I believe you ◆lbhhgwAtQE
映画館のロビーにて、トグサ達一行は放送を聞き終えた。
そこで呼ばれた名前の中にはトグサやヤマト、アルルゥの知人の名前は無かった。
そう、西洋騎士に果敢に立ち向かっていったあの自称“救いのヒーロー”の豚の名前もそこには無かった。
「ぶりぶりざえもん……無事でいろよ……」
ヤマトが安堵とともに、彼の安否を気遣うように呟く。
……だがその一方で。
「朝倉さん…………死んじゃったんだね」
「……放送が虚偽でない限り、そのはず」
「あの人、何も言わないでいきなり転校しちゃったから、一度その真相についてSOS団で調べたかったんだけどなぁ……」
それほど仲が良かったわけではなかった。
だが、仮にも面識のあるクラスメートが死んだのだ。
それを知って、何も思わないほどハルヒも冷徹ではなかった。
そして長門もその時、自らの思考のどこかに新たなノイズを感じていた。
一度独断専行でキョンを殺害しようとした反乱分子のバックアップ如きの死に何を感じるのか……。
長門はそのノイズの正体にまだ気付けないでいた。
するとそんな長門を横目に、ハルヒがいきなり立ち上がり、声高らかに宣言する。
「……よし! それじゃ、放送が終わったところでSOS団特別ミーティングを始めるわよ!
議題は勿論、どうやって皆でここから脱出するか!
これ以上、朝倉さんやみくるちゃん、それに鶴屋さん達みたいな犠牲者を出さない為にもこれは重要な議題よ!」
その声は、ついさっきまで暗い面持ちだった少女のものとは思えないほど溌剌としていた。
トグサやヤマトはその変わりように驚きつつも、その言葉から彼女の決意じみた何かを感じ取っていた。
「それじゃ、まず最初は――」
「……と、ちょっと待ってくれ」
ここで、トグサは挙手をして発言を求める。
「……何? どうかしたの、トグサさん」
「いや、つまらないことかもしれないが、一つ気になったことがあるんで……質問してもいいかい?」
「別にいいけど……」
話の腰を折られて、やや不満そうなハルヒの表情を見ながらも、トグサは今まで気になっていてそれを尋ねた。
「さっきから、何度か口にしてる“SOS団”っていうのは何だ? 俺達のチーム名か?」
「え? あぁ、そういえばまだあんた達には説明してなかったわね。SOS団って名前はね――
そこで呼ばれた名前の中にはトグサやヤマト、アルルゥの知人の名前は無かった。
そう、西洋騎士に果敢に立ち向かっていったあの自称“救いのヒーロー”の豚の名前もそこには無かった。
「ぶりぶりざえもん……無事でいろよ……」
ヤマトが安堵とともに、彼の安否を気遣うように呟く。
……だがその一方で。
「朝倉さん…………死んじゃったんだね」
「……放送が虚偽でない限り、そのはず」
「あの人、何も言わないでいきなり転校しちゃったから、一度その真相についてSOS団で調べたかったんだけどなぁ……」
それほど仲が良かったわけではなかった。
だが、仮にも面識のあるクラスメートが死んだのだ。
それを知って、何も思わないほどハルヒも冷徹ではなかった。
そして長門もその時、自らの思考のどこかに新たなノイズを感じていた。
一度独断専行でキョンを殺害しようとした反乱分子のバックアップ如きの死に何を感じるのか……。
長門はそのノイズの正体にまだ気付けないでいた。
するとそんな長門を横目に、ハルヒがいきなり立ち上がり、声高らかに宣言する。
「……よし! それじゃ、放送が終わったところでSOS団特別ミーティングを始めるわよ!
議題は勿論、どうやって皆でここから脱出するか!
これ以上、朝倉さんやみくるちゃん、それに鶴屋さん達みたいな犠牲者を出さない為にもこれは重要な議題よ!」
その声は、ついさっきまで暗い面持ちだった少女のものとは思えないほど溌剌としていた。
トグサやヤマトはその変わりように驚きつつも、その言葉から彼女の決意じみた何かを感じ取っていた。
「それじゃ、まず最初は――」
「……と、ちょっと待ってくれ」
ここで、トグサは挙手をして発言を求める。
「……何? どうかしたの、トグサさん」
「いや、つまらないことかもしれないが、一つ気になったことがあるんで……質問してもいいかい?」
「別にいいけど……」
話の腰を折られて、やや不満そうなハルヒの表情を見ながらも、トグサは今まで気になっていてそれを尋ねた。
「さっきから、何度か口にしてる“SOS団”っていうのは何だ? 俺達のチーム名か?」
「え? あぁ、そういえばまだあんた達には説明してなかったわね。SOS団って名前はね――
S 世界を
O 大いに盛り上げるための
S 涼宮ハルヒの
団
O 大いに盛り上げるための
S 涼宮ハルヒの
団
っていう正式名称の略称な訳! どう、センスいいでしょ?」
そんな真相を聞いて、思わず絶句するトグサ、そしてヤマト。
「あ、言い遅れてたけど勿論トグサさんも特別団員に認定よ!」
「え、あ、はぁ……そりゃどうも……」
……状況が状況だったら、笑っていたかもしれないが、今の彼らはただただ唖然とすることしかできなかった。
「……はい! そんなわけでミーティングを続行するわよ!」
そんな真相を聞いて、思わず絶句するトグサ、そしてヤマト。
「あ、言い遅れてたけど勿論トグサさんも特別団員に認定よ!」
「え、あ、はぁ……そりゃどうも……」
……状況が状況だったら、笑っていたかもしれないが、今の彼らはただただ唖然とすることしかできなかった。
「……はい! そんなわけでミーティングを続行するわよ!」
ハルヒを議長とするSOS団ミーティングはそれからしばらく続いた。
その中では、トグサが推測した情報端末や首輪に関する考察、今まで出会ってきた参加者の危険性の有無等、様々な情報が交わされてきた。
また、その中で各人の行動も振り返り、ハルヒやアルルゥはそこで始めてグレーテルについて知ることとなった。
そして、今彼女達が話しているのは……
「ふぅん、それじゃこの技術手袋ってのがあれば、どんな機械でもいじったり出来るって事?」
「時間さえあればな。……だが、さっきも言ったように首輪を直接解体することはよした方がいいだろう。起爆装置が作動しかねないから」
「わ、分かってるわよ、それくらい!」
現在は所持してる支給品について再確認をしていた。
もしかしたら、それらを複合して使うことで脱出の手がかりを見つけられるかもしれないからだ。
「でも、これさえあれば、あんたが言ってた情報端末……要するにパソコンみたいのも作れるかもってことでしょ?
だったら無くさないように持ってないとね」
「それは承知の上さ」
そう、承知の上なのだが、不運にもトグサが今まで見てきた中で情報端末を作るのに適した材料や機械はこれといって見当たらなかった。
これではいつまで経っても組み立てることは出来ないし、宝の持ち腐れ状態である。
トグサは、そんな自分の運の無さを心の中でボヤく。
「……で、有希。話は変わるけど、あんたのそのタヌ機って道具の説明書見たけど、すごい効果じゃない。
これさえあれば、あの金髪剣士も撃退できたんじゃないの?」
「…………以前、これを使った時、相手は確かに怯んだ。……だけど、すぐに幻覚から脱した。
相手の精神力が人並み外れて強い場合、効果はないと考えられる。そして、あの騎士はその部類に相当すると判断した」
「――ふぅん。精神が強いと効かない、かぁ。……でも、いざって時は迷わず使ったほうが良さそうね。……有希、頼んだわよ」
「分かった…………」
長門はいつもどおり、無表情のまま受け答えをしていた。
ちなみにヤマトとアルルゥの年下組はというと、先程からうつらうつらと舟を漕いでいる模様だ。
今日はあれだけ色々あったのだ、疲れて眠気が襲ってきても当然だろう。
「あとは、残る不思議な道具といえば……やっぱりこれよね、これ!」
そう言いながらハルヒが取り出したのは、四角い古いカメラのような物体。
「それは?」
「着せ替えカメラって言ってね、これに被写体に着せたい衣装を描いた紙を入れて撮影すると被写体の服がその絵通りに変わっちゃうって訳よ」
「――な、そんな道具まであるのか……」
「そうよ! 見てなさい……ほら!」
ハルヒがそう言いながら、長門にレンズを向けた状態でシャッターを切る。
すると、長門は瞬時に黒い三角帽に黒いローブという典型的な悪い魔女のような格好になる。
「……なるほどな。……で、これは服の材質は変えられるのか? 例えば甲冑や防弾チョッキみたいな絵を入れて着せ替えさせれば……」
「私もそれは考えたけど、それは無理みたい。服の素材は元の服の素材からしか作られないって説明書に書いてあるし」
と、トグサはハルヒから説明の書かれた紙を受け取るとそれを読む。
すると、その道具は元々の衣類の構成分子を分解、再構成することで着せ替えを実現しているとかかれていた。
――ようするに、木綿からは木綿、合繊からは合繊の服しか作れないという事だ。
しかも、このカメラをちゃんと使うには、被写体にしっかりとピントを合わせる必要があるという。
「戦闘には不向きな代物だな」
「一応、相手へのこけおどしには使えるかなって思ったけど…………」
「そんなのが通じる相手ばかりじゃない。……あの剣士がまさにそうだっただろう。あの目は人殺しを厭わない目だった」
「わ、分かってるわよ、それくらい!!」
そう言って、トグサから説明メモをひったくると、そっぽを向いてしまう。
「あー、もう! このままじゃ脱出方法なんて見つかりはしないわ! もう一回最初から考え直すわよ!!」
「……そう」
長門は魔女のコスチュームになったというのに至極冷静だ。
そして、ヤマトとアルルゥは既に二人でもたれかかるように寝息を立てている。
(……やれやれ)
いつから自分は子供達の引率をする立場になったんだ……。
そんな事を思いつつ、トグサは立ち上がり、ハルヒに声を掛けた。
「――すこしばかり席を外す。……何かあったら子供たちを頼むぞ」
「……分かった」
「まっかせなさい!!」
そんな元気な返事を背に、トグサは歩き出した。
その中では、トグサが推測した情報端末や首輪に関する考察、今まで出会ってきた参加者の危険性の有無等、様々な情報が交わされてきた。
また、その中で各人の行動も振り返り、ハルヒやアルルゥはそこで始めてグレーテルについて知ることとなった。
そして、今彼女達が話しているのは……
「ふぅん、それじゃこの技術手袋ってのがあれば、どんな機械でもいじったり出来るって事?」
「時間さえあればな。……だが、さっきも言ったように首輪を直接解体することはよした方がいいだろう。起爆装置が作動しかねないから」
「わ、分かってるわよ、それくらい!」
現在は所持してる支給品について再確認をしていた。
もしかしたら、それらを複合して使うことで脱出の手がかりを見つけられるかもしれないからだ。
「でも、これさえあれば、あんたが言ってた情報端末……要するにパソコンみたいのも作れるかもってことでしょ?
だったら無くさないように持ってないとね」
「それは承知の上さ」
そう、承知の上なのだが、不運にもトグサが今まで見てきた中で情報端末を作るのに適した材料や機械はこれといって見当たらなかった。
これではいつまで経っても組み立てることは出来ないし、宝の持ち腐れ状態である。
トグサは、そんな自分の運の無さを心の中でボヤく。
「……で、有希。話は変わるけど、あんたのそのタヌ機って道具の説明書見たけど、すごい効果じゃない。
これさえあれば、あの金髪剣士も撃退できたんじゃないの?」
「…………以前、これを使った時、相手は確かに怯んだ。……だけど、すぐに幻覚から脱した。
相手の精神力が人並み外れて強い場合、効果はないと考えられる。そして、あの騎士はその部類に相当すると判断した」
「――ふぅん。精神が強いと効かない、かぁ。……でも、いざって時は迷わず使ったほうが良さそうね。……有希、頼んだわよ」
「分かった…………」
長門はいつもどおり、無表情のまま受け答えをしていた。
ちなみにヤマトとアルルゥの年下組はというと、先程からうつらうつらと舟を漕いでいる模様だ。
今日はあれだけ色々あったのだ、疲れて眠気が襲ってきても当然だろう。
「あとは、残る不思議な道具といえば……やっぱりこれよね、これ!」
そう言いながらハルヒが取り出したのは、四角い古いカメラのような物体。
「それは?」
「着せ替えカメラって言ってね、これに被写体に着せたい衣装を描いた紙を入れて撮影すると被写体の服がその絵通りに変わっちゃうって訳よ」
「――な、そんな道具まであるのか……」
「そうよ! 見てなさい……ほら!」
ハルヒがそう言いながら、長門にレンズを向けた状態でシャッターを切る。
すると、長門は瞬時に黒い三角帽に黒いローブという典型的な悪い魔女のような格好になる。
「……なるほどな。……で、これは服の材質は変えられるのか? 例えば甲冑や防弾チョッキみたいな絵を入れて着せ替えさせれば……」
「私もそれは考えたけど、それは無理みたい。服の素材は元の服の素材からしか作られないって説明書に書いてあるし」
と、トグサはハルヒから説明の書かれた紙を受け取るとそれを読む。
すると、その道具は元々の衣類の構成分子を分解、再構成することで着せ替えを実現しているとかかれていた。
――ようするに、木綿からは木綿、合繊からは合繊の服しか作れないという事だ。
しかも、このカメラをちゃんと使うには、被写体にしっかりとピントを合わせる必要があるという。
「戦闘には不向きな代物だな」
「一応、相手へのこけおどしには使えるかなって思ったけど…………」
「そんなのが通じる相手ばかりじゃない。……あの剣士がまさにそうだっただろう。あの目は人殺しを厭わない目だった」
「わ、分かってるわよ、それくらい!!」
そう言って、トグサから説明メモをひったくると、そっぽを向いてしまう。
「あー、もう! このままじゃ脱出方法なんて見つかりはしないわ! もう一回最初から考え直すわよ!!」
「……そう」
長門は魔女のコスチュームになったというのに至極冷静だ。
そして、ヤマトとアルルゥは既に二人でもたれかかるように寝息を立てている。
(……やれやれ)
いつから自分は子供達の引率をする立場になったんだ……。
そんな事を思いつつ、トグサは立ち上がり、ハルヒに声を掛けた。
「――すこしばかり席を外す。……何かあったら子供たちを頼むぞ」
「……分かった」
「まっかせなさい!!」
そんな元気な返事を背に、トグサは歩き出した。
ハルヒ達と別れてから十分程度。
やや時間がかかったが、トグサは従業員が詰めていたであろう事務所を見つけ出した。
事務所を探していた目的は、勿論この地の別の施設に連絡できる電話を使うため。
そして、さっそく受話器をとるとホテルの番号をプッシュする。
……だが聞こえてくるのはコール音ばかり。
トグサは何度も番号をプッシュしなおしては繋がるのを待つが結果は同じ。
「…………どういうことだ?」
番号が合っている以上、誰かその場にいたなら受話器を取るだろうし、受話器を取らないもしくは不在の場合でも留守電に繋がるはずだ。
それなのに、受話器の向こうからはコール音がひたすら聞こえてくる。
留守電にすら繋がらないということは、電話機や回線になにか問題が生じたという事。
朝方電話をした時は何も不都合の無かった電話回線に突如、問題が発生する――――その理由として思いつくのはただ一つだ。
「……ホテルで何かあったのか」
思えば、セラスとホテルで別れてから、6時間ほどは時間が経過している。
バトーの件も目撃したことだし、誰かしらゲームに乗った殺戮者がホテルで戦闘を行い、その余波で電話や回線が破壊されてもおかしくはない。
……とすると、義体とはいえ女性のセラスを1人置き去りにしたのは、やはり間違いだったのではないか?
トグサは、自分の判断ミスを改めて悔いる。
「無事でいてくれよ、セラス…………」
誰に言うでもなく、トグサは事務所の窓からホテルの方角に向かって呟く。
すると――――
やや時間がかかったが、トグサは従業員が詰めていたであろう事務所を見つけ出した。
事務所を探していた目的は、勿論この地の別の施設に連絡できる電話を使うため。
そして、さっそく受話器をとるとホテルの番号をプッシュする。
……だが聞こえてくるのはコール音ばかり。
トグサは何度も番号をプッシュしなおしては繋がるのを待つが結果は同じ。
「…………どういうことだ?」
番号が合っている以上、誰かその場にいたなら受話器を取るだろうし、受話器を取らないもしくは不在の場合でも留守電に繋がるはずだ。
それなのに、受話器の向こうからはコール音がひたすら聞こえてくる。
留守電にすら繋がらないということは、電話機や回線になにか問題が生じたという事。
朝方電話をした時は何も不都合の無かった電話回線に突如、問題が発生する――――その理由として思いつくのはただ一つだ。
「……ホテルで何かあったのか」
思えば、セラスとホテルで別れてから、6時間ほどは時間が経過している。
バトーの件も目撃したことだし、誰かしらゲームに乗った殺戮者がホテルで戦闘を行い、その余波で電話や回線が破壊されてもおかしくはない。
……とすると、義体とはいえ女性のセラスを1人置き去りにしたのは、やはり間違いだったのではないか?
トグサは、自分の判断ミスを改めて悔いる。
「無事でいてくれよ、セラス…………」
誰に言うでもなく、トグサは事務所の窓からホテルの方角に向かって呟く。
すると――――
――プルルルルルルルル!!!!
背を向けていた電話が突如、鳴り響いた。
当然の事だが、電話が鳴るという事は誰か知らないがこの地のどこかから電話をかけているという事。
即ち、こことは違う場所の誰かと情報交換を出来るのだ。
現在の状況を少しでも知りたかったトグサは急いで受話器に手をかける……がここで一度手を止める。
今までの考えは、相手が協力的だった場合のもの。
もし、相手が頭の働く殺戮者だったら?
電話を取ったが最後、相手に殺害対象の居場所を伝えることになってしまう。
ここには戦闘能力を持たない子供が多くいる。
もし、そんな殺害目的の参加者がやってきたらひとたまりもない。
どうする……。取るべきか取らないべきか。
当然の事だが、電話が鳴るという事は誰か知らないがこの地のどこかから電話をかけているという事。
即ち、こことは違う場所の誰かと情報交換を出来るのだ。
現在の状況を少しでも知りたかったトグサは急いで受話器に手をかける……がここで一度手を止める。
今までの考えは、相手が協力的だった場合のもの。
もし、相手が頭の働く殺戮者だったら?
電話を取ったが最後、相手に殺害対象の居場所を伝えることになってしまう。
ここには戦闘能力を持たない子供が多くいる。
もし、そんな殺害目的の参加者がやってきたらひとたまりもない。
どうする……。取るべきか取らないべきか。
……逡巡の末、彼は決断した。
「……はい、もしもし」
自分は仮にも元刑事だ。
相手が嘘をつく素振りを見せるようだったら、見抜いてみせる。
……トグサは自分の今まで培ってきた経験と技術に賭けた。
すると、自分の応答に答えるように向こうからも声がしてきた。
『も、もしもし。えっと、そちらは映画館でしょうか?』
――男の声だ。
だが、その喋り方からは焦りのような緊張のようなものが汲み取れる。
ここは、相手の素性と居場所を聞き出すのに格好の機会だろう。
「あ、あぁ。確かに映画館だ。そっちはどこからかけてる? で、君は何者だ?」
『えっとレジャービルです。俺は名簿だとキョンって書かれてる参加者です』
レジャービル。
胸ポケットにしまっていた地図を広げ、即座に位置を確認すると、それはホテルから比較的近い位置にあることが分かる。
そして、キョンと言う名前……ハルヒが何度か口にしていたクラスメートの名前だ。ということは高校生か。
ということはここにいる参加者に違いないはずだ。
相手の口振りからして、ここまでの発言に恐らく虚偽はないとトグサは推測する。
『ふむ、キョンか。遅れたが俺はトグサだ。この馬鹿げたゲームには乗っていない。そっちもか?』
電話の向こうでキョンは肯定の意を短く示した。
……ということは、彼は自分達にとって、協力者になりうる人物だ。
「そうか。――で、君はどうしてここに電話を? 仲間を探す為に虱潰しに各施設に電話をかけてるのか?」
ハルヒと長門という彼の仲間であろう人物がいることはあえてここで伏せておく。
もし先に言ってしまうと、そちらに気を取られかねないからだ。
『いえ、実は――』
すると、キョンは意外なことを口にしだした。
何と、あの次元が今、キョンとともにレジャービルにいるというのだ。
ということは、ハルヒや長門を含めた自分達がここいいることを承知の上で電話をしてきたことになる。
「なるほど。それで、声を聞こうとここに電話を」
『はい。……それで、そのハルヒは……』
「元気にしてるよ。すぐにでも代わってやりたいが――――その前に一つ聞きたいことがある」
仲間との再会を取引道具にはしたくなかったが、彼には電話を代わる前にどうしても聞きたいことがあった。
それがホテルに関する情報。
ホテルから近い場所にいる彼らならば、自分達よりも最新の情報が飛び込んでくるに違いない。
そんな期待を胸にトグサがキョンに尋ねると、彼はトグサですら予想出来なかったことを口にしだした。
『……さっき屋上で見たんですが、ホテルはその……無くなってます。恐らくですが倒壊したみたいです』
「……と、倒壊だと!?」
あの堅牢な鉄筋コンクリート造の高層建築が倒壊した……?
ロケットランチャーか高性能爆弾でも使ったのだろうか。
破壊状況を直接見ていないので、彼には推測しかねたが、とにかくホテルはもう彼の知っている姿を保っていないことは分かった。
「……そうか。情報提供ありがとう。それじゃ、ハルヒと長門を呼んでくるから少し待っててくれ」
必要な情報を聞き終えたトグサは、そう言って受話器をデスクの上に置くと、小走りでロビーに戻っていった。
少女達を電話の向こうの彼と再会させる為に。
自分は仮にも元刑事だ。
相手が嘘をつく素振りを見せるようだったら、見抜いてみせる。
……トグサは自分の今まで培ってきた経験と技術に賭けた。
すると、自分の応答に答えるように向こうからも声がしてきた。
『も、もしもし。えっと、そちらは映画館でしょうか?』
――男の声だ。
だが、その喋り方からは焦りのような緊張のようなものが汲み取れる。
ここは、相手の素性と居場所を聞き出すのに格好の機会だろう。
「あ、あぁ。確かに映画館だ。そっちはどこからかけてる? で、君は何者だ?」
『えっとレジャービルです。俺は名簿だとキョンって書かれてる参加者です』
レジャービル。
胸ポケットにしまっていた地図を広げ、即座に位置を確認すると、それはホテルから比較的近い位置にあることが分かる。
そして、キョンと言う名前……ハルヒが何度か口にしていたクラスメートの名前だ。ということは高校生か。
ということはここにいる参加者に違いないはずだ。
相手の口振りからして、ここまでの発言に恐らく虚偽はないとトグサは推測する。
『ふむ、キョンか。遅れたが俺はトグサだ。この馬鹿げたゲームには乗っていない。そっちもか?』
電話の向こうでキョンは肯定の意を短く示した。
……ということは、彼は自分達にとって、協力者になりうる人物だ。
「そうか。――で、君はどうしてここに電話を? 仲間を探す為に虱潰しに各施設に電話をかけてるのか?」
ハルヒと長門という彼の仲間であろう人物がいることはあえてここで伏せておく。
もし先に言ってしまうと、そちらに気を取られかねないからだ。
『いえ、実は――』
すると、キョンは意外なことを口にしだした。
何と、あの次元が今、キョンとともにレジャービルにいるというのだ。
ということは、ハルヒや長門を含めた自分達がここいいることを承知の上で電話をしてきたことになる。
「なるほど。それで、声を聞こうとここに電話を」
『はい。……それで、そのハルヒは……』
「元気にしてるよ。すぐにでも代わってやりたいが――――その前に一つ聞きたいことがある」
仲間との再会を取引道具にはしたくなかったが、彼には電話を代わる前にどうしても聞きたいことがあった。
それがホテルに関する情報。
ホテルから近い場所にいる彼らならば、自分達よりも最新の情報が飛び込んでくるに違いない。
そんな期待を胸にトグサがキョンに尋ねると、彼はトグサですら予想出来なかったことを口にしだした。
『……さっき屋上で見たんですが、ホテルはその……無くなってます。恐らくですが倒壊したみたいです』
「……と、倒壊だと!?」
あの堅牢な鉄筋コンクリート造の高層建築が倒壊した……?
ロケットランチャーか高性能爆弾でも使ったのだろうか。
破壊状況を直接見ていないので、彼には推測しかねたが、とにかくホテルはもう彼の知っている姿を保っていないことは分かった。
「……そうか。情報提供ありがとう。それじゃ、ハルヒと長門を呼んでくるから少し待っててくれ」
必要な情報を聞き終えたトグサは、そう言って受話器をデスクの上に置くと、小走りでロビーに戻っていった。
少女達を電話の向こうの彼と再会させる為に。
電話の向こうにキョンがいる。
そんな言葉をトグサから聞くや否や、ハルヒはロビーを飛び出していた。
「有希!! 早く来なさいよ! キョンが電話の向こうにいるのよ!! ――って、何でそんなところで立ち止まるわけ?」
「……ここが事務所。電話はこの中にある」
それだけ言うと、長門はドアを開け、中へと入っていく。
「――!! 待ちなさい有希!! 電話は私が先だからね!!」
後を追いかけるように慌てて部屋に飛び込むハルヒ。
そして、彼女は置かれていた受話器を乱暴に取る。
「キョン! キョンなのよね、あんた!」
『ハルヒ、元気か? 何か怪我したって聞いたが……』
その声は、紛う事なき雑用専用の団員の声だった。
懐かしさのあまり、ハルヒは気持ちが緩むが、ここは団長として威厳を保たなくてはならない。
彼女は毅然とした口調で団員に答える。
「こんなの大した事ないって! それよりもあんたは無事なの?」
本当は今もいきなり走った影響か頭がふらふらするが、ハルヒはそのような事は微塵にも口にしない。
『あぁ。色々あったが問題ないさ。何とか無事に生きてる』
いつも通りの溜息交じりの声。
その声が、今のハルヒには何よりも嬉しかった。
「そう、良かった……」
胸を撫で下ろすように声を出す彼女が、ふと首を動かすとそこには三角帽を被ったままのもう1人の団員が立っていた。
そう、彼女もまた、キョンとの再会を心待ちにしているであろう人物の1人だった。
「――あ、それじゃ有希にも代わるわね!」
ハルヒもそれを悟ったのか、受話器を彼女へと手渡した。
すると、彼女はそれをゆっくりとした動きで顔にあて、言葉を発する。
「……電話を代わった」
『おぅ、久しぶりだな。……で、無事か? 骨折ったっぽいが』
そう尋ねられて、長門は添木で固定された左腕を見やる。
「問題ない。回復には時間を要するが、自然治癒可能なレベル」
『……そうか、それはよか――いや、よくないか。骨折だもんな……』
電話越しのキョンの声のトーンが落ちる。
……すると、長門はそんな彼の感情を悟ったのか、自ら口を開いて言葉を発した。
「現在は体力の温存に専念している。私も涼宮ハルヒも徐々にだけど回復の傾向にある。……心配しなくていい」
それは、彼の不安を消し去ろうとして発した言葉。
だが彼女自身は、このような誰かを励ますような事を言うような人間ではなかった。
それなのに何故――――
これもまた、彼女の中に生まれたノイズが起こした行動なのかもしれなかった。
そしてそれを聞いてか、キョンの声のトーンは元に戻る。
『……ま、声を聞く分には大丈夫そうだな。――と、そうだ。そっちにアルルゥって子がいるだろ?
こっちにその子の知り合いのトウカさんっていう人がいるんだ。話をさせてやりたいから代わってくれないか?』
アルルゥ――アルちゃんと呼ばれている少女。
トウカ――アルルゥが何度か口にしていた名前。
名簿においても、二人の名前は極めて近い場所に記されていた。
長門はそれを瞬時に把握すると、意味が無いと分かっていながら受話器を持って頷く。
「分かった…………」
そんな言葉をトグサから聞くや否や、ハルヒはロビーを飛び出していた。
「有希!! 早く来なさいよ! キョンが電話の向こうにいるのよ!! ――って、何でそんなところで立ち止まるわけ?」
「……ここが事務所。電話はこの中にある」
それだけ言うと、長門はドアを開け、中へと入っていく。
「――!! 待ちなさい有希!! 電話は私が先だからね!!」
後を追いかけるように慌てて部屋に飛び込むハルヒ。
そして、彼女は置かれていた受話器を乱暴に取る。
「キョン! キョンなのよね、あんた!」
『ハルヒ、元気か? 何か怪我したって聞いたが……』
その声は、紛う事なき雑用専用の団員の声だった。
懐かしさのあまり、ハルヒは気持ちが緩むが、ここは団長として威厳を保たなくてはならない。
彼女は毅然とした口調で団員に答える。
「こんなの大した事ないって! それよりもあんたは無事なの?」
本当は今もいきなり走った影響か頭がふらふらするが、ハルヒはそのような事は微塵にも口にしない。
『あぁ。色々あったが問題ないさ。何とか無事に生きてる』
いつも通りの溜息交じりの声。
その声が、今のハルヒには何よりも嬉しかった。
「そう、良かった……」
胸を撫で下ろすように声を出す彼女が、ふと首を動かすとそこには三角帽を被ったままのもう1人の団員が立っていた。
そう、彼女もまた、キョンとの再会を心待ちにしているであろう人物の1人だった。
「――あ、それじゃ有希にも代わるわね!」
ハルヒもそれを悟ったのか、受話器を彼女へと手渡した。
すると、彼女はそれをゆっくりとした動きで顔にあて、言葉を発する。
「……電話を代わった」
『おぅ、久しぶりだな。……で、無事か? 骨折ったっぽいが』
そう尋ねられて、長門は添木で固定された左腕を見やる。
「問題ない。回復には時間を要するが、自然治癒可能なレベル」
『……そうか、それはよか――いや、よくないか。骨折だもんな……』
電話越しのキョンの声のトーンが落ちる。
……すると、長門はそんな彼の感情を悟ったのか、自ら口を開いて言葉を発した。
「現在は体力の温存に専念している。私も涼宮ハルヒも徐々にだけど回復の傾向にある。……心配しなくていい」
それは、彼の不安を消し去ろうとして発した言葉。
だが彼女自身は、このような誰かを励ますような事を言うような人間ではなかった。
それなのに何故――――
これもまた、彼女の中に生まれたノイズが起こした行動なのかもしれなかった。
そしてそれを聞いてか、キョンの声のトーンは元に戻る。
『……ま、声を聞く分には大丈夫そうだな。――と、そうだ。そっちにアルルゥって子がいるだろ?
こっちにその子の知り合いのトウカさんっていう人がいるんだ。話をさせてやりたいから代わってくれないか?』
アルルゥ――アルちゃんと呼ばれている少女。
トウカ――アルルゥが何度か口にしていた名前。
名簿においても、二人の名前は極めて近い場所に記されていた。
長門はそれを瞬時に把握すると、意味が無いと分かっていながら受話器を持って頷く。
「分かった…………」
それからが少し大変だった。
長門から話を聞いたハルヒは慌しくロビーに戻り、熟睡していたアルルゥを無理矢理起こしだした。
そして、その騒ぎで先に起きたヤマトが文句を言うが、ハルヒに一蹴され、それに寝起きでやや苛立っていたヤマトが反論した。
ヤマトの反論にハルヒは更にヒートアップし、二人が険悪なムードになっていたところで、トグサが仲介に入る。
……と、その頃になってようやくアルルゥが目を覚まし、ハルヒは急いで彼女を抱えて事務所へと戻っていったのだ。
ヤマトやトグサにとっては、ハルヒがまさに台風のように映って見えた。
「……な、何なんだよ、あの人は……」
「ま、元気でいるなら何よりなんだけどな……」
ちなみに、この一連の騒動の中、長門はずっと事務所で待機していた。
そして、そんな事務所にハルヒは再度飛び込んでくる。
「アルちゃん! ほら、電話よ! トウカって人が待ってるわ!」
「んー? でんわ? トウカおねーちゃんいない……」
「あぁっ、もう! だから電話の向こうにいるんだって! ほら!」
もどかしくなったのか、ハルヒはアルルゥの顔に受話器を押し当てる。
すると、タイミングよく受話器から声がしてきた。
『ア、アルルゥ殿!? アルルゥ殿でございますか!?』
「……! トウカおねーちゃんの声!」
押し当てられた受話器から聞こえてきた声に、アルルゥは驚くと同時に嬉しそうな声を出す。
そして、ハルヒから受話器を受け取る。
『ア、アルルゥ殿! 無事でしたか!? 某……某はアルルゥ殿が無事かどうかばかりが気になっていた次第で……』
「ん! アルルゥ平気! ハルヒおねーちゃん達と一緒だから平気!」
『そうですか。それは何よりでございます……。某、今しばらくそちらにはいけませぬが、どうかこれからもご無事で――――』
トウカの長ったらしい言葉をアルルゥは理解しているのかしていないのか、うんうんと相槌を打ってゆく。
そして、その会話はしばらく続いた後……
「――ん!」
アルルゥは受話器をハルヒに差し出した。
「……もう、いいのね」
「ん! おねーちゃん、ありがとう」
「私は別に何もしてないわよ。ま、礼を言うなら馬鹿キョンにでも会った時にしなさい」
ハルヒはやや顔を紅くしながらも、受話器を受け取る。
「……もしもし? キョン? 今電話に出てるのはキョンなの?」
『…………』
返事はない。
すると息を大きく吸って、今一度彼女は受話器に叫ぶ。
「こぅら! キョン! 返事しなさいってばキョン!!!」
『…………聞こえてるさ。……だから、んな大声はよせ』
今度こそ通じたようだ。
「そんなことよりも! ――で、あんたはいつこっちに来れるの? 一時間後? それとも二時間後?
トグサさんに頼んで、出来るだけ長くここで待てるように頼むからトウカさんって人と一緒に早く――」
居場所が分かったからには、こっちに来るのだろう。
そんな期待を胸に、ハルヒは尋ねるが、その答えはその期待を打ち砕く。
『悪い。俺達はまだそっちに行けそうにない』
「……え? それってどういう……」
『こっちでの用事が残ってるんだ。それが終わるまではそっちには行けないって事だ』
用事……それは団長命令よりも大事なものなのか。
この涼宮ハルヒと合流する事よりも重要な用事なんてあるのだろうか……ハルヒは胸を締め付けられるとともに、顔をかぁっと熱くした。
「用事って……そんな! 今度はいつ声聞けるか分からないのよ! それなのにどうし――あ、有希、何してるの! 返してってば!」
まだ言いたいことはあった。
だが、長門が彼女から受話器を奪ったことにより、その機会は失われることとなる。
「電話を代わった。……こちらにまだ来れないのは決定事項?」
『ん? まぁ、まだ時間がかかりそうだな』
「……そう」
長門はハルヒと異なり、いつも通りに受け答えする。
そして、長門はその後キョンと自分達が移動する場合の移動先の連絡法について説明した。
『……分かった。それじゃ、そろそろ切るぞ』
「……そう」
『ハルヒ達の事、頼んだぞ』
涼宮ハルヒの保護は、長門有希にとっては最優先すべき行為。
言われなくてもそうするつもりだ。
だが、ここであえて彼女はいつもより語気を強めて、こう言った。
「……任せて」
そして、キョンとの電話は切れた。
長門から話を聞いたハルヒは慌しくロビーに戻り、熟睡していたアルルゥを無理矢理起こしだした。
そして、その騒ぎで先に起きたヤマトが文句を言うが、ハルヒに一蹴され、それに寝起きでやや苛立っていたヤマトが反論した。
ヤマトの反論にハルヒは更にヒートアップし、二人が険悪なムードになっていたところで、トグサが仲介に入る。
……と、その頃になってようやくアルルゥが目を覚まし、ハルヒは急いで彼女を抱えて事務所へと戻っていったのだ。
ヤマトやトグサにとっては、ハルヒがまさに台風のように映って見えた。
「……な、何なんだよ、あの人は……」
「ま、元気でいるなら何よりなんだけどな……」
ちなみに、この一連の騒動の中、長門はずっと事務所で待機していた。
そして、そんな事務所にハルヒは再度飛び込んでくる。
「アルちゃん! ほら、電話よ! トウカって人が待ってるわ!」
「んー? でんわ? トウカおねーちゃんいない……」
「あぁっ、もう! だから電話の向こうにいるんだって! ほら!」
もどかしくなったのか、ハルヒはアルルゥの顔に受話器を押し当てる。
すると、タイミングよく受話器から声がしてきた。
『ア、アルルゥ殿!? アルルゥ殿でございますか!?』
「……! トウカおねーちゃんの声!」
押し当てられた受話器から聞こえてきた声に、アルルゥは驚くと同時に嬉しそうな声を出す。
そして、ハルヒから受話器を受け取る。
『ア、アルルゥ殿! 無事でしたか!? 某……某はアルルゥ殿が無事かどうかばかりが気になっていた次第で……』
「ん! アルルゥ平気! ハルヒおねーちゃん達と一緒だから平気!」
『そうですか。それは何よりでございます……。某、今しばらくそちらにはいけませぬが、どうかこれからもご無事で――――』
トウカの長ったらしい言葉をアルルゥは理解しているのかしていないのか、うんうんと相槌を打ってゆく。
そして、その会話はしばらく続いた後……
「――ん!」
アルルゥは受話器をハルヒに差し出した。
「……もう、いいのね」
「ん! おねーちゃん、ありがとう」
「私は別に何もしてないわよ。ま、礼を言うなら馬鹿キョンにでも会った時にしなさい」
ハルヒはやや顔を紅くしながらも、受話器を受け取る。
「……もしもし? キョン? 今電話に出てるのはキョンなの?」
『…………』
返事はない。
すると息を大きく吸って、今一度彼女は受話器に叫ぶ。
「こぅら! キョン! 返事しなさいってばキョン!!!」
『…………聞こえてるさ。……だから、んな大声はよせ』
今度こそ通じたようだ。
「そんなことよりも! ――で、あんたはいつこっちに来れるの? 一時間後? それとも二時間後?
トグサさんに頼んで、出来るだけ長くここで待てるように頼むからトウカさんって人と一緒に早く――」
居場所が分かったからには、こっちに来るのだろう。
そんな期待を胸に、ハルヒは尋ねるが、その答えはその期待を打ち砕く。
『悪い。俺達はまだそっちに行けそうにない』
「……え? それってどういう……」
『こっちでの用事が残ってるんだ。それが終わるまではそっちには行けないって事だ』
用事……それは団長命令よりも大事なものなのか。
この涼宮ハルヒと合流する事よりも重要な用事なんてあるのだろうか……ハルヒは胸を締め付けられるとともに、顔をかぁっと熱くした。
「用事って……そんな! 今度はいつ声聞けるか分からないのよ! それなのにどうし――あ、有希、何してるの! 返してってば!」
まだ言いたいことはあった。
だが、長門が彼女から受話器を奪ったことにより、その機会は失われることとなる。
「電話を代わった。……こちらにまだ来れないのは決定事項?」
『ん? まぁ、まだ時間がかかりそうだな』
「……そう」
長門はハルヒと異なり、いつも通りに受け答えする。
そして、長門はその後キョンと自分達が移動する場合の移動先の連絡法について説明した。
『……分かった。それじゃ、そろそろ切るぞ』
「……そう」
『ハルヒ達の事、頼んだぞ』
涼宮ハルヒの保護は、長門有希にとっては最優先すべき行為。
言われなくてもそうするつもりだ。
だが、ここであえて彼女はいつもより語気を強めて、こう言った。
「……任せて」
そして、キョンとの電話は切れた。
すると、それと同時にハルヒが長門の前に立つ。
「……ねぇ、あんたはキョンがこっちに来れなくても構わないの?」
その顔は、明らかに怒気を含んでいた。
無理もないだろう。彼女は会話の途中に受話器を奪われたのだから。
だが、長門はあくまで冷静に答える。
「……用事があるのだから仕方ない。……向こうには向こうの都合がある」
「で、でも! 今度はいつ会えるか分からないのよ!? それなのに会える機会を棒に振るなんて……!」
「……あなたは彼を信じられないの? 彼とまた会えるという可能性はまだ閉ざされたわけではない」
長門は珍しくハルヒに反論するように立ちはだかる。
そしてハルヒは、そんな彼女の言葉に戸惑う。
「そ、そうだけど、あいつらだっていつ誰に襲われるか分からないし……」
「大丈夫! トウカおねーちゃん強い! 敵が来ても絶対やっつけてくれる!」
そこでアルルゥが自信満々にハルヒに言う。
……そう、キョンの傍にはアルルゥ曰く、剣術使いのトウカという女性がいる。
「次元大介……彼も負傷しているものの、戦力としては大きいと思われる」
「次元……」
ルパンの相棒で早撃ちの名手……そんな男もキョンの傍にいる。
「信じて……。彼を、彼らの仲間を」
「信じる……。…………そうね、今更何を言っても意味が無いか。今はキョン達を信じる方が建設的ね!」
その時、彼女はふとルパンの無事を信じた自分を思い出す。
……だが、すぐに彼女はその回想を拭い去る。
今度こそは……今度こそは信じた事が実現して欲しい――――ハルヒはそう願うのであった。
「……ねぇ、あんたはキョンがこっちに来れなくても構わないの?」
その顔は、明らかに怒気を含んでいた。
無理もないだろう。彼女は会話の途中に受話器を奪われたのだから。
だが、長門はあくまで冷静に答える。
「……用事があるのだから仕方ない。……向こうには向こうの都合がある」
「で、でも! 今度はいつ会えるか分からないのよ!? それなのに会える機会を棒に振るなんて……!」
「……あなたは彼を信じられないの? 彼とまた会えるという可能性はまだ閉ざされたわけではない」
長門は珍しくハルヒに反論するように立ちはだかる。
そしてハルヒは、そんな彼女の言葉に戸惑う。
「そ、そうだけど、あいつらだっていつ誰に襲われるか分からないし……」
「大丈夫! トウカおねーちゃん強い! 敵が来ても絶対やっつけてくれる!」
そこでアルルゥが自信満々にハルヒに言う。
……そう、キョンの傍にはアルルゥ曰く、剣術使いのトウカという女性がいる。
「次元大介……彼も負傷しているものの、戦力としては大きいと思われる」
「次元……」
ルパンの相棒で早撃ちの名手……そんな男もキョンの傍にいる。
「信じて……。彼を、彼らの仲間を」
「信じる……。…………そうね、今更何を言っても意味が無いか。今はキョン達を信じる方が建設的ね!」
その時、彼女はふとルパンの無事を信じた自分を思い出す。
……だが、すぐに彼女はその回想を拭い去る。
今度こそは……今度こそは信じた事が実現して欲しい――――ハルヒはそう願うのであった。
「……お、丁度いいところに」
女性陣3名が休憩所に戻ってくると、ソファに座っていたトグサとヤマトは立ち上がった。
ハルヒは何事かとトグサに問う。
すると、彼女は平べったい円形の缶を手渡される。
「……映画のフィルム缶? 中身は…………って、タイトル書かれてないじゃない。これ何のフィルムなの?」
「見てもないのに分かるわけないだろ」
ヤマトがやや仏頂面で答える。
さきほどの口論の件をまだ引きずっているようだ。
「ふん、あんたには聞いてないわよ。……で、中身が分からないフィルムなんか持ってどうしてるの?」
「だから、今からその中身を確認するんだ。ここの映写機を使ってね」
「……こんな非常時に映画鑑賞? 随分暢気な提案ね」
「ま、そう言わないでくれ。ラベルも貼られずに置かれてたんだ。何か脱出の手がかりが隠れてるのかもしれない」
苦笑気味にトグサは笑う。
「これで何も意味が無かったら笑うしかないだろうがな。……だが今まで色々あったんだ、まとまった休憩時間を取るのに最適だろう」
「……適度な休憩は今後の活動を良好にする」
「……そういうことだ。――って訳だから、俺は映写機にこれを入れてくる。観客席で待っていて欲しい」
と、トグサはハルヒ達に背を向け、映写室のある方へと歩いてゆく。
――が、それをハルヒが呼び止める。
「……あんたはどうするの? 映写室にずっといるの?」
「君達を観客席に置き去りに出来るわけないだろう。フィルムをセットし終えたら、そっちに急いでいくよ。
……あ、そうそう、中に入ったら正面入口以外のドアをロックしておいてくれ。
誰かが来た時、観客席への侵入ルートを一ヶ所にしておいた方がいいから」
「分かったわ。……ってことであんた達頼んだわよ」
「いや、あんたもやってくれよ……」
ヤマトは溜息をつきつつ、ハルヒの後をついていく。
女性陣3名が休憩所に戻ってくると、ソファに座っていたトグサとヤマトは立ち上がった。
ハルヒは何事かとトグサに問う。
すると、彼女は平べったい円形の缶を手渡される。
「……映画のフィルム缶? 中身は…………って、タイトル書かれてないじゃない。これ何のフィルムなの?」
「見てもないのに分かるわけないだろ」
ヤマトがやや仏頂面で答える。
さきほどの口論の件をまだ引きずっているようだ。
「ふん、あんたには聞いてないわよ。……で、中身が分からないフィルムなんか持ってどうしてるの?」
「だから、今からその中身を確認するんだ。ここの映写機を使ってね」
「……こんな非常時に映画鑑賞? 随分暢気な提案ね」
「ま、そう言わないでくれ。ラベルも貼られずに置かれてたんだ。何か脱出の手がかりが隠れてるのかもしれない」
苦笑気味にトグサは笑う。
「これで何も意味が無かったら笑うしかないだろうがな。……だが今まで色々あったんだ、まとまった休憩時間を取るのに最適だろう」
「……適度な休憩は今後の活動を良好にする」
「……そういうことだ。――って訳だから、俺は映写機にこれを入れてくる。観客席で待っていて欲しい」
と、トグサはハルヒ達に背を向け、映写室のある方へと歩いてゆく。
――が、それをハルヒが呼び止める。
「……あんたはどうするの? 映写室にずっといるの?」
「君達を観客席に置き去りに出来るわけないだろう。フィルムをセットし終えたら、そっちに急いでいくよ。
……あ、そうそう、中に入ったら正面入口以外のドアをロックしておいてくれ。
誰かが来た時、観客席への侵入ルートを一ヶ所にしておいた方がいいから」
「分かったわ。……ってことであんた達頼んだわよ」
「いや、あんたもやってくれよ……」
ヤマトは溜息をつきつつ、ハルヒの後をついていく。
そして観客席内。
正面入口のドア一枚を除いてドアロックを済ませたハルヒ達は席に座る。
「さぁて、どんな映画なのかしらねぇ」
「……うー、あれこわかった……」
ハルヒの横に座るアルルゥは、一つ前の席の背もたれに顔を隠しながら前を見る。
「大丈夫よ、アルちゃん。すぐに慣れるわ!」
何に慣れるんだよ……とヤマトは心の中でツッコミを入れつつ、何も映されていないスクリーンを見ていた。
ここに来るまでの間に本当に色々あった。
自称ヒーローの豚に出会い大人の階段を登ったり、女の子を撥ねてしまったり、変な女に指図されたり、金髪の少女に襲われたり……。
だが、そんな中で常に行動を供にしていた豚は今は自分の横にいない。
あの後、どこに行ってしまったのだろうか……。
ヤマトは彼の無事を祈り、そして信じつつ、目の前を見続ける。
正面入口のドア一枚を除いてドアロックを済ませたハルヒ達は席に座る。
「さぁて、どんな映画なのかしらねぇ」
「……うー、あれこわかった……」
ハルヒの横に座るアルルゥは、一つ前の席の背もたれに顔を隠しながら前を見る。
「大丈夫よ、アルちゃん。すぐに慣れるわ!」
何に慣れるんだよ……とヤマトは心の中でツッコミを入れつつ、何も映されていないスクリーンを見ていた。
ここに来るまでの間に本当に色々あった。
自称ヒーローの豚に出会い大人の階段を登ったり、女の子を撥ねてしまったり、変な女に指図されたり、金髪の少女に襲われたり……。
だが、そんな中で常に行動を供にしていた豚は今は自分の横にいない。
あの後、どこに行ってしまったのだろうか……。
ヤマトは彼の無事を祈り、そして信じつつ、目の前を見続ける。
――そして上映開始のブザーが鳴り響く。
【B-4・映画館/1日目・夜中】
【新生SOS団】
【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:疲労と眠気/SOS団団員特別認定
[装備]:S&W M19(残弾1/6発)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本
[道具]:支給品一式(食料-2)/警察手帳(元々持参していた物)
暗視ゴーグル(望遠機能付き)/技術手袋(使用回数:残り17回)@ドラえもん
RPG-7スモーク弾装填(弾頭:榴弾×2、スモーク弾×1、照明弾×1)
首輪の情報等が書かれたメモ2枚
[思考]
基本:情報を収集し脱出策を講じる。協力者を集めて保護。
1:上映中の第三者の侵入を警戒する。
2:その後で今後の方針を決める。
3:全員に休憩を取らせる。
4:情報および協力者の収集、情報端末の入手。
5:タチコマ及び光、エルルゥ、八神太一の捜索。
[備考]
風・次元と探している参加者について情報交換しました。
情報交換により佐々木小次郎という名の侍を危険人物と認識しました。
【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】
[状態]:疲労と眠気/SOS団団員特別認定
[装備]:S&W M19(残弾1/6発)/刺身包丁/ナイフ×10本/フォーク×10本
[道具]:支給品一式(食料-2)/警察手帳(元々持参していた物)
暗視ゴーグル(望遠機能付き)/技術手袋(使用回数:残り17回)@ドラえもん
RPG-7スモーク弾装填(弾頭:榴弾×2、スモーク弾×1、照明弾×1)
首輪の情報等が書かれたメモ2枚
[思考]
基本:情報を収集し脱出策を講じる。協力者を集めて保護。
1:上映中の第三者の侵入を警戒する。
2:その後で今後の方針を決める。
3:全員に休憩を取らせる。
4:情報および協力者の収集、情報端末の入手。
5:タチコマ及び光、エルルゥ、八神太一の捜索。
[備考]
風・次元と探している参加者について情報交換しました。
情報交換により佐々木小次郎という名の侍を危険人物と認識しました。
【石田ヤマト@デジモンアドベンチャー】
[状態]:人を殺した罪を背負っていく覚悟/SOS団特別団員認定
疲労と眠気/右腕上腕に打撲(ほぼ完治)/右肩に裂傷(手当て済)
[装備]:クロスボウ/スコップ
[道具]:支給品一式(食料-2)/ハーモニカ/デジヴァイス@デジモンアドベンチャー/真紅のベヘリット@ベルセルク
クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回)@ドラえもん/ぶりぶりざえもんのデイパック(中身なし)
[思考]
基本:これ以上の犠牲は増やしたくない。生き残って元の世界に戻り、元の世界を救う。
1:ぶりぶりざえもんと合流する
2:八神太一、長門有希の友人との合流する
[備考]
ぶりぶりざえもんのことをデジモンだと思っています。
[状態]:人を殺した罪を背負っていく覚悟/SOS団特別団員認定
疲労と眠気/右腕上腕に打撲(ほぼ完治)/右肩に裂傷(手当て済)
[装備]:クロスボウ/スコップ
[道具]:支給品一式(食料-2)/ハーモニカ/デジヴァイス@デジモンアドベンチャー/真紅のベヘリット@ベルセルク
クローンリキッドごくう(使用回数:残り3回)@ドラえもん/ぶりぶりざえもんのデイパック(中身なし)
[思考]
基本:これ以上の犠牲は増やしたくない。生き残って元の世界に戻り、元の世界を救う。
1:ぶりぶりざえもんと合流する
2:八神太一、長門有希の友人との合流する
[備考]
ぶりぶりざえもんのことをデジモンだと思っています。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:疲労と眠気/頭部に重度の打撲(意識は回復。だがまだ無理な運動は禁物)
左上腕に負傷(ほぼ完治)/心の整理はほぼ完了
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料-2)/着せ替えカメラ(使用回数:残り18回)@ドラえもん
インスタントカメラ×2(内一台は使いかけ)
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:映画鑑賞後、今後の方針を考える。
2:キョンと合流したい
[備考]
腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
[状態]:疲労と眠気/頭部に重度の打撲(意識は回復。だがまだ無理な運動は禁物)
左上腕に負傷(ほぼ完治)/心の整理はほぼ完了
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料-2)/着せ替えカメラ(使用回数:残り18回)@ドラえもん
インスタントカメラ×2(内一台は使いかけ)
[思考]
基本:SOS団のメンバーや知り合いと一緒にゲームから脱出。
1:映画鑑賞後、今後の方針を考える。
2:キョンと合流したい
[備考]
腕と頭部には、風の包帯が巻かれています。
【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:思考に軽いノイズ/左腕骨折(添え木による処置が施されている)/SOS団正規団員
[装備]:ハルヒデザインの魔女服(映画撮影時のもの)
[道具]:支給品一式(食料-2)/タヌ機(1回使用可能) @ドラえもん
[思考]
基本:涼宮ハルヒの安全を最優先し、状況からの脱出を模索。
1:涼宮ハルヒを休ませる。
2:小次郎に目を付けられないように注意する
3:キョンとの合流に期待
[備考]
癒しの風による回復力促進に伴い、添木等の措置をして安静にしていれば半日程度で
骨折は完治すると思われます。
[状態]:思考に軽いノイズ/左腕骨折(添え木による処置が施されている)/SOS団正規団員
[装備]:ハルヒデザインの魔女服(映画撮影時のもの)
[道具]:支給品一式(食料-2)/タヌ機(1回使用可能) @ドラえもん
[思考]
基本:涼宮ハルヒの安全を最優先し、状況からの脱出を模索。
1:涼宮ハルヒを休ませる。
2:小次郎に目を付けられないように注意する
3:キョンとの合流に期待
[備考]
癒しの風による回復力促進に伴い、添木等の措置をして安静にしていれば半日程度で
骨折は完治すると思われます。
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:疲労と眠気/右肩・左足に打撲(ほぼ完治)/SOS団特別団員認定
[装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの/ハルヒデザインのメイド服
[道具]:無し
[思考]
基本:ハルヒ、トグサ達と一緒に行動。エルルゥに会いたい。
1:“えいが”怖い……
2:眠たい……
[状態]:疲労と眠気/右肩・左足に打撲(ほぼ完治)/SOS団特別団員認定
[装備]:ハクオロの鉄扇@うたわれるもの/ハルヒデザインのメイド服
[道具]:無し
[思考]
基本:ハルヒ、トグサ達と一緒に行動。エルルゥに会いたい。
1:“えいが”怖い……
2:眠たい……
[共通思考]:映画館でフィルムの中身を確認しつつ、休息をとる。佐々木小次郎を最優先に警戒。
[共同アイテム] :73式小型トラック(※映画館脇の路地に停めてあります。キーは刺さったまま)
おにぎり弁当のゴミ(※トラックの後部座席に放置されています)
マウンテンバイク(※トラックの荷台に残されたままです)
[共同アイテム] :73式小型トラック(※映画館脇の路地に停めてあります。キーは刺さったまま)
おにぎり弁当のゴミ(※トラックの後部座席に放置されています)
マウンテンバイク(※トラックの荷台に残されたままです)
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203:【薄暗い劇場の中で】 | トグサ | 222:【団員の家出/映画監督の憤慨】 |
203:【薄暗い劇場の中で】 | 石田ヤマト | 222:【団員の家出/映画監督の憤慨】 |
203:【薄暗い劇場の中で】 | 涼宮ハルヒ | 222:【団員の家出/映画監督の憤慨】 |
203:【薄暗い劇場の中で】 | 長門有希 | 222:【団員の家出/映画監督の憤慨】 |
203:【薄暗い劇場の中で】 | アルルゥ | 222:【団員の家出/映画監督の憤慨】 |