俺はさ、忍びだから忍びのなかにある、暗黙の了解とかはすごい大切にするんだよ、うちの忍達の事情とかなんて、絶対に暴かないよ。
暴ける技術は、仕事にしか使わない。
解っちゃった事でも不要だなあって思ったら、何にも言わない。
風魔ちゃんもさ、忍びだったらわかるよね。
「うん、じゃあ風魔ちゃんはうちの人だねえ」
目を閉じたまま言うと、頷いたような気配が微かにした。
いや、……気配薄くってさ……確信あんまりないけど。
「…………」
「だから、いいんだよー」
目を閉じたまま重ねて言うと、微かな気配が動いた。
兜、締め直したのかな?
風魔ちゃんが手を取って、顎の辺りを触らせてくれた。
あ、うん兜の緒だね。
うんいい子いい子。
にっこり笑って目を開くと、そこには赤くペイントされた興福寺阿修羅像があった。
暴ける技術は、仕事にしか使わない。
解っちゃった事でも不要だなあって思ったら、何にも言わない。
風魔ちゃんもさ、忍びだったらわかるよね。
「うん、じゃあ風魔ちゃんはうちの人だねえ」
目を閉じたまま言うと、頷いたような気配が微かにした。
いや、……気配薄くってさ……確信あんまりないけど。
「…………」
「だから、いいんだよー」
目を閉じたまま重ねて言うと、微かな気配が動いた。
兜、締め直したのかな?
風魔ちゃんが手を取って、顎の辺りを触らせてくれた。
あ、うん兜の緒だね。
うんいい子いい子。
にっこり笑って目を開くと、そこには赤くペイントされた興福寺阿修羅像があった。
は?
目を閉じる。
いや、あれ?
阿修羅像?なんかあの眉ひそめてる正面のアレ、いやあれ?
あれ生身?人の顔?ていうかっ!
いや、あれ?
阿修羅像?なんかあの眉ひそめてる正面のアレ、いやあれ?
あれ生身?人の顔?ていうかっ!
顔――――――!?
驚愕に目を見開くと、こんどは兜を元通り付けた風魔ちゃんがいた。
「ふふふふ、ふーまちゃんっ!?」
こくりと頷かれる。
あのねあなたね、そんなあっさりとね、ていうかそのえとあのちょっと!
「忍びの純情なんだと思ってるの――っ!」
混乱して訳わかんない事口走ると、風魔ちゃんはこっくりと頷いた。
すいませんねえ今混乱しててどういう意味のこっくりだかもう、さっぱり!
くっそうどうして俺様忍びかな!
見ちゃったら忘れないでしょーが!
ひそめてた眉の形も左右対称の、仏像みたいな形の真っ黒な目も……?
「ふふふふ、ふーまちゃんっ!?」
こくりと頷かれる。
あのねあなたね、そんなあっさりとね、ていうかそのえとあのちょっと!
「忍びの純情なんだと思ってるの――っ!」
混乱して訳わかんない事口走ると、風魔ちゃんはこっくりと頷いた。
すいませんねえ今混乱しててどういう意味のこっくりだかもう、さっぱり!
くっそうどうして俺様忍びかな!
見ちゃったら忘れないでしょーが!
ひそめてた眉の形も左右対称の、仏像みたいな形の真っ黒な目も……?
ひそめた眉?
表情?
風魔小太郎、一言も発さぬ顔色も変えぬ伝説の忍び、が?
あ、れー?
だってそんなさあ、表情でなくちゃならないような窮地かな?
ていうか、ものすっごく嫌なら兜とるわけないし。
嫌そうな顔じゃなかったし。
あの、不思議な表情を浮かべた阿修羅像と同じ。
どういう思いを浮かべたらああいう表情になるんだろう。
言葉を喋らないから、風魔ちゃん自身しか解らないだろうね。
表情?
風魔小太郎、一言も発さぬ顔色も変えぬ伝説の忍び、が?
あ、れー?
だってそんなさあ、表情でなくちゃならないような窮地かな?
ていうか、ものすっごく嫌なら兜とるわけないし。
嫌そうな顔じゃなかったし。
あの、不思議な表情を浮かべた阿修羅像と同じ。
どういう思いを浮かべたらああいう表情になるんだろう。
言葉を喋らないから、風魔ちゃん自身しか解らないだろうね。
うん。
だから視界も狭くなるのに目元覆ってるの?
眉とか、目には感情が滲むから?
あらららららら。
いや、推測だけどね、そんなん聞きませんよ忍びの仁義ですよ。
「……………」
気配が変わった。
ほんの少し笑ったような気がした。
多分兜の下で、目と眉だけで。
いいやもう、気まぐれで取ったって事にしよう。
忍びだって気まぐれ起こす時くらいありますって。
「えっとね。じゃあ、さっきの話の続き」
とにかく何もなかったように言うと、風魔ちゃんは姿勢を正した。
「ずっとってなるとね、他の国に警戒され過ぎちゃってちょこーっと困る」
「………」
口を挟まれないって解っているけど、一呼吸置いて風魔ちゃんの顔を窺ってから続けた。
「で、武田はまたそのうち戦いに出る事になる。
解ってると思うけど、北条との決着とか上洛とか、いろいろあるからね」
「………………」
風が真田の領地を撫でる音がする。
「その中にはもう、ものすっごい激戦もあると思うんだ。
これだ!っていう激戦があったら、俺は風魔ちゃんを一番危ないトコに行かせる。
そこで……死んでくれ」
最後だけ低く言って、風魔ちゃんが頷く。
眉とか、目には感情が滲むから?
あらららららら。
いや、推測だけどね、そんなん聞きませんよ忍びの仁義ですよ。
「……………」
気配が変わった。
ほんの少し笑ったような気がした。
多分兜の下で、目と眉だけで。
いいやもう、気まぐれで取ったって事にしよう。
忍びだって気まぐれ起こす時くらいありますって。
「えっとね。じゃあ、さっきの話の続き」
とにかく何もなかったように言うと、風魔ちゃんは姿勢を正した。
「ずっとってなるとね、他の国に警戒され過ぎちゃってちょこーっと困る」
「………」
口を挟まれないって解っているけど、一呼吸置いて風魔ちゃんの顔を窺ってから続けた。
「で、武田はまたそのうち戦いに出る事になる。
解ってると思うけど、北条との決着とか上洛とか、いろいろあるからね」
「………………」
風が真田の領地を撫でる音がする。
「その中にはもう、ものすっごい激戦もあると思うんだ。
これだ!っていう激戦があったら、俺は風魔ちゃんを一番危ないトコに行かせる。
そこで……死んでくれ」
最後だけ低く言って、風魔ちゃんが頷く。




