創作小説with音ゲー 臨時まとめWiki
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beatnovel
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| 339 :addition:2010/05/08(土) 23:00:15 ID:st665sy90 |
2010/5/7
「町田さーん、起きて起きて! もう朝の九時なんだけど!」
小暮の探偵事務所に、事務所の主の声が響いた。
事務所にあるソファーで眠っていた町田に対するものだ。
事務所にあるソファーで眠っていた町田に対するものだ。
「……へ?」
「だから、朝の九時だって言ってるんですよ。
もう朝御飯の支度は出来ていますからね。一人で食べて下さいね」
「……あ、ごめんごめん。
で、小暮君はこれから何をするの?」
「仕事ですよ。仕事っても、探偵業の方じゃないです」
「あ、塾の?」
「そうです。明日は小学校一年生に足し算を教えないと」
「そうなんだ。じゃあさ、1+1は?」
「2……としか言えないじゃないですか」
「はずれ~。正解は田んぼの田でした!」
「……子供みたいな真似しないで、さっさとご飯食べて下さいよ」
「だから、朝の九時だって言ってるんですよ。
もう朝御飯の支度は出来ていますからね。一人で食べて下さいね」
「……あ、ごめんごめん。
で、小暮君はこれから何をするの?」
「仕事ですよ。仕事っても、探偵業の方じゃないです」
「あ、塾の?」
「そうです。明日は小学校一年生に足し算を教えないと」
「そうなんだ。じゃあさ、1+1は?」
「2……としか言えないじゃないですか」
「はずれ~。正解は田んぼの田でした!」
「……子供みたいな真似しないで、さっさとご飯食べて下さいよ」
わかった~、と町田は言ってソファーからとび起き、そして小暮の部屋へと歩く。
この事務所は大体、探偵業のためと塾のための事務所と
トイレ、風呂、キッチン、居間、寝所がそろった小暮の部屋からなっている。
この事務所は大体、探偵業のためと塾のための事務所と
トイレ、風呂、キッチン、居間、寝所がそろった小暮の部屋からなっている。
小暮がIIDXのDPを始めたのと時を同じくして起きた事件以来、
彼と町田は一つ屋根の下で暮らすことになった。
かといって、別に二人が特別な関係にあるわけでもない。気の会う友人といった感じだ。
彼と町田は一つ屋根の下で暮らすことになった。
かといって、別に二人が特別な関係にあるわけでもない。気の会う友人といった感じだ。
| 340 :addition:2010/05/08(土) 23:09:23 ID:st665sy90 |
この日、小暮は明日の授業のためのプリントを作っていた。
一桁の足し算、一桁で繰り上がる足し算の問題を適当に書き、
そして印刷すれば良いだけの簡単な仕事だった。
それで満足すればよいものを、小暮はどうも納得がいかない。
彼は小学校一年生でも簡単に、四桁の数字で足し算が
出来るようになるのではないかと考えていた。
一桁の足し算、一桁で繰り上がる足し算の問題を適当に書き、
そして印刷すれば良いだけの簡単な仕事だった。
それで満足すればよいものを、小暮はどうも納得がいかない。
彼は小学校一年生でも簡単に、四桁の数字で足し算が
出来るようになるのではないかと考えていた。
小暮は朝食を終えた町田にそのことを相談した。
うんうん、と相槌を打ちながら話を聞いた彼女はこう提案した。
うんうん、と相槌を打ちながら話を聞いた彼女はこう提案した。
「もしかしたら、それは出来ない事じゃないかもね。
でも……無理強いは駄目だよ? そこのところは……」
「うん、そこは気を使うつもりでいるけど……
町田さん、今日はどこかに出かけない?」
「いいけど、考えなくて良いの?」
「考えすぎるのも駄目なんですよ。特に僕の場合は……
天気は曇りだけど、きっと晴れますよ。
今朝の天気予報の人は、いつも外すっていうので有名だから」
「じゃあ分かった。一緒に行こう!」
でも……無理強いは駄目だよ? そこのところは……」
「うん、そこは気を使うつもりでいるけど……
町田さん、今日はどこかに出かけない?」
「いいけど、考えなくて良いの?」
「考えすぎるのも駄目なんですよ。特に僕の場合は……
天気は曇りだけど、きっと晴れますよ。
今朝の天気予報の人は、いつも外すっていうので有名だから」
「じゃあ分かった。一緒に行こう!」
町田はそう言うとすぐに外出の支度を始めた。
楽しむことに関しては素早いよな、と思う小暮だったが、
そんな町田に悪い感情は持っていなかった。
楽しむことに関しては素早いよな、と思う小暮だったが、
そんな町田に悪い感情は持っていなかった。
| 341 :addition:2010/05/08(土) 23:17:15 ID:st665sy90 |
「けど、結局来たのはゲーセンなのよね~」
「途中でレストランに寄ったじゃないですか。忘れたんですか?」
「途中でレストランに寄ったじゃないですか。忘れたんですか?」
外出から数時間後、二人は白壁の前に立っていた。
この白壁が意味するものは、この略称がつけられているIIDXの楽曲ではなく、
二人が暮らす市にあるゲームセンターである。
この白壁が意味するものは、この略称がつけられているIIDXの楽曲ではなく、
二人が暮らす市にあるゲームセンターである。
「町田さん、ここで何クレか使ってから帰りましょう」
「そうだね。じゃ、ギタドラでもやる?
平日の昼間だから、人はあまりいないし……」
「分かりました。足を引っ張らないよう、頑張ります」
「そうだね。じゃ、ギタドラでもやる?
平日の昼間だから、人はあまりいないし……」
「分かりました。足を引っ張らないよう、頑張ります」
そんなわけで、二人は白壁で音楽ゲームをプレーして時間を過ごした。
この時の小暮の頭の中には、足し算で悩んでいたことなど消し飛んでいただろう。
この時の小暮の頭の中には、足し算で悩んでいたことなど消し飛んでいただろう。
しかし、一度頭の中を支配したものはそうそう離れてくれるものではない。
それは小暮が町田のIIDXのSPを見ていた時に訪れたのである。
町田はエクストラステージで、冥(A)を選曲、難なくノーツを捌いていく。
この光景は見慣れてしまったと言ってもいい小暮だった。
だが、その光景が小暮に足し算のことを思い出させてしまう。
それは小暮が町田のIIDXのSPを見ていた時に訪れたのである。
町田はエクストラステージで、冥(A)を選曲、難なくノーツを捌いていく。
この光景は見慣れてしまったと言ってもいい小暮だった。
だが、その光景が小暮に足し算のことを思い出させてしまう。
「二桁の足し算、三桁の足し算、四桁の……
どうやって簡単かつ確実に教える事が出来るんだ?」
どうやって簡単かつ確実に教える事が出来るんだ?」
小暮は町田の後ろ姿と、大量に降るノーツと、
そして爆発する判定ラインを見ながらそんな事を考えていた。
モニターがリザルト画面を写す。
殆ど右肩上がりのゲージ推移。
トータルノーツ2000。
ジャストグレート1890。
グレート65……
そして爆発する判定ラインを見ながらそんな事を考えていた。
モニターがリザルト画面を写す。
殆ど右肩上がりのゲージ推移。
トータルノーツ2000。
ジャストグレート1890。
グレート65……
「分かった!分かったぞおおぉぉぉ!!!」
小暮は叫んだ。自分が今どこにいるか、何をしているかを忘れ、思いっきり叫んだ。
「これで子供たちに足し算を教えられるぞおおぉぉ!!!」
| 342 :addition:2010/05/08(土) 23:23:57 ID:st665sy90 |
2010/5/8
その日の夕方、小暮の事務所に三人の子供がいた。
横幅の長いテーブルに、それぞれが勉強道具を持って準備している。
子供たちの視線の先には小暮がいた。
横幅の長いテーブルに、それぞれが勉強道具を持って準備している。
子供たちの視線の先には小暮がいた。
「やぁ、今日は。
今回は足し算についてやっていこうかと思います」
「知ってるー! 1+1は2になるんでしょ!?」
「はい正解。よく出来ましたー。
でも今からやる足し算は少し難しいんだな。ちょっと頑張ってみて!
はい、じゃあ、5+6は?」
今回は足し算についてやっていこうかと思います」
「知ってるー! 1+1は2になるんでしょ!?」
「はい正解。よく出来ましたー。
でも今からやる足し算は少し難しいんだな。ちょっと頑張ってみて!
はい、じゃあ、5+6は?」
答えはどう考えても11である。
しかし小学校一年生の三人には、まだ難しかったのかもしれない。
しかし小学校一年生の三人には、まだ難しかったのかもしれない。
「難しい? じゃあね、5+5は?」
「10!」「10!」「10!」
「そうだね。そんじゃ、それに1を足すと? 1の位に1を足せばいいんだから?」
「11!」「11!」「11!」
「よくできました。よし、それじゃあちょっとこっちに来て。
さっきのように足し算をして、ゲームをします」
「10!」「10!」「10!」
「そうだね。そんじゃ、それに1を足すと? 1の位に1を足せばいいんだから?」
「11!」「11!」「11!」
「よくできました。よし、それじゃあちょっとこっちに来て。
さっきのように足し算をして、ゲームをします」
ゲームという単語に反応してか、子供達は喜んではしゃぐ。
小暮の後についてきた三人は、小暮の部屋にいる町田の姿を見て喜んだ。
小暮の後についてきた三人は、小暮の部屋にいる町田の姿を見て喜んだ。
「あ! 町田のお姉ちゃんだ!」「彩お姉ちゃんだ!」「お姉ちゃんだ!」
「今日は~。小暮先生に頼まれて、私も皆の勉強に協力するからね。
まずは早速だけど、これを見て欲しいんだ」
「今日は~。小暮先生に頼まれて、私も皆の勉強に協力するからね。
まずは早速だけど、これを見て欲しいんだ」
そう言って町田はテレビの前に向かって歩き、電源を付けて座る。
画面にはIIDXのCS 13 DistorteD のトレーニングモードの画面が映っている。
画面にはIIDXのCS 13 DistorteD のトレーニングモードの画面が映っている。
| 343 :addition:2010/05/08(土) 23:28:49 ID:st665sy90 |
「んじゃ、今から私が皆に画面を見せるから、足し算してみて!」
町田はそう言うと、トレーニングする曲を冥(A)にして
一小節送りで子供たちにオブジェの数を数えさせた。
小暮はこの時に二桁の数を足し、三桁になったらどうなるのかを教えた。
子供達は一生懸命考えながら、何枚ものA4用紙を使って
冥(A)の全ノーツ数を調べ上げていった。
一小節送りで子供たちにオブジェの数を数えさせた。
小暮はこの時に二桁の数を足し、三桁になったらどうなるのかを教えた。
子供達は一生懸命考えながら、何枚ものA4用紙を使って
冥(A)の全ノーツ数を調べ上げていった。
一時間弱もの時間をかけて、子供達は小暮にそれぞれの答えを見せた。
「うん、頑張ったね。じゃあ答えを見てみようか。
1989か……惜しいなぁ。2007……これも惜しい。
で、君のは……2000! これ凄いよ、当たってるよ!」
「え、ほんと?」
「本当さ! よくやったね!」
1989か……惜しいなぁ。2007……これも惜しい。
で、君のは……2000! これ凄いよ、当たってるよ!」
「え、ほんと?」
「本当さ! よくやったね!」
小暮に褒められた子供は嬉しそうにとび跳ねた。
正解を書けなかった二人の子供も、
ようやく終わった無駄な計算から解放されて
とても幸せだというように笑っていた。
正解を書けなかった二人の子供も、
ようやく終わった無駄な計算から解放されて
とても幸せだというように笑っていた。
「小暮君、やったね」
「いやぁ……まさかここまで理解が進むなんてなぁ……」
「よく思いついたと思うよ、一小節ごとのノーツで足し算させるなんて」
「えぇ。でもこれ、町田さんのお陰ですよ。
僕がリザルト画面を見なかったら、これ、思いつかなかったし」
「そうそう、その時の話で、ちょっと」
「いやぁ……まさかここまで理解が進むなんてなぁ……」
「よく思いついたと思うよ、一小節ごとのノーツで足し算させるなんて」
「えぇ。でもこれ、町田さんのお陰ですよ。
僕がリザルト画面を見なかったら、これ、思いつかなかったし」
「そうそう、その時の話で、ちょっと」
町田は小暮に顔を近づけて言った。
「……しばらく出入り禁止だって」
「え?」
「白壁の店長から電話が来たの。私が出たんだけど、そう伝えるようにって」
「え? どういうこと?」
「ゲーセンで大声で叫んでもらったら困るって言ってた。
まぁ大丈夫よ、出入り禁止期間は今月中みたいだから」
「え?」
「白壁の店長から電話が来たの。私が出たんだけど、そう伝えるようにって」
「え? どういうこと?」
「ゲーセンで大声で叫んでもらったら困るって言ってた。
まぁ大丈夫よ、出入り禁止期間は今月中みたいだから」
それを聞いた小暮は、しばらく時間をおいてから言った。
「うん、ねぇ……こりゃぁ、ないだろうよ……」