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  • SUPER GENERATION(中編)

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

SUPER GENERATION(中編)

最終更新:2022年03月20日 14:42

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SUPER GENERATION(中編) ◆LXe12sNRSs


「……ドアだ」
「……ドアね」
「……ドア、ですね」

 そう、三人の前には、違うことなきドアが直立していた。
 ドアといっても、どこかの入り口というわけでもない。
 病院裏口近くの何もない場所で、ドアだけがそこに存在していた。
 本来なら家具屋にあってしかるべきノブ式のそれが、静謐な病院裏の風景に調和して、ひたすら異質だった。
 不自然に存在するドアを発見して、三人は当然のように不審がる。
 フェイトは遠くから外観を眺め、凛は真横から平坦な姿を観察し、ロックはポリポリと頭をかきながら考え込んだ。

「誰かの持ち物かい? 見覚えのある人は?」
「ないわよ。私たちの手持ちはさっき確認しあったばかりだし、今までここにこんなものはなかった。あんた達は?」
『私にも知りえぬものです。特に魔力反応は感じません』
『私も同様だ。水銀燈の隠し持っていた荷物にも、このようなものは存在していなかった』

 レイジングハートやリィンフォースにまで返答を求めてみるが、謎のドアの正体は掴めず。
 パッと見これといった害は感じないが、用心に越したことはない。

「なんだか分からないけど、とりあえず今はドラえもんたちのところに戻りましょう」
「賛成だ。君子危うきに近寄らずって言うしね」

 下手に触れるのは危険と判断した凛とロックは、大人しくその場から立ち去ろうとする。
 その寸前で、フェイトがドアに起こった微細な変化に気づく。

「――! ちょっと待ってください」
「なに? どうしたのよ」
「今……ほんの少しだけど、ドアノブが回りました」
「なんだって?」

 三者が立ち止まり、無機質なドアノブに視線を向ける。
 目だった動作はない。動いたと言えば動いたようにも見えるし、逆もまたしかり。
 そして、三人の誰もが認める明らかな変化は、すぐに訪れることとなる。

『――!? 強烈な魔力反応を感知。これは――』

 レイジングハートが告げたこの報告と、ゆっくりと開かれたドアが始動スイッチとなり――


 ◇ ◇ ◇


「これで……よしっ、と」

 天然温泉の湯気香る森の中で、グリフィスは一人、丸太と蔓を繰りながら罠を作っていた。
 これはもちろん、温泉近くに接近した輩を排除するためのブービートラップである。
 グリフィスに与えられた最優先任務は、エイハチ温泉という拠点の防衛。
 これは、ツチダマという軍勢を従えた現状でも変わらない。
 なにせ、グリフィスの首はギガゾンビの手綱に繋がれたままだ。
 たとえボイドが情報隠蔽をしていたとしても、常にギガゾンビの目を欺くことは難しいだろう。
 先の一件で、監視の目がより厳しくなっているのは明白。ならば、ポーズだけでもギガゾンビの従者として振舞う必要がある。
 それに、罠の作成はなにも無駄な行為ではない。いつか訪れるであろう脱出派の連中の戦力を削ぎ落とすのに、少なからず役に立つ。

(セイバーがどこまで活躍してくれるか。このような陳腐な罠の出番が回ってこないに越したことはないのだがな)

 ツチダマたちを味方につけた今、優勝を掴んだ後にギガゾンビの寝首をかくことは難しくない。
 難題は、残りの参加者をどう葬るか。グリフィスが今のところ最優先に考えるべきは、その一点のみ。

「――おやぁ? ひとりぼっちで点数稼ぎかグリフィス君。配下のツチダマたちはどうしたね?」

 ふと、近くに迫った気配を感じて、グリフィスの身が震える。
 座り込んで作業するグリフィスに声をかけたのは、仮面の王の肉声だった。

「これはこれは、ギガゾンビ様。わざわざこのような舞台に赴かれるとは、何か火急の用事ですかな?」

 一体のツチダマを従えた、猫背気味の仮面は、ホログラムなどではない。紛れもない、精霊王ギガゾンビの実体だった。
 連絡に虚像を用いたり、己のフィールドに呼び出しをしたりなど、これまで頑として舞台上に上がろうとしなかったギガゾンビが、突然現れたのは少し意外だった。
 しかし、冷静な態度は崩さない。即座に跪き、百戦錬磨の鷹の装いで、グリフィスは王の来訪を歓迎した。

「火急も火急。一つ重要な仕事ができてな」
「ほう? 何か新たな問題でも発生しましたかな? 小事でしたら私めが引き受けますが」
「その前にグリフィスよ、私の質問に答えてもらおう。
 ――何故一人で罠作成などしている? 貴様の配下に使わせた三体のツチダマたちはどうした」

 その問いに、グリフィスの眉が僅かに吊り上がる。
 フルフェイスのマスクからは覗かれることがないが、このたった一つの質問から、グリフィスは危機を感じ取っていた。
 ギガゾンビはこの質問で何かを探ろうとしている。よもやこちらの思惑に感づいたとは思いがたいが、迂闊な返答はできない。

「スランは西、ユービックは南へ、資材集めを兼ねた偵察を命じてます。ボイドは施設内でスパイセットによる監視を――」
「おまえは嘘が下手クソだなぁ、グリフィス」

 もっともらしい返答をした後、ギガゾンビから思いがけない言葉が返ってくる。

「嘘――とはまた、ギガゾンビ様もお人が悪い。私は貴方様の忠実なる下僕。そのような恐れ多い……」
「フン。忠実なる下僕ぅ~? キサマがぁ~? ならば、私が死ねと命令すれば素直に従うか? それほどの忠誠心が貴様にあるというのか?」
「ただ意味もなく死ねというのなら聞きかねます。ですが、貴方様の御命を守るため、盾となって散れというのであれば喜んで」

 ギガゾンビが何かを探ろうとしているのは明瞭。質問の裏に悪意を感じつつも、グリフィスは常の冷静さを忘れたりはしない。
 主の機嫌を損ねぬよう、適切な対応をこなしてこの場を凌ぐ。グリフィスには微塵の油断もなかった。

「勇ましい! 実に勇ましいではないか! このような配下を持てて、私も誇らしいことこの上ないぞ!
 ……だがなぁグリフィス。貴様は知らんかもしれんが、どうやら私に伝わるはずの情報を隠蔽していた輩がいたようでなぁ」

 その一言で、グリフィスの顔がいっそう張り詰める。
 もしかしたら、考えられる上で最高の問題が発生したのかもしれない。
 いや、ギガゾンビのほくそ笑んだような声調を聞けばもはや確定だ。
 グリフィスにとって最も恐れるべき事態、つまりは、隠し事の露見――

「いや、なに。貴様を信用しないというわけではないのだが、どうやら我が配下に反乱分子がいたことは確かなようでのぅ。
 よもや、貴様と関連性があるのでは……な~んて思っちゃったりしてなぁ~」

 仮面の下で不気味な笑みを作っているのは間違いない。
 このもったいぶった物言い、勝利を確信し慢心した愚将のそれと同じだ。
 ギガゾンビは、明らかに何かの証拠を握っている。グリフィスを不利に追い込む、何か決定的な証拠を。

(となれば、どう対処するか――)

 服従の姿勢を逆手に取り、地を見つめながら冷静に策を練るグリフィス。
 その眼下に向けて、ギガゾンビは乱暴な仕草である物体を投げ込んだ。

「ッ!」

 いかに冷静沈着なグリフィスといえど、その姿を視界に入れた際の驚愕は避けられなかった。
 腕や足などの各部位が損壊し、無様な格好を晒す土色の木偶人形――ギガゾンビがグリフィスの前に示し出したのは、土偶型ロボットのツチダマだった。
 そして、これはただのツチダマではない。素人目では区別がつかないだろうが、グリフィスの鋭い眼光はその正体を的確に見破った。
 これは、グリフィスの命を受け、隠蔽工作と情報操作を行っていたボイド――その、成れの果てだ。

『ぎ、ギガ……』

 ボイドは、壊れかけの玩具のようなぎこちない動作を見せ、まだ辛うじて機能していることを示した。
 ギガゾンビを欺く上で、最も重要な任を与えていたボイド。それがこんな姿で連行されたとなれば、ギガゾンビの真意はもはや明確だ。
 絶体絶命の窮地が訪れた――だが、鉄面皮は崩さない。

「グリフィス、こいつが何をしていたか……よもや知らぬなどとは言うまいな?」
「さぁ……あいにく、このツチダマなる兵たちは皆同じような外見をしています故、このように壊れてしまった姿では、区別なぞ不明瞭でして……」
「フン。いいだろう、ならば教えてやる。こやつの名はボイド。貴様がそう名づけた、元は列車の監視役に任命していたツチダマだ。
 しかし、どういうつもりかは知らぬが……こやつめ、私に伝達するべき監視映像を勝手に改竄し、誤った情報を伝えていたようでな。
 故に、このような制裁を与えた。しかしながら、私には何故こやつがそんな所業に走ったかが理解できん。
 もしやとは思うが……何者かの命を受けての行動、などではないかと思ってなぁ」

 グリフィスの計画の中で、最もバレたらマズイ悪事を働いていたツチダマ、それがボイドだった。
 ギガゾンビへの情報を隠蔽し、グリフィスの行動を隠し通す……最重要任務にして最上級危険度を伴う仕事。
 その任は、今、最悪のケースで終幕を迎えた。
 こうなってしまっては、ボイドにもう道は残されていない。
 あとは怒り狂ったギガゾンビに処分されるだけ。問題は、それに至るまでをどう生きるか。

「先に述べましたとおり、私がボイドに命じたのは拠点周囲の監視のみ。
 そのような、ギガゾンビ様への背信行為になりかねない任を命じた覚えはありませんな」
「ふむ。つまりグリフィスよ、おまえはこのボイドの行いが、独断によるものだと申すのか?」
「元より、ボイドはギガゾンビ様の配下。私はそれを借りていたにすぎません」

 グリフィスはボイドの所業に対して、知らぬ存ぜぬ貫き通すつもりだった。
 これでボイドが酷い、あんまりだと騒ぎ立てればそれまで。グリフィスは嘘つき者として処断される。
 だが、ボイドには既に『調教』を施している。万が一にも、グリフィスを貶めるような真似はしないはずだ。

『……べ、別にグリフィスなんかの命令に従ったんじゃないやい!
 お、オレはただ、おまえのことが気に入らなくてちょっと意地悪してやっただけだ!
 ツチダマ使いは荒いし、足は臭いし、いい加減嫌気が差してきたんだ!
 壊すならさっさとやれい! このボイド、逃げも隠れもせん!!』

 震える声で大見得を切り、ボイドは覚悟を決めた。
 破壊される恐怖はある。だが、これは無駄死にではない。
 敬愛する我らが王、グリフィス様の身を守るための死だ。

(そうだ……それでいい。上出来だぞボイド)

 ボイドの言動も、全てはグリフィスの手はずどおり。
 今や大半のツチダマたちはグリフィスに浸透しきっている。その最たる例が、ボイド、スラン、ユービックの三体だ。
 中でも、ボイドは処罰されるべき場面で救済してやった恩がある。
 このツチダマという人形は人間よりも単純ゆえに、コロコロ寝返るなどという器用な真似はできないはずだ。
 グリフィスに心奪われたツチダマたちは、今や彼の虜。それこそ、死ねと命令すれば本当に命を絶ちかねない。
 だからこそ、駒としては有用だ。その絶対的な忠誠心は、ルイズや不二子などといった捨て駒よりもよっぽど扱いやすい。

「なんと潔い。まったく、どこでこのような態度を覚えたのか……ククク。
 グリフィスよ、私は予定通り、反逆者であるこやつを処分しようと思う。異論はあるまいな?」
「もちろんでございます。反逆者にしかるべき処罰を」

「では、死ねい!!」

 ギガゾンビの光杖が唸る。コンラッドを破壊した時のような閃光の魔の手が、ボイドを狙う。
 悔いはない。ボイドにとって、グリフィスは光だった。敬愛する王の命を守るためならば、我が身を捧げることすら容易い。

 惜しくはあった。情報隠蔽のスキルを持ち、有益な手駒として機能していた部下を失うことに、心残りはあった。
 しかし、それも明日の朝日を拝むための代償だとするならば、実に安い。
 外では誰もが憧れる王のポーズを取りながら、必要な時には容赦なく切り捨てる。
 所詮、グリフィスにとってツチダマはその程度の存在でしかなかった。
 それでも、ボイドは幸せなほうだ。
 最後までグリフィスの本性を知ることなく、彼のために逝けるのだから――

「――などと言うと思ったか、馬鹿め!!」

 ギガゾンビの杖から迸った閃光が、ボイド――を通過し、グリフィスの身を襲う。
 軽い衝撃に身を震え上がらせたグリフィスは一度絶叫し、その場に悶絶した。
 思わぬ出来事にボイドは唖然とし、その場で主人の安否を確かめるべく叫んだ。

『ギガ!? ぐ、グリフィス様! …………やい、おまえ話を聞いていなかったのか!?
 今回の件はこのオレの独断、グリフィス様は関係ない! なのになんという酷い仕打ちを……』
「な~にがグリフィス様だ! 貴様等の主人は、創造主であり親であるこの私ただ一人!
 それを、どこの馬の骨とも知らぬ凡骨にそそのかされおって、恥を知れ!」
『そうだギガ! 同じツチダマとして恥ずかしいギガ!!』

 ギガゾンビの後ろに付いていた一体のツチダマが、同調して声を上げる。

『ホテルダマ!? まさか、オレたちのことを密告したのはおまえか!?』
『ギガはもう、ホテルダマなんていうダサい名前じゃないギガ!
 我が名はフェムト――ギガゾンビ様一の配下にして、全ツチダマのトップに立つ者だギガ!』

 高らかに叫ぶその姿は、他のツチダマとは一線を画すブラックカラーに染め上げられていた。
 おそらく、ギガゾンビが密告の褒美として彩色したのだろう。

「グリフィスよ。おまえとツチダマ数十体による反逆行為は、このフェムトを通じて全て露見した。
 残念だったなぁ。しかし、調子に乗って人が作った人形を駒にしようなどと企んだのが元々の失敗だったのだ。
 白き鷹ともあろう男が、裏切り者の出現を予期できなかったのか? うん?」

 勝ち誇った表情を仮面の下に忍ばせて、ギガゾンビは地を這うグリフィスを見下す。
 ……失策だった。此度の情報が漏れたのは、明らかにグリフィスのミスだ。
 いかに元の主人に反感を持っていたといえど、ツチダマたちは本来、ギガゾンビが作り出した人形にすぎない。
 雇われの傭兵集団の中にスパイが潜むことなど日常茶飯事だし、賄賂を渡されユダに成り下がる者とて少なくはない。
 数多の戦場で騙し騙されを経験してきたグリフィスが、身内によって破滅させられるなど……凡ミスとしか言いようがなかった。

「さて、貴様の処遇についてだが……ここまで好き放題やってくれたんだ。これ以上野放しにしておくことはできん。
 もちろん、それ相応の覚悟もできているであろうな……?」

 ついに崖っぷちに立たされたグリフィス。王手に差し掛かるギガゾンビを前に、もはや成す術はないかと思われた。が。

「……覚悟とは、随分可笑しなことを言う」

 意外なことに、グリフィスは笑っていた。
 不敵に、妖艶に、いつもの鷹の微笑を覗かせていた。

「この殺人遊戯、聞くところによれば、意欲的に殺し合っている人間は、もう一人のみだと言うではありませんか。
 その一人に任せ、残りの十数名を葬り去ることなどできるとお思いですか? 賢明な貴方様なら分かるでしょう、不可能です。
 セイバーが潰えた時、身の危険に晒されるのは貴方自身だ。感情のままに私を葬ったとしても、それは何も生み出さない。
 後悔が残るのみだと…………思い…………ま、す…………グぁッ!?」

 ゆっくり立ち上がろうとしたグリフィスの姿態が、まるで糸が切れたかのようにガクンと崩れ落ちてしまった。
 同時に、余裕の混じっていた声色が荒々しい呼気に占領される。鷹の面から覗く瞳は、疲労の色に染まっていた。
 熱い。全身が焼けるように熱い。ミッドランド城の拷問室で味わった、肉を焼かれる苦しみよりも辛い。
 痛い。胸が締め付けられるように痛い。戦場で馬に跳ね飛ばされた時のような衝撃が胸を襲い、意識を薄れさせている。

 ――この熱は、この痛みは、なんだというのだ!?

『グリフィス様!?』
『どうなされたのですかグリフィス様ぁー!?』

 グリフィスを襲った突然の異常事態。
 我らが王の一大事を察知したツチダマたちが、どこでもドアを通じて一斉に温泉に駆けつけてくる。
 およそ数十体。実に配下のツチダマの9割を越す数が、グリフィスのピンチに馳せ参じてきたのだった。

「ふん、反逆者共が揃いもそろってゾロゾロと……」
『やいギガゾンビ! お前、グリフィス様にいったい何をしたギガ!?』
『返答次第ではただじゃおかないギガ!』
『構うことはない、こんなヤローやっちまうギガ!』

 集ったツチダマの群衆は、ギガゾンビたちを取り囲むかのように円陣を組む。
 いつ襲い掛かってもおかしくない熱情を滾らせ、反逆の意志をあらわにしていた。
 ストライキやテロ行為も、みんなでやれば怖くない。そんな風に高揚した感情が、ツチダマたちから一時的に恐れを失くしているのだ。
 しかし、冷静な目で見れば、ギガギガ言うだけしか能がない有象無象……グリフィスを看破した今のギガゾンビに、土偶の群れを恐れる必要などない。

「喝ッッッッッッッ――――――ツ!!!!」

 血気盛んなツチダマの群集を前に、ギガゾンビが一喝する。
 常の弱腰な姿からは想像も出来ない迫力に、あるツチダマは横転し、またあるツチダマは二、三歩退いた。

「何がグリフィスだ! 何が鷹の団だ! 何が新王だ! 貴様等ツチダマを作り上げたのは誰か――この精霊王ギガゾンビ様だ!!
 私は貴様等のなんだ? 創造主であり、父であり、母であり、神だ! 斯様な俗物に心奪われるなど、恥ずべきことぞ!!!」

 今まで散々、足が臭い、ツチダマ使いが荒いと豪語されてきたギガゾンビが、威厳を発揮した瞬間だった。
 老いても時間犯罪者、これしきのことで怖気づくような度量は持ち合わせていない。

「貴様等が飼い主である私に爪を突き立てるというのであれば構わん! 私も自己の身を守るため、貴様等の体内に仕掛けた爆弾を爆破させるだけだ!」
『ギガ!? い、いつの間にそんなものが埋め込まれていたギガか!?』
『惑わされるな! は、ハッタリに決まってるギガ!』

 もちろん、ハッタリだ。参加者用の首輪を製作するだけでも大変だったというのに、そんな要らぬモノにつぎ込む金はない。
 しかし、ハッタリといえど相手は所詮ツチダマ。いくら個々の性格を持ったとはいえ、製作者の口から出た言葉を嘘と見抜く技術はなかった。

「ならば、試しに誰かを見せしめにしてやろうか? あの源静香やフリーのカメラマンのように……体内から盛大に火花を撒き散らすか!?」
『ひ、ヒィィィ~』

 この脅しで、全体の過半数を超えるツチダマが慄いた。
 ゴッドハンドの名を与えられた三体はともかくとして、ツチダマの中にはノリや勢いでグリフィス側に寝返った者も多い。
 互いの力量差を明確に見せ付けられ、天秤が傾いた今、強い方に就こうとするのは自然な流れだった。

「さて、グリフィスよ。先ほどからその苦しみの正体が分からず困っているようだが……聡明なおまえのことだ、薄々感づいてはいるだろう。
 そう、ジュエルシードだ。貴様が求め、私が与えてやった力。まさか、私がそのような便利な道具をただで与えたとは思っておるまいな?」

 グリフィスに答える気力はない。ただひたすら苦しみに耐え、意識を保つことが精一杯だった。
 返答もままならないグリフィスを尻目に、ギガゾンビは饒舌に語り出す。

「実を言うと、そのジュエルシードなるロストロギアは、本物ではなく紛い物でな。
 ある魔導師が魔力を注ぎ込み、同等の力を持つよう複製した模造品にすぎん。
 大方、時空管理局の目を欺くための囮にでも使おうとしたのだろうなぁ。
 オリジナルほどのパワーは持たぬが、ある一点だけは、オリジナルよりも高性能だ。
 その一点とは――暴走時の肉体掌握。
 その石に願いを叶える力などありはせん。それどころか所有者の肉体を乗っ取り暴れ狂うのみ。
 暴走することを前提に作られ、暴走の間だけ魔力を垂れ流す、使い手にとっては厄介極まりない宝石よ」

 ギガゾンビの言葉の意味など、今のグリフィスでは三割も理解できなかったことだろう。
 精霊王の種明かしのとおり、精神的にも肉体的にも、グリフィスはグリフィスを忘れ去ろうとしていた。
 暴走の証明――ある魔導師が作り上げたジュエルシードもどきが、グリフィスという存在を掌握しつつある。

「バトルロワイアル進行の心配をしてくれたことには礼を言っておこう。確かに、今やマーダーと呼べる存在はセイバーただ一人だ。
 よって、私はのうのうとジョーカー気取りでいた君を、イレギュラー・マーダーとして再び前線に送り込もうと思う。
 そのためのジュエルシードもどき……果たして何人討ち滅ぼしてくれることやら……クックックックッ」

 手綱はずっと、首輪だけかと思っていた。
 だが違ったのだ。グリフィスがギガゾンビに力を求め、ジュエルシードを受け取った時点で、勝敗は決していた。
 首輪とジュエルシード、二つの手綱に引かれたグリフィスに、最初から勝ち目などなかったのだ。

 保険の存在を忘れ、今までビクビクしていた自分が馬鹿みたいだ――と、ギガゾンビは改めてほくそ笑んだ。
 元々ジュエルシードの総個数は21個……その内の9個は既に失われ、残りの12個は時空管理局に保管されている。
 グリフィスに与えた贋物は、プレシア・テスタロッサ事件の起こった時空にて採取した拾いものにすぎない。
 わざわざ保管されている本物のジュエルシードを強奪して、管理局に目をつけられるのも馬鹿な話。
 高町なのはやフェイト・T・ハラオウンなど、ジュエルシードの存在を知る者ならば、あれが模造品などということは早々に気づき得たことなのだ。
 この時点で、魔法というものの根本を知り得なかったグリフィスに、ギガゾンビの思惑を見破る術はなかった。

「…………っ」

 苦痛に歪む身体を震わせながら、グリフィスの身体がゆっくりと立ち上がる。
 右手には至宝の剣、エクスカリバー。その切っ先をギガゾンビに構え――大胆にも、笑った。

「む? 貴様、この期に及んでまだ歯向かおうと言うのか? 言っておくが、剣を振ろうなどと思っても無駄なことだぞ。
 貴様の首には、超高性能の爆弾が取り付けられている。もしおかしな真似をすれば、即座に首が吹き飛ぶと思え」

 そう言って、ギガゾンビは82個のボタンが取り付けられたリモコンを取り出す。
 ワンプッシュで参加者の命を絶つことができる、最終殺人兵器。いかな強者といえど、この最強の兵器を前に屈服を免れることはできない。
 それはグリフィスとて同じこと。苦し紛れにギガゾンビを襲おうなどと考えたならば、愚かなことこの上ない。
 しかし、刃は収めず――グリフィスは不気味に微笑んだまま、エクスカリバーを真横に振るった。
 その、真名と共に。

「……約束された、勝利の剣――!」

 瞬間、エクスカリバーの切っ先から光の奔流が解き放たれる。
 迸る破壊光はグリフィスの左方に聳える施設――エイハチ温泉を襲撃し、爆音を巻き起こした。

「…………は?」

 突然の事態に、ギガゾンビは燃え盛る炎をキョトンと見つめることしかできなかった。
 燃えている。参加者たちの憩いの場であり、最終決戦の地となるはずだった温泉施設が。最後の亜空間破壊装置と共に。
 笑っている。苦痛の淵に追いやられたグリフィスが、してやったり、と言わんばかりに。

 ――今、空間破壊の仕掛けは解かれ、世界は元の枠に収まった。

 北の、東の、西の、南の空が、元の空間と同調する。
 北方の果てに、雲隠れしていたギガゾンビの居城が姿を現した。
 温泉施設はまだ燃えている。マッサージチェアやシャンプーセット、入浴後のコーヒー牛乳諸々を全て飲み込みながら。
 湯は衝撃で弾け飛び、雨粒となって地表に降る。極楽の湯船は木っ端微塵に吹き飛んだ。
 ギガゾンビの身体が、わなわなと震え出す。事の重大さを、その身に噛み締めながら。

「な……な、な、なななんあなななああんなあああああ! なにをやらかしてくれたのだ、キッサマァアアアアアアア!!!」

 発狂したギガゾンビが、怒りのままにリモコンを振り翳す。
 指をかけたボタンは73番。最後の亜空間破壊装置を消し飛ばしてくれた、最悪の反逆者に制裁を与えんと力を込める。
 鷹の翼に、猟銃の照準が定められた。
 グリフィスに抵抗する余裕はない――だがその時、命を刈り取ろうとする狩人の手を、微弱な電撃が襲った。
 ギガゾンビの握っていた遠隔爆破装置が、その電撃によってショート。小さな爆発音と共に手から零れた。
 驚愕に染まった顔をさらに歪ませたギガゾンビが、電撃を放った張本人を睨みつける。
 その双眸の先で、死に掛けのボイドが這い蹲りながら笑っていた。

『ざまぁ、みろ……グリフィス様の、御命、は』
「消えろ! この裏切り者め!!」

 ギガゾンビの杖が発光し、ボイドの身体が粉々に弾け飛んだ。
 グリフィスに命を救われ、グリフィスに忠義を尽くし、グリフィス心奪われていたボイドは――最後の最後まで、鷹の忠臣であり続けた。

「チィィ……グリフィスよ! 本当なら今すぐブッ殺してやりたいところだが、貴様にはもう一働きしてもらうぞ!
 さっきも言ったとおり、ただ殺戮を働くことしかできぬ完全無欠の純正マーダーとしてなぁ!」

 グリフィスの側に突如、桃色のドアが出現し、扉が開く。
 ブラックホールのような引力の渦巻く入り口へ、ギガゾンビはグリフィスを蹴りで放り込んだ。
 扉が閉まる。ドアが消失する。向かった先は――現在もっとも多くの参加者が集っている、最前線地区。

「ツチダマ共よ! その身体を吹き飛ばされたくなければこのギガゾンビについて来い!」
『い、イエッサー! 我々はギガゾンビ様の忠実な下僕ですギガー!』
『ハイルギガゾンビ!』
『ジークギガゾンビ!』
『いよっ!ギガゾンビ』

 ころりと態度を変えたツチダマたちが、ギガゾンビと共に居城へと帰還していく。
 そしてその場には、焼失していく温泉の残骸と、壊れたボイドの破片だけが残された……。


 ◇ ◇ ◇


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