旧ルールの補足


効果の割り込みの補足

コストが実際に支払われるのは「④効果の解決」のステップ

このゲームにおいてコストの支払いは「カードの使用を宣言したタイミング」では処理されない。
他TCGのプレイヤーほど混乱しがちな点であるが、以下の仕様となっているので確認しておきたい。

前提として、「効果の割り込み」は以下の4つのステップに分かれる( ルールブックVer.3.0の38~40ページ を参照)。
  1. 割り込みのスタート
  2. 割り込みの宣言
  3. 割り込みの終了
  4. 効果の解決

そのコストが支払えるかは「割り込まれる元となったカード」及び「②割り込みの宣言」のタイミングで確認を必要とする。
しかし、このタイミングでは コストは実際には支払われず、言わばコストを「予約」している状態 となる。
「④効果の解決」のそのカードの処理が行われるタイミングになった際に、適切にコストの支払いが行えるかが改めて確認され、適切に支払える場合に処理が行われる。

これにより以下のような、効果処理でコストの支払いを無効にできる。
  • MPを支払って使う効果に対し、MP枯渇効果で必要量以下までMPを減らす事で支払いを不発にする。
  • 「このカードを捨て札にする→」効果に対して、除去効果を割り込んでそのカードを捨て札にする事で、捨て札にするというコストの支払いを不発にする。

割り込みによって効果が使えなくなった場合でも支払う予定だったコストは支払う

例えば「場のカードの効果使用」に対してE-056 およしになっておとのさまが割り込まれた場合、その効果は使えなくなる。
しかし、その効果の使用条件の「MPを○払う→」や「このカードを捨て札にする→」といったコストは払わなければならない。

また、割り込みによってMPが減らされ、必要なMPが払えなくなった場合も、可能な限りMPを払わなければならない。

コストの振り替えはできない

効果の割り込みを行うと、割り込まれたカードの使用以前の状況に巻き戻して処理が行われる。
例を挙げて処理順を追ってみるとこのように処理がされる。
自分がMP7の時に「ゼオン《憎悪》」(コスト7)を宣言。
相手が割り込んで「E-018 フォルゴレのダンス」を宣言。
【解決時】
MP7を支払う前の状況に戻って「E-018 フォルゴレのダンス」が解決され、MPが3になってしまうので《憎悪》のコスト7が支払えなくなる。

この時、「自分がMP7の状態に一旦戻るのなら、効果の割り込みでそのMP7を別のカードに代わりに使ってしまおう」と考えるところだろうが、それはできない。
予約中のコストを、他のコストに充てる事はできないのである。

ただし、「コストとしての振り替え」ができないだけで、「効果の適用対象」にはできる。
(例えばEx-098 フォルゴレのCDの「効果」で予約中のMPを消費する事は可能となる)

何も発動していないタイミングでは、原則としてターンプレイヤーが優先権を持つ

ルールでは「かわりばんこのルール」として交互に優先権が回ってくるが、旧ルールでは原則としてターンプレイヤーが優先権を持つ。
「割り込みの権利が発生していないタイミング(カードの発動や、カードを場に出す宣言をしていない時)」には、ターンプレイヤーに行動の権利があり、ターンプレイヤーの効果の解決直後においてもターンプレイヤーに優先権がある。
非ターンプレイヤーが行動できるのは「効果の割り込みができる時」または「ターンプレイヤーが何もしない(ターン終了)を宣言した時」のみである。

とはいえ優先権がターンプレイヤーにある行動に対しても、「効果の割り込み」によって非ターンプレイヤー側が先に効果を処理できるため、優先権の所在によって影響が出る状況は少ない。
基本的に影響が出るのは「真ルールにおける非バトル術に相当する術を使う場合」くらいだろう。( 術は割り込みで使用できない ため)
例えば、非ターンプレイヤーがS-072 ジオルクが使用できるのは「バトル中」か「ターンプレイヤーが何もしない(ターン終了)を宣言した時」に限られてしまうため、負傷状態のダニーへのゼオン《憎悪》S-072 ジオルクで防ぐ事はできない。

なお、「効果の割り込み」が発生している時には交互に優先権が回ってくる。
ルールブックVer3.0で自分のカードに対して「効果の割り込み」をスタートする事はできなくなったため、割り込みの初めの優先権は「効果を使用したプレイヤーから見て相手から」となる。

という裁定だったはずなのだが、以下のFAQが 最古のFAQ から 旧ルールの最後のFAQ においてまで載っている。
ルールで遊ぶ場合、どちらを基準として遊ぶのか事前に確認しておきたい。
Q バトルフェイズの中での、カード(効果)を使う優先順位はどうなっていますか?
A まず、優先順位は攻撃側のプレイヤーにあります。そして、一方がカード(効果)を使った場合、次のカード(効果)を使う優先権は、もう一方が持ちます。

ちなみに、『カードバトルforGBA』では上記通りの「効果の割り込みができる時」または「ターンプレイヤーが何もしない(ターン終了)を宣言した時」のみ優先権が回ってくる。

バトル中の効果の使用・効果の割り込みについて

  • ルールブックVer3.0からは、バトルを行う術や効果に対しては、割り込みではなくバトル中の「効果の使用」のタイミングで使う物として改められた。
  • 「効果の使用」のタイミングで始めに使う効果は「効果の割り込み」として扱われなくなった。
  • バトル中に相手のMPを減らす等で術を不発にする事はできる(ルールブックVer3.0の24ページ参照)。
  • バトル中に使用された効果に対して、「効果の割り込み」を行う事はできる。

廃止・変更されたルール

基本ルールになったADVルール

「かばう」「最後のページの術」「効果の割り込み」はADVルールから基本ルールになった。

「飛行状態」のルール変更

当初のルールは次の通り。

●「飛行状態」の魔物は、「飛行状態」ではない魔物が使う魔物の効果の対象にならない。

S-295 フェイ・ファルグS-303 バウロ・ウルクの旧テキストに、このような注釈が付けられていた。
ルールブック3.0では以下のように効果が拡張された。

●「飛行状態」になった魔物は、「飛行状態ではない魔物」の「魔物の効果」の対象になりません。
●「飛行状態」になった魔物の「魔物の効果」は、「飛行状態ではない魔物」の「魔物の効果」によって無効になりません。
●「飛行状態ではない魔物」の「魔物の効果」によって「魔物の効果が使えない」ときでも、「飛行状態」の魔物は、「魔物の効果」が使えます。
●「飛行状態」は、「飛行状態」にした効果が続くかぎり続きます。
※「飛行状態ではない魔物」は「飛行状態」の魔物の「魔物の効果」の対象になります。

無効にできなくなる事がわかりやすくなったほか、ロード《悪しき力》等を使われた後に「飛行状態」にして、効果を使える状態に戻すといった事もできるようになった。


石版魔物を石版状態で場に出せるルール

出すときに健康状態か石版状態か選べ!!

魔界王攻略完全バイブル2の67ページに、このように記載されている。

Q.石版魔物は「石版状態」で場に出すの?
A.石版魔物も、普通の魔物と同じように、健康状態で場に出します。

カードバトル通信Volume.2 (8弾発売時の資料)ではこのように記載されている。
ルールブック3.0にも記載はなく、石版魔物初登場の5弾から8弾発売までの間で廃止されたルールの模様。

スタートフェイズに魔本を何枚でもめくれるルール

基本ルールでは、スタートフェイズには何枚でもページをめくることができましたが、このめくる枚数を制限します。

ADVルールのページ にはこのように記載されている。
めくれるページの制限はADVルールの一部であった模様。
しかし、 2003年時点で基本ルールでめくれる枚数が3枚までに制限されている
ルールがまだ整備されていなかった黎明期の遺物と思われる。

スタートフェイズにMP1払って1ページ戻せるルール[基本ルール・ADVルール]

基本ルール ADVルール 共に記載あり。
大会ルールでは初期の頃から不採用とされており、公式ルールでもいつからか廃止された(ルールブック3.0には記載無し)。

追加防御[ADVルール]

相手の攻撃でダメージを受けている時、めくられている途中にある防御の術を追加で使う事ができるルール
追加防御すると、その術の魔力だけを加算(効果は無視)して、合計魔力が相手以上になればページをめくるのを止められる。

大会ルールでは採用されず、ルールブック3.0にも記載されていない。
日の目を浴びる事の無かったルールだが、追加防御に関係する効果を持つカードが1枚だけ存在していた

防御の変更[ADVルール]

防御に失敗した時に別の術で防御し直す事ができるルール
追加防御のタイミングで防御の変更を行う事もできる。
大会ルールでは採用されず、ルールブック3.0にも記載されていない。

デッドヒート[ADVルール]

攻撃側と防御側の合計魔力が同じだった時に、オークション式に支払うMPを決め、負けた方が1ダメージを受けると言うルール
大会ルールでは採用されず、ルールブック3.0にも記載されていない。
なお、デッドヒート不採用で合計魔力が同じだった場合は、防御成功と言う扱いになる。

「効果の解決中」の「効果の割り込み」の変更・廃止

初期のルールにおいては、「効果の割り込み」を解決している最中に、新たに割り込みを行う事が制限なくできた。
以下はその例である。
自分はMP0、場には負傷状態の「キャンチョメ」と「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」があり、今のページには「E-018 フォルゴレのダンス」がある。
この時に、相手はMP10あって「ゼオン《憎悪》」(コスト7)を使用してきた。
MPが無いので「E-018 フォルゴレのダンス」は使えないし、「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」で3減らすだけでは《憎悪》を使うMPが残ってしまう。

この状況においては、まずは《憎悪》に「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」を割り込んで自分のMPを3増やす。
更に《憎悪》の解決に割り込んで、増えたMPで「E-018 フォルゴレのダンス」を使うと言う手順で、MP不足にして《憎悪》を止める事ができる。

中期のルール改定では、解決中の割り込みに制限が設けられ、上記のような割り込みはできなくなった。
改定後は「効果の無効を無効にする効果」「新たに場に出たカードの効果」だけが解決中に割り込める効果となる。

●「効果の無効を無効にする効果」を解決中に割り込む例
自分の場には「ゼオン《憎悪》」と「ロップス《かう!》」があり、自分は《憎悪》を宣言した。
これに対し、相手は「E-024 プロフェッサー・ダルタニアン」を割り込みでゼオン《憎悪》に使用し、無効化を図ってきた。
《かう!》で取り除ける効果は「すでにかけられている相手の効果」なので、「E-024 プロフェッサー・ダルタニアン」に割り込んでも「まだかけられていない効果」となるので取り除く事はできない。

そこでこの「効果の無効を無効にする効果」を解決中に割り込めるルールが生きてくる。
『「効果を無効」にする「E-024 プロフェッサー・ダルタニアン」の効果を、《かう!》で「無効」にする』となるので、《かう!》《憎悪》解決前に割り込む事ができるのである。

●「新たに場に出たカードの効果」を解決中に割り込む例
自分はMP0、場には負傷状態の「キャンチョメ」と「MJ-003 フライング・ビート」、魔本内に「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」があるとする。
この時に、相手はMP7あって「ゼオン《憎悪》」(コスト7)を使用してきた。
今回の事例では「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」を使う事ができれば、MPを3減らして《憎悪》を止める事ができる。

この場合では、《憎悪》に「MJ-003 フライング・ビート」で割り込んで「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」を場に出す。
こうして「MJ-003 フライング・ビート」で出てきた「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」は「新たに場に出たカード」となるので、解決中に割り込む事ができる。
よって、《憎悪》に対して、「Ex-033 パルコ・フォルゴレ」で「解決中の割り込み」を行えば《憎悪》を止める事ができる。

ルールブックVer3.0では、 解決中の割り込みが全て廃止された
効果の解決が始まると、それらを解決し終えるまで新たなカードの使用を宣言できなくなる。

ルールブックVer3.0での変更点

ルールブックVer3.0ではルールの様々な部分が整備された。
変更点は 「カードバトル通信 第21回 ルールブックVer3.0での変更点」 で非常に詳しく説明されている。

  • 「効果の割り込み」がADVルールから基本ルールになった。
  • 「効果の解決中」の「効果の割り込み」はどのような状況においてもできなくなった。
  • 自分のカードに対して「効果の割り込み」のスタートを自分から行う事ができなくなった。(既に割り込みが開始されている時に、2回以上連続で割り込む事はできる)
  • 「コインのふりなおし」は「効果の割り込み」ではない扱いになった。
  • バトル中の効果の使用は、効果の割り込みではなく「効果の使用」というタイミングで使うようになった。
    • 「効果の使用」のタイミングで使われた効果に対して割り込みをする事はでき、そのようにして使用された効果は「効果の割り込み」として扱う。
    • それ以前のバトル中の効果の使用は「効果の割り込み」であったため、「効果の割り込み」が解決し終わってしまうと新たに割り込みはできなかったが、改定後は「効果の使用」の間であれば新たな効果を何度でも使用できるようになった。
    • バトル中の「相手が直前に使った術」に対する効果は、「相手がこのバトル中に使った術」と解釈するようになった。
  • 飛行状態の効果が拡張された(上記参照)。
  • 魔物がいなくなったとき、そのバトルフェイズ中に取れる行動は「魔物を場に出す効果の使用」だけだったのが「効果を使わずに魔本から魔物を出す事」もできるように変更された。
    • ただし、相手のターンでも魔本から場に出せるというルールは追加されていないため、このルール追加で魔物を場に出せるのは自分のターンだけである。
  • W魔物を出す時、「捨て札にする魔物に掛けられていた効果」は引き継がれなくなった。
  • 準備フェイズは「第1ターン」としては扱わなくなった。(準備フェイズに出したキッド《進め!キッド》は適用されず、魔界学校の校長《合格のハンコ》は相手の最初の魔物を捨て札にする事ができなくなった)
  • 石版状態の魔物を捨て札にして、W魔物VS魔物を場に出す事ができるようになった。
  • 同名のカードを場に存在させようとする効果の使用ができなくなった。(既に相手のウマゴンがいる時に、シュナイダー《命名ウマゴン》で他の魔物の名前をウマゴンにして、いずれかを捨て札にさせる事はできなくなった)
  • 「魔物の効果を無効にする効果」で「捨て札や魔本の魔物の効果」を無効にできるようになった。(E-069 志を継いで等による魔物の効果を無効にできるようになった)
  • 「追加で払うコスト」は「コストを0にする効果」や「最後のページの術のコストを0にするルール」で0にする事はできなくなった。
  • マルス《裏切り者》は「魔物の効果そのものを対象とする」という例外的な裁定だったが、他に合わせて「魔物を対象にする効果」に変更された。

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最終更新:2025年05月22日 06:07