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青春は音ゲーと共に -St.1-

最終更新:

beatnovel

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管理者のみ編集可
291 :ああああ:2007/09/13(木) 06:04:18 ID:cvFsL7PpO
( ^ω^)「おっおっ!!遂に手に入れたお!!」
('A`)「何を?」

学校から帰ると、ブーンは真っ先にドクオの家に向かった。
手にはゲームボーイソフトが一つ。

( ^ω^)「これだお!!」
('A`)「…beatmania?」
( ^ω^)「おっおっ♪ブーンは前から興味はあったお!!
でもゲーセンでやるのはテラハズカシスwwwだから家庭用から入るお!!」
('A`)「なんでプレステ版を買わないんだ?」
( ^ω^)「プレステねえんだよwww」

ブーンはいそいそと開封し、ソフトを起動させる。

      ↓ゲームボーイ
( ^ω^)つ□「スタートだおwww」


壁|゚ -゚)


('A`)「ふーん、こうやって音楽を演奏するゲームなのか」
( ^ω^)「おっおっ。ブーンは楽器が大好きだお。だけど楽器なんて買えないし、練習するにもわけワカメだお」
('A`)「昭和の香りがした」

( ^ω^)「案外チョロイお♪DJなれんじゃね?」
('A`)(…ちょっとやってみたいな)

壁| )))川゚ -゚)


( ^ω^)「最終ステージだおw思い切って難易度☆☆☆☆☆に挑戦だお!!」


『euro beat~LUV TO ME』


(;^ω^)「ちょwww急に難しくなったお!!クリアゲージがスッカラカンだお!!」
('A`)「ぶははは!!演奏になってねぇ!!」
(;^ω^)「ゲージの横の人が┐(´ー`)┌みたいなジェスチャーしてるお!!」

ペペ ペ トゥクトゥク ドゥギャーン!!

( ^ω^)「泣きそうです」
('A`)「ハタから見てもオワタって感じだったな」
( ^ω^)「もう一回!!……」

ピピピ!! ピピピ!!

( ゚ω゚)「アッーー!!」
(;'A`)「なっ!……どうした!?」

292 :ああああ:2007/09/13(木) 06:16:25 ID:cvFsL7PpO
(;^ω^)「ブーンの腕時計のアラームだお。バイト行く時間だお……」
('A`)「ピザ屋のバイトだっけ?ピザがピザ屋ってwwwフヒヒヒwww」
( ^ω^)「バイトまであと一分しかないお!!また明日遊ぶお!!」
('A`)「ちょwwwせめてアラームは5分前にしとけよ」
( ^ω^)「忠告感謝するお。ばいぶー♪」

ブーンはドクオ家の玄関を開けると、腕を広げて走って行った。



≡≡≡ ̄\( ^ω^)/ ̄「ブーンwww」
('A`)「期待を裏切るガルウィング!!」



川 ゚ -゚)つ□「……」

ブーンがすっかり忘れてったゲームボーイを拾いあげ、クーはそれをじっと見つめていた。

Σ('A`;)「うお!!ネーチャンいつから居たんだよ!!」
川 ゚ -゚)「……メタルギア…」



297 :ああああ:2007/09/13(木) 16:07:49 ID:cvFsL7PpO
( ^ω^)「セフセフ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「アウトでしょ!!」

ブーンがバイト先のピザ屋「ラ・ピーザ」にギリギリで駆け込むと、同僚のツンが腕を組んで待っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「いい加減にしなさいよ!!みんな10分前には来てるんだから!!」
( ^ω^)「おっおっ。ブーンは10分前に来てないから『みんな』ではないおwww」
ξ#゚⊿゚)ξ「…………」



~その頃ドクオ家では~


('A`)「あ!!ブーンのやつゲーム忘れてやんの」
川 ゚ -゚)「…や ら な い か ?」
(;'A`)「ちょwww近親フラグwww」
川 ゚ -゚)「言葉が足りなかったか。すまん。ゲームの事だ」
('A`)「あ、ああ…そっちね(ビビったぜ…)」

ドクオの姉のクー 川 ゚ -゚)は、かなり美人の部類に入る。
それ故クー目当てでドクオに接近する同級生もいたが……

川 ゚ -゚)「知っているか?青酸カリを飲んで吐血した奴はアーモンドの香りがするんだ」

などと、ドン引きするトリビアを披露しては自分をブロックするのだ。
クーのとる突発的な言動&行動は、('A`)も度々呆れる事がある。

説明オワタ\(^o^)/

('A`)「んで?ゲームって何を?」
川 ゚ -゚)「決まっているだろう。このビーマニだ」
Σ('A`)「え!?メタルギアフリークのネーチャンが?
コジマニアのネーチャンがビーマニ!?」
川 ゚ -゚)「そうだ大佐」
川 ゚ー゚)「いや、むしろ私が『コジマニア』だからだ」
('A`)「はふーん?」

298 :ああああ:2007/09/13(木) 16:43:58 ID:cvFsL7PpO
~その頃ブーンは~


ξ゚⊿゚)ξ「ふー。今日も一日お疲れ様っと」
(#)ω(#)「世界が真っ暗です」
ξ゚⊿゚)ξ「いつまで伸びてんのよ!!男でしょ!!」
(#)^ω^)「真サムライスピリッツの黒子大乱舞を食らった気分だお。遅刻してないのにひどいお」
ξ#゚⊿゚)ξ「 文 句 あ ん の ?」
( ^ω^)「滅相もありません」
ξ゚⊿゚)ξ「わかればよろしい」
( ^ω^)「恐縮です」

ツンとブーンは同い年だが、同じ高校では無い。
ほぼ同時に働き始めのだが、すぐに上下関係ができたようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「…ブーン、今日ってもう帰るの?
良かったら一緒に……」
( ^ω^)「今日は帰るお」
ξ;゚⊿゚)ξ「即答かい!!」
( ^ω^)「明日も学校&バイトだお!!
それにビーマニの続きをやるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ビーマニ?」
( ^ω^)「今日買ったばかりの」
( ゚ω゚)「アッーー!!」
Σξ;゚⊿゚)ξ「な、何よ急にデカイ声出して!!」
(;^ω^)「友達んちに忘れてきたお!!
ガックリだお……」
ξ゚ー゚)ξ「ギリギリに来るからよ。余裕が無いからこういう事になるのよ♪」
(;^ω^)「あうあう…せっかく独り身の夜が楽しくなると思ったのにお……」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ一緒にサイゼリアッーーにでも…」

    ばいぶー
≡≡⊂ニニニ( ^ω^)ニ⊃

Σξ;゚⊿゚)ξ「返事すら無しかい!!」

ブーンは一人で暮らしている。父親は単身赴任で出稼ぎしている。
母親はブーンが中学の時にモチを喉に詰まらせポックリ逝ったのだ。

( ;ω;)「カーチャン…幸せそうな顔してるお……」
(父;ω;)「モチ…好きだったからなぁ…カーチャン……」


ツンは不思議だった。なぜブーンはあんなに元気なのか。
一人なのに、いつも笑っていられるのか……。


ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン…」

駐車場に一人残されたツンは、ぼんやりと夜空を見ていた。
雲一つない、きれいな夜空。
ブーンといる時のような、まっさらな空だった。



302 :ああああ:2007/09/14(金) 00:19:11 ID:S5xpQ+5EO
川 ゚ -゚)「…ビーマニには、私が大好きなメタルギアのテーマ曲が入ったいるんだ。
まだ未プレイだったが、まさかこんな形で機会に恵まれるとはな」
('A`)「あー。そういやそうだったな。さっき選曲しなかったけど」
川 ゚ -゚)「…やらせてくれないか?」
('A`)「だが断る」

川#゚ 3゚)

('A`)「冗談ですww」
川 ゚ -゚)「だろうな」
('A`)(…あんな膨れっ面初めて見たよwww)

~そしてプレイする事数10分後~

川 ゚ -゚)「ふーむ。やっぱりいいな、メタルギアソリッドのテーマ曲」
('A`)「俺もネーチャンがメタルギアするのよく見てたから、メロディのアレンジがかっこよくなってたのがわかったよ」
川 ゚ -゚)「しかしユーロビートはクリアできんな」
('A`)「原曲あるんだろうけど、俺アーケードもプレステ版もシラネーヨwww」
川 ゚ -゚)「ふむ。とりあえず『FREE』モードで練習してみよう」
('A`)(あのー、俺の番マダー?)

川 ゚ -゚)「ん?なんだ『AUTO』って」
('A`)「さあ?勝手にプレイしてくれるとか?」
川 ゚ -゚)「!! ひょっとしてお手本プレイが見れるのか!!」
('A`)「あ、そうかも。
じゃあお手本見てちゃんとしたメロディ聴けばイインジャネ?」
川 ゚ -゚)「うむ。フレンドパークの音楽演奏するゲームで2回目をパスしてじっくり音楽を聴いてから3回目に挑むのと同じ戦法だな」
('A`)「長えよwww」

303 :ああああ:2007/09/14(金) 00:38:23 ID:S5xpQ+5EO
『euro beat~LUV TO ME~』

テーレッテッテッテ テーレッテ
テレレテレテレ
テーレッテッテッテ テーレッテ
テレレテレテレ

川 ゚ -゚)「なるほど。最初の互い違いに来る棒は『テレレテレテレ』か」
('A`)「ブーンもネーチャンも手が追いつかなくて『テッテッテッ』てなってたもんなwww」
川 ゚ -゚)「ふむ、中盤はプレイしていた通りだな」
('A`)「同時に押すやつとか細々した連打がやらしいよな」
テテッ テテッ テテッ テテッ

川 ゚ -゚)「ここだ。ここから連打の嵐だ」
('A`)「…おおお。キマるとこんなに綺麗なメロディなのか」
川 ゚ -゚)「この連打があと2回目くる」
('A`)「ちょwwwありえねえwww」
川 ゚ -゚)「…そして最後の連打でフィニッシュ、か」
('A`)「まさに『ユーロビート』って感じの疾走感だな」
川 ゚ー゚)「よし、リベンジしてやるか」
('A`)(だから俺の番マダー?)


その後、クリアこそできないが最初よりはグルーヴゲージ(クリアゲージ)を残せるようになったクーでした。

しかし……

('A`)「……なんじゃこりゃあああ!!」
川 ゚ -゚)「どう見ても殺人的です。本当にありがとうございました」

やっと自分の番になったドクオは『ミニマルテクノ』の地獄譜面に圧倒されたそうな。

('A`)「氏のう…」
川 ゚ -゚)「イ㌔」


~その頃ブーンは~

(*^ω^)「おっおっ!!やっぱり森下くるみだお♪」

独り身の寂しさを、別の方法で紛らわしたそうです。



309 :爆音で名前が聞こえません:2007/09/14(金) 18:05:03 ID:S5xpQ+5EO
『ショウヘイヘーーイ!!』

授業の終わりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。
ξ゚⊿゚)ξ「ふう。疲れた~」

ツンは少し気ダルそうに教科書をしまう。
目一杯に物を詰め込んだ箱を開けるように、授業が終わるとドッと反動がくるような気がする。

从'ー'从「ツンちゃん、一緒に帰ろ~?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、うん。帰ろ帰ろ!!」

コキコキと首をならすツンに、渡辺が声をかけて来た。
渡辺はいつもぽわーんとしていて、チャイムと同時にため息がでるみんなと違い、いつも飄々(ひょうひょう)としている。

ξ゚⊿゚)ξ「渡辺さん、マック寄ってかない?」
从'ー'从「あ、それならビップ街のマックに行こうよ~」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ。でもなんでまたビップ街?」

ビップ街というのは、駅の近くの商店街だ。
高度成長期だった頃、この商店街のスナックなどに文字通り「VIP」が往来しており、回りの八百屋やら靴屋やらも恩恵を受け成長したという歴史がある。
大型スーパーや量販店が増え衰退は否めないが、ビップ街はまだまだ活気にあふれた街である。

从'ー'从「んふふ~、ゲームセンターに行きたいんだ~」
Σξ゚⊿゚)ξ「え!?渡辺さんゲーセン行くの!?」
从'ー'从「行くよ~。バリバリ行くよ~?」
ξ゚⊿゚)ξ「意外ね…渡辺さんがゲームって」
从'ー'从「うん。UFOキャッチャーが好きでよく行くんだけど、最近面白いゲーム見つけたんだ~」
ξ゚⊿゚)ξ「どんなの?」
从'ー'从「うん、『ビートマニア』って言うんだ~」
ξ゚⊿゚)ξ「!!!」

312 :ああああ:2007/09/15(土) 00:40:59 ID:pGqv8mhrO
ξ゚⊿゚)ξ「ビートマニアって…ビーマニってやつ?」
从'ー'从「そうだよ~。ツンちゃんしってるの~?」
ξ゚⊿゚)ξ「名前だけね」
从'ー'从「んふふ~。私はすっごく面白いと思うよ~?」


おしゃべりしながらてくてくと二人で歩いているうちに、ビップ街にと着いた。

ξ゚⊿゚)ξ「ていうかゲーセンなんてビップ街にあったっけ?」
从'ー'从「一軒だけね~。実は隅の方に前からあっんだ~」
从'ー'从「ほらここだよ~」

渡辺が指さす先には、確かにゲーセンがあった。
入口の近くで、店員らしき人が大きな機械をいじっている。

从'ー'从「おじさんこんにちは~」
(´・ω・`)「やあ、いらっしゃいナベちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ(ナベちゃんて…リーダーかいっ!!)
(´・ω・`)「おや?そちらのお嬢ちゃんは……」
从'ー'从「お友達のツンちゃんだよ~」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、初めまして」
(´・ω・`)「やあ、ようこそゲームセンターバーボンへ。
これはサービスだから遠慮なく受け取ってほしい」
そう言って(´・ω・`)は、近くにあった紙おしぼりをツンに渡した。
ξ;゚⊿゚)ξ「ど、どうも……」从'ー'从「ところでおじさん、ビーマニどうかしちゃったの~?」
(´・ω・`)「うん、どっかのヴァカが乱暴に扱ってね。スクラッチがいかれたんだ。
すまないね。あと5分ほど待ってくれるかい?」
从'ー'从「うん、把握したよ~」
(´・ω・`)「すまないね」
从'ー'从「うん、把握したよ~」
ξ゚⊿゚)ξ(二度デマ…)

(´・ω・`)は再び大きな機械に向き直り、渡辺はUFOキャッチャーを物色していた。

从'ー'从「あ、これいけるよ~」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょwwwライターってwww」
从'ー'从「お父さんにプレゼントだよ~」

渡辺は迷いの無い手付で200円を入れる。
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?なんで200円?」
从'ー'从「ココ親切なんだよ~。一回100円だけど200円で三回できるんだ~」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ、確かに親切ね」
从'ー'从「500円で六回できるよりお手軽だよね~」

313 :ああああ:2007/09/15(土) 01:08:25 ID:pGqv8mhrO
渡辺はアームを慎重に動かす。

从'ー'从「え~い!!」

   ∥∥
   ∥∥
 // ̄\\ガッ!!
 \\||//
   ̄|| ̄
   ↑
  ライター

ξ゚⊿゚)ξ「ナイス!!」
从'ー'从「油断できないよ~。持ち上げてから動く時、アームが揺れるからね~」

渡辺の言う通り、穴へ戻る際にアームはライターをポロリと落としてしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「ありゃま」
从'ー'从「でも穴に近くなったからね~。掴まなくても引きずりで取れるよ~」

そう言うと今度は、アームをライターより少し横にずらして降ろす。

 ||    ||
 ||    ||
  \\  ||// 
    ̄  || ̄
      ↑ 
    ライター

ξ゚⊿゚)ξ「あれじゃ掴めないんじゃないの?」
从'ー'从「んふふ~♪」

ツンの質問に答えず、ニコニコとアームを見つめる渡辺。
すると…

   ∥ ∥
   ∥ ∥
 // ̄ ̄\\ガッ!!
 \\  //彡
   ̄ 彡 ̄
 ̄ ̄|彡
 ̄ ̄ 
 ↑ライター

ξ゚⊿゚)ξ「なんと!!」

開き切ったアームが持ち上がる時の、アームが閉じる反動を利用して渡辺はライターを穴へと弾き飛ばしたのだ!!

从'ー'从「いえ~い♪」
ξ;゚⊿゚)ξ「すごい……渡辺さんてプロね」

314 :ああああ:2007/09/15(土) 01:35:57 ID:pGqv8mhrO
从'ー'从「アームは弱いからね~。ヒモひっかけとか腕通しとか、テクニックいるんだ~」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでアーム弱いのかしらね。ボリ?」
从'ー'从「そのほうが燃えるからでしょ~。
金魚すくいの網が弱いのと同じじゃない~?」
(´・ω・`)「そう言ってもらって嬉しいよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ!!ごめんなさい……」
(´・ω・`)「いやいや。
ちなみに法律で景品は600円未満と決まっていてね。だからうちは最低でも500円あれば確実にゲットできるようディスプレイしてあるんだよ」
从'ー'从「だってさ」
ξ゚⊿゚)ξ「親切なんですね。本当にすみません…」
(´・ω・`)「いやいや。さてビーマニのメンテ終わったよ。お待たせ」
从'ー'从「うん、把握~」
ξ;゚⊿゚)ξ(なんかデジャヴ…)

渡辺はライターをポケットにしまうと、小走りでさっきの大きな機械に向かった。
Σξ゚⊿゚)ξ「え"!?それがビーマニ!?」
(´・ω・`)「うん。インパクトあるだろう?でも面白そうだから思い切って投入してみたんだ」
从'ー'从「ツンちゃん、こっちだよ~」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」

从'ー'从つミ〇 チャリン♪
渡辺は100円を入れると素早くモードを選択し、クルクルとレコード盤を回している。
ξ゚⊿゚)ξ「今、それは何してんの?」
从'ー'从「スクラッチで選曲してるんだよ~」

そう言って右手のレコードをクルクルと回す。
それだけでも何だか楽しそうに見える。

从'ー'从「一曲目はやっぱしこれかな~」

『u gotta groove』

♪24-7 I'm a hip 2 DA game
Try to get the deal so make bungle…

ξ゚⊿゚)ξ「…へぇ、結構ノリのいい曲ね」
(´・ω・`)「レベルも低いしクリアしやすいんだけど、最初はとっつきにくさからクリアできない人もいるんだよ」

从'ー'从~♪

315 :ああああ:2007/09/15(土) 01:54:38 ID:pGqv8mhrO
从'ー'从「わーい!!パーフェクトだ~」
ξ゚⊿゚)ξ「パーフェクト?」
(´・ω・`)「ミスしないでクリアできたようだね。
このゲームは上達すると、本当に自分が演奏しているような気持ち良さがあるんだよ。
特にレベルの低い曲はボタンをバチバチ押さないからね。純粋に曲を楽しめるんだ」
从'ー'从「二曲目はこれかな~?」

『Believe again』


ξ゚⊿゚)ξ「日本語の曲もあるんだ」
(´・ω・`)「やはりこの曲は、ボーカルの透き通る伸びのある声がミソだね。
こちらの操作はパーカッション的な音がほとんどだが、かえってそれがボーカルを邪魔しないし、バンドの一員になったかのような錯覚をみれるよ」

♪欲しいのは本当を
受け止めあう勇気ね
自分自身さらけだして
ただ真っ直ぐ生きたいだけ

从'ー'从~♪

ξ゚⊿゚)ξ「なんか…歌詞もイイ感じね」
(´・ω・`)「曲は1分ちょうだからね。起承転結がハッキリしていて聴きやすいんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほどね……」

从'ー'从「あれれ~?ちょっとミスってたよ~?」
(´・ω・`)「中番のタム部分はずらしが多いからね。でも綺麗な演奏だったよ」
从'ー'从「ありがとう~♪」


…初めて見るビーマニは、ツンの目にはとても鮮やかだった。
普通ゲームとは、モニターの中のキャラを操り、戦い、勝つ。
そんなのがほとんどだ。

でも……

ξ゚⊿゚)ξ(これは…回りを常に気にするゲームだわ)
(´・ω・`)「ほら、見てご覧ツンちゃん」

小さく指さす(´・ω・`)の先には、渡辺を遠巻きに見る人がちらほらといた。

(´・ω・`)「みんなこのゲームには興味あるんだけど、全く持って未知の世界だからね。踏み出せないし、恥ずかしい気持ちがあるんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに…。私もちょっと踏み出せないかも」

316 :ああああ:2007/09/15(土) 02:11:59 ID:pGqv8mhrO
(´・ω・`)「でも渡辺ちゃんは臆せずに踏み出したんだ。
未知の世界にね」
ξ゚⊿゚)ξ「……」

从'ー'从~♪

初めて見る、渡辺の姿だった。
当たり前のように操作し、音を奏でる姿。
まるで遥か昔から「ビーマニ」という楽器があったかのように、その大きな機械の存在感を見せつけている。

(´・ω・`)「これは近未来のジュークボックスだよ、ホント」

と、『Deep clear eyes』を演奏する渡辺に(´・ω・`)が呟く。

ヒップホップでもバラードでもない、初めて聴く音楽だった。
(´・ω・`)「これは『ドラムンベース』っていうジャンルでね。低速のベース音に高速のドラムを乗せるんだ。
メトロノームを二つ用意して60と120に合わせてならすものと考えると分かりやすい」
ξ゚⊿゚)ξ「ドラムン…ベース……」

弾けるようなタムの音とズシリと響くベースが、筐体から鳴り響いていた。

キュキュッ キュキュッ キュキュッ キュキュッ

ξ゚⊿゚)ξ「!!急にスクラッチが!!」
(´・ω・`)「この曲の一番の山場だね。
もの悲しいメロディに、絹を裂くような小さな叫びにも似たスクラッチ音が」

キュキュッ キュキュッ キュキュッ キュキュッ

从'ー'从~♪


尚も渡辺は涼しい顔をして演奏をしている。
そしてフィニッシュ。

从'ー'从「楽しかった~♪」
ξ゚⊿゚)ξ「渡辺さんすごい!!すごかったよ!!」
从'ー'从「えへへ~♪」



初めて見聞きする「ビートマニア」。
ツンの心と脳には、その鮮烈なインパクトが刻みこまれた。

ξ゚⊿゚)ξ(これが…ブーンの言ってた『ビーマニ』……)




从'ー'从「じゃ、マック行こ~」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、忘れてた」



(´・ω・`)



320 :ああああ:2007/09/15(土) 22:37:34 ID:pGqv8mhrO
DQN「なんだこれ!!糞が!!」

そう言ってUFOキャッチャーの筐体に思いっきり蹴りを入れる不良。

(;´・ω・`)「ああぁ、またあいつらだ……」

DQN1「つまんねーなここは!!」
DQN2「ちょwwwDQN3www何やってんだよ」
DQN3「ビーマニってやつだよwwwでも全然つまんねーよwwwボタン反応しねえし!!」

DQN3は拳をスクラッチに叩き付け、悪態を吐いて去っていった。

(;;´・ω・`)

DQN達が去るのを見て、ビーマニの筐体に近付く。
スクラッチが水平に回らなくなっていた。

(´・ω・`)「なんて事だ……やっぱりダメなのか…?」


~~~~~~~~~

『ショウヘイヘーーイ!!』

('A`)「おっすブーン」
( ^ω^)「おいすー」

朝の校門で挨拶を交わす二人。
二人の他にもわらわらと生徒達が昇降口へと群がっていく。

('A`)「ブーン、今日うちに来いよ」
( ^ω^)「遠慮するお。またドクオのネーチャンにゲームボーイ占領されるおwww」

ブーンがゲームボーイを忘れた翌日、学校の帰りにドクオの家に寄ったブーンだったが……

川 ゚ -゚)「ふむ。昨日は楽しませてもらったよ。心から感謝する」
( ^ω^)「おっおっ♪どういたしましてだおwww」
川 ゚ -゚)「ちなみにこのケーキはサービスだ。遠慮なく受け取ってほしい」
( ^ω^)「うはwwwデザートバイキングktkrwww」
('A`)(ネーチャン…そこまでして……)

と、ブーンの気を逸らしハマるクーでしたとさ。


( ^ω^)「返してもらえないかと思ったお」
('A`)「マジすまん。ネーチャンああ見えて熱くなる方なんだ」
( ^ω^)「んで、今度は何を食わしてくれるんだお?」
('A`)「ちげーよピザがwwwネーチャンあれからすっかりハマってよ。とうとうプレステ版買うって言うんだ」
( ^ω^)「mjd!?」
('A`)b「mjd。だから今日うち来いよ。とうとう生ビーマニだぜ」
( ^ω^)「うはwwwwktkが止まらないお!!」
≡≡⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃「喜びのブーンだお♪」
(;'A`)「ちょwww廊下走るな」


~~~~~~~~~~~

カチャカチャ キー ペチペチ

(;´・ω・`)「ふう。これでよしと」

(´・ω・`)は汗を拭い、ビーマニの筐体に電源を入れる。
しばらくして、ウーハーのきいたBGMが流れ出す。

(´・ω・`)「こればっかりは、守ってみせる……」

322 :ああああ:2007/09/15(土) 23:16:57 ID:pGqv8mhrO
ビップ街は昔は平穏で活気のあふれた商店街だったが、やはり若者離れなどの悩みが年ごとに増していた。

(´・ω・`)「ちょっと…賭けてみるか」

そうしてできたのが、ゲームセンターバーボンだった。
何とか若者に集まって貰いたい。
単純な方法かもしれないが、(´・ω・`)の考えは当たった。
学校帰りの生徒や休みの日にふらりと寄る人たちが少しずつ増えたのだ。
「古い」と言われぬよう、なるべく最新のゲームやプリクラ筐体などを導入して頑張った。

しかし、やはり昔からゲーセンは「溜まり場」である。
度々現れるDQNが、少しずつその環境を壊していった。
格闘ゲームで熱くなったDQNが、リアルに熱くなったりもした。
また、大人が少しずつ離れているようにも(´・ω・`)は見えた。

そんな時に出会ったのが、ビートマニアだった。

(´・ω・`)「こ、これは……」
(=゚ω゚)ノ「すごいだろぅ?音楽を演奏するゲームなんだよぅ!!」

ノイジーな音楽に、わくわくさせるネオン。新鮮な驚きだった。
(´・ω・`)「…ジュークボックスだよ、これは…」
(=゚ω゚)ノ「このゲームはまだまだ伸びるよぅ!!今なら最新のソフトをつけてやるょぅ!!」

迷いは無かった。
何かが絶対に変わる。そう思えた。
(´・ω・`)「いただくよ」
(=゚ω゚)ノ「ありがとよぅ!!」


そして忘れもしない導入初日。
一際目をひく筐体は、通行人のアイキャッチに抜群だった。

 (゚д゚ ))))
ミ( ゚д゚ )!!

と、思わずこっちを見る人。


(*;´Д`)「すごく…大きいです…」

と、興奮してハァハァする人など様々だった。

323 :ああああ:2007/09/15(土) 23:36:20 ID:pGqv8mhrO
しかし……

Ω<ナンダアレ…スゲエナ…
オマエ ヤッテミロヨ>Ω
Ω<ヤ、ヤダヨ!!ムズカシソウダロ!!
ナンダコノチキンヤロウ>Ω
Ω<ウルセエ コノ オタンコナス!!

と、初めて見るゲームに戸惑いを隠せない様子だった。

(;´・ω・`)「困ったね…プレイしてくれない事には魅力が伝わらないのに…」

(´・ω・`)が焦りを見せた時だった。


从'ー'从「あれれ~?何だかおっきな機械があるよ~?」

一人の女子高生が、臆せずに筐体へと近付いたのだ。
それが渡辺だった。

从'ー'从「ふ~ん。DJになれるんだ~」
从'ー'从「面白そうだからやっちゃえ~!!」

画面横の説明を見ながら渡辺はお金を入れた。

ザワ… ザワ…

\ミロヨ…チョウセンシテルヤツガイルゼ/
 \デキンノカ アノコ/ ザワ…
ザワ…   \オレニモミセロ/
  ΩΩΩΩΩΩ
  ΩΩΩΩΩΩΩ

(´・ω・`)(!!人だかりが…)
初めて見るゲーム。初めて見るプレイ。
ゲーセンの中にいた人も歩いていた人も、興味に駆られて渡辺を見ていた。

从'ー'从「これやってみよ~」

渡辺が選んだ一曲目は『u gotta groove』だった。

从'ー'从「はわわわ~、難しいよ~」

最初はボタンの位置を間違えたりしていたが、途中から立て直す。
ラップの合間に入るスクラッチ音、それを操作する渡辺の姿を見るオーディエンス。
その渡辺の姿は、まさにクラブDJのごときだった。

324 :ああああ:2007/09/15(土) 23:53:54 ID:pGqv8mhrO
从'ー'从「あれれ~?もう終わっちゃったよ~?」

 \…オオオオオオ!!/ ワイワイ

\スゲエナ…クリアシタゾ/

ワイワイ \アアイウゲームナンダナ/
  ΩΩΩΩΩΩΩ
 ΩΩΩΩΩΩΩ


無事に一曲目をクリアした渡辺に、オーディエンスは小さな歓声をあげた。

(´・ω・`)「…………」

昔、格闘ゲームが全盛の頃は、よくああいう人だかりがあったものだった。
しかし衰退を見せつつある昨今、(´・ω・`)が久しぶりに見る光景だった。

从'ー'从「DJ BATTLE~?」

渡辺が三曲目に選んだのは『DJ BATTLE』だった。
オーディエンスも「Ω<ナンダナンダ?」と興味深々だ。

COM♪キュッキュッキュキュッキュキュッ
从'ー'从♪キュッキュッキュキュッキュキュッ
華麗にCOMのスクラッチをトレースする渡辺。

そして四曲目。
从'ー'从「ハウス~?何それおいしいの~?」

『20.November』がズシンズシンと鳴り響く。
どこか懐かしく、そして耳に残る『あの』メロディー。

♪You can dancing and grooving all night long
Let get everybody dance now…

(´・ω・`)(こ…これは…)

从'ー'从「あれれ~?クリアできちゃったよ~?」

今度はハッキリと、オーディエンスの「ΩΩΩΩ<オオオオオオ!!」と言う声が聞こえた。

325 :ああああ:2007/09/16(日) 00:06:45 ID:pGqv8mhrO
从'ー'从「ふええ~?何なの~?」

渡辺はオーディエンスの声に驚いて振り向くと、そのオーディエンスに驚き店内へ飛んで行ってしまった。



(´・ω・`)「あ、ちょっとキミ!!」
从'ー'从「はい?何ですか~?」

何事も無かったようにUFOキャッチャーに興じる渡辺に、(´・ω・`)は声をかけた。

(´・ω・`)「えっと…キミは『渡辺さん』と言うのかな」
从'ー'从「あれれ~?何でわかるんですか~」
(´・ω・`)「いや、バックに名前が……」
从'ー'从「あ、本当だ~」

非常にほんわかとした女の子だと思った。
だからこそ、ビートマニアという『大物』と渡り合えたのだろう。
と、妙に納得した。

(´・ω・`)「いや、嬉しくってね。キミがあのゲームの初プレイ第一号なんだ」
从'ー'从「そうなんですか~?あんなに楽しいゲームなのに~」
(´・ω・`)「やっぱり…楽しいかね!?」
从'ー'从「うん!!楽しかったよ~!!またやりたいんだけど……」

渡辺の視線の先には、さっきまでのオーディエンスがビーマニに興じる姿があった。
从'ー'从「今日はもう無理みたいだね~。残念」
(´・ω・`)「そうか、すまなかったね。
でも渡辺さんのおかげで、あの人たちもビーマニをやってくれてるんだよ」
从'ー'从「あれ『ビーマニ』って言うんだ~」
(;´・ω・`)「あ、ああ。ビートマニア。略してビーマニ、さ」
从'ー'从「んふふ~。また今度来るよ~。『ビーマニ』やりにね~!!」

そう言って、渡辺はにっこりと笑った。
愛しいぐらいに、可愛らしい笑顔だった。

326 :ああああ:2007/09/16(日) 00:24:46 ID:OSzK1bfWO
(´・ω・`)「うん。ぜひまた来て欲しいよ」
从'ー'从ノシ「絶対くるよ~」
(´・ω・`)「あ、待ってくれキミ!!」
从'ー'从「ほええ?」

(´・ω・`)は帰ろうとする渡辺を呼び止めた。
そして近くにあったUFOキャッチャーの景品を入れる小さなドアを開け、そこへ手を伸ばした。

(´・ω・`)「これはサービスだから、遠慮なく受け取ってほしい」
从'ー'从「わああ~!!カッコE~!!」

渡辺に手渡されたのは『beatmania』とロゴの入った手袋のプライズだった。
(´・ω・`)「いつもUFOキャッチャーしてくれているからね。お礼だよ」
从'ー'从「ありがとう~!!」

そう言って早速手袋をつける渡辺。
蛍光オレンジという奇抜な色だが、渡辺は抵抗なく身につけてはしゃいでいる。
(´・ω・`)(自身がついたよ…ありがとう渡辺さん…)

ビートマニアの潜在的な魅力を目の当たりにした一日だった。

~~~~~~~~~~
(´・ω・`)(今日は来ないのかな、渡辺さん)


メンテを終えてから次々にビーマニには人が来るが、その中に渡辺の姿は無かった。

(´・ω・`)(ビーマニのおかげで人が来たが、DQNも増えた気がする。
私の気のせいだろうか…)


老若男女問わず嫌われるDQNの存在が(´・ω・`)は心配だった。
再び人が離れるのは見たくない。

特に……

从'ー'从『また来るからね~』


(´・ω・`)「…あきらめないよ、私は」

(´・ω・`)がふと外を見ると、眩しいぐらいの西日だった。

ビップ街が、オレンジ色に染まっていった。






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