嘘つきな俺 1
ここがおかしいんだけど?
何でそんな事やってんの?
ふと思ったらそれは立派な疑惑の種
水をやるのも枯らすのも、撒いた人間と撒かれた人間の匙加減
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俺「将軍」コンコン
?「入りたまえ」
俺「失礼します」ガチャ
?「急遽君が選出されたのだが、よく来てくれた。あー、どれ、緑茶でも出そう」
俺「結構です、自分をお呼びでしょうか」
?「・・・・・・茶はいいか。今度は501に移籍してもらう、期日は明日からこの任務を終えるまでだ」
俺「了解しました」
?「恐らく、ぁあこの任務が最後の派遣となるだろう・・・・・・。これが終わったら君も、どこかの部隊に身を置いてはどうかね」
俺「考慮させてもらいます」
?「じっくり考えてくれたまえ、下がってよい」
俺「では、失礼しました」ガチャバタン
?「・・・・・・そろそろ、日の目を浴びても良いではないのかね。ウィザードの君も」
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俺「さーてさてっと、今回の任務は」
「・・・・・・」ペラペラ
「・・・・・・光熱多重シールドってこれチートかよ・・・・・・うわこっちは未来予知、すっげー・・・・・・」 ペラペラ
「あいつが解散させそうなのは・・・・・・なるほど」パタン
「オーディオでも聞きながら荷物まとめよ、今夜のご機嫌なナンバーは」ポチットナ
『―――目の前で 消し去らーれそーなー光りが あーるのならー この手で......♪』
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ミーナ「今度新人がうちに補充要員として配属される事になったわ」
坂本「そうか、新人なら宮藤と一緒で鍛えがいがあるな。悩み事はそれか?」
ミーナ「その新人が問題なのよ」
坂本「なんだ、まさか予科練習生を寄越してきたわけでもあるまい」
ミーナ「ある意味そっちのがマシね・・・・・・」
坂本「上層部から直々に推薦してきたのだろう?それなのにマシとは、どんな問題児なんだ」
ミーナ「・・・・・・問題児と言うか、その、ね、男性のウィッチなの」
坂本「・・・・・・は?」
ミーナ「だからね、男性の、ウィッチなの」
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ミーナ「それでは俺軍曹、自己紹介を」
俺「に・・・・・・扶桑皇国出身、俺、17歳、階級は軍曹です。まだ新人なので至らない点もあるかと思いますが、ご指導の程よろしくお願いします!」ケイレイ
芳佳「扶桑出身なんですか、同じですね!新しい整備兵さんですか?」
俺「いえ、ウィザードです」
芳佳「え?」
俺「え?あ、あぁ」
(この子は扶桑出身だったな)
俺「ウィザードでござる」
芳佳「えっ」
俺「えっ、あれ?」
(っかしーな、この時代の扶桑って未だによくわからんのよな)
ミーナ「俺さんは男にして魔法が使える、極めて珍しい男性ウィッチです」
全員『男のウィッチ!?』
俺「え、あ、まだ話してなかったんすか、恥ずかしい・・・・・・」
ペリーヌ「ちゅ、中佐!冗談が過ぎますわ!今まで男性のウィッチなんて過去の文献でも指で数える程しか確認できてませんのよ!?」
「それだけ希少な存在がニュースにもならず、報告もされず、どう考えても怪しすぎますわ!」
「それに、どうしてこの部隊なんですの!」
坂本「俺の中に魔法力が確認されたのはつい先月だそうだ」
「急遽飛行予科練に入学させられて、基礎中の基礎だけを学ばせて先週卒業。同じ新人の宮藤と一緒に実戦で経験を積ませろと上からの命令だ」
ミーナ「ここに扶桑皇国海軍小沢中将のサインが記載されている通知書と推薦状がありますので、間違いなく彼は魔法が使えるでしょう」
坂本「私も将軍に確認済みだ」
ペリーヌ「なんと・・・・・・」
シャーリー「本物か・・・・・・」
俺(一つ気になるのはいつもみたく箝口令が布かれてない・・・・・・自由にやっていいのか、捨て駒か)
ミーナ「皆さん、仲良くしてあげてくださいね」
俺「よろしくお願いします」
バルクホルン「おい、俺と言ったな」
俺「はい、えーっと・・・・・・バルクホルン!先輩!」
バルクホルン「」
俺「あれ?名前間違えてました?」
バルクホルン(身長は私より少し小さく整備兵より体が細い、歳は一つ下か。そしてなにより先輩だと)
バルクホルン「・・・・・・・・・・・・有りだな」
俺「はぁ、どうも」
エーリカ「またこうなっちゃったか、気にしなくていいよー」
俺「あ、ハルトマン先輩ですね、総撃墜数250機突破おめでとうございます!」
エーリカ「にゃははー、ありがとー」
ルッキーニ「ねー虫好きー?」
俺「虫ねぇ・・・・・・ムカデとかヤスデは無理だけど、カブトムシとかクワガタなら大好き」
ルッキーニ「じゃあじゃあ後で一緒に虫取りいこー!」
俺「構わないっすよ」
ルッキーニ「ヤター!」
シャーリー「良かったなー、ルッキーニ。ところで俺、私の名前は知ってるか?」
俺「はい、イェーガー先輩。最速のお話は新聞でも拝見しました、何でもウィッチで音速を」
ミーナ「はいはい世間話はそこまで。それじゃ宮藤さんリーネさん、この基地を案内してあげて」
芳佳・リーネ「はい」
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リーネ「リネット・ビショップ、軍曹です」
俺「俺です、これから厄介になります」
芳佳「私は宮藤芳佳です。私も軍曹だから私たち同じ階級だね!」
俺「そうですね、偶然ですね」
リーネ「俺さんは希少な男性ウィッチだと伺いましたけどどうしてここに?」
俺「俺も詳しい事は聞かされて無いんすけど、さっき隊長が言ってた通り実戦で経験を積む兼戦力アップが目的だそうです」
「まぁ先週一通りの訓練終わらした程度なんで、戦力からしたら先輩方には到底及ばないですけどね」
リーネ「せ、先輩なんてそんな、男さんは私より年上なんですから敬語もやめてください」
俺「はぁ、そっすか?」
芳佳「そうですよ、年上の男の人に敬語使われるのってなんかくすぐったいです。それに私は芳佳でいいです」
リーネ「私もリーネで呼び慣れているのでリーネで結構です」
俺「なるべく善処します。それだったら俺も敬語は取っ払っちゃっていいすよ、同じ階級の軍曹ですし」
芳佳「それじゃあこれからそうするね!」
リーネ「善処します」
俺「ははっwwこれ一本取られたなww」
芳佳「ここが俺さんの部屋、私の部屋のすぐ近くだね」
俺「芳佳さんの部屋は?」
芳佳「隣の隣」
俺「おーほんとに近いすね」
リーネ「私のお部屋の隣だ・・・・・・」」
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そんなこんなで基地案内終了
芳佳「俺さん晩ご飯だよー」コンコン
俺「はい」ガチャ
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芳佳「みんなもう揃ってるね」
エイラ「ミ、ミヤフジ!誰だソイツ!」
芳佳「この人はですね......」
俺(この人が予知能力か、この事は予知してなかったのか?)
エイラ「ウィザード?ソイツがか?どっからどう見てもただの男にしか見えねーゾ」
サーニャ「・・・・・・その人から、微弱だけど魔力の反応があるわ」
俺「男のウィッチです、ですから周りからはウィザードと呼ばれてました。名前は俺です、よろしくお願いします」
エイラ「サーニャに手を出したらタダじゃおかねーからナ」ガルルル
サーニャ「エイラ、初対面の人に失礼よ」
俺「しねーっすよ、そんな事が無いように念書とサイン書かされましたから。報告されたら即死刑」
エイラ「それなら安心ダナ。私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン、少尉ダ」
サーニャ「私はサーニャ・V・リトヴャク、中尉です」
俺「これからお世話になります」
エイラ「堅苦しいのは後でナ、今は飯だ。ホラ、お前も座って食え」
サーニャ「エイラ、私たちが作ったワケじゃないのよ」
シャーリー「なんだエイラ、先輩風吹かしてるなー」
エイラ「そ、そんなんじゃねーヨ!」
俺「いただきます」
「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
俺「ごちそうさまでした。あー美味かった、やっぱ故郷の味が落ち着くわ」
芳佳「えへへ」
坂本「俺、ちょっといいか」
俺「あ、はい」
坂本「明日模擬戦闘訓練を行う予定だが、その前にお前の固有魔法と使い魔を見たくてな」
俺「ここで?」
坂本「ここでだ」
俺「食堂で?」
坂本「ハッハッハ、そうだ。書類を見る限りあまり危険じゃない固有魔法みたいだからな」
ルッキーニ「うじゅ!俺の魔法見てみたーい!」
ペリーヌ「化けの皮を剥がす良い機会ですわね。ネウロイと戦うときになってできません、じゃお話にもなりませんわ」
俺「昨日からぶっ続けで移動してきて疲れてるんすけどやれってか」
バルクホルン「俺、無理してやれとは言わん。今日は休んで英気を養って明日の訓練でお披露目でも誰も文句は・・・・・・言うか?」
俺「先輩・・・・・・自分を庇ってくれるなんて・・・・・・大丈夫です!やります!」
エーリカ「宮藤の時もそうだったけど、トゥルーデも先輩風吹かしてるねー」
バルクホルン「ハルトマン、残念だがこれは先輩風ではない」
エーリカ「む、じゃあなんなのさ」
バルクホルン「弟風だ!」
俺「先輩ちょっと頭がこれ・・・・・・本題いいすか」
ミーナ「どうぞ」
俺「それじゃ失礼して」ピョコン
芳佳「尻尾と・・・・・・角?耳じゃなくて?」
俺「角。堅くて鋭いから触らないでね」
「それでは今から一瞬の内にこの一本のお箸を大きくしてみせましょう。瞬きしないでくださいね?」
「3、2、1」パチン
ポフン
ルッキーニ「わわ、お箸が俺の腕くらいに長くなってるー!」
エーリカ「凄ーい!今のが俺の固有魔法?」
俺「はい、魔力を注いで全体的に大きくしました。っとそろそろ元に戻りますよ」
ポフン
芳佳「元の大きさに戻った」
俺「ふぅ、こんなもんっすかね」
エイラ「うーん・・・・・・第一印象としては、なぁツンツンメガネ」
ペリーヌ「どうして私に振りますの!それにしてもそれが貴方の固有魔法?なんとまあ地味ですこと」
俺「カッチーン」
「先輩の地味な胸より派手ですよ」
ペリーヌ「な、なんですって!」
俺「」パチン
エーリカ「わわ!今度は箸がみるみる大きくなってく!」
サーニャ「凄い・・・・・・!」
俺「はハハヒャハっはハっはッハはひゃははハヒャ」
「おも・・・・・・」ポイ
ドスン!
坂本「もう十分だ、止めろ!」
ルッキーニ「俺が壊れたー!」
リーネ「もう俺さんより大きくなってる!」
俺「はハはハっはハッヒャはハハははッヒャはあ゛・・・・・・」ドサッ
芳佳「俺さん・・・・・・?俺さーん!」
ミーナ「お箸の成長が止まった・・・・・・」
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リーネ「俺さん、朝です。俺さーん」コンコン
俺「地球は無理やったら死ぬ・・・・・・ハッ、夢か。はーい起きてまーす!」ガチャ
リーネ「おはようございます」
俺「おはようございます。昨日俺倒れちゃったんですけど、あの箸元通りになりました?」
リーネ「はい、俺さんが倒れてから少しずつ小さくなって5分弱で元の大きさになりました」
俺「ならいいや。ところでもう朝食終わっちゃった?」
リーネ「いえ、これからなので隣同士ですし、ご一緒にと思って」
俺「そか、んでもまだ顔も洗ってないし先行ってていっすよ」
リーネ「せっかくなので顔洗い終わるまで待ちますね」
俺「マジかよすぐ終わらすからね!」バタン
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俺「はよーございます。ふあぁー・・・・・・」
ペリーヌ「」ガタガタンッ
俺「へ、どうしたんすかペリーヌ先輩」
ペリーヌ「き、昨日は、その、からかって大人げなかったですわね」
俺「はぁ、そんな程度で謝るんならこっちだってすいませんでした」
ペリーヌ「え?な、何で貴方まで謝るんですの?」
俺「悪意の無い冗談なら笑って聞き流すのが年上としての対応っすからね」
「あんなんに反応した時点でお相子・・・・・・ハードボイルド失格だ」
ペリーヌ「ハードボイルド・・・・・・?」
俺「なーんちゃってね」
(芳佳さんとリーネさんは料理中、ペリーヌ先輩以外はまだ来てないか・・・・・)
俺「それじゃあ仲直りの握手」スッ
ペリーヌ「はぁ」
ギュッギュ
トントンコツン
ペリーヌ「あ、あの、最後のは?」
俺「握手二回のげんこつ三回上下正面とぶつけて、これから仲良くっておまじないです」
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―朝食なう―
バルクホルン「やれと言った少佐も悪いが、お前は自分の魔力を制御できんのか」
俺「理性ある俺は制御してましたからね、肉じゃがうんめー」
エーリカ「ねね、今度はこのジャガイモ大きくして!」
俺「食べ物は大きくしたくないんでパス」
エーリカ「なんで?」
俺「丹精込めて作ってくれた人に失礼じゃないすか。農作物や畜産物ならなおさらっす」
坂本「ほぉ、一食一口に感謝して食べるとは百姓の精神をしているな。良い心がけだ」
俺「そこまで徹底してねーんすけど。だってほら、食いもん粗末にするとバチが当たるじゃないっすか」
ルッキーニ「そうなの!?」
俺「おぉーそうですよー。ルッキーニ先輩だってその納豆を食べ残すと先輩の枕元に毎晩毎晩」
「『・・・・・・ろー・・・・・・食べろー・・・・・・俺を食べろー・・・・・・』って納豆の幽霊が」
「それはもう、納豆や海草や、こう、指と指を擦ると幽霊の煙みたいなのが出るあれ・・・・・・の如く、先輩の体中をねばねばのねとねとにして、ねぇ芳佳さん」
芳佳「私の地域では納豆の幽霊が」
「『これから毎日、お前のおかずを納豆まみれにしてやる・・・・・・』って枕元で囁いては顔中をねばねばにして帰って行くって聞いたよ?」
ルッキーニ「そそそそんなの嘘だよ!だってまだ来てないもん!」
俺「この話をしないと幽霊は呼ばれた事に気づかないんですよ。これから毎晩先輩の枕元に・・・・・・うーへいへーい↑!」
芳佳「へいへーい!」
ルッキーニ「うじゅー!やだー!」
坂本「二人とも食事中だぞ。もう少し静かに食えんのか、まったく・・・・・」
「ちなみに私の聞いた話ではな」
ミーナ「美緒!」
俺「へいへーい!」
芳佳「へーい!」
ミーナ「二人も焚きつけないの!」
エイラ「オ、オイ俺、今の話本当か?」ボソボソ
俺「んなワケねーっすよ。飯を残すなっていう戒めです、戒め」ボソボソ
エイラ「だ、ダヨナ!幽霊なんていねーよナ!」
俺「はっはーん?もしかしてエイラ先輩・・・・・・怖いんすかぁー?」
エイラ「ち、ちっげーヨ!」
サーニャ「俺さん、あまり煽らないで・・・・・・うるさいわ」
エイラ「サーニャ!?」
俺「あ、すいませんでした。リトビャク先輩夜間哨戒終わらしてきたばっかですもんね、お疲れ山脈」
シャーリー「時に俺、今朝ストライカーが届いたって聞いたんだけど機種は何だ?」
俺「機種は知らないんすよね、まぁ見てからのお楽しみっす」
シャーリー「自分のストライカーなのにか?」
俺「自分のストライカーなのに、ですよ」
「上からは試験機体としか聞かされてなくて、他のストライカーと比べても何なのかさっぱりなんです」
シャーリー「試験機か、それは楽しみだな!新タイプの魔導エンジンが開発されたのか?それともデザインが変わっただけか?」
「楽しみだなぁ!」
バルクホルン「リベリアンは相変わらず脳天気だな」
俺「楽しめる事が戦場にあるって羨ましいっすけどね」
バルクホルン「!?」
シャーリー「俺は男の子だから分かるよな、機械とスピードのロマン!」
俺「いやあんまり・・・・・・」
シャーリー「!?」
リーネ「俺さん、ご飯おかわりします?」
俺「どうもすいません、さっきの半分だけおかわりお願いします」
リーネ「俺さんいっぱい食べますね。はいどーぞ」
俺「ども、伸び盛りですから」
ペリーヌ「17で伸び盛りとかあり得ませんわ、夢の見過ぎです」
俺「現実的な夢だからマシっすよ。現実的な夢と書いて、げんじつてきなゆめと読む!」ムシャムシャ
ペリーヌ(・・・・・・私より取っつきにくい人ですこと)
俺「で、ペリーヌ先輩は見ねーんすか?」
ペリーヌ「え、え?」
俺「夢ですよ、夢。起きてる時に見る夢」
ペリーヌ「それは、その、見ますわ」
俺「でしょー?手を伸ばせば届く夢を見てる時って、近づけば近づくほど頑張れる励みになるじゃないですか。良いことずくめだと思いますけどね」
「ご馳走様でしたー。芳佳さん流し台どこ?」
芳佳「こっちだよー」
俺「あそうそう、その夢手伝える事あったら手でも胸でも、それこそ知恵でも貸しますよ」
「ん、胸を貸すってどういう意味だっけ・・・・・・?少佐ぁー、胸を借りるってどーゆー意味でしたっけ」
坂本「俺、その発言には少し問題あるぞ・・・・・・」
ペリーヌ(私の夢はガリア解放・・・・・・いつもそれだけを夢見て・・・・・・)
ペリーヌ「やっぱり、私より取っ付きにくい人ですわ」クス
ルッキーニ「幽霊やだー!」
俺(しっかし二日目でここまで馴染めるとは、やっぱ共通の敵を持ったウィッチに悪者はいねーな)
(まずは一人目っと)
最終更新:2013年01月28日 02:42