力があると言われた。
それは人には見えない妖怪というものが見える力。
だけど、僕はそれで何かを守ることが出来ただろうか。
僕はいつも大切なものを、どこかに置き去りにしてきたように思う。
それはとても悲しいことで、とても寂しいことで、そして多分とても情けないことだ。
せめて僕に守りたいものを守るだけの力があれば……。
「ほー、小僧、おまえは強くなりたいのか? ならば、このトキが力をくれてやろう」
トキという人のそれは魅力的な言葉だった。
僕がまだ何も知らない子供だったらなら、その言葉に迷わず飛びついたかもしれない。。
だけど、僕は弱かった。
人に対して、妖に対して。
だから僕の一歩は、どうしても踏み出せない。
でも、今回は僕の躊躇いなど、問題にはならなかった。
何故なら、彼が僕のことを一向に構わずにこちらに寄ってきたのだから。
「おまえが強くなる秘孔は……ココだーーーーーーーーーっ!!!」
「うわぁぁーー!!!」
それは神経を引き裂かれるような凄絶な痛みだった。
腕の筋肉が蠢き、意思があるかのように暴れ狂う。
「おまえ……おれに何をしたんだ……?」
「なに、安心しろ。上手くいけば、おまえのパンチの威力は今の数倍になる」
男が言うように僕の腕の筋肉は増大し始め、マッチ棒のような細腕が丸太のように太くなった。
そこに喜びはあっただろうか。
確かに身体に筋肉がつけば、今の僕よりは遥かに強くなれただろう。
だけど、僕がそのことについて何かの感想を持つよりも先に、僕の肩が膨れ上がり、内側から弾けたのだ。
「ぐわあああぁあああぁぁあぁぁっっっっっーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
「ん!? 間違ったかな」
死んだほうがマシだ。
そう思えるほどの痛みが、猛烈な勢いで襲ってきた。
トキの無責任な発言に怒りを感じる余地もないほどに、痛覚が僕を支配した。
「やはり木人形(デク)は、もっと頑丈なほうがいいな。、白もやしでは、すぐに壊れてしまう」
トキは僕の叫び声を無視して、一人感想を述べる。
「そんな様ではバッグの中身を十分には使えまい。喜べ、おまえの分は、このトキが有効に利用してやろう! フハハハハハハハ!!」
僕は哄笑と共に軽やかに去っていくトキの背中を、地面に転がりながら見送るしかなかった。
ああ、今の僕の心の中にあるのは、憎しみなのだろうか。
危険とされる妖怪にも色々と出会ってきたけれど、ここまで酷いことはされなかった。
勿論、人間にも優しい人がいるということは知っている。
塔子さんに滋さん、それに田沼や多軌は、僕にとって大切な人だ。
そして僕はそういった絆を作ってくれる人との出会いを大事にしていきたいと思っている。
だけど、それでも自分の中に抑えようのないないドス黒い感情が生まれくるのを、僕は感じずにはいられなかった。
ああ、僕にもっと力あれば…………。
【一日目 深夜】
【現在地 C-4】
【
夏目貴志@夏目友人帳】
【状態】両腕の筋肉増大、両肩がボンッ、負の感情増大
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本 大切なものを守る
1. 痛い
2. 憎い
3. 家に帰りたい
【備考】
※
アミバをトキだと思っています
【一日目 深夜】
【現在地 C-4】
【アミバ@北斗の拳】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】武器支給品×2、ランダム支給品×2、支給品一式×2
【思考】
基本 トキの悪評を振りまく
1. 次の獲物はどこだ
2. 木人形(デク)はどこだ
最終更新:2012年02月24日 21:54