒に旅をした。美しい妻と出会い、自分の家庭を持った。
そしてそれらはすべて壊された。その後に出来た子供も、今自分を掴んでいるこの化け物に全て殺された。
どうしてこんなことになったんだろう。自分はただゆっくりしたかっただけなのに。
しばらくするとまりさの右目は再生し始め、五分もすると元通りになった。

「うー、おもしろい♪」

今度は右手の指をVの字にし、まりさの両目に突き刺すふらん。
痛みと視界が無くなった恐怖でまりさは絶叫する。中途半端に高い再生力のせいで気絶することも出来なかった。
あと数分もすれば失った両目も完全に元通りになるだろう。

美しく輝く満月を背に、ゆっくりふらんが夜空を舞う。
その手に持つは両の目の無いゆっくりまりさ。

それからまりさにとって地獄のような日々が始まった。
ふらんの巣の中に動けないように固定され、何度も何度も痛めつけられる。
ある時は髪を千切られ、ある時はおやつとなり、ある時は両目や口を引き千切られ、それでもその度に体は再生して元通りになる。
こうしてまりさはその命が終きるまでゆっくりできることなどなく、ふらんのおもちゃとなるのだった。



終わり



あとがき
ふらんちゃんの すごい 無双。
前中編で影も形もなかったのでオチはバレバレだった気がしますが。
あまり捻った話が書けなくてごめんなさい。
こんな長い駄文を最後まで読んでくださった読者様、有難うございます。

どうでもいい質問コーナー
Q.これ別に進化させなくても、普通のまりさで良くない?
A.ぶっちゃけ強さよりも再生力が欲しかっただけです。

Q.何でゆふらんが普通に喋ってるの? あと厨スペックすぎね?
A.かわいいから仕方ない。

  • 今まで書いたもの
それいけ! ゆっくり仮面
ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~
お兄さんの逆襲 前後編
ゆっくりれいむの悪夢
あるゆっくりまりさの一生 前中編

by.ダイナマイト横町

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最終更新:2022年05月03日 16:38