概要

魔導器とは、精霊からの魔力をあらかじめ貯水池の様に蓄えておき、戦いがはじまると法術師に魔力を供給する器状の機械である。

戦場で使用すれば、法術隊は無限に術が放てる存在となる。
実際は魔道器の容量があるため、無限ではないが、ここに蓄積できた魔力は一日や二日で使いきれるものではなかったので、野戦においては無限と呼ばれていた。

ザールック1484年、リグライナ帝国とヴィッツ国におけるフィリアの戦いで実践投入されるが、このときヴィッツ国王ロルストーンは、魔導器のことを「過去の遺産」と呼んだ。
そのため、ヴィッツ国が作り出したものではなく発掘したものだと考えられるが、リグライナ帝国が鉄の鎧兵を発見した様に、ノヴァの遺産だった可能性がある。
しかし、この戦いで魔導器が破壊されたため、その後は歴史の表舞台に出ることはなかった。


デュアル・ムーン

しかし、ザールック3320年代になって、ポルスの部下が、魔導留学としてヴィッツ国に在籍していた頃、偶然古文書からその技術を入手。
魔導砲に魔導器の無限補給技術を応用した「デュアル・ムーン」という超巨大法術砲台を作り上げた。

魔導器は法術使いに魔力を提供したのに対して、この砲台は砲台そのものに通常では考えられないほどの魔力を結集させて、一撃で艦隊を吹き飛ばすレベルの攻撃を放つという破壊兵器であった。
当初は失われた技術のすべては復旧できず、実験は失敗が続き、実戦投入は不可能かと思われていたが、コルディアが別ルートから手に入れた法術を極限まで蓄積する技術の設計図によって、完成することとなる。
だが、アトレティア内乱によって砲台はガザデルーに奪われ、更にアーズ国の工作によってその矛先はガザデルー艦隊に向けられた後、自爆した。
そのため、一瞬だけ復旧した魔導器の技術は、再び後世に残ることはなく消滅した。


関連項目



最終更新:2024年06月29日 14:30