概要

ティルの戦いとは、ラドリザン1257年、6周期に行われた戦いであり、ラグライナ帝国がルディセリーナという二人の姉妹で真っ二つに割れた帝国内乱戦争において、最初に武力衝突した戦いである。


戦闘に至るまでの背景


セルレディカの崩御に端を発した帝国内乱戦争は、最初は静かな立ち上がりからはじまることとなる。
ルディ率いる神聖帝国クレアムーンと停戦、セリーナ率いるラグライナ帝国はガルデス共和国と停戦し、互いに後方の脅威をなくすと、正面の相手に専念する体勢を作った。

だが、セルレディカの旗の下、共に戦った仲間達が突然敵となったこともあり、彼らはなかなか最初の矛を交えることができず、にらみ合い状態が続いていた。
それは、一見するとこの地に平和が訪れたのではないかと錯覚する静かな日々であったが、それらが全て嵐の前の静けさに過ぎなかったことは明白であった。

最初に動きを見せたのは神聖帝国であった。
ルディの意向とは全く関係なく、ただ恩賞だけが目当てで加勢した将軍は数多く存在するが、その中の一人が、ドルムウントティルの境界線にある小さな村で略奪行為を行った。
それを知ったラグライナ帝国国境部隊は、村人を保護して神聖帝国の略奪を発言させれば、それまで聖女として崇められていたルディの名を地に落とすことができると、部隊を率いて出陣した。
だが、神聖帝国においても、この略奪部隊を看過することはできず、ユウラビーが部隊を率いて出陣する。

神聖帝国軍は、略奪を行っていた部隊を駆逐するが、既に接近してきたラグライナ帝国軍との戦いは避けれず、両軍はティル高地にて布陣する。
投入された兵力は少なく、本来なら語られることもない「国境の小競り合い」で終わる筈の戦いであったが、この戦いが帝国内乱戦争最初の武力衝突ということもあり、後世に語られる戦いの幕開けとなった。

なお、現在ではこの略奪部隊というのは、実はレオルバの自作自演だったのではという説が有力視されている。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ラグライナ帝国軍
軍勢
神聖帝国
総兵力不明 兵力 総兵力不明
レオルバ 総指揮 ラビー
軍師 ユウ
主要参戦者

レオルバ





ラビー

ユウ





戦闘経緯


両軍は、ティル高地にて布陣、ユウは、少数の兵ながらも見事な「霧雨の陣」の陣形を展開した。だがこれは、相手より多い兵力をもってこそ真価を発揮する陣形であり、数ではラグライナ帝国軍が勝っていた。
それをみたレオルバは突撃を命じるが、ユウの号令が下されると、敵軍の到着の寸前に「砂塵の陣」に布陣が変更される。

この戦法は、かつてベルンハルト将軍が得意としていたものだが、ユウがそれを知って行ったのか、偶然だったのかは判明されていない。
敵陣をラビーが駆け抜け、ラグライナ帝国軍は半壊、レオルバも戦死し、撤退することとなる。


戦いの結末

元々、無人の高地であるティルは占拠する意味もなく、神聖帝国軍も撤退を開始する。
戦略的に意味のない戦いではあったが、この衝突を待ち構えていた者が一人だけ存在した。
ラグライナ帝国皇帝セリーナである。
彼女は、「神聖帝国が先に仕掛けてきた、ルディは口で友愛を説きながら、その本心は武力による侵略だ」と触れ回り、一気に神聖帝国への進軍を開始、これ以後、両軍はルーンハルバートで幾度となく小規模な戦いを繰り返した。

また、将軍を退官して故郷に戻って馬医者を営んでいたアリサにも、行商人よりこの戦いのことが伝わり、彼女は神聖帝国に参加するためルディの元にはせ参じる事となる。


最終更新:2024年08月19日 22:15