注意:この作品には愛でお兄さん?が出てきます。








『むきゅぅぅぅごほん、ぱちゅりぃのごほんどこ~~~』



「は?」
庭先で夕涼みをしていた俺は、いきなりどこからともなく聞こえてきた声に面食らった。
辺りを見回すと足元にゆっくりぱちゅりぃがよたよた跳ねてきた。

『むきゅきゅ♪ ここはぱちゅりぃのとしょかんよ!!あなたはとくべつにこのとしょかんへいれてあげるわ。だからはやくごほんをもってくるの!』

「おお、珍しいな。こんな所にぱちゅりぃ種が出てくるなんて。」
希少種か、収集家なら狂喜乱舞して捕獲するんだろうな。
しかし、他のゆっくりと同様に「おうち宣言」。もし、農家なんかに行ってたら速攻で潰されてただろうな。

「ほいほい、ゆっくりしていってね」
でも、俺は自称愛でお兄さん。同時にブリーダーでもある。
無闇にゆっくりに餌を与える事も、虐待することも無い。
ゆっくりと人間は付かず離れずが一番だ。


『むっきゅーーー!! ぱちゅりぃはあのほんをよむの!!!』
そんな俺の心遣いはいざ知らず、縁側の本に必死に手を伸ばしている。

「ん、どうした?この本が読みたいのか?」
『むきゅーん、はやくぱちゅりぃのほんをかえしてぇぇぇぇぇぇ!このどろぼううぅぅぅぅ、ばかぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!。』
「よしよし、これだな」

早速手渡す俺。うーむ、付かず離れずって言ったそばからこれじゃあな。我ながら甘いな。


『むきゅぅぅ……む、か、し、む、か、し……んぎゅぎゅ、んきゅぅぅ!』
あ~あ、いきなり餡子吐き出してるよ。

「しょうがねえな、ほら、代わりに読んでやるからこっちに来な」
『むきゅきゅきゅっ、だいとしょかんのあるじとしてとくべつにゆるすわ!じゃあ、わたしもつきあってあげるね!』
「はいはい、〈是に、気多之前に至りし時に、裸の莵、伏せりき。〉………」


(10分後)


「〈………其の身、もとの如し。此、稲羽の素莵ぞ。今には莵神と謂ふ。〉はい、おしまい。これが因幡の白兎だ。どうだ、満足か?」
『むきゅーん、ぱちゅりぃにふさわしいほんね。むきゅきゅ、ごほうびとしてあしたもわたしのとしょかんにきてもいいわよ!』
「はいはい、ご丁寧にどうも。」

『むきゅっ、むきゅっ、むきゅっ、むきゅっ、むきゅっ、』
来た時とはうって変わって元気だな。ぴょんぴょん跳ねて帰っていった。





数日後、ゆっくりぱちゅりぃの帰っていった群れでは、一騒動起きていた。

「ゆうぅぅぅぅ!これじゃあゆっくりできないよーー!」
「ま゛り゛ざ、じな゛な゛いでーーー」
「ぢんぼおおおおおおおおおっ!」

どうやら、群れがふらんに襲われたようだ。
幸いな事にふらんは満腹だったのか群れの一部を散々弄んだだけで帰っていったが、後には瀕死のゆっくりがダース単位で残された。
「わ゛がら゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」
「だれがだずけでーーー」
「いだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お」
「な゛ん゛でえ゛え゛ぇぇぇえ゛え゛!!!どう゛じでえ゛え゛えぇぇぇえ゛ええ゛え゛!!!」
「おがーしゃあ゛あ゛あ゛あ゛がぁぁぁぁぁぁっ」
「ごのま゛ま゛じにだぐな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」
「さいごにもっとすっきりしたかったーーーーー!」
若干一匹変なのが混じっているが…。


「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」
中には、すでに明後日の方を向いて痙攣しているゆっくりもいる。そんな時…、


「むきゅっ、だいじょうぶよ!ぱちゅりぃにまかせるのよ!」
突然群れのぱちゅりぃが名乗り出た。
「ぱちゅりぃのいうとおりにすればみんなたすかるわ!」

「さすがぱちゅりぃだね!」
「お゛ね゛がい゛い゛い゛、でいぶのこどもだじをだずけでーーー!!!!!!」
「わかるよーーー、みんなでたすけるよーーー」
「ゆ ゆ゛ゆ゛ゆゆ゛ぅぅぅぅ゛」


早速、ぱちゅりぃの指示の元、動けるゆっくりが重症のゆっくりの手当てにあたった。

「むきゅっ、まずは、かわにいってきずぐちをみずでよくあらうのよ!」




「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛でででいぶのあ゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
[い、いだいぃぃぃぃぃぃ!!れいむのほっぺたがぁぁぁぁぁ!!」
「ああああああああああああああああ」
「ゆぐううううううううううううううううう」
「ゆぎゃあ!!」
「あがが!!」
「ゆうううううううう!?やべでええええええ!!!」
たちまち、辺り一帯は阿鼻叫喚の巷と化した。
「むきゅう、みんながまんするのよ!これできっとよくなるのよ!」

しかし、
「いやあああああ!!れいむの髪があああ!!!リボンがあああああ!!!」
「あああれいむうううう!!!」
「ここにいたらゆっくりできなくなるううううううう!!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛まりざのおめめがあああ!!!」
「いやあああああほっぺがくずれるよおおおおお!!!!」
「ここにいたらゆっくりできなくなるううううううう!!!!」

当然のごとく、餡子が漏れ出し瀕死の状態で水につけられたゆっくりは必死に川から出ようともがき出した。しかし、
「むきゅ、だめよ!けががなおらなくなるわ!みんなでおさえるのよ!」

「「「ゆゆっ、ごめんね!みんなでゆっくりするためだからわかってね!」」」


「「どう゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛おお゛ぉお゛お゛ぉおぉお゛おお゛お!!!」」
「「「「「「「ゆ゛っぐじじだい゛よ゛おお゛おお゛おぉお゛ぉお゛お゛お゛お!!!」」」」」」」
「お゛ね゛ーじゃん゛!!!どう゛じでごん゛な゛ごどずるの゛お゛おお゛ぉお゛ぉお゛ぉお゛お!!!」
「じぬ゛っ!!!じんじゃう゛う゛うぅ゛うう゛ぅぅう゛う!!!」
「や゛べでっ!!!ゆ゛っぐりざぜでえ゛ええ゛ぇぇえ゛ぇえ゛え!!!」
「お゛があざあ゛ぁぁぁあ゛あん!!!だずげでえ゛え゛えぇぇえ゛ええ゛え!!!」
「な゛に゛や゛っでるの゛お゛おぉお゛おぉお゛おお゛!!!」
「ま゛り゛ざの゛い゛も゛う゛どがあ゛あ゛あぁぁあ゛ぁぁあ゛ああ゛!!!」
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁ! でいぶのほっぺがあぁぁぁぁ!! あ゛しがああぁぁぁ!!」


「いだいよ……どぼじで、どぼじでぇぇぇぇぇぇ……」
「ぁ"ぁ"…ゆっぐり、じだがっだ……」


数分後、怪我をしたゆっくりは一匹残らず流されていった。
一体何が起きたのか全く理解出来ずに呆然としているぱちゅりぃとは対照的に、生き残ったゆっくり達は全員、この元凶をにらみつけていた。

「おまえのせいでみんなしんじゃったよ!」
「よ゛ぐも゛れ゛い゛ぶのあがぢゃんおおおおおおおおおおお!!!!!」
「ゆ゛っぐりじねえええええええええええええええええええええ!!!」


「むきゅうっ、どおじでぞんなごどいうのーーー。ぐずなみんなが、ぱちゅりぃのいうとおりにできなかったからでしょう!わるいのはみんなよ!はやくあやまりなさい!」

一瞬の沈黙の後、

「「「「「「「「ゆっくりしね!」」」」」」」」
「むぎゅううううううううううううううううううう!ゆ゛ッッッッ?!ぶびゅ、ゆびゃ……」
ぶっぢぢゃーーーーーーーー!








それからと言うもの、毎日のように、盛大に餡子をぶちまけたゆっくりぱちゅりぃの死骸がダース単位で見かけられるようになったとか。






end


〈あとがき〉
こんな駄文を最後まで読んで頂き誠に有難うございます。
ていうか、ゆっくりごときが古文聞いて理解できるわけねえだろ!!って方、ええ、自分でもそう思います。でも、書いてるうちに収拾付かなくなったorzゆっくりした結果がこれだよ!

しかし、ゆっくりごときにここまで罵詈雑言並べ立てられて、それでも本を読み聞かせるこのお兄さんは超越しています。一般人なら3秒もかからず潰しにかかるでしょう。
一方その頃…


〈後日談〉
あちこちに散乱するぱちゅりぃの死骸の中を飼いふらんを連れながら歩く青年。彼は手荷物の本に目を落として、某新世界の神張りに満足げに微笑んだ。
『因幡の白兎』


「ふっ、計画通り」

終わる、つーか終われ!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年05月03日 15:58