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タイムトラベル -前編-

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beatnovel

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148 :タイムトラベル1:2008/01/17(木) 01:28:39 ID:v0nQBbeA0
この話は今から相当未来での話である。その時代に音楽ゲームは無い。


その日、学生をやっているドクオは学校帰りの途中にある人物を見かけ、すれ違った。
両目が無い老人だった。両目にあたるところにくぼみが出来ている老人だ。
正直、とても見れるものじゃない。
気味が悪すぎる。誰もがそう思うだろう。
ドクオもそう思った。こんな人と交流したく無いなと。
両目が見えないので、歩道の展示ブロックを杖を使いながらその老人は歩いていた。
せめてサングラスくらいはかけてくれよ…とドクオは思いながら老人を見送っていると、彼がこけたのが見えた。
無意識のうちにドクオは老人の下に駆け寄り助け起こしていた。

('A`)「爺さん!大丈夫か?」

ドクオは呼びかけながら助け起こす。老人は大丈夫だとしわがれた声で喋りながら立ち上がった。
老人はドクオに親切にしてくれた礼として、自分の家でもてなしたいと申し出た。
悪い話ではないとドクオは思い、その申し出を受け入れた。


('A`)「はぁ、デカイ家だな。この家は本当に爺さんの家かよ?」

老人の後をついてゆくと、そこには豪邸と呼べる大きな家があった。無駄にピカピカして見える。

「その通りだよドクオ君。ここが僕の住まいだ。ここでご馳走させて欲しいのだが、どうかな?
あと、僕の話し相手になってくれると嬉しいのだが、頼まれてくれないかな?」

('A`)「勿論。美味いものを食えるって話、ブーンが聞いたら嬉しがるだろうな」

「それじゃ、そのお友達も呼べばいい。人が多ければ多いほど、食べ物と言うものは美味しくなるからね」

老人のこの言葉に甘えて、ドクオはブーンを呼び出すことにした。
自分の携帯電話からドクオの携帯電話にコールした。何コールかしてからブーンが電話に出た。

( ^ω^) 「ドクオ、一体僕に何の用だお?」

('A`)「あぁ、さっき両目の無い爺さんを助けたらご馳走してくれるってさ。
友達も誘えと言われたからな、お前を誘おうと思ったわけだ、来るか?」

( ^ω^) 「勿論行くお!場所はどこだお?」

('A`)「あぁ、いつもお前が誰が住んでいるんだろうねとか言ってた豪邸だ。じゃ、切るぞ」

言って、ドクオは携帯電話のボタンを押して自分のズボンのポケットに押し込んだ。
老人は盲目の人間とは思えない、普通の人間が日常生活をするのと同じ位の早さで自分の靴を玄関に置いて奥へ歩いていった。
ドクオはその後についてゆく。三階建ての豪邸の一階の中で一番大きい部屋が食事を取る部屋だった。
大きなテーブルに沢山のイスが置いてあるが、イスの数は十を軽く超えていると見た目で分かった。
ドクオがブーンに電話をかけてから約十分後にブーンが豪邸に到着、イスに座って豪華料理のお出ましを待っていた。

149 :タイムトラベル2:2008/01/17(木) 01:31:17 ID:v0nQBbeA0
よくテレビで見るような豪華料理が山のようにテーブルに積まされていた。
そのうち三皿を食べてドクオは食事を戻してしまった。老人に侘びをいれたが老人は笑って許した。
ブーンは出された食事を全て平らげ、ご馳走様を言った。
それから、ドクオが思い出したように言った。

('A`)「そういえば爺さん、話があるって言ったっけ?」

「あぁ、ちょっと重い話かな。まぁ僕の愚痴のようなものだと思って聞き流してくれても構わないさ。
…今からもう50年近く前の話かな。今でもやっているのだが、何でも屋とゲームセンターを経営していてね。
その時、僕も何でも屋の働く人をやっていてね。大抵はゲームセンターに出てくるマナーのなってない人達を
どうにかして、迷惑しているお店やお客さん達を助ける仕事を引き受けていたかな」

( ^ω^)「どうしてそんな仕事ばっかり引き受けたんだお?」

「それはね、僕の恩人がやっていた事を真似したかっただけなんだ。
僕がまだこの町に住んでいなかった頃、港町でお坊ちゃん育ちをしていたんだ。
両親が良い仕事をしていてね。その恩恵で暮らしに困ることは無かったよ。
それで僕が17位の時かな、旅人さんと出会ったんだ。
港町のデパートのゲームコーナーで馬鹿にされた僕の事を気にかけてくれてね。そこで、旅人さんに頼んだんだ」

('A`)「何を頼んだんだ?」

「僕が馬鹿にされた理由は、ポップンミュージックって言う音楽ゲームで…あぁ知らないか。
今は音楽ゲームなんて知ってる人はいないもんね。まぁとにかく、そういうゲームが昔あったんだ。
それを初めてやった時に馬鹿にされちゃってね。あまりにも下手だったから。
その時に旅人さんと出会った。旅人さんはそのゲーム…ポップンが結構上手い人でね。
お金を払って教えてくれるように頼んだんだ。そのために無理言って筐体を買ってもらったりして。
旅人さんとは結局さよならしたんだけど、さよならする一週間前からその時まで一緒に仕事していたんだ。
デパートのゲームコーナーに大量に湧いていた、マナーのなってない連中をどうにかするって仕事をね。
旅人さんと協力して、その仕事は成功したよ。けれど、物事に100%ってものは無いんだ。
少しばかりだけどまだ駄目な人がいたんだ。そこで僕はそんな人が出てこないようなゲーセンを作ろうと決めた。
色んなゲーセンをまわったよ。そこで僕は学んだ。
本当に良心のある人だけが入店しないとね、良いゲーセンという環境は作れない。
心が駄目な人がゲーセンに入ると、何かのゲームが終わってしまう。
…音楽ゲームと呼ばれたジャンルのゲームもそうして駄目になった。上級者が頭のおかしい人が多くてね。
それで新規プレイヤーが増えなくなった。それで音楽ゲームの人口は減って…」

('A`)「音楽ゲームというジャンルは廃れていった」

「そう。あとドクオ君、人が話をしているときに口を挟まないでくれよ。
何でも屋とピースって言うゲーセンを経営し続けて、今こうして暮らしているんだ」

( ^ω^)「けど、それじゃお爺さんの両目が無い理由が見当たらないお、どうして両目が無いんだお?」

「それは…あるゲーセンへマナーのなってない一人のお客さんを更生しに行った時の事だよ」

150 :タイムトラベル3:2008/01/17(木) 01:34:54 ID:v0nQBbeA0
「旅人さんと出会ってから三年後、僕はその仕事の為にある町へ行ったんだ。
その時に僕は旅人さんと出会った。その時彼の娘さんもいたんじゃなかったかな。
それで僕が旅人さんにその町へ来た理由を話すと、旅人さんは協力すると言ってくれたんだ。
問題のゲームセンターに、問題の人は一人しかいなかった。僕はその人に注意を呼びかけた。
その人は反抗的な態度をとってね…僕に突っかかってきたんだ。
一応僕もこういう時の為に護身術を身に付けていたんだけど、
その人はドラムマニアっていうゲームで使うドラムのスティックで応戦してきてね。
やりあっている内に旅人さんが到着したんだけど、その時には二本のスティックが…」

('A`)「爺さんの両目に突き刺さってしまったと」

「うん、その時から僕は盲目の障害者になった。もう大好きな音楽ゲームは出来ないんだなと思うとね、物凄く悲しかった。
ただ嘆くしか無かったよ。それで今まで生きてきたけど…疲れたね、もうね」

('A`)「あぁ、聞き流せるような話じゃねぇや。…爺さん、絶対に自殺なんてしちゃ駄目だぜ」

「自分から死ぬ勇気は無いからね。そんな事はしないさ」

('A`)「…なぁ爺さん、俺達には何か出来ることはないのか?」

老人はドクオのこの問いかけに反応した。老人の口元が笑んでいた。
老人は豪邸を案内した。二人は老人についていった。地下一階へ下りて、実験室と書かれたドアを開けて入った。
そこには大きな穴があった。何のための穴かは分からないが、とんでもない大きさの穴だ。老人が説明した。

「これはタイムマシンだよ」

あまりにも短すぎる説明に二人は吹いてしまった。こんな大穴がタイムマシン?
さっきは変な話をしたかと思えば今度は穴がタイムマシンだと言い出した。
…ボケているのか、この老人は?二人がそう思っている時、老人が再び語りだした。

「この穴の為に僕はこの家を建てたも同然なんだ。…穴に落ちる前に時間と場所を宣言すればその時間に飛べる。
前に一度ストップウォッチで試してみたら、この穴は本当にタイムマシンだと言う事が分かった。
…もしかしたら、これで誰かを送って僕を助けてくれたら僕は失明なんてしなかったかもしれないんだ」

('A`)「ストップウォッチの話は信じようか。けれど、その飛んだ時間からはどうやって戻るんだ?」

「このインスタントカメラで君達を撮れば、帰ってこれるはずだ。僕が保障する。
僕もこのタイムマシンで飛んだ時間先で、カメラで自分を撮ったら帰ってこれたからね」

( ^ω^)「それなら安心だお。お爺さんの両目を救うために僕は飛ぶお。ドクオはどうするお?」

('A`)「しかたねぇ、騙されたと思って穴に飛び込んでやるか」

老人はその言葉を聞いて喜んだ。二人に頼んだよと言ってから時間移動先の時刻と場所を宣言した。

「2010年、7月24日、平田町、ゲームセンタークリア!」

宣言し終えると、穴の底の方から青白い光が噴出した。ブーンは我先にと飛び込み、姿を消した。
ドクオは老人からカメラを受け取った時、最後に質問した。

('A`)「なぁ爺さん。あんたの名前はなんていうんだよ」

「僕かい?僕の名前は…ゆう。松木ゆうって名前だよ。…それじゃ、よろしく頼むよ」

はいよ、とドクオは返して光が噴出する穴に飛び込んだ。
光が収まった実験室には松木の姿しかなかった。





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