拙者で御座る1

俺「ストライクウィッチーズだよ」 >>577-610
作者: ID:kaH94YWz0




577 名前:拙者で御座る[] 投稿日:2010/10/16(土) 21:34:26.05 ID:kaH94YWz0
投下しますが構いませんね!


坂本「追加要員?」

 501基地の司令室でお茶を啜っていた坂本は、ミーナの言葉につい問い返してしまった。
 書類を応接用の机に広げたミーナは、眉間を揉みながら坂本の言葉に詳細を返す。

ミーナ「そうなのよ。扶桑陸軍からの推薦でね」

坂本「陸の連中か。どうせ海軍からばかりウィッチが派遣されているのに対抗意識を燃やしたのだろう」

 坂本はやれやれと言った調子で書類を手に取り、眺める。
 と、適当に流し読んでいた新たなウィッチのプロフィールに思わず視線を留めた。

坂本「男のウィッチ? 初耳だな、陸軍にそんなウィッチが居たなど」

ミーナ「どうやら推薦してきた中将直々にスカウトしたそうよ。そういう点で見れば宮藤さんと同じね」

坂本「む……それは嫌味か?」

ミーナ「本当、扶桑の人って困るわ」

坂本「す、すまん……」

 しゅんとする坂本に、ミーナは「冗談よ」と微笑み、自分も書類に目を落とす。
 ついつい、眉間に皺が寄ってしまう。

 全く、面倒事がまた一つ増えそうね、と。


             ◆


 数日後、501基地の滑走路に一機の輸送機が着陸した。
 ずんぐりとした胴体のハッチが開き、中から現れた数名の技術官が慎重に機材を積み降ろしていく。
 すぐに基地の作業員も駆けつけ、ストライカーと思しき荷物がハンガーへ運び込まれていった。

 ざ、とそれを追うように草鞋がコンクリートの滑走路を踏んだ。
 太く逞しい脚が異国の地を踏みしめ、硬い感触を返す。

 彼はフンドシを海風にたなびかせながら、左腰の刀を撫でる。
 右腕は着物の中で帯に預けているのか、主不在の袖がはためいた。

拙者「ここが、501統合戦闘航空団『すとらいくうぃっちいず』の基地で御座るか」

 古風なのは服装だけでは無いようだった。
 まるで時代劇から飛び出してきたような口調で呟いたのは十代後半の青年。
 あまり身長は高くないが、その体についた筋肉はゆったりした着物の胸元と、晒された素足から存分に主張されている。

 左腰には二刀を差しており、フンドシの右腰紐から先込め銃を釣っていた。しかし最も目をひくのは背に負った大刀だ。
彼の身長ほどもある刀は見るからに肉厚で、扶桑刀の主な運用方である『断ち切る』事よりも、重量を使って『叩き切る』方が向いているように見えた。

 彼は胸元から抜いた右手で濃い顎鬚を撫でながら基地へと歩き出す。

 そう、彼こそがこの度の追加要員、扶桑陸軍所属、拙者軍曹であった。


                 ◆


ミーナ「と、言うわけで。彼が新しく仲間になる拙者軍曹よ」

拙者「よろしくお頼み申す」

シャーリー「へー、これが本当のフソウサムライって奴か」

坂本「本当の、とはどういう事だ?」

ペリーヌ「そうですわよシャーリー大尉。第一サムライがマスケット銃など持っているはずありませんもの」

宮藤「いえ、ペリーヌさん。扶桑でも戦国時代には種子島と言って先込め銃が……」

ペリーヌ「おだまり!///」

宮藤「うぅ、横暴です……」

リーネ「元気出して、芳佳ちゃん」

ルッキーニ「かっちょい~い!」

バルクホルン「ふん、そんな時代錯誤の武装で戦えるのか疑問だな」

エーリカ「確かにね、そのへんはどうなの? 軍曹」

拙者「ご心配召されるな。拙者、幼い頃より武士として教育を受けて御座る故、戦いに関しては『ぷろふぇっしょなる』に御座る」

サーニャ「Zzzz……」

エイラ「それより、なんでコイツの格好に誰もツッコまないンダ? 男なのにズボンが短いなんテ……」

拙者「これはずぼんでは御座らぬ。褌で御座る。本来は袴を履くもので御座るが、すとらいかーを履くときに邪魔である故」

シャーリー「へぇ、そこはちゃんと考えてたんだな」

ミーナ「それじゃあ皆さん、いろいろ質問はあると思うけど、明日に備えて今日は解散にしましょう」

 ミーナの号令に従い、三々五々皆が談話室から去っていく。
 残ったのは拙者と坂本、そしてミーナだ。

拙者「重ね重ね、よろしくお願い申す。みいな殿」

ミーナ「えぇ、中将直々の推薦という事で、期待しているわ」

拙者「はっ! ご期待に添えるよう尽力致す」

坂本「しかし、また時代錯誤な格好だな」

拙者「……貴殿は坂本少佐殿で御座ったか。拙者、こうした生き方しか知らぬ故」

坂本「まぁいいさ。部屋に案内しよう。いいな? ミーナ」

ミーナ「ええ、お願いするわ」

拙者「かたじけのう御座る」

                 ◆

 迷路のような基地を進み、たどり着いたのは余っていた一人部屋だ。
 重厚な木の扉を開くと内装は当然洋風であり、少しだけ和室を期待していた拙者は肩を落とした。

拙者「どうも拙者、べっどは苦手で御座る……」

坂本「そう言うな。慣れればなかなか寝心地の良いものだ」

拙者「うむ、そういう事ならば異国の文化を楽しむのもまた一興に御座るな」

坂本「風呂は空き次第、遣いを寄越そう」

拙者「恐縮に御座る」

坂本「同郷ではないか、気にするな」

拙者「確かに、こうも扶桑から離れた地に二人も同郷人がおるとは思わなんだ。して、坂本殿」

坂本「何だ?」

拙者「見たところ貴殿も剣の遣い手のご様子。同郷のよしみと言っては何だが、ぜひ手合わせを申し込みとう御座る」


                 ◆


砂浜で、二人の武人が向き合っていた。

 一人は扶桑海軍の軍服に、扶桑刀『烈風丸』を背負った女性。
 一人は左腰に、二刀を差したフンドシに着物の男性。
 坂本と拙者だ。

 両者は砂を洗う波の音を聞きながら、ただ対峙している。

宮藤「両者構え!」

 声にあわせ、坂本が烈風丸を抜き上段に構えた。
 対する拙者は二刀のうち一振りのみを抜き、中段に置く。

宮藤「始めっ!」

 砂が舞った。
 地を蹴ったのは拙者だ、後ろ足からの爆発的な瞬発力で彼は瞬時に間合いを詰める。
 彼が一歩踏み込んだそこ、坂本にとって射程外の位置は彼にとって既に一足一刀の間合いだ。

拙者「貰ったで御座る!」

坂本「甘い!」

 そこからは見えなかった。
 ただ、結果は明白だ。

 いつの間にか抜かれていた逆手持ちの二刀目が、坂本の首筋に突きつけられていた。
 しかし坂本の烈風丸も、背を見せた拙者の後頭部寸前で止められている。

 ざく、と宙を舞っていた一刀目の刀が砂浜に突き立つ音がしんとした浜辺に響いた。

ペリーヌ「に、二刀目なんて卑怯ですわ!」

シャーリー「っていうか、何がなにやら……」

宮藤「えっと……引き分け、ですか?」

ゲルト「そのようだな」

拙者「否、拙者の負けで御座る」

 はらりと、拙者の髷を留めていた紐が切れ落ちた。
 ばさりと長い黒髪が広がる。

エイラ「で、解説は有るノカ?」

坂本「拙者の一刀を弾き、返す刀で私はこいつに斬りかかった。
    だが、拙者は振り抜いた勢いで一回転し、二刀目を逆手で抜いて首を取りに来たのだ。
    一手遅かったがな。居合か?」

拙者「そこまで見抜くとは、お見逸れ致した。よもや拙者の高速抜刀に着いて来る御仁が居るとは。
    成程、ここは真おもしろき所に御座る」

 共に刀を鞘に納めた二人の侍は、互いの力量に共に感心しつつ、頭を下げる。

坂本「良い仕合いだった」

拙者「こちらこそ、勉強になったで御座る」


                 ◆


 501基地 浴場


拙者「ふぅ、いい汗をかいたで御座る」

 湯気立つ浴槽に浅黒い肌が浮かぶ。

 湯に浸かっていない上半身は硬く引き締まっており、無駄な贅肉は一切ない。
 大きく盛り上がった肩は剣を振るもの特有の筋肉が付いており、腕を支える大胸筋はシャーリーと比べて負けないほどの胸囲を誇っていた。

 まるで芸術品のような肉体は、しかし実用的な配分で完成されており、それを示すように古傷が数多く走っている。

 ゴツゴツとした肉体を上って行くと、ズンと太い首が頭部を支えており、その顔立ちは髭に覆われながらも端正に整っていて、
その瞳には未だ十代らしい若々とした光を湛えている。
 今は髷を解いており、頭の上に手ぬぐいで纏めていた。

 湯を掬い、肩にかける。
 透明な液体が筋肉のラインに沿って湯船へと戻っていく。

 その姿を、サウナ室の中から覗く瞳が四つ。
 エイラとサーニャだ。

サーニャ「どうしよう、エイラ……」

エイラ「どうするたっテ……」

 サーニャが寝過ごしてしまい、二人で入浴時間外に浴場へ来た結果がこれだ。
 サウナ室に居るおかげで未だ見つかっていないのが幸いだったが……

拙者「そこのお二人も、こちらで湯に浸からぬか? あまり長く蒸し風呂に入っておるのも体に悪かろう」

エイラ「き、気づいてたノカ……」

サーニャ「どうする? エイラ」

エイラ「エェイ! 女は度胸! 幸いタオルもあるし、体を隠しながら出るゾ!」

サーニャ「うん……」

 がちゃりとサウナ室の扉が開く。
 長時間篭っていた所為で大量に汗をかいた二人が姿を表した。

エイラ「そ、それじゃあ失礼するゾ」

拙者「待たれよ!」

 くわっ! と拙者の目が見開かれた。
 その顔にはどこか必死な形相が張り付いている。

エイラ「な、何でダヨー!」

サーニャ「ま、まさか……」ホワンホワン

―――――――ここからサーニャの妄想―――――――

拙者「拙者ばかり裸体を覗かれたのは不公平に御座る。お主らも長手ぬぐいを解いて素肌を晒すで御座る」

サーニャ「そ、そんな……」

拙者「問答無用! それ!」

サーニャ「おやめになって~」

拙者「良いではないか良いではないか……グフフ」

サーニャ「あ~れ~」

―――――――ここまでサーニャの妄想―――――――

サーニャ「そして私とエイラは無理矢理……」ガクブル

エイラ「さ、さーにゃ?」

拙者「む? 気分が悪いので御座るか? すぐに医者を……」ザバァ

 湯船から立ち上がり、先までフンドシに守られていた拙者の聖域には大層立派なマスラオが……

エイラ「ヒィっ!?」

サーニャ「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 絹を裂くような悲鳴が、基地内に響き渡った。

                ◆

拙者「誤解に御座る……拙者はただ湯船に入る前には汗を落とすべきだと言おうとしただけで……」

サーニャ「ご、ごめんなさい……」

 大浴場の脱衣所。
 フンドシ一丁で正座をさせられる男がいた。
 拙者だった。

ミーナ「はぁ…… 今後は気をつけるように」

サーニャ「はい……」

エイラ「ハイ……」

拙者「御意……」

 これが、拙者の来訪一日目の顛末だった。


                ◆


 翌日

坂本「それでは飛行訓練を行う」

拙者「御意に御座る」

 拙者が履くのは一式戦闘脚『隼』陸軍の主力機だ。
 拙者は隼が起こすエーテル風にフンドシをはためかせ、滑走路に仁王立ちしている。

 装備は来た時同様、腰に差した二刀に種子島、そして背に負った大刀だ。
 しかし腰の二刀は刃を潰した訓練刀に、大刀は肉厚の木刀へと変えられていた。機関銃は装備していない。

 拙者が駆け出す時のように腰を深く落とすと、その髷を結った頭部からは小さな耳が、フンドシの下からは滑らかな毛並みを持つ尻尾が生えてくる。
 全身に魔力が漲り、体が青白く発光する。

坂本「ほう、使い魔は馬か」

拙者「左様に御座る」

ミーナ「それでは拙者軍曹はバルクホルン大尉と組んでください」

ゲルト「わ、私が!?」

拙者「宜しくお頼み申すで御座る」

ゲルト「あ、ああ……」


 翌日

坂本「それでは飛行訓練を行う」

拙者「御意に御座る」

 拙者が履くのは一式戦闘脚『隼』陸軍の主力機だ。
 拙者は隼が起こすエーテル風にフンドシをはためかせ、滑走路に仁王立ちしている。

 装備は来た時同様、腰に差した二刀に種子島、そして背に負った大刀だ。
 しかし腰の二刀は刃を潰した訓練刀に、大刀は肉厚の木刀へと変えられていた。機関銃は装備していない。

 拙者が駆け出す時のように腰を深く落とすと、その髷を結った頭部からは小さな耳が、フンドシの下からは滑らかな毛並みを持つ尻尾が生えてくる。
 全身に魔力が漲り、体が青白く発光する。

坂本「ほう、使い魔は馬か」

拙者「左様に御座る」

ミーナ「それでは拙者軍曹はバルクホルン大尉と組んでください」

ゲルト「わ、私が!?」

拙者「宜しくお頼み申すで御座る」

ゲルト「あ、ああ……」

坂本「それでは、発進!」

 轟と風が鳴り、二機のストライカーが離陸する。

 一直線に上昇するバルクホルンに対し、しかし追随する拙者の軌道は不安定だ。

坂本「やはり飛行は不慣れか」

ミーナ「そうねぇ…… でも、トゥルーデの機動になんとか喰らいついているあたり、センスは感じられるわ」

坂本「ふむ……」


ゲルト「どうした新人! その程度ではすぐにネウロイに落とされるぞ!」

拙者「くっ…… 騎馬ならば負けぬで御座るが……!」

 急上昇、急反転。

 複雑な機動になんとかついていく拙者だったが、それももはや限界だった。
 急激なカーブを曲がりきれず、外側へと逸れていってしまう。

ミーナ「飛行能力については分かったわ、次は簡単な模擬戦を行ないます」

ゲルト「了解」

拙者「了解に御座る」

 バルクホルンが巨大な機関銃を背から抜く。もちろん銃弾はペイント弾である。
 拙者の方も種子島を構え、専用のペイント弾を装填した。ラムロッド(槊杖)で火薬と共に突き固める。

坂本「始めッ!」

 先に動いたのはバルクホルンだ。
 と言うより、拙者がベテランの初動について行けなかったのだ。バルクホルンが急上昇する。

 拙者は慌てて追おうとするが完全に彼女を見失った。
 ついキョロキョロと周囲を見渡してしまい――

拙者「下で御座るかっ!?」

 急上昇し、相手の頭上を飛び越えるようにして背後に回った後、気づかれないよう急降下、再び上昇を図ったのだ。
 拙者はそれを戦士の勘で察知する。

 銃口が光った。

拙者「ぬんっ!」

 眩いマズルフラッシュを視認する前に強引に体を曲げ、ストライカーを捻る。
 常人離れした反射神経で、空を引き裂くように飛来する弾丸を紙一重でかわす。

 体勢を崩した拙者の真横をバルクホルンが上昇しながら通り抜けていった。

ゲルト「やるじゃないか!」

拙者「次はこちらの番に御座る!」

 上昇するバルクホルンを追って隼が魔力を上昇力へと変換、追随する。

ゲルト「素人の銃弾など!」

拙者「素人では御座らん!」

 口火を切った。
 火縄が火皿へと押し付けられ、口薬へと点火、装薬を爆発させる。

 黒色火薬が燃焼し、膨張する燃焼ガスがライフリングさえ施されていない球体の弾丸を撃ち出した。

ゲルト「どこを狙っている!」

 バルクホルンが長年の勘で弾道を予測、回避機動へと入る。
 しかし、

ゲルト「何!?」

 急制動。
 眼前をペイント弾が通り抜けていく。

ゲルト「これは!?」

坂本「空気抵抗を受ける火縄銃の弾丸は、ライフリングの施された弾頭と違いまっすぐに飛ばないものだ。
    どうしても放物線を描くことになるのだが……!」

ミーナ「その軌道を読んでいたと言うの!?」


拙者「まだまだで御座るよ!」

 気づけば拙者は槊杖で筒内を清掃し終え、次弾を装填している。
 あり得ないほどの早業だ。

 第二射。
 ペイント弾が飛来する。

ゲルト「分かってしまえばこんなもの!」

 これをバルクホルンは悠々と回避。
 だがそれは拙者にとっても予測済み!

拙者「破ァァァァァァ!」

 未だ銃口赤熱する種子島を腰に戻した拙者が、二刀を引き抜き接近している!

バルクホルン「クッ!」

拙者「その首貰ったァ!」

 白刃二閃。
 白く輝く二本の軌道は数瞬前までバルクホルンの首が会った場所を寸分違わず通り抜けていた。

 冷や汗を垂らし、体を反らして回避したバルクホルンがそのまま逆立ちするように足を振り上げる。

 下から迫るストライカーによる蹴りを拙者は回避。
 上昇して、すかさず向けられていた銃口から退避する。

 ガリガリと残弾を喰らっていく機関銃をバルクホルンはフルオートで乱射、銃口で拙者を追うがそれは弾丸を浪費しているに過ぎない。
 それでもひたすらに弾幕で拙者を捉えようとする。

 そして遂に、飛行に不慣れな拙者は回避行動を誤るが――

拙者「ふんッ!」

バルクホルン「刀で銃弾を!?」

 弾いた。

 一発。
 二発。
 三発防いだところで甲高い音が響き、訓練刀が折れ跳ぶ。

 チャンスとばかりにバルクホルンは引き金を絞る。

 が、返ってくるのはカチリという引き金の軽い感触。
 ドラム弾倉の弾が切れたのだ。

拙者「好機!」

 拙者が背の木刀を引きぬく。

バルクホルン「やらせるか!」

 バルクホルンが焼け付いた銃身を魔法でカバーし、握る。


 海上で、肉厚の木刀と機関銃の銃床が交差した。


                 ◆


拙者「拙者ともあろうものが、おなごに二度も負けるとは……」

ゲルト「ストライカーの戦闘では、年季が違うのだよ」

ミーナ「そう威張らないの。拙者さんの木刀が真剣だったら、負けていたのは貴女かも知れないわよ?」

ゲルト「そ、そんなハズあるものか!」

 結局、バルクホルンの馬鹿力により木刀が砕け、種子島を引きぬく前に、その銃床を拙者は頭部に食らっていた。

坂本「訓練で直接打撃を当てる奴があるか! 全く……」

ゲルト「だ、だがな少佐!」

拙者「しかし坂本殿。拙者としては本気でお相手していただき嬉しく思うほどで御座る」

ゲルト「そうだ! これがカールスラント軍人の力だ! 参ったかフソウブシドー!」

ミーナ「はぁ、大人気ない…… ベテランのエースが新人に本気を出すなんて……」

ゲルト「むぐっ…… ま、まぁ少しくらいはお前の強さを認めてやってもいい」

拙者「有り難き幸せ。もしよろしければ先の空中機動、伝授しては下さらぬか?」

ゲルト「ほう、先人に教えを乞うとは中々見所のある新人じゃないか! いいだろう、もう一度飛ぶぞ拙者!」

拙者「是非もない! よろしければ師匠と呼ばせてくだされ!」


 再び飛び立つ二人をポカンとした顔でミーナは見送った。
 坂本がやれやれと肩を竦める。

坂本「宮藤達も、あれくらい訓練に熱心なら言うことは無いのだが……」


                                     つづく




589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/16(土) 21:50:33.73 ID:VPU5QFnX0
こんなんwww?
http://vippic.mine.nu/up/img/vp18196.jpg



593 名前:拙者で御座る[] 投稿日:2010/10/16(土) 22:02:28.98 ID:kaH94YWz0
さるってた。
ちょっとテンション上がっちゃったぜ。

589
それに髭生やした感じ……だったけどソッチの方が格好良いからそっちでいいや。
最終更新:2013年01月28日 01:10