アメンエムハト三世

【元ネタ】史実、ギリシャ神話…?
【CLASS】ランサー
【マスター】
【真名】アメンエムハト3世
【性別】男性
【身長・体重】192cm・74kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力D 耐久A 敏捷C 魔力B 幸運B+ 宝具B++
【クラス別スキル】
対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

【固有スキル】
拠点防衛:A
 国境神セソストリスの祝福(脅迫)から獲得した能力。陣地の要塞化技術や、陣地防衛戦に限定した軍略の複合スキル。
 自らの陣地における戦いにおいて、陣地や守備隊の防御力を向上させる。
 ダメージカット効果もある。

陣地作成:A
 キャスターでも無いのに最高クラスの陣地作成を持つ。が、ランサーはこれでも低いと不満げ。
 主な用途は「迷宮」の増築だが、前線基地として「要塞」を建造することも可能。
 完成に時間も金もかかるスキルでありながら、ランサーは要塞相当の陣地を使い捨てたり見事な御大尽ぶりを披露する。
 恵まれすぎた生前のためか、陣地関連のコスト計算ができないらしい。金持ち病である。

神性:B
 ファラオとして半神相当の神霊適性を持つ。セベクであるところのホルスの化身。
 またグレコローマン時代においてファイユームの神ラマレスとして崇められたらしき形跡がある。

使い魔(鴉):E-
 カラスを使い魔として使役する。
 最低ランクのため、契約には接触行為を必要とする。

【宝具】
『淫売は死ね!(エリュトラ・ボーロス)』
ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大捕捉:一人
 セソストリスの子ペロスの逸話から獲得したもの。
 自分自身へ任意の期間ブラインド(盲目)のステータス異常を付与し、
 解除後、視覚を封印していたのと同ターンの間、女性に対し高い攻撃力を持つ炎を纏う。
 解釈次第では不貞暴きの概念にもなり得ていた事実上の女性特攻宝具だが、逸話から槍の形状を取っている。

『迷宮王の大墳墓(ラカレス・ラビュリントス)』
ランク:B+++ 種別:迷宮宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:???
 宝具『至大の葬祭殿(アンフ・アメンエムハト)』を核として展開される大迷宮。
 クレタ島の迷宮を遥かに凌駕し、大ピラミッドを凌ぐ偉業と讃えられた超建築を地上/地下に出現させる大宝具。
 内部はエネミーや即死トラップに溢れた超難易度ダンジョンであり、最深層ではセベクの神獣・大鰐が無数に徘徊するという。
 周囲を空間ごと「迷宮」に置換すると同時に、世界の記憶にそれを根付かせることで、
 迷宮の主が現界する限り、半永久的に存在し続ける特性を持つ。
 その展開手段は"固有結界"や"世界の上書き"とは根本から異なっており、
 どちらかといえば"陣地作成"スキルに近い。

『鰐の深淵(メナス・モエリス)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:-
 セベク神の支配するナイルの淵源。次元陥穽メナス。
 多くの神話に語られる原初の混沌ではあるのだが、海に感慨を持たない上エジプトの宗教観ためか、
 泉の底、地底湖といった“澄んだ暗黒”のイメージに象られている。
 接触したものは存在ごと混沌に呑まれ、消滅する。
 大ピラミッドを凌ぐ大迷宮、を超える偉業と絶賛された「湖」の真の姿であり、原初(メネス)へと通じる次元の穴。

【Weapon】
『至大の葬祭殿(アンフ・アメンエムハト)』
 大迷宮展開の核となる概念。
 すなわち、実在し、神話に先在し、かつ現存するという怪物級の神秘である。
 概念的・空間的強度は数ある宝具の中でも群を抜き、
 「クレタの迷宮は消え去ったがエジプトの迷宮は今なお存在する」という歴史家の言葉のように、
 ダイダロスミノス王、あるいはその“牡牛”の迷宮とかちあったとしても、この迷宮は一方的に存在し続けることだろう。
 固有結界やそれに準ずる大魔術の成果を「迷宮」でぶち抜く荒業が可能。もはや大迷宮はひとつの怪物と言える。

『鰐の王笏』
 次元の穴を開き、深淵を明らかにするキーアイテム。混沌杖。
 ペロス王の逸話など目隠しに過ぎず、これこそがランサーの真の“槍”である、とも。
 迷宮王を自認するランサーは“いい罠”を作るため気軽にもこれを使い、迷宮にはたまに何の前触れもなく次元の穴が開いている。
 当然だが触れればキャラロストである。

【解説】
 強大な征服者であった父センウセレト3世の権益を継承し、中王国最盛期を統治したファラオ。迷宮王。
 ギリシャ人に記録された「迷宮」よって、古王国以来となるエジプト中王国のピラミッド建造ブームの頂点に立つ。
 エジプトの大迷宮は古代人によく知られており、
 シケリアのディオドロスはダイダロスがエジプトの迷宮に感銘を受けてクレタ島の迷宮を作ったとし、
 プリニウスは“クレタ島の迷宮などエジプトの大迷宮の百分の一の規模にすぎない”と断言する。
 ヘロドトスは迷宮が“十二人の王”によって造られたとし、傍にあったという人口湖と合わせて活写している。
 マネトー断片は第12王朝のセソストリスの次の王ラマレスが迷宮を自分の墓として築いたと述べ、
 これらの記述はすべてアメンエムハト3世とハワラ・ピラミッド・コンプレックスに帰される。

 45年という彼の治世は概ね平穏であり、鉱山目的の外征、セムナの要塞増設などの軍事的行動しか知られない。
 むしろスネフェル以来となる個人で複数造られたピラミッドや、エジプト美術の白眉である独創的な王の彫像が
 金余りしまくった黄金時代を偲ばせる。が、後の王国の迷走ぶりから、王室財産を一代で使い切った疑惑も無きにしも非ず。

 ディオドロスはセソオーシスより数代後の王メンデス、別名マルスが自分の墓として迷宮を作ったとし、
 それがミノスの宮廷に模されたとするが、別に最初の王メナスがワニに助けられ、同様に墓として迷宮を築いたとも記述する。
 だが、ワニの加護ある王としては、メナスよりメンデスのほうが妥当な名であろう。
 中王国時代に全盛を迎えたセベク崇拝の最も強力な支援者は、誰あろうアメンエムハト3世であった。
 アメンエムハト3世を指すギリシャ語名は歴史家によって大いに異なるが、
 それらの中でもメンデス、マルス、マレス、ラマレスなどの名は明らかにメネス、メナス(そしてミノス)と似通う。
 ギリシャ人の資料上の混乱は、古王国をすっ飛ばして彼を初期王朝時代に結びつけたといえよう。

 床が開いてワニがうごめく地下プールに真っ逆さまという「あれ」が実際にできる数少ないサーヴァント。
 中王国最大の王であり、チートファラオの一人。なお、混沌杖は皆鯖のアレ。
 万古不易の迷宮のせいで迷宮墳墓のランク付けに迷ったが、なんとかなった感が多少ある。
最終更新:2017年03月22日 21:36