シュレーディンガーの猫
シュレーディンガーの猫(シュレディンガーの猫、Schrödinger's cat)とはエルヴィン・シュレーディンガー(Erwin Schrödinger)が1935年に発表した思考実験である。
シュレーディンガーの猫のしくみ
- 箱と 猫 を用意します。
- 箱の中に放射線源(なんでもいい)を入れ、放射線を観測すると何か信号を出す測定器を入れる。
- 測定器からの信号を受け取ったら毒ガスを発生させる機械を用意する。
- つまり放射線が出たら猫が死ぬのである。
- しかし、量子力学を認めると放射線源が放射線を出すかどうかは確率で決まる。つまり猫の生死が確率的に決まることになる。
- そして量子力学によると結果は観測したら決まるので箱を開けるまで放射線源は放射線を出したかは重ね合わせの状態であり、猫の生死も重ね合わせの状態になってしまう。
- そんなことあるわけないじゃん量子力学はゴミと言ったのがシュレーディンガーである。
- ここでシュレーディンガーは猫を56したの!? ぷーれかよ・・・ と思った人もいるかもしれないがあくまでも思考実験であるので実際に猫は56されていないので安心してほしい。
シュレーディンガーの猫ができるまで
- まず古典力学(量子力学以前の物理学)の話をしよう。例えばボールを持ってある位置から自由落下させたとしよう。この時ボールは、毎回同じ位置かつ同じ時間に落下する。これは我々が認識しているマクロな世界では当たり前のことである。
- この考えは(古典的な)物理学でも同じ話であり、物理学者は物の動きは完全に決定できると信じていたのである(決定論的な考え方)。
- しかし原子や電子の動きを観測していた時、この常識を打ち破るような結果が得られることとなった。どのようなものか例えてみると、上の例で出したボールを電子に変えてみる。電子をボールと同じように同じ位置から自由落下させてみたとする。この時電子はどのように動くだろうか?古典力学を信じるならボールと同じように毎回同じ位置かつ同じ時間に落下するはずである。
- しかし実際はそうならなかった。毎回違う場所に違う時間で落下するのである。しかし落ちる場所に規則性が全く無いわけではない。最初に落とす場所によって、どの場所に落ちやすいかという確率密度関数が決まるのである。(※これはあくまでも例であることに注意していただきたい。実際は電子のスピンの測定などに関係する。x方向のスピンを測定して上向きだったらz方向のスピンが上か下かが50%ずつで重ね合わせになっているなどが量子力学を使って計算できる。)
- このような実験結果が出てきたわけだが、このどこに落ちるかは確率でしかわからないという部分は正直よくわからないだろう。当時の物理学者もそうだった。
- この現象を説明しようとしたわけではなかったが、結果から言うとシュレーディンガーが考えたシュレーディンガー方程式が重要だった。
- シュレーディンガー方程式は波動関数というものを求めるのだが、マックス・ボルン(Max Born)という物理学者が波動関数を2乗したものが確率密度関数だと言い出したのだ(ボルンの確率規則又はボルンの確率解釈)。
- 補足しておくが、シュレーディンガー方程式は決定論的な方程式である。なぜなら波動関数が時間とともにどのように変化するのかを表したもので確率的な概念は入っていない。話をややこしくしたボルンが悪い。また、ボルンの確率規則も正確には上記のものではないのでこれから量子力学を学ぶ人は注意していただきたい。
- シュレーディンガーは決定論的に考えていたのだが、ボルンや別の物理学者(ノイマンなどが提唱した射影仮設)が言うにはどうやら世界は確率論らしい。しかしそれは非常に納得しにくい。世界が確率ってなんだよという話である。
- そんなこんなでシュレーディンガーが「確率とかwwwそんな世界だったらこんなおかしいことになりますよwww」として発表したのがこのシュレーディンガーの猫である。