ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4058 まちょりーになりたい
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『まちょりーになりたい』 15KB
愛で ギャグ 飼いゆ 失礼します
愛で ギャグ 飼いゆ 失礼します
チートあきです。
「ぱちぇはまっちょりーになりたいわ!」
仕事から帰ってきた男に、ぱちゅりーはいきなりそう言った。
男がアパートで飼っているぱちゅりーだった。ドアの前でクリーム吐いて死にかけてい
たのを助けてから、なんとなく飼うようになり、その後胴付き化した。今は頭身の低い、
小学生低学年くらいの身体である。
頭の帽子には、金バッジを付けていた。
男は金バッジを付ける必要を感じていない。しかし、胴付きゆっくりはセキュリティの問
題も含めて金バッジを習得していた方がいいとゆっくり管理課から助言を受け、今は金
バッジを付けている。
男がアパートで飼っているぱちゅりーだった。ドアの前でクリーム吐いて死にかけてい
たのを助けてから、なんとなく飼うようになり、その後胴付き化した。今は頭身の低い、
小学生低学年くらいの身体である。
頭の帽子には、金バッジを付けていた。
男は金バッジを付ける必要を感じていない。しかし、胴付きゆっくりはセキュリティの問
題も含めて金バッジを習得していた方がいいとゆっくり管理課から助言を受け、今は金
バッジを付けている。
閑話休題。
「いきなり何を言い出すんだ?」
部屋着に戻ってから、男はぱちゅりーを見た。
「むっきゅ。ゆうがたに"ゆーれんじゃー"のさいほうそうさんをみたのよ」
両手を握り締め、そう答えてくる。
ゆーちゃんねる。飼いゆっくりが留守番中に見る事を目的に作られている。勉強や教
養もの、娯楽のアニメ、特撮、さらにドキュメンタリーまで、放送内容は幅広い。
ゆーれんじゃーとはそこで放送されている特撮ドラマだ。とあるお山を舞台に、お山の
平和を守るゆーれんじゃーと悪の組織ゲスゲス団との終わり無き戦い。初期シリーズか
ら現在まで十九シリーズが作られ、人間にもファンは多い。CGやスタントは極力使わず、
殺陣シーンでは毎回十数匹のゆっくりが潰されている。そんな突き抜けた番組だ。
ゆーちゃんねる。飼いゆっくりが留守番中に見る事を目的に作られている。勉強や教
養もの、娯楽のアニメ、特撮、さらにドキュメンタリーまで、放送内容は幅広い。
ゆーれんじゃーとはそこで放送されている特撮ドラマだ。とあるお山を舞台に、お山の
平和を守るゆーれんじゃーと悪の組織ゲスゲス団との終わり無き戦い。初期シリーズか
ら現在まで十九シリーズが作られ、人間にもファンは多い。CGやスタントは極力使わず、
殺陣シーンでは毎回十数匹のゆっくりが潰されている。そんな突き抜けた番組だ。
「ぷろふぇっさーまちょりーがかっこよかったわぁ!」
頬を赤くして、両手を胸に当てるぱちゅりー。
げほげほと咳き込んだ。
げほげほと咳き込んだ。
「確かに、アレは凄かったな……」
男は腕組みをして頷く。前に見た事があるのだ。
第十二期に登場するプロフェッサーまちょりー。作中最強のジョーカーキャラで、強敵
であるドゲスを一蹴したり、ゲスゲス団の怪ゆ百匹に無双したり、主人公たちを喰いまく
った活躍が特徴だった。無駄に格好いい。
それを見て、ぱちゅりーがまちょりーに憧れるのは当然だろう。
第十二期に登場するプロフェッサーまちょりー。作中最強のジョーカーキャラで、強敵
であるドゲスを一蹴したり、ゲスゲス団の怪ゆ百匹に無双したり、主人公たちを喰いまく
った活躍が特徴だった。無駄に格好いい。
それを見て、ぱちゅりーがまちょりーに憧れるのは当然だろう。
「でも、お前がまちょりーになるのは無理だろ」
「どーしてそんなことううのおお!」
「どーしてそんなことううのおお!」
冷静な言葉に、ぱちゅりーは涙を流す。
「お前……普通のぱちゅりーよりも身体弱いのに。無茶するなよ、また死ぬぞ」
苦笑いとともに、男はそう言った。
ぱちゅりー種は虚弱と言われるが、このぱちゅりーは特に身体が弱かった。生きてい
るのが不思議なレベル。数日に一回は死にかけている。三途の川のゆっくりこまちと顔
見知りになってしまうほどに。
右手を握り締め、ぱちゅりーは言った。
ぱちゅりー種は虚弱と言われるが、このぱちゅりーは特に身体が弱かった。生きてい
るのが不思議なレベル。数日に一回は死にかけている。三途の川のゆっくりこまちと顔
見知りになってしまうほどに。
右手を握り締め、ぱちゅりーは言った。
「だいじょうぶよ。ぱちぇにおまかせっ!」
少し時間は進んで、土曜日の午前中。
「というわけで、公園までやってきたわけだが」
アパートの近くにある小さな公園である。地域ゆっくりが四匹、不思議そうに男を眺め
ていた。れいむ、ちぇん、みょん、ぱちゅりーの四匹である。
ていた。れいむ、ちぇん、みょん、ぱちゅりーの四匹である。
「むきゅ。なんでえれえれようばけつさんをもってるの?」
男は右手に小さなバケツを持っていた。
白いプラスティック製で容量は二リットル。内側に目盛が書かれていた。本来は塗料
などを入れるバケツらしい。もっとも、入れられるものはぱちゅりーが吐いた生クリーム
が主なので、えれえれ用バケツと呼ばれている。
白いプラスティック製で容量は二リットル。内側に目盛が書かれていた。本来は塗料
などを入れるバケツらしい。もっとも、入れられるものはぱちゅりーが吐いた生クリーム
が主なので、えれえれ用バケツと呼ばれている。
「なんとなく」
「むっきゅ」
「むっきゅ」
ぱちゅりーは両手を腰に当て、
「まずはまらそんさんで、きそたいりょくをつけるわ!」
そう宣言し、走り出す。
単純に走ることは体力強化の基本である。ぱちゅりーは公園の縁をなぞるように一周
するつもりだった。人間なら簡単なマラソン。普通の胴無しゆっくりでも難しくはない。
だが、このぱちゅりーは身体が弱い。
単純に走ることは体力強化の基本である。ぱちゅりーは公園の縁をなぞるように一周
するつもりだった。人間なら簡単なマラソン。普通の胴無しゆっくりでも難しくはない。
だが、このぱちゅりーは身体が弱い。
「むっきゅ、むっきゅ……」
最初の角を曲がった時は、そこそこ元気だったが。
そこで体力が底を突く。虚弱なぱちゅりーでも、ほんの少しの時間なら普通に動く事
ができるのだ。しかし、動けるのはその僅かな時間のみ。それを過ぎると、一気に燃料
切れとなり、身体が危険信号を発する。
そこで体力が底を突く。虚弱なぱちゅりーでも、ほんの少しの時間なら普通に動く事
ができるのだ。しかし、動けるのはその僅かな時間のみ。それを過ぎると、一気に燃料
切れとなり、身体が危険信号を発する。
「むきゃぁ……むきゃぁ……」
ぱちゅりーの喉から苦しげな声が漏れていた。両手を垂らして、前を見る目は虚ろ。
顔色も青く、今にも死にそうな有様だ。足取りもかなりふらついている。
それでも止めないのは、無駄に根性があるからだった。
半分を過ぎると、もはやゾンビである。
顔色も青く、今にも死にそうな有様だ。足取りもかなりふらついている。
それでも止めないのは、無駄に根性があるからだった。
半分を過ぎると、もはやゾンビである。
「……ぅ……ぉぉぉ……」
不気味な呻き声。
最後の角を曲がり、ぱちゅりーが男の元まで歩いてくる。
白目を剥いて、口から生クリームを少し垂らし、死んだような顔色。左右にふらつきな
がら迫ってくる様子は、普通にホラーである。
瀕死のぱちゅりーが男の前までたどり着いた。
最後の角を曲がり、ぱちゅりーが男の元まで歩いてくる。
白目を剥いて、口から生クリームを少し垂らし、死んだような顔色。左右にふらつきな
がら迫ってくる様子は、普通にホラーである。
瀕死のぱちゅりーが男の前までたどり着いた。
「ほれ」
「えれえれえれえれえれえれ……」
「えれえれえれえれえれえれ……」
差し出したえれえれ用バケツに、口から大量の生クリームを注ぎ込む。大量に吐き出
しているように見えても、総量は意外と少ない。バケツ半分程度だ。一リットルほど。そ
れでも、人間がこれだけ吐いたら病院行きだろう。
出すだけ出してから、ぱちゅりーはバケツを掴んだ。バケツの縁に口を付け、
しているように見えても、総量は意外と少ない。バケツ半分程度だ。一リットルほど。そ
れでも、人間がこれだけ吐いたら病院行きだろう。
出すだけ出してから、ぱちゅりーはバケツを掴んだ。バケツの縁に口を付け、
ごくごくごく。
中身を飲み干していく。
ゆっくりが内容物を吐き出した場合、早急な栄養源の摂取が必要である。ぱちゅりー
の場合は吐いたクリームをそのまま飲み込むのが一番効率がいい。
そのあたりは、慣れたものだった。
バケツを空にして、パチュリーが一息つく。
ゆっくりが内容物を吐き出した場合、早急な栄養源の摂取が必要である。ぱちゅりー
の場合は吐いたクリームをそのまま飲み込むのが一番効率がいい。
そのあたりは、慣れたものだった。
バケツを空にして、パチュリーが一息つく。
「むきゅぅ……。なかなか……さいさきのいい……すたーとね……」
「このどこに幸先の良さがあるか、全く分からんのだが」
「このどこに幸先の良さがあるか、全く分からんのだが」
男は呆れ顔で呻いた。
「ふっきんさんで、おなかのきんにくをきたえるわ!」
畳に仰向けになり、ぱちゅりーは宣言した。脚に枕を乗せ、組んだ両手を頭の後ろに
置いている。子供が遊んでいるように見えなくもない。
置いている。子供が遊んでいるように見えなくもない。
「肉無いだろ。中身生クリームだろ……」
「こまかいことはきにしちゃだめよ」
「こまかいことはきにしちゃだめよ」
男の言葉に、ぱちゅりーは言い返す。
それから腹筋運動を始めた。
それから腹筋運動を始めた。
「せーのっ。いーちッ!」
腹の筋肉の力だけで上半身を起こす。ゆっくりに筋肉は無いのだが、その部分の餡
子やクリームが筋肉のように動き、同じ効果を得る。何度も負荷を掛ければ、その部分
の餡子が強化され、力も付いていく。その極致がまちょりーだ。
起き上がった上体を一度下ろし、
子やクリームが筋肉のように動き、同じ効果を得る。何度も負荷を掛ければ、その部分
の餡子が強化され、力も付いていく。その極致がまちょりーだ。
起き上がった上体を一度下ろし、
「にー……ぃ……」
ぱちゅりーは再び身体を起こした。
だが、その動きは一回目よりも明らかに遅かった。歯を食い縛り、身体を細かく震わ
せながら、なんとか上体を起こしている。息は乱れ、顔色も青い。
それでもぱちゅりーはやめない。
後ろに身体を下ろし、三回目の腹筋。
だが、その動きは一回目よりも明らかに遅かった。歯を食い縛り、身体を細かく震わ
せながら、なんとか上体を起こしている。息は乱れ、顔色も青い。
それでもぱちゅりーはやめない。
後ろに身体を下ろし、三回目の腹筋。
「さぁ……むぎゃ!」
ぐりゅん。
おかしな音が響いた。
男が目を向けると、ぱちゅりーがうつ伏せになって手で腰を押えていた。両目からは
らはらと涙が流れ落ちている。
男が目を向けると、ぱちゅりーがうつ伏せになって手で腰を押えていた。両目からは
らはらと涙が流れ落ちている。
「むきゃ……ぁぁ……こしが、ぬけた……」
「むきゅー……。おれんじしっぷさんは、とってもゆっくりできるわぁ」
胴付き用布団に仰向けになり、ぱちゅりーは幸せそうに吐息した。紫色のワンピース
をお腹までたくし上げ、腰に湿布を貼り付けている。
加工所製のオレンジ湿布。貼っておけば大抵の不調は治る。
をお腹までたくし上げ、腰に湿布を貼り付けている。
加工所製のオレンジ湿布。貼っておけば大抵の不調は治る。
「素直に諦めた方がいいんじゃないか?」
男はぱちゅりーの手足を眺めた。胴付きゆっくりの手足はふっくらしているものだが、
ぱちゅりーの手足はモヤシのように頼りない。
ぱちゅりーの手足はモヤシのように頼りない。
「たいせつなのは、あきらめないどこんじょうなのよ!」
男を見つめ、ぱちゅりーは右手を握り締めた。
男が仕事に行っている昼間。
ぱちゅりーはゆーちゃんねるを見ていた。
ぱちゅりーはゆーちゃんねるを見ていた。
『ゆっがあああ!』
ガシガシガシ。
子まりさが何度も何度も木に頭をぶつけている。
ゆらっぷらーまりさ - 子ゆっくり編 -
地上最強のゆっくりをを目指すまりさの物語である。今はお山の胴付きれみりゃに挑
むために、過酷な修行を行っていた。普通の子ゆっくりなら既に死んでいるような荒修
行を、次々と実行していく子まりさ。
その時だった。
むために、過酷な修行を行っていた。普通の子ゆっくりなら既に死んでいるような荒修
行を、次々と実行していく子まりさ。
その時だった。
ぱぁぁっ……!
子まりさの餡子に、緑色の輝きともに糖分が満ち溢れる。
『みなぎってきたのじぇええええ!』
ガシガシガシガシ!
子まりさは休むことなく修行を続けていた。
ちなみに、れみりゃ編の後は喧嘩士ゆうか編である。
ちなみに、れみりゃ編の後は喧嘩士ゆうか編である。
「むきゅ、これよ! これなのよ!」
ぱちゅりーは右手を握り締めた。探していたものが見つかった、そんな喜びと興奮。
自分に足りないもの、それは耐久力である。その耐久力を作る方法が、今見た子まり
さの過酷なトレーニングだった。
ゆっくりはストレスを受けると、体内で糖分を作り出し苦痛を和らげる。虐待すると甘く
なるのはそのためだ。もっとも、虐待しまくったゆっくりは甘すぎて食べられるものでは
ない。食べるための虐待は難しいと言われる。
ともあれ、ゆっくりは強いストレスを受けても、それを跳ね返すことができるのだ。
ぱちゅりーはその場に両手を突き、腕立て伏せを始めた。
自分に足りないもの、それは耐久力である。その耐久力を作る方法が、今見た子まり
さの過酷なトレーニングだった。
ゆっくりはストレスを受けると、体内で糖分を作り出し苦痛を和らげる。虐待すると甘く
なるのはそのためだ。もっとも、虐待しまくったゆっくりは甘すぎて食べられるものでは
ない。食べるための虐待は難しいと言われる。
ともあれ、ゆっくりは強いストレスを受けても、それを跳ね返すことができるのだ。
ぱちゅりーはその場に両手を突き、腕立て伏せを始めた。
「むっきゅ、むっきゅ、むっ……きゅ――」
だが、今まで通りしっかりとできたのは一回目だけ。身体の弱いぱちゅりーは腕立て
伏せを一回行うだけの体力しかないのだ。二回目、三回目ができるのは、一段深い所
のエネルギーを無理矢理引き出しているからだった。当たり前だが、身体には悪い。
伏せを一回行うだけの体力しかないのだ。二回目、三回目ができるのは、一段深い所
のエネルギーを無理矢理引き出しているからだった。当たり前だが、身体には悪い。
「くるしいわ……」
朦朧とする意識の中で。
ぱぁぁぁぁっ……!
光が溢れた。
今の状況を危険と判断した体内の生クリームが、大量の糖分を作り出し、ストレスを
緩和させる。それは同時に、強烈な陶酔感を生み出す。
今の状況を危険と判断した体内の生クリームが、大量の糖分を作り出し、ストレスを
緩和させる。それは同時に、強烈な陶酔感を生み出す。
「むきゅああああ!」
目を見開き、ぱちゅりーは腕立て伏せを再開した。
「からだがかるいわ……! むきゅ。こんなしあわせなきもちで、からだをうごかすなん
てはじめて……。もう、なにもこわくないわ……!」
てはじめて……。もう、なにもこわくないわ……!」
周囲には赤い花が無数に咲いている。
空を見ると、黄昏のような赤い空が見えた。
正面には河原がある。対岸が辛うじて見えるほどの大きな川で、手前には広い河原
が広がっていた。砂が積もった河原だが、手前の方には大きな石や砂利も見える。
大きさも広さも、時間さえも曖昧な場所。
空を見ると、黄昏のような赤い空が見えた。
正面には河原がある。対岸が辛うじて見えるほどの大きな川で、手前には広い河原
が広がっていた。砂が積もった河原だが、手前の方には大きな石や砂利も見える。
大きさも広さも、時間さえも曖昧な場所。
「むきゅ……。またここにきちゃったわ」
ぱちゅりーは何かに引かれるように、河原へと歩いていく。
河原には沢山のゆっくりがいた。百匹以上はいるだろう。そのほぼ全員が半透明の
身体をしている。ゆっくりの幽霊だった。
河原には沢山のゆっくりがいた。百匹以上はいるだろう。そのほぼ全員が半透明の
身体をしている。ゆっくりの幽霊だった。
「ならんでならんでー」
「じゅんばんはまもりなさい」
「そこのまりさ! わりこみするなー」
「じゅんばんはまもりなさい」
「そこのまりさ! わりこみするなー」
それらを一列に並べようと奮闘するこまち(胴無し)が十匹ほど。他のゆっくりと違って、
こちらは幽霊ではない。しっかりと実体がある。
沢山のゆっくり幽霊と、十匹のこまち。
こちらは幽霊ではない。しっかりと実体がある。
沢山のゆっくり幽霊と、十匹のこまち。
「こんにちは」
ぱちゅりーはこまちに声をかけた。
かこん。
投げられた鎌が頭に当たり、地面に落ちる。
「むきゅ……。いたいわ……」
ぱちゅりーは手で頭を押えた。
鎌を投げたこまちが、のーびのーびしながら叫ぶ。
鎌を投げたこまちが、のーびのーびしながら叫ぶ。
「またおまえか! くるならもうすこしひまなときにしな。みてのとおりいまはおおいそが
しなんだ。そのあたりですわって、おとなしくまってな」
「わかったわ」
しなんだ。そのあたりですわって、おとなしくまってな」
「わかったわ」
言われた通りに、ぱちゅりーは近くの手頃な石に腰を下ろした。
れいむやまりさなどの基本種が主で、れみりゃが数匹混じっている。河川敷で一斉駆
除があったという話を、ぱちゅりーは思い出していた。河川敷でゆっくりが大増殖するこ
とは多いらしい。そこで死んだゆっくりたちだろう。
れいむやまりさなどの基本種が主で、れみりゃが数匹混じっている。河川敷で一斉駆
除があったという話を、ぱちゅりーは思い出していた。河川敷でゆっくりが大増殖するこ
とは多いらしい。そこで死んだゆっくりたちだろう。
「そこのれみりゃ。ここのゆっくりはゆうれいだから、たべられないよ!」
前のまりさに噛み付こうとするれみりゃを、こまちが引き剥がしている。
「むきゅ?」
ぱちゅりーは河原の入り口に目を向けた。
一匹のれいむがいた。
一匹のれいむがいた。
「れいむはれいむだよ。ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「むきゅー……」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
「むきゅー……」
大音声の挨拶に思わず耳を塞ぐ。耳は無いのだが。
れいむはぴょんぴょんとぱちゅりーの側まで跳ねてきた。
れいむはぴょんぴょんとぱちゅりーの側まで跳ねてきた。
「ぱちゅりー。れいむはれいむだよ。ひさしぶりだね!」
「おひさしぶりね、れいむ」
「おひさしぶりね、れいむ」
ぱちゅりーは両手でれいむを抱えて、自分の膝の上に乗せた。この賽の河原で知合
いになったれいむである。ぱちゅりー同様、よく死ぬらしい。
いになったれいむである。ぱちゅりー同様、よく死ぬらしい。
「しばらくみないうちにちいさくなってるけど、どうしかしたのかしら?」
成体ゆっくりよりも一回り小さい身体。ぱちゅりーの記憶が正しければ、このれいむは
成体だったはずだ。それが小さくなっている。
成体だったはずだ。それが小さくなっている。
「おにいさんがおなかへってたから、おたべなさいしたんだよ! そのときにちいさくなっ
ちゃったけど、これでもすこしおおきくなったんだよ!」
ちゃったけど、これでもすこしおおきくなったんだよ!」
ゆふん、と胸を張る。
ぱちゅりーはれいむの頭を撫でながら、川の方を見た。
大きな船が河原に寄せられる。普段使っている渡し船よりも何十倍も大きな船。
ぱちゅりーはれいむの頭を撫でながら、川の方を見た。
大きな船が河原に寄せられる。普段使っている渡し船よりも何十倍も大きな船。
「よーそろー!」
船頭はこまちではなく、むらさだった。船が大きいからだろうか。
こまちの誘導で、並んでいたゆっくりたちが船に乗り始めた。多少もたつきはあったも
のの、数分で全てのゆっくりが船に乗せられる。
続けてこまちたちが船に乗り込み、船は川岸を離れた。
こまちの誘導で、並んでいたゆっくりたちが船に乗り始めた。多少もたつきはあったも
のの、数分で全てのゆっくりが船に乗せられる。
続けてこまちたちが船に乗り込み、船は川岸を離れた。
「いやー、ようやくおわった……」
河原に残ったのは、こまちが一匹。最初、ぱちゅりーに鎌を投げたこまちだった。
静かに流れる川を、音もなく渡っていく。
その様子を眺めながら、れいむが呟いた。
静かに流れる川を、音もなく渡っていく。
その様子を眺めながら、れいむが呟いた。
「かわのむこうはどうなってるのかな?」
「えーきさまがいる、えんまちょうがあるわ。そこで、わるいゆっくりとよいゆっくりをさば
いてるのよ。なかなかそうかんよ。そのむこうは、たぶんてんごくとかじごくよ」
「えーきさまがいる、えんまちょうがあるわ。そこで、わるいゆっくりとよいゆっくりをさば
いてるのよ。なかなかそうかんよ。そのむこうは、たぶんてんごくとかじごくよ」
ぱちゅりーは川の向こうを見つめた。
ここからでは見えないが、三途の川を越えた所に大きな建物がある。そこではえーき
が裁判官を務め、ゆっくりの功罪を計っていた。良い行いをしてきた者は天国に行き、
悪い行いをしてきた者は地獄に行くらしい。
ここからでは見えないが、三途の川を越えた所に大きな建物がある。そこではえーき
が裁判官を務め、ゆっくりの功罪を計っていた。良い行いをしてきた者は天国に行き、
悪い行いをしてきた者は地獄に行くらしい。
「ぱちゅりー、いったことあるの!」
「むきゅ。なんかいかね」
「むきゅ。なんかいかね」
目を丸くしてもみあげを振るれいむに、ぱちゅりーは静かに答える。渡し船に乗って閻
魔庁まで行き、さらにえーき直々に追い返された事が何度かあった。
魔庁まで行き、さらにえーき直々に追い返された事が何度かあった。
「すごいんだね、ぱちゅりー!」
尊敬の光を目に灯し、れいむがぱちゅりーを見上げる。
鎌を回収したこまちが呆れ顔で、ぱちゅりーたちを眺めていた。
鎌を回収したこまちが呆れ顔で、ぱちゅりーたちを眺めていた。
………。
ふと背中を引かれるような感覚。
ぱちゅりーはれいむを地面に下ろし、石から腰を上げた。
ぱちゅりーはれいむを地面に下ろし、石から腰を上げた。
「むきゅ。そろそろもどるじかんね」
「れいむはもうすこしここにいるよ!」
「れいむはもうすこしここにいるよ!」
元気なれいむに手を振ってから。
ぱちゅりーは元来た道を歩き出した。
ぱちゅりーは元来た道を歩き出した。
「むきゅ」
目を開けると、蛍光灯の光が目に入った。
胴付きゆっくり用布団に寝かされたぱちゅりー。カーテンは閉められ、空気もほんのり
と冷たい。夜になってしまったようだ。
胴付きゆっくり用布団に寝かされたぱちゅりー。カーテンは閉められ、空気もほんのり
と冷たい。夜になってしまったようだ。
「おー、起きたか。また死んでたぞ」
寝間着姿の男が、緊張感無く言ってくる。
「ごめんなさい。うっかりしてたわ」
「俺のいない間に勝手にトレーニングするな。片付け大変なんだから」
「むきゅ。わかったわ、おにいさん」
「俺のいない間に勝手にトレーニングするな。片付け大変なんだから」
「むきゅ。わかったわ、おにいさん」
ぱちゅりーは素直に頷いた。
「むっ、きゅ」
ぱちゅりーの前に置かれたバーベル。丸い木の棒の両端に、辞書を一冊づつ紐で縛
り付けたものだった。鉄製のバーベルには遠く及ばない重さ。成人男性なら片手で十
分持ち上げられるものである。重かったら、持てないだろう。
り付けたものだった。鉄製のバーベルには遠く及ばない重さ。成人男性なら片手で十
分持ち上げられるものである。重かったら、持てないだろう。
「無茶するなよ……」
男は半眼でぱちゅりーを眺めている。
「いくわよ」
ぱちゅりーはワンピースの袖を肩まで捲り上げた。細い腕が露わになる。およそ筋肉
という言葉には縁の無い、華奢な腕である。
その場に腰を下ろし、ぱちゅりーは両手で棒を掴んだ。
という言葉には縁の無い、華奢な腕である。
その場に腰を下ろし、ぱちゅりーは両手で棒を掴んだ。
「せーの」
大きく行きを吸い込み、腕に力を込め、一気にバーベルを持ち上げる。
ぶちっ。
「むきゃぁ!」
小さな悲鳴とともに、ぱちゅりーは真後ろにひっくり返った。
起き上がって右手で頭をさする。
起き上がって右手で頭をさする。
「いたた……。あら、ぱちぇのひだりてさんが……」
左手が無くなっていた。
前腕の半ばから先が、無くなっている。断面から白い生クリームが床に垂れていた。
腕の中には骨や筋肉などはなく、生クリームだけでである。だが、生クリームそれぞれ
の部分が骨や筋肉のような性質を持ち、ぱちゅりーの身体を支えている。
その先は、バーベルの棒を掴んだままだった。
つまり、腕が千切れていた。
ぱちゅりーは右手で頭を掻き、男に向き直った。
前腕の半ばから先が、無くなっている。断面から白い生クリームが床に垂れていた。
腕の中には骨や筋肉などはなく、生クリームだけでである。だが、生クリームそれぞれ
の部分が骨や筋肉のような性質を持ち、ぱちゅりーの身体を支えている。
その先は、バーベルの棒を掴んだままだった。
つまり、腕が千切れていた。
ぱちゅりーは右手で頭を掻き、男に向き直った。
「おにいさん、はりといとをもってきてほしいのだけれど、いいかしら? あとおれんじしっ
ぷさんと、じゅーすさん、ほうたいさんとわりばしさんもおねがい。えれえれようばけつも
ひつようね」
「お、おう」
ぷさんと、じゅーすさん、ほうたいさんとわりばしさんもおねがい。えれえれようばけつも
ひつようね」
「お、おう」
妙に冷静な口調に、男はすぐさま荷物入れへと向かった。針と糸、オレンジ湿布とオ
レンジジュース、包帯、割り箸、えれえれ用バケツ。それらを準備して、ぱちゅりーの元
へと戻ってくる。
ぱちゅりーが左腕の切断面を合わせていた。
レンジジュース、包帯、割り箸、えれえれ用バケツ。それらを準備して、ぱちゅりーの元
へと戻ってくる。
ぱちゅりーが左腕の切断面を合わせていた。
「おにいさん、ちょっとおさえててくれないかしら?」
男は言われた通りに、切れた左手を持つ。
ぱちゅりーは糸の通された針を右手で持つと、迷わず自分の左腕に突き刺した。裁縫
でもするように、断面を縫い合わせていく。針が皮を貫き、生クリームを通ってから、もう
一方の皮から出てくる。それを追い掛ける白い糸。
ぱちゅりーは糸の通された針を右手で持つと、迷わず自分の左腕に突き刺した。裁縫
でもするように、断面を縫い合わせていく。針が皮を貫き、生クリームを通ってから、もう
一方の皮から出てくる。それを追い掛ける白い糸。
「むきゅ。やっぱりいたいわね」
普通の生き物は縫って治るものではないが、ぱちゅりーは胴付きゆっくりである。こん
な適当な治療法でも、しっかりと治療効果はあるのだ。
一分ほどで腕の断面を全て縫い終わる。
そこにオレンジ湿布を貼り付け、割り箸を添え木に包帯をぐるぐる巻きにする。
最後に500mlのオレンジジュースを飲み干した。
な適当な治療法でも、しっかりと治療効果はあるのだ。
一分ほどで腕の断面を全て縫い終わる。
そこにオレンジ湿布を貼り付け、割り箸を添え木に包帯をぐるぐる巻きにする。
最後に500mlのオレンジジュースを飲み干した。
「ふぅ」
ぱちゅりーはため息を付いてから。
いきなり顔を恐怖に引きつらせる。
いきなり顔を恐怖に引きつらせる。
「むきゃああああ! ぱちぇの、ぱちぇのもやしさんみたいなおててさんがあああ! ち
ぎれた、ちぎれちゃったわああああ! むっきゃああああ!」
ぎれた、ちぎれちゃったわああああ! むっきゃああああ!」
両手で頭を抱えながら騒ぎ出す。突然の事にすぐには感情が動かなかったのだ。妙
に冷めた意識で適切な処置を施し、一安心してから遅れて感情が爆発した。
ぱちゅりーは床に置いてあったえれえれ用バケツを掴み、
に冷めた意識で適切な処置を施し、一安心してから遅れて感情が爆発した。
ぱちゅりーは床に置いてあったえれえれ用バケツを掴み、
「えれえれえれえれ……」
中に生クリームを嘔吐する。
「……先は長いな」
その姿を眺めながら、男は力無く呻いた。
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