概要
戦闘に至るまでの背景
クリートにとって首都奪還は悲願であった。そのため、十全な計画と戦力を整えた上で必勝の作戦としてこの戦いは開始された。
一方、
アークナインを占拠していた
ル・マンティスは、占領政策がうまく行かず、
聖地クーティへの遠征どころか、年月を追うごとに駐留軍の疲弊は慢性化していくばかりの状態だった。
そのため、
クリート軍の奪還作戦を事前に察知した本国からの大増援がなされたが、既存の駐屯軍と戦略面での折り合いがつかず、全軍での意思統一ができていなかった。
両軍の戦力
戦闘経緯
防衛に回った
ル・マンティスは、野戦を主張する駐留軍と市街戦を主張する増援部隊との折り合いがつかず、やむ得ず全軍を二つに割り、指揮系統も二つにするという策を採るが、結果的にはこれが最悪の選択となる。
クリート軍は主力部隊を野戦に回しながら、一部の精鋭部隊は
アークナインを攻め立て、内部に籠もった増援部隊が討って出るのを防いだ。
野外での戦闘は、数で勝る
クリート軍が分断各個撃破に成功する流れになり、
ル・マンティス軍は
アークナインへの撤退もできず苦しい戦いを強いられたが、この間も街内との連携はまったく取れなかった。
この一連の戦いで、
クリートの軍師見習い
アカーシャは、野外に展開した
ル・マンティス軍のいくつもの部隊を分断殲滅し、名を上げる。
この状況を見た
ル・マンティスのトレインは、自身の手勢を率いて撤退、これに習って他の部隊も逃げだそうとし、
ル・マンティス野外軍は総崩れになる。アカーシャは、主戦場が野外戦から攻城戦に移りつつあるなかで野外戦の掃討戦にかかり、さらに多くの
ル・マンティスの兵を屠った。
野外戦を制した
クリートは、かつての自国首都への攻城戦を仕掛ける。
迎え撃つ
ル・マンティス増援部隊だったが、
アークナインの防御は彼らの予想以上に荒廃していた。
クリート軍は、本来ならば防衛の要になるはずの城壁を簡単に攻略すると、内部から門を開けて
アークナインを丸裸にし、首都を盾に市街戦を繰り広げようとした
ル・マンティス軍の目論見はあっさり崩れた。
ル・マンティス軍は王宮まで撤退し、ここで激戦が繰り広げられるが、数が多く士気も高い
クリートの優勢は明らかだった。
この時点で
ル・マンティスは
アークナインからの撤退を決意する。
残存部隊の半数を足止めとして王宮に残し、残り半分で脱出路を切り開きながら
アークナイン放棄に移行、クリートはこれに対して王宮を奪還を優先させたが、
ル・マンティスに恨みを持ち、一人でも多く討ち取ることを臨む将兵も少なくなかったため、彼らの不満を抑え込むために王宮奪還は力押しとなり、凄惨な戦いとなった。
脱出部隊が安全圏に到達したと判断した後、
ル・マンティス軍足止め部隊は降伏するが、
クリートはこれを許さず、全滅させた。
王宮奪還後、追撃をかけた
アカーシャが、さらに
ル・マンティス側の犠牲を増やしている。
戦いの結末
激戦の末に
クリートが勝利を収め、首都を奪還する。
その後、
ル・マンティスの支配地域に組み入れられていた旧領土の回復にも乗り出し、
ル・マンティスは国境線を北に押し上げられる形で撤退するが、大規模な戦いだったがために各地に潜伏した者もいる。
彼らの中には野盗化、山賊化する者もいたが、あくまで故国
ル・マンティスのためにゲリラ戦を続ける者も多かった。
その他
ル・マンティス軍の意思統一できなかった理由は、今回戦いが終われば帰るだけの派遣軍と、その後もこの地に残らなければいけない駐留軍の間での認識の相異だったといわれている。
結果的に、
アークナインに詳しい
ル・マンティス駐留軍は、詳しいがゆえに野戦を臨み、詳しくない増援軍は、単純に堅実そうな防衛戦を選んだ。
さらに駐留軍が増援軍に
アークナインの守備能力が著しく低下していることを伝えなかったために、ちぐはぐな戦術となり必要以上の犠牲を出した。
一方、
クリート側も、中盤以降、勝ち戦の傲慢から戦略的勝利とは無関係な殲滅戦を執拗に行っており、無用な戦死者を出し続けている。
最終更新:2024年08月03日 20:39