あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第5回トーナメント 第1回戦 第1試合
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aioricharabattle
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第5回トーナメント 第1回戦 第1試合
《紫電改・サンダーボルト・田中 VS 落宮スズキ》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング――
観客の歓声が天井を突き破るように響く中、第一試合のアナウンスが鳴り響いた。
「第一試合――開始ッ!!」
一際強く照らされたリングの中央に、銀髪碧眼の青年が立つ。その周囲には微かな静電気が弾け、空気がピリついていた。
「…さて、久々に荒れるぜ。」
ぼそりと呟く紫電改。その体からは雷がパチパチと炸裂しており、彼の能力の強大さを演出している。
その視線の先、リングの隅でスズキがスコップを抱えて震えている。本当に戦いに来た戦士かと疑うほどの怯えようだ。
「う、うわあああああああああっ!!」
突如としてスズキが半狂乱で走り出す。自身と相手の圧倒的な力の差を理解し、立ち向かうことすらままならないほどに錯乱しているのだ。
「チッ、こんなのが相手なんてな…さっさと終わらせるぞ。」
彼はスズキを戦いにすらならない弱者と判断し、早速勝負を終わらせにかかる。
「電装斬雷(サクイカヅチ)!」
彼がそう叫ぶと、その手元にはプラズマで出来た剣を生成された。
硬い金属すらも容易く切り裂くその刃は、人間一人を切り刻むには十分すぎるほどの武器と言えるだろう。
硬い金属すらも容易く切り裂くその刃は、人間一人を切り刻むには十分すぎるほどの武器と言えるだろう。
「お前に恨みはないが、戦いは戦いなんでな。」
紫電改は地面を踏み込み、稲妻のような速度でスズキに斬りかかる。
「ひぃぃぃぃ!!」
命の危機に瀕したスズキであるが、怯えてしまって逃げることすらできない。ただ、プラズマの刃が振り下ろされる様子を叫んで見ているだけだ。
バチバチッ!!
誰もが思っていた通り、剣がスズキの体を一刀両断した。
………かに思われたが。
バコォンッ!
大音量と共に、先ほどまでは何もなかったはずの場所に落とし穴が開いた。
「……は?」
何が起こったのかわからない様子の紫電改。それもそのはず、これこそがスズキの能力「落とし穴を作る能力」なのだ。
この能力はスズキが危機的状況に陥った瞬間に落とし穴を作ることができ、その発生頻度は彼がピンチであればあるほど跳ね上がっていく。
この能力はスズキが危機的状況に陥った瞬間に落とし穴を作ることができ、その発生頻度は彼がピンチであればあるほど跳ね上がっていく。
ドゴッ!
突然の落とし穴に対応できないまま尻もちを搗く紫電改。彼の頭の中には様々な情報が瞬時に流れていき、この状況の解析をしようと躍起になっている。
「……なるほどな。本人の意思とは別に発動するタイプか…」
彼は今までの戦闘経験からなんとなく相手の能力を予想する。自分の実力に驕ることなく、相手の分析も欠かさない。これが彼の強さの一つだ。
「なら、落とし穴が作られるよりも早くあいつを倒せばいいだけだ。」
………一方その頃、地上のスズキは落とし穴の近くに立っていた。先ほどまでは見ていて可哀そうなほどに怯えていた彼だが、今のその姿からは怯えは感じられない。
「……もしかしてこれで倒せた?」
そんな淡い夢が刹那に脳裏に走る。あのような強そうな相手に限ってそれはありえないと思っているが、まさかのまさかを期待して落とし穴を覗いてみると……
「よう、待たせたな。」
……案の定、紫電改は倒せてはいなかった。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
驚いて逃げ出すスズキ。その逃げ足はまるで雷の様であり、紫電改であってもあそこまでの速度を出せるかは疑問になるほどだ
「どうやらお前も油断ならない相手みたいだからな。真面目にやらせてもらうぜ。」
紫電改は片手を上げ、その腕に雷を纏わせてから軽く指を弾いた。
バリバリッ
彼の背後に雷光が走る。彼の特殊能力「電装八雷(ヤクサノイカヅチ)」が発動したのだ。
「電装豪雷(オオイカヅチ)!」
天井近くに張り巡らされたリングの結界の内側、雷雲が瞬時に生成され、スズキの進行方向に向けて次々と雷撃が落ちる。
ドゴンッ!ドゴンッ!
まるで神話上の戦争のような状況の中、とにかく命だけは助かるべく這うように逃げ回るスズキ。その姿に戦士としての誇りというものは何一つとして感じられない。
「なんなんだよこの攻撃!!死ぬ!絶対死ぬ!」
なんとか雷を回避していくスズキだが、ついに一つの雷がスズキ目掛けて一直線に落ちてくる。
ドゴンッ!!
「うわぁぁぁぁ!」
しかし、その瞬間、スズキの足元が崩れたことで彼は一直線に落とし穴に落ちていく。これも彼の運と能力によってなせる技の一つ。落とし穴は攻撃だけではない。時には回避にも流用することができるのだ。
「俺の電装豪雷を避けきるとはな。褒めてやるよ。」
まだまだ余裕といった様子の紫電改。対するスズキはなんとか穴から這い上がって来たものの、かなりグロッキーな様子だ。自分が幸運だという自覚がない彼にとって、この状況は生き地獄となんら変わりない。
「なんでこんな馬鹿みたいに強い奴と戦わないといけないんだよぉぉぉぉ!!」
……だが、その叫びと共に何もない場所に次々と小さな穴が現れ始める。その頻度は目に見えて増しており、彼の恐怖が限界に達しつつある証拠だった。
「こいつ……ほっとくとかなり不味そうだな。」
スズキという厄介な相手を確実に倒すために、紫電改は一歩、また一歩と近づいていく。
その意識は常に落とし穴に向けられており、今の状態の彼を通常の落とし穴で捉えることは不可能だろう。
「これで終わりだ!電装爆雷(ナルイカヅチ)!!!」
一瞬の閃光と共に、一つの雷の球が一直線にスズキの元へ飛んでいく。この雷球は彼の能力である電装砲雷(タケミカヅチ)を一点に収束させて生み出した特殊な球であり、炸裂すれば辺り一帯を消し飛ばすだけのパワーを秘めている。
「弾けろ!」
彼の合図と共に圧縮された雷が一気に爆発する。
ガオンッ!!
……だがその瞬間、今度は重力すら吸い込むような暗黒の渦――ブラックホールが出現した。
その穴は完全なる黒に染まっており、底が見えないほどの永遠を内包していることが見て取れる。
その穴は完全なる黒に染まっており、底が見えないほどの永遠を内包していることが見て取れる。
ブオッ!
紫電改の雷球があっという間に吸い込まれる。まるでそれこそが自然の摂理だとでも言うかのように。
このような脅威を前にして、紫電改の心が急激に動揺する。
(クソッ!いつもならあいつが何か奥の手を隠していることは想定できていたはずだ!一体何故…!)
そう、紫電改本人は気づいてはいなかったが、いつの間にか思考にも穴を開けられていたのだ。空けられる穴は物理的なものだけとは限らない。これこそがスズキの能力の真に恐ろしいところ。
「こうなったらやるしかない!電装盾雷(ツチイカヅチ)!!」
紫電改は咄嗟に後退し、この後起こる何かから身を護るべく電磁バリアを展開する。
ブォォォン!!
……その直後、先ほどとは真逆の究極的な光を内包したホワイトホールが爆発的に口を開き、吸い込んだ雷球を倍化して射出した。
ゴギャァァァァァン!!!!
倍化された雷球は紫電改の予想を遥かに超える規模の爆発を起こす。
「ぐあぁぁ!!」
炸裂した雷は鉄壁の守りを誇るはずの電装盾雷すらも簡単に破壊してしまい、紫電改の体を襲った。
………雷によって発生した黒煙が晴れると、そこにはボロボロになった紫電改が残っていた。
「はぁ…はぁ…中々痛ぇじゃねぇか…」
かなりの大ダメージを受けている様子だが、それでも目の輝きは損なわれていない。まだまだ勝利を諦めてはいないのだ。
「電装極雷(ナルカミ)!!!」
彼の姿が雷光と化し、リング全体を駆け巡る。もはや肉眼では捉えられず、観客の誰もが息を呑む。その移動は閃光と等しく、紫電改は分身のように何度も現れては消え、雷音と閃光だけがリングを走る。
「さんざんおちょくってくれたがなぁ…これで……終わりだ!!」
ビリビリビリッ!!!
「うわあああああああああああっ!!」
スズキの全身にとてつもない威力の雷が行きわたる。いくら逃げの達人とはいえ、所詮はただの人間。雷の力を前にしてはどうしようもない。
ズボッ!
スズキの足元にまたしても落とし穴が開き、彼を地面に落として助けようとするが、肝心のスズキの体は紫電改にがっちりと掴まれている。もはや落とし穴ではどうしようもない。
「もう逃がさねえよ。電装爆雷(ナルイカヅチ)!!」
轟音とともに落とし穴ごと爆裂し、スズキの悲鳴が響き渡る。雷撃と衝撃波はリングの床を割り、土煙が天井まで巻き上がる。
「……生きてるよな、あいつ。まっ、一応手加減したし大丈夫だろ。」
『勝者――紫電改!!』