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  • 宴の始末

宴の始末

最終更新:2023年07月20日 16:36

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だれでも歓迎! 編集

宴の始末 ◆Wf0eUCE.vg



 また会ったな。

 それとも、お前とは初めましてだったか?

 まあいい。

 なに? またお前かだと?

 その中には俺であって俺でないのも含まれているんだがな。まあいい。

 今回俺がお前らに話しかけた理由は、ちょっとした後始末のためだ。

 語られることのなかった世界の顛末が気になるのだろう?

 それを一部だけだが見せてやる。

 ………もっとも、同じ世界のやつらでも別の多次元宇宙より連れてこられたやつもいて、その辺は少々複雑なのだがな、まあいい。

 なに? 少し便利に使われ過ぎだと?

 放っておけ。

 だが最初に言っておくが、あくまで覗き見るだけだ。

 干渉しに行くわけでも救いに行くわけでもないということを肝に銘じておけ。

 はっきり言って干渉することは容易いが、俺はなるべく物語には関わらないことにしているんだ。

 俺は力を使うことに特に制約があるわけでもないし自分で力を制限をしているわけでもない。

 だが、驕るつもりではないが、俺はある程度のことができる力がある。

 そんな存在が勝負を決めてしまっては、物語がつまらんだろう?

 まあ、成り行き上で世界の一つや二つ救ってしまうこともあるかもしれんが、それくらいは仕方ない。

 とにかく俺はファミリー以外のために力を奮うつもりはない、今のところはな。

 さて、まずはどの世界について知りたい?

 そうだな……まずヴァッシュ・ザ・スタンピード。彼のいた世界について覗いてみることにしよう。

 ニコラス・D・ウルフウッドは今回の件にかかわらず死亡しているので彼の死に対する影響は存在しないな。

 ミリオンズ・ナイヴズとレガート・ブルーサマーズ、そして殺人集団GUNG-HO-GUNSの脅威は消え去っているようだ。

 こいつらがどこで何をしていたかなど、この俺は知らないがな。



【Epilogue:TRIGUN】

 あの人がすべてに決着をつけに行って早三ヶ月。
 未だあの人は戻ってこない。
 不思議と敗れたのだとは思わなかった。
 ただ、いつまでたっても戻ってこない。
 どこでなにをしているのか。
 どこかふと立ち寄った場所でまたイザコザに巻き込まれているのだろうか。
 どこかまた遠い場所で高らかに『地には平和をそして愛しみを(ラブアンドピース)』を謡っているのだろうか。
 どっちも簡単に想像がつくし、おそらくはそうなんだろう。
 そんな人だから。

「こっちから探しだすしかありませんわよね!
 それに、よくよく考えたら、待ってるだけなんて私の性に合いませんわ!」
「吹っ切れましたね先輩!」

 笑いながらサイドカー付きバイクに乗ったメリル・ストライフとミリィ・トンプソンは砂埃を上げながら砂漠の中心を切り裂くようにひた走る。

 砂だらけの荒涼たる大地が広がる砂漠の惑星ノーマンズランド。
 この星の人間はいつまでも折れてるほどヤワじゃない。

 ■

「バナナサンデー」
「ガトーミルフィーユとセイロンティをセットで」

 何はともあれ情報収集の基本が酒場にあることは古今東西の常識である。
 砂漠の一角にある小さな町にたどり着いた保険屋コンビは、開口一番酒場のマスターに向けてそう告げた。
 荒くれ者の集まる酒場であまりに似つかわしくない注文にマスターは一瞬で呆れたような表情をしたものの、すぐさま平常心を取り戻し黙々と注文を受け付けた。プロである。

「で、あんたら見ない顔だが、この辺のもんじゃないな」

 数分後。領収書と共に注文したバナナサンデーとガトーミルフィーユとセイロンティのセットをメリルたちのテーブルに置きながら、酒場のマスターがそう問いかけてきた。

「ええ、実は私たち人を探していますの」
「人探しねぇ。ま。ここは小さい町だからあんたらみたいによそ者が来ればだいたい耳に入ってくるが。
 それで、あんたらの探し人ってのはどんな奴だい?」
「えっとですね、」

 探し人の特徴をメリルが告げようとしたその瞬間。
 突然にボカーンという爆発音が鳴り響いた。
 何事かと酒場にいた全員が音源の方に視線を向けると、バキバキと酒場の壁を突き破って冗談みたいな大男が現れた。

「ゔあ゙ああ゙ぁ゙あ゙、オデはもうおじめいだぁああ!!!」

 そして、わけのわからない奇声あげてマシンガンを乱射する大男。
 安っぽい末場の酒場はあっという間にこじゃれたオープンカフェに変化した。
 逃げ惑う酒場の客。
 大男を取り囲むように現れる憲兵。
 大男の手にしたバズーカーからチュドーンと発射されるミサイル。
 ぶっ飛ばされる憲兵たち。

「…………ははっ」

 そんな光景を見て、不謹慎ながら笑いが漏れた。
 ドタバタでゴチャゴチャでイザコザ。
 あぁ、なんて懐かしい、いつも通りのメチャクチャな日々。

 砂だらけの惑星ノーマンズランド。
 この惑星では何でも起きる。
 いちいち折れてたら、この星では生きてなんていけないのだ。


――――はるか遠く――――


「行きますわよ。ミリィ」
「はい、先輩!」

 メリルは懐から取り出したデリンジャーを構えると、盾代わりにしていたテーブルの蔭から飛び出し大男に向かって駆けだした。
 ミリィも袖口から大口径のスタンガンを取り出しそれに続いた。


――――はるか時の彼方――――


「ねえ先輩」

 後方から聞こえる後輩の声にメリルは足を止めず振り返る。


――――まだ見ぬ 遠き場所で――――


「なんですのミリィ?」
「なんだかこうしてると私たち、あの人みたいじゃありませんか?」

 ニコニコ顔で告げられた言葉にメリルはふと考える。
 なんの利益もないのに、自ら進んで争いの渦中に飛び込んでいく。
 ああ、確かに言われてみればその通りだ。


――――唄い続けられる――――


「バカな事を言ってないでさっさとあの大男を黙らせますわよ」
「はい!」

 崩れた天井から照りつける太陽。
 どこまでも広がる青空の下、砂と瓦礫だらけの大地の上を走る。



――――同じ人類の歌――――



 彼らが愛したタフで優しい日々は、終わらない。



 ■


 ねぇ、ヴァッシュさん。

 私、あなたにお伝えしたいことが沢山ありますの。

 お話したいことが沢山。沢山。

 だからきっと。

 また、いつか――――


【Epilogue:TRIGUN 完】


 ■

 まったく、たくましいことだな。

 とはいえ、ヴァッシュ・ザ・スタンピードが消えた影響は大きいようだ。

 なに? 平和になったんだからいいんじゃないか、だと?

 ……何気にひどいやつだなお前。

 まあいい。一時的な脅威が消え去っただけで争いがなくなった訳じゃないんだがな、まあそれもいいだろう。

 それに、その平和はあくまで人間目線の話だろ?

 この星に生きるのは人間だけじゃない。

 そう、この星のエネルギー源たるプラントだ。

 その架け橋たるヴァッシュ・ザ・スタンピードが消えてしまった以上、このままではプラントたちは食い潰される運命だろうな。

 今後この星がどうなるのかだと?

 知るか。そんな事は自分で考えろ。

 不親切だと。甘えるな。

 言っただろ。これは宴の始末だと。

 俺が見せるのは今回の宴が影響した世界だけだ。

 新たな資源を見つけたところで、それで発展を遂げるのか、奪い合い争うのかはあの星に生きる者たち次第だろう。

 その辺はまた別の物語だ。

 さて次は何処にするか。

 そうだな、衛宮士郎あたりのいた世界にしてみるか。

 彼らはバラバラの平行世界から連れてこられているようだな。

 さて、それでは誰のいた世界にするか。

 言峰綺礼は元からどの平行世界を探そうとも第五次聖杯戦争を生き残る可能性が皆無だった人間だ、彼の死に対する影響は微細だろう。

 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと間桐慎二も生存率は全体を通しても1/3といったところか。

 ランサーやギルガメッシュなどのサーヴァントたちも、聖杯戦争の特性上生存率は低い。

 衛宮士郎に至っては生き残るほうが稀有だ。

 ……となると何処を見てもあまり変わらんな。

 まあいい。

 次だ。

 そうだな、それじゃあ相羽兄弟がいた世界なんてのはどうだ?

 たしかにラダム側も尖兵たるテッカマンエビル――あぁテッカマンランスもいたか――を失ったが所詮は一兵にすぎん。

 それに対して人類側は侵略者ラダムに対抗できる唯一の存在テッカマンブレードが失われた。

 この差は致命的なまでに大きいだろう。

 都合のいい救世主など現れるはずもない。

 ある意味、今回の件で一番危機的状況にさらされた世界なのかも知れんな。

 どうなったのか、気になるか?

 まあいい。見ればわかる。


【Epilogue:Tech a Man Blade】

 宙をかける二体の機人。
 ラダム獣出現の報告を受け、その殲滅のため現場へと出撃しているそれは、テッカマンブレードのデータをもとに連合地球軍が完成させた対ラダム用強化宇宙服。
 科学で造られた鋼鉄のテッカマン、ソルテッカマンである。

「しかし、Dボゥイのやつはどこに行ったのかねぇ。
 まさか逃げちまったってことはねぇだろうな?」

 緑を基調とした鋼鉄の機人、ソルテッカマン1号を操るバルザック・アシモフが愚痴ように隣を並走する青い機人に軽口を叩いた。

「んなわけねぇだろ。あいつが逃げ出すなんてアキがテッカマンになるよりあり得ねえよ」

 青を基調とした鋼鉄の機人、ソルテッカマン2号のパイロットであるノアル・ベルースは面倒そうにそう返した。
 その言葉にバルザックは、違いない、とにべもなく頷いた。

「………それにな、正直なところ、俺はあいつが消えて少しだけ安心してるんだ」
「安心?」

 ノアルから告げられた予想外な言葉に、バルザックが眉をひそめる。

「ああ、自分の肉体が崩壊するまで、肉親たちと戦い続けるなんて。
 そんな残酷な運命の環からあいつが抜け出せたんなら、それもいいんじゃないかってな」

 どこか寂しげにノアルは呟き、最後にまあアキには悪いがな、と申し訳なさ気に付け加えた。
 その言葉を受けたバルザックも思うところがないわけではないのか、少しだけ気まずそうに、うーんと唸りをあげた。

「…………ま。気持はわからんでもないがね。
 しかしそうも言ってられんだろ。ラダム獣だけならともかくよ、敵のテッカマンが襲ってきたら俺たちだけじゃひとたまりもないぜ」

 現実としてそれは確かなことである。
 相手がラダム獣であればこのソルテッカマンでも十分に対抗できるが。
 侵略の尖兵たるテッカマンが相手となればそうはいかない。
 テッカマンに対抗できるのはテッカマン以外に存在しない。
 故にテッカマンブレードであるDボゥイは人類勝利のためには必要不可欠な人間だったのだ。
 それが失われた人類の未来は暗い。

「おっと、そろそろ目標ポイントのようだぜ」

 ソルテッカマンに備え付けられたレーダーが目標ポイントが近づいてきたことを告げていた。
 ノアルとバルザックの二人は無駄な思考を打ち切り思考を切り替え、飛行速度を落とし目標ポイントへと降下を始めた。

 ■

「なん……」
「、だと?」

 目標ポイントに到着した二体は目の前の光景に思わず驚愕の声を洩らした。
 そこで行われていたのは、あまりにも一方的な破壊と蹂躙。

 だが、言い方は悪いが、その程度のことであれば、この星ではもう珍しいことでもない。
 ラダム獣に殺される人間など、五万と見てきた。
 その程度のことでは激昂はすれど、戦慣れしたこの二人の思考が停止することはなかっただろう。
 二人が絶句した原因はそこではない。

 問題は、蹂躙されているのが人間ではなくラダム獣のほうであるということだ。

 あまりにも常識外れな光景。
 それはテッカマンやましてやソルテッカマンによるものではない。
 何物でもない生身の人間によって、宇宙からの侵略者は一匹残らず駆逐されていたのだ。

「ちっ。当てが外れたか。どうやらこの世界にはいないようだな」

 圧倒的な力でラダム獣を蹴散らした黄金の騎士は忌ま忌ましげにそう吐き捨てた。

「だったらとっとと次に行ったらいいんじゃない?
 なんかこの世界ボロボロだし。面倒事も多そうだしさ」

 その傍らにいた10代後半程度の赤髪の少女がその呟きに答える。
 だが、黄金の騎士はその言葉を聞いているのかいないのかわからないような態度で、荒廃したこの世界を真紅の瞳で見据えながらつまらなさそうに口を開いた。

「たしかに、この世界は少し汚れすぎだな。
 気に食わんな…………これでは些か景観に欠ける」
「…………聞きたくないけど、一応聞いとく。それはつまりはどういう事よ?」
「どのような世界であれ、それは全て余すことなく我の庭だ。
 は。そこに巣食う寄生虫など、そんなものをこの我が許すと思うか?」
「だぁー! 予想していた通りの言葉をありがとう!
 十傑集だのラピュタ探索部隊だの人造人間だの、行く先々であんたケンカ売りすぎだっつーの!」

 少しは付き合う方の身にもなれ、と憤慨する少女。
 もう諦めましょう、と何処からともなくくたびれたような電子音が聞こえたが気のせいだろうか?

「たわけ。品のない叫びを上げるな。
 ひとまずそこにいる雑種どもからこの畜生どもの詳細を聞いてこい」

 ノアルたちの存在なぞ、とうの昔に気づいていたのか。
 憤慨する赤髪の少女を軽くいなした黄金の騎士はノアルたちに視線を向ける。
 黄金の騎士に促された赤髪の少女が、しぶしぶながらもノアルたちに向かって歩き始めた。

「おい、こっちに来るみたいだぞ。どうするんだ、ノアルさんよ?」
「ま。話くらいは聞いてみるさ。
 ラダム獣と戦ってたってことは敵ってわけじゃないだろ」
「……敵の敵は味方ってか? だといいがな」

 訝しむバルザックの反応は当然だろう。
 突然あんな訳のわからない存在を目の前にして警戒しない方がどうかしている。

「それに、知っている気がするんだ」
「知ってるって、何をだ?」
「消えちまったあのバカのことさ。
 あいつが一体どこに行っちまったのか。どうなっちまったのか、あいつらは知ってるんじゃないかってな。
 ま。なんの根拠はねぇ、ただの勘なんだけどな」

 そう言って、向かってくる少女を出迎えるためノアルはソルテッカマンから降り大地に立った。
 それを見たバルザックはため息をつきながらも、それに倣いソルテッカマンから降り立った。

「ねぇ、ちょっとあんた達――――」

 赤髪の少女がこちらに語りかける。

 荒廃した世界。
 唯一の希望は行方知れず。
 侵略者の脅威に晒された世界の明日は暗い。
 そんな絶望ばかりの世界の中で、誰にでもなくノアルは祈る。

 願わくば、この少女が幸運の女神であらんことを。

【Epilogue:Tech a Man Blade 完】


 ■

 ………………………………

 …………まあいい。そういうこともあるだろう。

 まったく、気まぐれに他の世界に干渉するなどハタ迷惑な奴らだ。

 なに、お前が言うな?

 何のことだ?

 まあいい。

 さて、そろそろ頃合いか。

 俺も戻らなければならん。

 まだ覗いていない世界もあるが、それはまた別の機会に語られることもあるかもしれん。

 俺もあまりファミリーを留守にする訳にもいかんしな。

 宴の始末も終わりにしよう。

 なんだ、まだ何かあるのか?

 俺の世界がどうなっているのかだと?

 そうだな。

 じゃあ最後に俺の世界を覗いてから御開きにしよう。

 といっても俺は戻るだけだから、覗きたければそちらで勝手に覗くといい。

 ではな。


【Epilogue:BACCANO!】

 ぱちぱちと一人手をたたく男がいた。
 楽しそうに。
 楽しそうに。
 ぱちぱちと手をたたく。
 自分のために。
 自分のために。
 誰のためでもなく、自分のために。

 たくさん死んだ。
 たくさん死んだ。
 踊ってしまうほど愉快だった。
 歌ってしまうほど楽しかった。
 楽しかった。
 楽しかった。
 楽しかったんだが、楽しみがなくなってしまったのは問題だ。

 別の楽しみを見つけなければ。
 別の楽しみを作らなければ。

 楽しい楽しい舞台だった。
 あの舞台を再現しよう。
 あの偶然を再現しよう。
 あの悪意を再現しよう。

 私の名前はコピーキャット。
 私はしがない犯罪者。
 私は単なる模倣犯。

 一つの世界を再現しましょう。
 閉じられた世界を再現しましょう。

 うまくいったら手をたたこう。
 自分のために。
 自分のために。
 誰のためでもなく、ただひたすらに自分のために。

 その前に、邪魔なものは排除しておこう。


 ■

 闇酒場『蜂の巣』に現れたのは特徴のない男だった。
 認識できないわけではないのに、食事中の客たちは誰も男に注意を向けない。
 当たり前のようにそこにいて、誰もが彼を風景の一部としか捉えられず、だれの記憶にも残らない。
 そんな男だった。

 駆け付けたウェイトレスの案内を丁寧に断った特徴のない男は、店内に入ると誰かを探す様に周囲を見渡した。
 そして、カウンターで一人グラスを傾ける眼鏡の男を見つけると、そこに向かってゆっくりと歩き始めた。

「やあ、久し振りだな、マイザー」
「! フェルメート。なぜ貴方がここに!?」

 声をかけられた男、マルティージョ・ファミリーの出納係(コンタユオーロ)マイザー・アヴァーロは突然の来訪者に驚きの声を上げた。
 そこに居たのはマイザーと同じく、アドウェナ・アウィス号で不死を得た錬金術師の一人。ラブロ・フェルメート・ヴィラレスクだった。
 あの船で別れて以来の約200年ぶりの再会である、驚かない方がどうかしている。

「チェスがいなくなってしまったんだ」

 驚くマイザーとは対照的にフェルメートは明後日の方向を見つめながら、独り言のようにそう呟いた。

「チェス、ですか?」

 確かにマイザーはチェスとこのニューヨークで落ち合う約束をしていた。
 だが、どういうわけかチェスが乗っているはずの大陸横断鉄道フライングプッシーフット号に彼の姿はなく、いなくなってしまったといえばその通りなのだが。

「残念ながら私も彼が今どうしているかは、」
「いや、チェスがどこに行ったのかはわかっているんだ」
「はぁ……?」

 要点を得ないフェルメートの言葉に疑問符を浮かべるマイザー。

「私が用があるのはお前さ、マイザー」
「私に、ですか?」
「ああ」

 フェルメートがカウンターに座るマイザーにゆっくりと歩を進める。
 殺意も敵意も感じさせない、なんでもない歩み。
 だが、マイザーは無意識のうちに腰を上げ、距離を取るように後ずさっていた。

「チェスがいなくなって私の楽しみが減ってしまった。
 だから、新しい楽しみを作らなければならないんだが、それを邪魔をされては困るだろ?」
「フェルメート、貴方は…………!?」
「あの悪魔がいなくなった以上、ヒューイを除けば警戒すべきはお前と田九郎くらいのものだからなぁ。
 ヒューイは邪魔をしないだろうが、邪魔をしそうなお前は先に排除しておくことにするよ」

 ここで確実にマイザーを片づける腹積もりなのか、もはや悪意を隠そうともしていないフェルメートの言葉にマイザーも覚悟を決める。
 見た目温厚そうにマイザーであるが、これでもナイフ使いとしては右に出る者のいないほどの腕前を持ったカモッラの幹部である。
 素直に喰われてやる道理もない。
 客と店員を巻き込まないよう、どう場所を移すかと考えながら、マイザーが懐のナイフに手をかけようとした、その瞬間。

「――――誰がいなくなったと言うんだ?」

 誰もいないはずのカウンターの一席に、あたかも初めからそこに座っていた自然さでグラスを傾ける男が一人。
 その男の顔を見たマイザーが声を上げる。

「ロニー!? あなた今までどこに、」
「………………」

 マイザーが言葉を言い終える前に、現れた男、ロニー・スキアートはつまらなそうに息を吐いた。

「ふん。消えたか、まぁいい」

 言われてマイザーがロニーに向けた視線を戻してみるが、そこには誰もいなかった。
 一瞬だけ目を向けた瞬間に、まるでフェルメートなどという男は初めからここにいなかったかのように、何の痕跡もなく消え去っていた。


「……それで、三日もファミリーを離れて、いったい何処に行っていたんですか?」
「未来の客人を迎えにな。無断でマルティージョを留守にしたことは悪かったと思っているさ。思いのほか時間がかかってしまった」

 この男が謝ること自体珍しいが、それ以上にこの男が手こずるような事態があり得ることの方がマイザーにとっては驚きだった。

「……客人? では、あのフライング・プッシーフットに?」

 マルティージョの客人としてアイザック・ディアンとミリア・ハーヴェント、そして先も少し触れたチェスワフ・メイエル。
 この三人が乗っている予定だったが、誰一人として搭乗していなかったという、曰くつきの豪華鉄道フライングプッシーフット号。
 走行中の大陸横断鉄道に乗り込むなど不可能な話だが、この男ならばありえない話ではない。

「いや、そちらではない。まぁ強ち無関係というわけでもないんだが。まぁいい。
 残念ながらそちらは駄目だったのだが、その後始末に時間がかかってしまった」
「はあ…………?」

 ロニーの言葉の真意は掴めなかったが、この男に限ってそれは珍しいことでもないのでマイザーはあえて深くは追求しない。

「それよりも、ラブロの奴がなにか企んでいたようだが。
 わかってるな。それに関して俺はファミリーに被害がない限りは手を出すつもりはないぞ?」
「ええ、言われなくともわかっていますよ。
 もともとフィーロやファミリーの皆を巻き込むつもりはありません。
 これはあくまで、あの船に乗っていた彼の同志である私の役割でしょう」

 強い決意を持って告げるマイザーの言葉を聞きながら。
 すべてを知る悪魔、ロニー・スキアートは未来を一人想う。
 欠けてしまったのは人類最強、殺人狂、泣き虫の不良、不死の少年、狂言回し。
 始まった悪意はどう影響を及ぼすのか。
 狂言回しを欠いた物語がどう回るか。
 悪魔にもその結末はわからない。

 物語は未知だ。
 可能性は無限に広がっている。
 天に広がる星のように、可能性の数だけ物語はあり、物語の数だけ可能性がある。
 はたして、この未来はどの結末にたどり着くのか。
 未来を知らないことにしている悪魔は期待を込めながらひとり呟く。

「まあいい」

【Epilogue:BACCANO! 完】


 ■






 なんだ、結局最後まで覗いていたのか?

 どいつもこいつもヒマなんだな。

 まあいい。

 まあ少しばかり面倒なことになってしまったようだが、こちらの問題だ、気にするな。

 なに? こんなことをした理由だと?

 ただの宴の始末だ。

 深い理由はない。

 ……なに、ひょっとしてお前もヒマなのかだと?

 皮肉のつもりか?

 まあいい。

 なんにせよお前とは、ここでお別れだ。

 最後に一つ覚えておけ、物語に終わりなどない。

 お前が続くと思えばその物語は永遠に続く。

 逆に、お前が終わりだと思えばその物語はお終いだ。

 物語とはそういうものだ。

 どうせなら続くことを願っておけ。その方が楽しいだろう?

 まあいい。今度こそ本当にお別れだ。

 もう会うこともないだろうが、もしまたなにか俺に用があるのならば呼べばいい。

 気が向いたなら応えてやるさ。

 では、またな。

【宴の始末 了】


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288:それが我の名だ~actress again ギルガメッシュ 291:異世界からの挑戦状

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