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名も無い乱立
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名も無い乱立

とい箱_人形

最終更新:

aa-ranritsu

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だれでも歓迎! 編集

人形

ゲーム内プロフ

- プロフ絵

人形は、歩き出す。
羽一枚を、揺らしながら。

▼🍰基本情報🍰
  • 人形である。有機生命体ではない。
  • 大きさは60くらい。
  • 背中には一枚の羽飾りと、ネジ巻きのネジが括られている。
  • なお、名前は無い。

+ ▶🍞応用情報🍞
▼🍞応用情報🍞
  • ネジ巻きのネジは可変形状で、自在。
  • 他人にネジ巻きを求めるかも知れない。
  • 世間を知らないので、あまり人当たりはよろしくない。
  • 悪辣というよりは、世を知らないだけではある。はず。

+ ▶🍪補填情報🍪
▼🍪補填情報🍪
なんか良い感じにお願いします。

+ ▶🍙記録目録🍙
▼🍙記録目録🍙
  • 記録01_空の下
  • 記録02_鳴き声
  • 記録03_重い窓
  • 記録04_黒い鎖
  • 記録05_羽搏き
  • 記録06_広い空
  • 記録07_山吹色
  • 記録08_その時
  • 記録09_


解説

戯れに弄ばれた魂。
宿す自律人形(オートマタ)。

自律人形

+ 展開
自律人形にも色々種類があるが、これは禁忌とされる人間の魂を封じたもの。
要は、人間から生身の身体を取っ払って、作り物の身体に交換した様なもの。

実験/観察

+ 展開
この人形を作りだしたこと自体が実験であり、そしてその経過観察。
禁忌であるが故、臨床例は極めて少なく、データとしては全て希少。
ただ、それに価値を見出すかは、観測者次第。

+ 展開
そのものは、ただ邪魔であったから、彼らを殺した。
彼らの中に、その身に生命を宿した女が居た。

嗚呼、じゃあ、折角だから使おうか。

ただのついで。
それが必要だからそうしたのでは無くて。
使えるものが目の前に転がって居たから、使っただけ。
そのものに取っては、その程度の話だった。

ネジ巻き

+ 展開
ネジを巻かないと動けない、様に見えているが、実はネジは稼働限界を定義するもので、"ネジを巻くから止まる"が正しい。
巻く者に、"何時まで動くのか"を定義させている。

ネジはある種のセーフティになっている。
赤子の魂を詰めているため、稼働すればするだけ、魂が変容、あるいは成長と言っても良いのだが、そうなる。
すると、詰められた器がそれに耐えられなくなって、いずれ破損する。
魂を留め置けなくなるので、詰まりは死である。
稼働時間を短く抑えるためのネジ。

羽根

+ 展開
無意識に、羽根に保存の魔法をかけている。
それが作用し、自身の魂の変容を抑えることにもなって、稼働時間が伸びている様。
限界はあれど、トイランブルの世界で途切れず動き続けられたのは、それが一因。

補間

周辺事情

+ 展開
昔、なんかのなんかで、二時間しか動けないキャラとかいんじゃね、みたいなので作ったのが元。
まあその、具体的に言うとシマナガサレみたいなゲームでなら、一日二時間しか動けなくても成立すんじゃねーかな、的な。
結局そういう使い方はしなかったんですが、暫くの長い期間、案だけキャラとして煮詰まってるうちに、今のかたちになった様な気がする。

因みに、魂は親友とその婚約者の子供として産まれるはずだったもの。

キメラのカイ関係は、人形が冒険をする理由付けとして考えました。
台詞回しが大体日記とリンクしてるので、まあまあ完成したキャラだった様にも思います。
あの羽根の先端側が赤いのは、血の跡です。
普通の二人称があなたなのに対して、カイにだけおまえなので、唯一の距離感なんだと思います。
自分で日記書いてるとき泣いてた。(馬鹿)

元ネタ

+ 展開
別に元ネタでは無いんですが、水属性なのは某ゲームのハイドロボムという戦術が元です。
ハイドロボムのテーマソングがあるんですが、儚く散る感じが、こう。

台詞集

+ 展開
  • 戦闘開始時
これも冒険なのだわ?
あなた達、あれを如何にかするの。
上手くやれば良いのだわ。あなた達が。
  • 勝利時
冒険を続けるのだわ。
あなた達、次はもっと上手にやると良いのだわ。
さあ、次に進むのだわ。冒険はこれからなのだもの。
  • 敗北時
先に進めないのだけれど。
引き返すのだわ?
あなた達には、なにかが足りないのかも知れないのだわ。
  • 戦闘離脱時
………。
  • 通常行動時
えい。
それ。
やあ。
  • 敵撃破時
動かなくなったのだわ。
あなたの冒険は、お終いなのだわ?
そう。あなたは、ここまでなのね。
あなたは、連れて行けないわ。
  • 攻撃回避時
…?
避けた方が良いのだわ?
届いていないのだわ。
近くを通って行ったのだわ。
なんだったのだわ?
  • 回復された時
修理なのだわ?
回復、なのだわ?
まだ冒険を続けられるのだわ。
まだ動くのだわ。
動けるのなら、動ける限り歩き続けるのだわ。
  • Sスキル
押し流すのだわ。
水は空に舞って、散るのだわ。
流れて、奔って、舞って。散るのだわ。

日記log

+ 記録01_空の下

記録01_空の下

―― Time Code : 01306028g

人形は、立ち上がる。
見上げた空は、遠く。

「――冒険を、するのだわ。」

きっと、空が遠いから。
その足で、歩き出す。

「私は、まだ動けるのだもの。」

その身体が、動く限り。
山吹く様に、染まる空の下。

+ 記録02_鳴き声

記録02_鳴き声

―― Time Code : 00401081a

薄暗い部屋。
いやに明瞭に、言葉の音が届く。

言葉には、いや果たして、真実が含まれるか否か。
それを知る術は、ある筈も無いけれど。
ただ、確信がある。
嘘も、真実で無い事も、含んで居たとしても。
其処に、意味が無いという事だけは、無いのだと。

だって、きっと。
意味が無ければ、その言葉も、その音も、決して。
形を為す事すら無いのだと、薄笑いの表情が語る。


私は人形。

実験でもある。観察でもある。

私の時間は、二時間。

気紛れに巻かれるねじは、必要なもの。

薄暗い部屋は、無価値の物置(ガラクタ置き場)。


観察の、二時間が過ぎる頃。
暗闇に扉が閉まり、ねじが途切れて、静寂。
そうするとしか知らないから、身を任せて瞳を閉じる。
部屋の何処かから、か細い鳴き声が寄り添った。

+ 記録03_重い窓

記録03_重い窓

―― Time Code : 00801109b

その機会(じかん)を、数えては居ない。
ただその興味は、私にでは無く、私の経過であるから、実験であり、観察である。
だから、それは数える程であり、数えぬ程であるのだろう。

また、扉が閉まる。
私は、今日も静寂に、身を任せる。

いや。
まだ二時間は、経って居ないのだと、背中のねじが語る様で。
だったら、私の時間は、未だ終わって居ない。

暗闇を、歩く。
手探りに、壁。
積み上げられたものを、よじ登って。
重い窓の戸を、蹴る。

数度、この身体の重さをぶつけると、隙間から途切れぬ程度の光が差す。
僅かばかりに、晴れた闇。
下りた床を、進む。
何時も聞こえた、あの鳴き声のところに。

そして。
ガラクタの迷路の先に、鉄格子。
歪な、歪な、継ぎ合わされた様な、その姿。

――おまえなのね。

何時も聞こえた鳴き声が、静寂だけを否定した。

+ 記録04_黒い鎖

記録04_黒い鎖

―― Time Code : 01304330c

薄笑いは、告げる。
実験は、観察は、終わりなのだと。
僅かばかりの興味は、僅かばかりの成果に、尽きた。

もう用は無い、と。
私に、このガラクタ置き場に告げて。
扉が閉まる。

知っている。
扉を開く事は、もう二度と無いのだと。

だけれど。
私のねじは、未だ。

何時もの様に。
よじ登った先の窓から、光を蹴り開けて。
鉄格子の前に、歩く。

細い鳴き声は、もしかしたら、自分の、いや、私達の状況を、理解している。
隙間から、その領域に入り込み、繋がれた黒い鎖を蹴る。
幾度も、幾度も、金属の音がする。
だけれど。
人形程度の重さに、鉄枷はその役割を放棄しない。

細い鳴き声は、しかしその言わんとすることを、私は無視する。
一瞥程度、また鎖を蹴る。
鳴き声と、鉄の音が、何度混じるか。

不意に、視界が回る。
暗い床に、倒れる。

嗚呼、そう。
私のねじは、尽きたか。

鳴き声が、窺うけれど。
答えることも無く、闇に身を任せる。
そうすることしか、出来ないから。






― ― ―


― ―








聞こえる。

聞こえる。

きりきりと。
きりきりと、ねじが巻かれる。
その歪な身体で、小器用に。
私のねじを、巻いている。
足元に、鉄枷の残骸を散らばらせて。

――やれば出来るのだわ、おまえも。

細い鳴き声は、私の言葉を肯定した。

+ 記録05_羽搏き

記録05_羽搏き

―― Time Code : 01304511d

その歪な身体は、少なくとも人形の何倍以上も、重さはある。
扉をこじ開けるにも、足りる程に。
数枚を、開いた先。
其処には、空があった。

窓の隙間は、ただの光だった。
初めて見る、空は広がっていた。
少しだけ、そのまま、泳ぐ雲を仰いでいた。

細い鳴き声が、私の袖を引く。
これから、如何するのかと。
私は、私達は、あの暗闇しか知らないのだから。

でも、だったら。
この空は、私達の知らない世界だ。

――飛ぶのだわ。

何処までも広がる空を。
何処にも行けなかった私達は。

――おまえには、翼があるのだわ。

歪な、歪な、その翼は、左右で形も、数も違う。
だけれど、それは、そのためにある。
細い鳴き声は、戸惑い。
けれどきっと、知っている。
空の飛び方を、知っている。

蠢く様に、身体を、翼を、捩り。
漸く、羽搏きの動きを為す。
見ていた私を、持ち上げて、背に。
それが、当然かの様に。

そして、助走の様な数歩。
私達は、空を。

+ 記録06_広い空

記録06_広い空

―― Time Code : 01305001e

空。
風。
雲。

見下ろす地も、全ては流れ、途切れもせず。
嗚呼、これが、空なのだと。
飛ぶことが出来るものだけが、知る。

風に、人形の身が飛ばされぬ様に、しかとその身体を掴む。
それほどに、流れは速いけれど。
でも、私を振り落とすことなど無いと、羽搏きが語る。

何処までも続く広い空を、何処までも高く飛んで行ける様で。
きっと、そう呼ぶのだと。

――これが、冒険なのだわ。

私達は、あの暗闇を抜けて、今。
この空(せかい)を、冒険している。

風切りに遮られること無く、細い鳴き声が応える。
今、私達は、同じものを見て、同じものを感じていて。
同じ事を、思っている。

空も、風も、雲も。
今、この時は、私の、私達の世界だ。

+ 記録07_山吹色

記録07_山吹色

―― Time Code : 01305037f

歪な、歪な、その身体を。
今は地に、横たえている。
音は掠れて、鳴き声に成らない。

私は、私達は、知っていた。
時間は幾何も、残って居ないのだと。
だから、飛んだのだ。
この空を、飛んだのだ。

――おまえに、言うことがあるのだわ。

瞳だけを動かし、その続きを待つ。

人形の身を、伏した身体に任せて。
人形には無い、鼓動と熱に触れる。

――カイ、と呼ぶのだわ。

安易と笑うだろうか。
名無しの人形は、名無しの怪物(キメラ)に、そう名付けた。

脈打つ音は、緩やかに。
細い、細い、鳴き声が、その名に応える。

――カイ。おまえは、飛んだのだわ。
  おまえは空を、冒険したのだわ。
  私と、一緒に。

何時しか辺りは暮れかけて、染まる。
細い、細い、歪な声は。
山吹色の空に、静寂を肯定した。

+ 記録08_その時

記録08_その時

―― Time Code : 01306029h

人形は、ひとり立ち上がる。
見上げた空は、既に遠く。

「――冒険を、するのだわ。」

触れたままの歪な身体に、告げたものか。
いやそれは、己自身に、告げたものか。

「私は、まだ動けるのだもの。」

その身体が、動く限り、そうするのだと。
山吹く様に、染まる空の下。

「おまえも、連れて行くわ。」

歪な、歪な、翼から。
羽根一枚だけを、その身に括り。

きっと、空が遠いから。
その足で、歩き出す。

冒険が終わる、その時まで。

+ 記録09_

記録09_

―― Time Code : i

歩き、歩いて、歩いた、果て。
時は終わって、歩みは止まる。
それはきっと、冒険の終わり。

見知らぬ道を、歩き続けて。
見知らぬ空に、見下ろされて。
伏した地からは、見上げることも出来ないまま。
ゆっくりと、終わる。

後悔は、無かった。
渇望も、無かった。
人形にとっては、この冒険が。
この冒険だけが、自分達の存在の証だったから。
だから、その終わりを、静かに受け入れる。

ゆっくりと、静寂とひとつになる。






― ― ―


― ―








歩いていた。
何時か歩いた、その道を。
それは、思い出と呼べる程のものでも無い。
過去となった人達の、記憶。

道すがらに、それを見る。
地に転がる、それを。
何をやと、近付き、拾い上げる。

「――…ベラ?」

己が口から洩れた言葉に、驚く。
その名を声にしたのは、一体何時以来であったか。
そして、その名を発した事自体に、困惑していた。

「…人形、か。」

山吹の服に包まれたそれは、瞳を閉じたまま。
けれどそれが、自律人形(オートマタ)であることを、理解する。
お誂え向きに、その鍵たるネジ巻きも添えられている。

だが、勿論の事。
道に落ちていた、正体のわからないものを起動するなど、在り得ない。
その程度の用心は、持っていた。
いや、その用心こそが、自身を生き永らえさせていた。

だが、不可解にも。
それを動かすべきだと、そう感じていた。
何か、理由を見繕うならば。

「君は、好奇心の塊の様なひとだったね、イザベラ。」

きっと、漏れ出たその名前(かこ)なのだろう。

きりきりと。
きりきりと、ねじが巻かれる。
やがて山吹の人形は、その瞳を開く。
開かれるのは、何時以来か。
細い、細い、幼い声で。
ネジ撒く腕から、その顔を見上げながら。

「――…似合わないのだわ。」

困った様に。
或いは、何処か嬉しそうに。
男は、被った帽子に、手を掛けた。

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