今日は本当に良い天気だ。
北条が落ちた日に似てるね。
「そのあと、名前を変えて変装してここに戻ってきて。
風魔ちゃんの力見込んで言ってるんだからね?」
本当に死ぬんじゃないよ。
激戦なんか、何回だってあるんだから。
風魔ちゃんはやっぱり頷いてくれて、それから少し迷うように自分を差し、こっちに手のひらをさしのべた。
「あ、ええと……名前?そうだねえ、うん、俺が考えてあげようか」
一度空を見上げる。木々の下を、ヒバリがすぅっと飛んだ。
あっはっは上空を飛ぶ忍びの目は誤魔化せる場所だけど、鳥からは丸見えですね。
ひょいと手を組んで、濃霧をうんだ。辺り一面がかすむ。
「俺様独自の技、霧隠の術だよ」
元々はどっかの誰かさんが技を習得する時、
数え切れないくらい!ボヤ起こしてくれたんでね。
必要に迫られて編み出したんです。
だから消火ワザだけど、それだけじゃ勿体なくていろいろ有効利用してる。
「………」
頷かれる。
「この術の名前をあげるね。霧隠……下の名前は、」
強そうなのが良いよね。さすけ、とか、こたろう、とかさー、弱そうじゃない。
そりゃ下っ端に相応しいですけど。
いいじゃないの、強そうなの付けたって。
「才蔵」
どう?と風魔ちゃんを見る。無言無表情微動だにせず。
良いでも悪いでもないその反応って、一体。
「気に入らない?男名前だから?」
わあ無反応。もしかして図星なんですかー。
「くのいちになって戻ってきたい?」
それには迷いなく首を振られる。そうだね、うん。何もかも曖昧の方がいいよねえ。
俺みたいな、顔売れまくった忍びって本当どうなのって思うし。
「あ、一応ちゃん付けはみんながいる前だとしないからね、当たり前だけど」
「………」
ああ、やっと肯きが戻りましたよ。
「んで、術と同じ名前で紛らわしいから、
戻ってきた暁には霧隠才蔵、略してキリって呼んじゃう」
結構可愛いと思うんですがどうでしょう、これでも嫌ですか。
窺いながら喋ると、やっと頭が上下に揺れ、次いで兜の緒に手がかかる。
「いやいやいやいや、それはもう十分、せっかく顔を隠して売ってるんだから、そのままにしときなさいよ。安売りしたら勿体ないでしょ?」
従順に動きが止まる。
「だーいじょうぶ、嬉しがってくれたのはちゃんと解ったからね。
じゃあ、お館様に報告する時間まで、お仕事しよう」
日に照らされた濃霧が明るい白に輝く中を駆けだして説明する。
今日は忍隊の模擬戦があるんだ、片方の忍隊指揮してね。
見本見本、他の忍びのやり方見てみたいしねー。
走りながら、風魔ちゃんの首が軽く揺れた。
北条が落ちた日に似てるね。
「そのあと、名前を変えて変装してここに戻ってきて。
風魔ちゃんの力見込んで言ってるんだからね?」
本当に死ぬんじゃないよ。
激戦なんか、何回だってあるんだから。
風魔ちゃんはやっぱり頷いてくれて、それから少し迷うように自分を差し、こっちに手のひらをさしのべた。
「あ、ええと……名前?そうだねえ、うん、俺が考えてあげようか」
一度空を見上げる。木々の下を、ヒバリがすぅっと飛んだ。
あっはっは上空を飛ぶ忍びの目は誤魔化せる場所だけど、鳥からは丸見えですね。
ひょいと手を組んで、濃霧をうんだ。辺り一面がかすむ。
「俺様独自の技、霧隠の術だよ」
元々はどっかの誰かさんが技を習得する時、
数え切れないくらい!ボヤ起こしてくれたんでね。
必要に迫られて編み出したんです。
だから消火ワザだけど、それだけじゃ勿体なくていろいろ有効利用してる。
「………」
頷かれる。
「この術の名前をあげるね。霧隠……下の名前は、」
強そうなのが良いよね。さすけ、とか、こたろう、とかさー、弱そうじゃない。
そりゃ下っ端に相応しいですけど。
いいじゃないの、強そうなの付けたって。
「才蔵」
どう?と風魔ちゃんを見る。無言無表情微動だにせず。
良いでも悪いでもないその反応って、一体。
「気に入らない?男名前だから?」
わあ無反応。もしかして図星なんですかー。
「くのいちになって戻ってきたい?」
それには迷いなく首を振られる。そうだね、うん。何もかも曖昧の方がいいよねえ。
俺みたいな、顔売れまくった忍びって本当どうなのって思うし。
「あ、一応ちゃん付けはみんながいる前だとしないからね、当たり前だけど」
「………」
ああ、やっと肯きが戻りましたよ。
「んで、術と同じ名前で紛らわしいから、
戻ってきた暁には霧隠才蔵、略してキリって呼んじゃう」
結構可愛いと思うんですがどうでしょう、これでも嫌ですか。
窺いながら喋ると、やっと頭が上下に揺れ、次いで兜の緒に手がかかる。
「いやいやいやいや、それはもう十分、せっかく顔を隠して売ってるんだから、そのままにしときなさいよ。安売りしたら勿体ないでしょ?」
従順に動きが止まる。
「だーいじょうぶ、嬉しがってくれたのはちゃんと解ったからね。
じゃあ、お館様に報告する時間まで、お仕事しよう」
日に照らされた濃霧が明るい白に輝く中を駆けだして説明する。
今日は忍隊の模擬戦があるんだ、片方の忍隊指揮してね。
見本見本、他の忍びのやり方見てみたいしねー。
走りながら、風魔ちゃんの首が軽く揺れた。
頷くように。




